第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

2025年9月

売上高

(千円)

353,887

419,524

576,422

887,615

1,507,028

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

△82,663

△241,255

△88,406

39,846

377,478

当期純利益又は
当期純損失(△)

(千円)

△84,363

△243,843

△93,993

39,249

439,801

持分法を適用した場合の
投資利益

(千円)

―

―

―

―

―

資本金

(千円)

100,000

100,000

100,000

100,000

100,000

発行済株式総数

(株)

15,475

20,295

20,295

20,295

4,059,000

 普通株式

(株)

11,000

11,000

11,000

11,000

4,059,000

 A種優先株式

(株)

3,275

3,275

3,275

3,275

―

 B種優先株式

(株)

1,200

1,200

1,200

1,200

―

 C種優先株式

(株)

―

4,820

4,820

4,820

―

純資産額

(千円)

△26,067

404,889

310,895

350,145

789,946

総資産額

(千円)

151,156

674,310

681,876

804,464

1,428,868

1株当たり純資産額

(円)

△26,369.45

△32,121.72

△36,753.09

△174.10

194.62

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

―

―

―

―

―

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

△5,451.59

△12,504.43

△4,631.37

9.67

108.35

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

―

―

―

―

―

自己資本比率

(%)

△17.2

60.0

45.6

43.5

55.3

自己資本利益率

(%)

―

―

―

11.9

77.2

株価収益率

(倍)

―

―

―

―

―

配当性向

(%)

―

―

―

―

―

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

△15,449

△180,156

24,291

116,831

590,274

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

△4,545

△4,242

△2,205

―

△21,019

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

△9,096

680,266

△8,940

△8,940

△16,104

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

109,232

605,099

618,105

725,995

1,279,198

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(名)

19

25

27

28

28

(5)

(7)

(6)

(6)

(5)

 

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を第15期の期首から適用しており、第15期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

4.当社は、2025年5月15日開催の取締役会において2025年6月12日付で普通株式を対価とする取得条項に基づき、A種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式の全てを当社が取得し、引き換えにこれらの種類株式の株主に対して普通株式の交付を行い、同日付で当社が取得したこれらの種類株式の全てを消却しております。

5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。また、第14期、第15期及び第16期については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

6.第14期、第15期及び第16期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

7.株価収益率は当社株式は非上場であるため記載しておりません。

8.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

9.第18期に利益の金額が経常利益から当期純利益にかけて増加しているのは、法人税等調整額(益)の計上によるものであります。

10.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

11.第17期及び第18期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。なお、第14期、第15期及び第16期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しておりますが、当該各数値については金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

12.当社は、2025年6月13日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、第17期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

13.当社は、2025年6月13日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第14期、第15期及び第16期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

14.第14期から第17期までの1株当たり純資産額については、優先株主からの払込金額を控除して算定しております。

 

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

2025年9月

1株当たり純資産額

(円)

△131.85

△160.61

△183.77

△174.10

194.62

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

△27.26

△62.52

△23.16

9.67

108.35

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

―

―

―

―

―

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

―

―

―

―

―

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

 

 

 

2 【沿革】

当社は、「Happy Creators、Happy Creation―クリエイターがもっと活躍できる世界に―」をコーポレートビジョンとして、2007年10月に創業しました。当社設立以降、現在までの沿革は次のとおりであります。

 

年月

概要

2007年10月

岡山県岡山市にて音楽投稿サービスの運営を行う(株)クレオフーガを設立

2012年8月

岡山県岡山市北区津島中に本社を移転

2013年10月

ストックミュージックサービス「Audiostock」をリリース

2017年10月

東京都品川区西五反田一丁目に東京オフィスを開設

2018年10月

一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)と著作権信託契約を締結しAudiostockの楽曲がテレビなどで使用された際に印税を受け取れる著作権等の収益獲得に係る取り組みを開始

2019年2月

著作権等収入に係る取り組みとして(株)NexToneと著作権管理委託契約を締結

2019年6月

東京都品川区西五反田七丁目に東京オフィスを移転

2019年12月

「Audiostock」法人向け定額制プランをリリース

2020年3月

音源ライセンス販売サービス「Audiostock」音楽配信サービスをリリース

2020年4月

「Audiostock」個人向け定額制プランをリリース

2020年5月

「Audiostock」TikTokへ楽曲提供を開始

2020年7月

(株)オーディオストックに会社名を変更(旧社名クレオフーガ)

2020年11月

岡山県岡山市北区富田町に本社を移転

2021年11月

「Audiostock」定額制プランのリニューアルを実施

2022年12月

「Audiostock」が第4回 日本サービス大賞「総務大臣賞」を受賞

2023年6月

著作権等収入に係る取り組みとして一般社団法人 日本音楽出版社協会に準会員として入会、一般社団法人 日本音楽制作者連盟に権利委任者登録を開始

2023年7月

音源ライセンス販売サービス「Audiostock」海外定額制プランをリリース

2023年10月

「J-Startup WEST」選定企業としてオーディオストックが選定

2024年6月

「Audiostock」コンテンツ制作アプリ「Adobe Express」と連携を開始

2024年11月

ソースネクスト(株)が運営するECサイト「ソースネクスト」において、Audiostockの音源販売開始

2025年2月

情報セキュリティに関する国際規格ISMSを取得

 

 

 

3 【事業の内容】

(1) ビジョン・ミッション

当社は「Happy Creators, Happy Creation ―クリエイターがもっと活躍できる世界に―」というビジョンのもと、素晴らしい創造物を生み出す「クリエイターの持続的な創作活動をサポートする」ことをミッションに掲げております。創作は感動を生み、心を豊かにし、時代の文化を象徴してきました。当社は素晴らしい創作物を生み出す人々を心から尊敬し、未来を担うクリエイターをもっとハッピーにしたいとの想いから、世の中の全てのクリエイターがもっと活躍できる世界を目指して事業を展開しております。

 

(2) 事業背景

当社は、音源の使用権(ライセンス)を取り扱う事業を営んでおります。近年、SNS市場や動画コンテンツ市場などの成長に伴い、音源の需要は増加してきております。その背景として、情報発信の方法が従来のテキストや画像を主体としたものから動画へと移行していることや、放送事業者だけでなく、広く一般事業者も動画を活用するようになってきたこと、個人のSNS等での発信など、動画を活用した情報発信の機会が世界的に増加してきていることがあげられます。そのような中、当社では、個人のSNS発信からビジネス利用まで幅広いシーンにおいて、権利関係を気にすることなく、気軽に100万点超の音源を利用いただくことのできる環境を整備しているため、当社サービスをご利用いただくことで動画制作業務の効率化やクオリティの向上、独自性のあるコンテンツを制作いただくことが可能となっております。

また、音楽業界には才能のある多くのクリエイターがいる一方で、音楽だけで生計を立てられるのはごく一握りのアーティストや作詞・作曲家などに限られているのが現状であります。その原因の一つが、クリエイターの収益機会が限られていることであります。その理由は、クリエイター自身の作品を販売するためのプロモーションや営業活動、専門性の高い著作権管理や契約・価格交渉など、作品を収益化するためには沢山の煩雑な手続きと効果的な販売戦略が必要になるためであります。それら全てをクリエイター自身が対応することは非常に困難であり、また音楽活動に専念する時間も奪われることになります。

当社は、そのような煩わしい手続きをクリエイターに代わり実施するとともに、音楽活動に専念できる環境と累計20万超(2025年9月現在)いる当社ユーザーへの販売機会を提供することで、より多くのクリエイターが音楽で生計を立てられる「クリエイターファースト」な社会の実現を目指して各種事業を展開しております。

 

(3) 事業概要

当社は、クリエイターが制作した音源の著作権を管理し、様々な用途で音源の利用機会を開発し収益化する音源ライツビジネスプラットフォームを展開しております。具体的にはクリエイターからBGM、効果音、ボイス・ナレーションなどの各種音源をお預かりし、それらの著作権を管理した上で、自社の運営するオンラインプラットフォーム上などでライセンス販売を行う課金収入によるサービスを事業基盤として、テレビ・ラジオ等での放送利用による著作権収入(いわゆる印税収入)獲得、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスによる音楽配信から得られる配信収益等、お預かりした楽曲を様々な用途に展開して収益を得る著作権等収入によるサービスへと事業展開しております。なお、当社は「Audiostock」事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、課金収入サービス及び著作権等収入サービスを展開しております。

 

セグメント

サービス

内容

Audiostock事業

課金収入

音源ライセンス販売サービス「Audiostock」での定額課金、単品販売

代理店による提携販売

著作権等収入

著作権収入、著作隣接権収入、音楽配信収入

 

 

 

当社の事業系統図は以下のとおりです。

 


① 音源ライセンス販売サービス「Audiostock」(課金収入)について

クリエイターからお預かりしたBGM、効果音、ボイス・ナレーションなどの各種音源を、映像制作等に利用できるライセンスとして、自社の運営するオンラインプラットフォーム上で販売するマーケットプレイス型のサービスを展開しております。ユーザーへの音源提供にあたり、当社はクリエイターとの間で、音源提供に関して非独占的権利を許諾する旨の契約を締結しており(注1)、オンライン上で国内外のクリエイターから音源を収集し、音源を必要とする法人・個人ユーザー向けにライセンス販売(音源使用権の販売)をしております。販売形態は、音源ごとに定められた価格で都度1点から購入できる「単品販売」と、定額料金で音源をダウンロードできる「定額制販売」の2種類のサービスラインアップを整備しております。また、定額制販売においては、ユーザーニーズにあった利用方法を3つのプランから選択することができるほか、2023年7月には主に米国市場に向けた定額制販売サービスを開始しております。

なお、クリエイターからお預かりした音源の販売実績に応じて、クリエイターごとに定められた報酬率(30~50%)に基づき報酬をお支払いしております。

(注) 1.なお、当社への非独占的なサービス提供に必要となる権利の許諾のみであり、著作権及び著作隣接権はクリエイターへ留保されます。

 

サービスラインアップ

 

エリア

プラン

概要

国 内

単 品

音源ごとに定められた価格で都度1点から購入

定額制

動画配信者プラン

YouTuberなどの個人の動画配信者向けプラン

スタンダードプラン

映像制作・動画編集・音響効果など、全ての映像制作者向けプラン

エンタープライズプラン

企業やチームで利用したい方向けのプラン

海 外

定額制プラン

海外居住者向けの定額制プラン

 

 

 

a.ユーザーから選ばれる理由

(a) 100万点超の音源ラインアップ

当社では100万点(注1)を超える音源を取り扱っております。国内クリエイター作品を中心に、海外企業との提携による海外作品も35万点以上(注1)取り扱っているほか、自社でバイオリンやギター、篠笛など楽器の生演奏によるレコーディングを実施したり、近年は新たな収益獲得の場として著名なクリエイターの参加も増えており、成長市場であるSNS市場や動画コンテンツ市場において、ユーザーの多種多様な音源ニーズに応えられるよう100万点超の音源を取り揃えております。現在、当社では約4万組(注1)のクリエイターにご登録いただいており、毎月約3,000点(注2)を超えるペースで当社の審査基準を満たした高品質な新規音源が随時登録されているため、ユーザーは常に新しい音源に出会えることができ、利用シーンにあった音源の選択が可能であることに加え、他者の動画で使用される音源との重複も起こりにくいなど、ユーザーの独自性の高い動画制作に貢献しております。

(注) 1.2025年9月現在の取扱音源数及びクリエイター数

2.2025年9月時点における過去1年間の平均音源登録件数

 

 

取扱音源数の推移(累計)


(注) 2019年9月期から2020年9月期にかけて、海外提携企業からの34万点の音源の仕入があったことなどにより音源数は大幅に増加しております。

 

ユーザーアカウント数の推移(累計)


 

 

(b) 充実した機能

探しやすい検索システム

ユーザーは100万点超ある音源数の中から、キーワード検索のほか、音源の再生時間、利用用途、ジャンル、イメージ、メイン楽器、テンポなどを詳細に絞り込むことが可能で、ユーザーの好みやシーンにあった最適な音源を容易に探し出すことのできる検索システムを構築しております。

 

レコメンド機能

ユーザーの嗜好や行動などをもとに自動で追加の商品提案を行う「レコメンド機能」を導入することで、ユーザーの音源探索体験の向上と潜在ニーズの掘り起こしを促進しております。

 

そのほかの機能

サンプル視聴機能、音源の展開を視覚的に確認することのできる波形機能を搭載するなど、様々な機能を随時搭載したり、UI/UX(注1、2)を常時改善することで、ユーザーの利便性を高めております。

 

サンプル視聴と音源の波形

 


 

(注) 1.UI(UserInterface)とは、サービスサイトのデザインなどの操作画面・操作方法などを指します。

2.UX(UserExperience)とは、システムやサービスなどの利用を通じてユーザーが得られるユーザー体験を指します。

 

(c) 権利面を気にせず幅広い用途に利用可能

動画制作者が音源を利用する際には、通常、利用する音源の著作権や利用用途などを都度確認したり、JASRACや(株)NexToneなどの音楽著作権管理事業者やレコード会社への追加手続きを経て音源を利用する必要があります。

当社では、登録いただいているクリエイターとの間であらかじめ音源利用に関する取り決めをしているため、ユーザーは煩わしい手続きを一切することなく、安心して音源を利用いただくことができます。当社で取り扱う音源は、SNSや動画配信プラットフォームなどでの配信から、放送事業や動画・映像制作などのビジネス利用まで、ご利用用途に応じて、動画を制作する全てのユーザーが安心して音源を利用することのできる体制を整備しております。

(注) 一部アダルトや公序良俗に反するものへの利用は本サービスの対象外となります。

 

様々な利用シーン

テキストや画像から動画が主流となった昨今、個人から法人まで、業種・業界問わず幅広くご利用いただいております。

 

属 性

利用シーン

主なユーザー

法人

テレビ・ラジオ放送・CM、オンライン/オフライン広告、ゲーム・アプリ制作、社内広報/操作説明動画、YouTube配信、VTube配信、eスポーツ動画配信、店舗・イベントBGM、各種映像・動画制作 等

TV・ラジオ放送局、映像制作会社、芸能事務所、YouTuber事務所、VTuber事務所、映像制作等専門学校、ブライダル業界、広告業界、官公庁、一般事業法人 等

個人

YouTube、VTube、各種SNS配信動画 等

YouTuber、VTuber、動画制作者 等

その他

SNSアプリ「TikTok(バイトダンス社)」や動画編集ソフト「Filmora(ワンダーシェア社)」などの各種プラットフォーム・SNSアプリへの音源提供 等

SNS、プラットフォーム運用企業 等

 

 

 

(d) 定額制プランのユーザー数は安定的に増加基調

定額制プランの契約件数は、プラン開始以来、安定的に増加基調となっております。

また、解約率についても、主に法人を対象とするエンタープライズプランでは0.5%、法人と個人が混在しているスタンダードプランでは2.1%(注)といずれも長期間にわたりご利用いただくユーザーが多い傾向にあります。

(注) 解約率は直近4四半期の月間解約率の平均値(解約率:当月の解約に伴い減少した件数 ÷ 前月の総契約件数)により算出

 


② 著作権等収入について

著作権等収入は、テレビ・ラジオ等での放送利用による著作権及び著作隣接権収入や、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスによる音楽配信収入で構成されております。

 

放送番組における著作権使用料の分配の流れ

 


 

 

a.著作権及び著作隣接権収入について

著作権収入は、著作権等管理事業者である(株)NexToneや一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に管理を委託した作品について、テレビ・ラジオ放送などで利用された場合に、著作権等管理事業者を通じて著作権使用料(いわゆる印税収入)を受け取ることのできるサービスであります(注1)。テレビ・ラジオ局など多くの放送事業者は、音源利用に関して著作権等管理事業者と包括契約を締結しており、各放送事業者の年間放送事業収入の一部を音源利用のための包括使用料として著作権等管理事業者へ支払うことで、年間を通して様々な音源を放送利用することができます。当社で取り扱う音源について、著作権等管理事業者に管理を委託することにより、当該包括使用料を原資として、放送利用された割合に基づき、著作権使用料として当社に分配される仕組みとなっております。また、同様の仕組みにより、一般社団法人日本音楽制作者連盟(FMPJ)や一般社団法人日本音楽出版社協会(MPA)、(株)スペースシャワーネットワークを介して、著作隣接権使用料の分配を受けております(注1)。

なお、著作権等管理事業者による著作権管理範囲については、当社が取り組んでいる放送領域以外にも複数の支分権や利用形態がありますが、現状では放送領域に絞って管理の委託を行っております。また現在、動画配信媒体などで音源利用された際に著作権等収入を獲得できるインタラクティブ配信(注2)領域での収益化について検討しております。

(注) 1.著作権は、楽曲そのもの(メロディー、歌詞、ハーモニーなど)を創作した作詞家や作曲家などの「著作者」が持つ権利であるのに対し、著作隣接権は、楽曲を歌唱したり演奏したりする実演家及びレコード会社、音楽事務所など音源を制作・発売した事業者に対して与えられる権利です。

なお、クリエイターが「Audiostock」に登録した音源のうち、著作権原盤権等譲渡契約を締結した作品が対象となります。著作権原盤権等譲渡契約は、クリエイターから音源の著作権等を譲り受けるための契約です。本契約により譲り受けた音源を、(株)NexToneなどの著作権等管理事業者へ管理委託することで、テレビなどで放送利用された際に著作権等収入として収益化することが可能となり、当該収益の一部をクリエイター報酬としてクリエイターに還元しております。

2.YouTubeやSNS動画など、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンなど、様々な媒体で動画配信等の視聴が可能な各種サービス

 

(a) 著作権及び著作隣接権の収益獲得に係る取り組み開始の経緯

著作権及び著作隣接権収入は、音源ライセンス販売サービス「Audiostock」(課金収入)で取り扱う音源及び獲得ユーザーを基礎として、当該音源がテレビ・ラジオ等で放送利用されることにより収益を獲得できるビジネスモデルとなっております(注1)。「Audiostock」はプラットフォームとしての役割を果たしており、プラットフォームの活性化(注2)に伴い、音源の利用シーンが拡大することで著作権及び著作隣接権収入という新たな収益獲得の機会を創出するに至っております。なお、(株)NexToneやJASRACなどの著作権等管理事業者へ管理委託している、2025年9月時点における収益化可能な著作権管理楽曲数は3万点超となっております。

(注) 1.著作権等収入については、当社とクリエイターとの間で著作権原盤権等譲渡契約を締結しておりますが、本契約はクリエイターから音源の著作権等を独占的に譲り受けるための契約です。本契約により譲り受けた音源を、(株)NexToneなどの著作権等管理事業者へ管理委託することで、テレビなどで放送利用された際に著作権等収入として収益化することが可能となり、当該収益の一部をクリエイター報酬としてクリエイターに還元しております。

2.プラットフォームの活性化とは、ユーザーとクリエイター双方の活動が活発になり、当社プラットフォーム上でのコンテンツの流通量や利用頻度が増加することを意味します。

 

 

プラットフォームの活性化による音源の利用シーンの拡大


 

(b) 動画制作のプロから選ばれる理由

当社では多種多様な種類の音源を取り扱っているため、各放送事業者は、ニュースやバラエティ番組、教育番組など、あらゆるジャンルのテレビ・ラジオ番組におけるBGMなどとして全国的にご利用いただいております。

当社のユーザーには、テレビ等の番組制作者や音響効果担当者などの業界のプロとして活躍されている方も多く、音源の品質やオリジナリティへの拘り、季節性やトレンドを意識した音源ニーズなどがありますが、当社では様々なシーンに対応した音源を取り揃えており、また、随時新しい音源が登録されるため、いつでも新しい音源に出会えること、権利面でも安心してご利用いただけることから、プロの映像制作者からも選ばれるサービスとなっております。

 

b.音楽配信収入について

音楽配信に係る収入は、2020年3月にサービス提供を開始した、クリエイターが制作したオリジナル楽曲をApple MusicやSpotifyなどの配信サービスを通じて全世界へ配信することで得られる収入で、近年拡大を続ける音楽配信市場において、本サービスを通じて、クリエイターが保有する作品をより多くのリスナーに視聴いただける機会を提供しております。従来、様々なクリエイターが制作するオリジナル楽曲を1枚のアルバムへ収録した、コンピレーションアルバムの形式で音楽配信を行っておりましたが、クリエイター需要の高まりを受け、2021年3月にはクリエイター自身のオリジナルアルバムを配信できるよう機能拡充したことなどにより、多くのクリエイターにご利用いただいております。

本サービスは、ライセンス販売を実施しているクリエイターに限定されず、音楽配信のみを利用したいというクリエイターにもご利用いただけるため、新たなクリエイターの獲得に寄与するほか、Apple MusicやSpotifyなどへの配信楽曲数の増加に伴い、徐々に収益が積み上がっていくストック型の収益モデルとなっております。

 

③ 当社サービスがクリエイター(音源提供者)から選ばれる理由
a.クリエイターファーストなサービス設計

音楽出版社などに所属しないクリエイターが自身の作品を収益化するためには、著作権管理や契約・価格交渉など、音源の制作だけでなく、作品の販売に至るまでの煩雑な手続きや、その後の販売戦略・プロモーションなど、膨大な時間と労力を要するため、収益化のハードルはとても高いものとなっておりました。当社がクリエイターに代わり一連の手続きを代行し、当社の運営するオンラインプラットフォーム上で販売することで、クリエイターへ音楽創作活動に専念できる環境と収益獲得機会を提供できるクリエイターファーストな体制を構築しております。

 

 


 

2013年10月のサービス開始以降、クリエイターへの累計収益分配額は17億円を突破(注)、2023年には年間の報酬分配額が1,000万円を超えるクリエイターも誕生しております。オンラインで完結する活動ができるため、音楽制作を本業として活動するクリエイターだけでなく、一般企業に勤めながら副業として音楽を制作するクリエイターや、子育て中のクリエイターなど、様々な環境で活動するクリエイターがAudiostockで活躍しています。全国の音楽クリエイターが、地域や所属の有無、働き方による制約を受けずに自身の作品を収益化できるプラットフォームとして、今後もクリエイター支援を進めてまいります。

(注) 2025年9月時点

 

クリエイター数と音源数の推移(累計)

 


 

クリエイター報酬額の推移

 


 

b.自己実現の場としてのプラットフォーム

クリエイターが制作した音源が様々なシーンで利用されることで、創作意欲の向上につながり、結果として当社のプラットフォームは単なる収益獲得の場ではなく、クリエイターの自己実現を追求できる場にもなっております。

また、販売状況に応じて報酬率が上昇する報酬体系の採用や、優秀なクリエイターの表彰制度等を取り入れることにより、当社に対するクリエイターのコミットメントを高めると同時に良質な音源を継続的に供給可能な体制を構築しております。さらに、報酬はクリエイターの任意のタイミングで引き出すことが可能な設計となっており、作品の制作環境の充実や、普段の楽しみのためにご利用いただくなど、音源品質の向上及びクリエイターの豊かな生活にも貢献しているものと考えております。

その他、当社ではクリエイターとの良好な関係を構築するために、その年に活躍したクリエイターを表彰する祭典「Audiostock CREATORS AWARD」を毎年開催しております。

 

その年に活躍したクリエイターを表彰する「Audiostock CREATORS AWARD」

 


 

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

 

2026年7月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

28

(5)

38.1

7.0

5,207

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )に外数で記載しております。

2.平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与は、正社員のみになります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.当社は「Audiostock」事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) 労働組合の状況

当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。