第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第12期

第13期

決算年月

2024年8月

2025年8月

売上高

(千円)

3,101,345

5,737,362

経常損失(△)

(千円)

460,685

245,758

親会社株主に帰属する
当期純損失(△)

(千円)

466,576

161,026

包括利益

(千円)

471,573

161,888

純資産額

(千円)

965,269

803,380

総資産額

(千円)

2,983,711

2,906,559

1株当たり純資産額

(円)

188.15

204.59

1株当たり当期純損失(△)

(円)

55.09

16.35

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

32.3

27.6

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

523,810

341,055

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

92,761

193,202

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

2,106,064

249,586

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

2,314,036

1,529,241

従業員数

〔ほか、平均臨時雇用人員〕

(名)

107

169

32

50

 

(注) 1.第12期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。

2.第12期及び第13期は、広告宣伝費、人員採用等の先行投資を行っていたことにより、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。同様の理由により包括利益、営業活動によるキャッシュ・フロー及び投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。また、第13期において財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっているのは、主に借入金の返済によるものです。

3.第12期及び第13期の1株当たり純資産についてはA種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式の払込金額を純資産の部の合計額から控除して算出しているため、計算結果はマイナスとなっております。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、また1株当たり当期純損失金額であるため、記載しておりません。

5.自己資本利益率は、親会社株主に帰属する当期純損失であるため、記載しておりません。

6.当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。

7.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の〔 〕内は外数であり、臨時従業員(契約社員、アルバイト)の年間平均雇用人員数であります。

8.前連結会計年度(第12期)及び当連結会計年度(第13期)の連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、ESネクスト有限責任監査法人により監査を受けております。

9.当社は、2026年5月20日開催の取締役会決議に基づき、2026年6月4日付でA種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式の全てについて、定款に定める取得条項に基づき取得し、対価として当該優先株主に対して当該優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、当社が取得した全てのA種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式については、2026年6月4日付で会社法第178条の規定に基づき全て消却しております。

10.当社は、2026年5月20日開催の取締役会決議に基づき、2026年6月18日付で普通株式1株につき70株の割合で株式分割を行っております。第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第9期

第10期

第11期

第12期

第13期

決算年月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

2024年8月

2025年8月

売上高

(千円)

579,751

960,971

1,695,575

3,101,345

5,576,879

経常損失(△)

(千円)

195,336

269,090

433,493

452,111

227,787

当期純損失(△)

(千円)

197,915

272,057

434,668

458,002

235,949

資本金

(千円)

55,003

10,000

10,000

10,000

10,000

発行済株式総数

 普通株式

 A種優先株式

 B種優先株式

 C1種優先株式

 C2種優先株式

  D種優先株式

(株)

 

 

 

 

 

51,282

51,282

51,282

51,282

51,282

12,250

12,250

12,250

12,250

12,250

13,900

13,900

13,900

13,900

13,900

34,924

34,924

34,924

34,924

5,000

5,000

5,000

5,000

23,334

23,334

純資産額

(千円)

186,221

801,530

366,861

978,839

742,889

総資産額

(千円)

195,760

1,446,367

1,143,002

2,995,575

2,821,965

1株当たり純資産額

(円)

8,712.89

8,067.03

11,770.88

186.77

210.73

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純損失(△)

(円)

2,560.26

2,693.52

3,703.85

54.08

23.96

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

55.4

32.1

32.7

26.3

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

〔ほか、平均臨時雇用人員〕

(名)

26

42

74

106

162

36

31

26

32

42

 

(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を第10期の期首から適用しており、第10期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2.第9期から第13期は、広告宣伝費、人員採用等の先行投資を行っていたことにより、経常損失及び当期純損失を計上しております。

3.第9期から第13期の1株当たり純資産についてはA種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式の払込金額を純資産の部の合計額から控除して算出しているため、計算結果はマイナスとなっております。

4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、また1株当たり当期純損失金額であるため、記載しておりません。

6.第9期の自己資本比率については、債務超過であったため記載しておりません。

7.第9期から第13期の自己資本利益率については、当期純損失であったため記載しておりません。

8.当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。

9.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の〔 〕内は外数であり、臨時従業員(アルバイト・パートタイマー)の年間平均雇用人員数であります。

10.前事業年度(第12期)及び当事業年度(第13期)の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、ESネクスト有限責任監査法人により監査を受けておりますが、第9期、第10期及び第11期の財務諸表については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査を受けておりません。

11.当社は、2026年5月20日開催の取締役会決議に基づき、2026年6月4日付でA種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式の全てについて、定款に定める取得条項に基づき取得し、対価として当該優先株主に対して当該優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、当社が取得した全てのA種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式については、2026年6月4日付で会社法第178条の規定に基づき全て消却しております。

12.当社は、2026年5月20日開催の取締役会決議に基づき、2026年6月18日付で普通株式1株につき70株の割合で株式分割を行っております。第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。

13.当社は、2026年5月20日開催の取締役会決議に基づき、2026年6月18日付で普通株式1株につき70株の割合で株式分割を行っております。そこで、株式会社東京証券取引所の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第9期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第9期、第10期及び第11期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、ESネクスト有限責任監査法人の監査を受けておりません。

回次

第9期

第10期

第11期

第12期

第13期

決算年月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

2024年8月

2025年8月

1株当たり純資産額

(円)

△124.47

△115.24

△168.16

△186.77

△210.73

1株当たり当期純損失(△)

(円)

△36.58

△38.48

△52.91

△54.08

△23.96

潜在株式調整後 1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額 (1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

 

 

2 【沿革】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、2012年9月東京都港区において、野菜の生産者と消費者をつなぐためのECサイト運営を目的とする会社として設立され、2013年2月に事業方針を転換し、実店舗での野菜販売を開始いたしました。

その後、販売の利便性向上や顧客ニーズへの対応を図る中で、オフィスで手軽に健康的な食事をとることができるサービスの可能性に着目し、試験販売等を経て、2014年4月に現在の基幹事業である「設置型健康社食」OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)サービスの提供を開始いたしました。

当社グループの主な沿革は、以下のとおりであります。

年月

概要

2012年9月

東京都港区東麻布において、資本金3,000千円で株式会社KOMPEITOを設立

野菜の生産者と消費者をつなぐためのECサイト「Agrich(アグリッチ)」の提供を開始

2013年2月

実店舗での野菜販売を開始

2014年4月

設置型健康社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」の提供を開始

2014年8月

東京都渋谷区千駄ヶ谷に本社を移転

2016年7月

東京都港区東麻布に本社を移転

2016年8月

ラストワンマイル配送を目的に明治牛乳販売店、朝日新聞販売店との業務提携を開始

2017年3月

シリーズAラウンド総額約1.5億円の資金調達を実施

2017年5月

東京都渋谷区渋谷に本社を移転

2018年7月

冷凍惣菜お届けサービス「オフィスでごはん」の提供を開始

2019年2月

決済アプリ「YASAI PAY(野菜ペイ)」の提供を開始

2020年5月

オフィスワーカーに特化した広告・プロモーションサービス「OFFICE DE MEDIA(オフィスでメディア)」の提供を開始

2020年9月

関西製造拠点・配送拠点の立ち上げ(外部委託として実施)

2020年10月

シリーズBラウンド総額約3.2億円の資金調達を実施

2020年10月

沖縄・北海道製造拠点・配送拠点の立ち上げ(外部委託として実施)

2020年11月

次世代自動販売機「SALAD STAND(サラダスタンド)by OFFICE DE YASAI」の実証実験の開始

2021年5月

カット野菜びカットフルーツの日持ち7日商品の開発

2022年3月

シリーズCラウンド総額約12.9億円の資金調達を実施

2022年7月

東京都品川区西五反田に本社を移転

2022年9月

九州製造拠点・配送拠点の立ち上げ(外部委託として実施)

2023年1月

「SALAD STAND(サラダスタンド)by OFFICE DE YASAI」の京王井の頭線渋谷駅での販売を開始

2024年5月

米国において、当社の完全子会社KOMPEITO USA Inc.を設立

2024年8月

シリーズDラウンド総額約10.7億円の資金調達を実施

2024年9月

当社の完全子会社株式会社ODYデリバリーズを設立

2024年11月

東京都大田区を基盤とする牛乳販売店の事業を譲受

2025年4月

障がい者雇用の促進と農業の人手不足を解消する新サービス「やさいサポーターズ」を開始

2025年9月

東京都世田谷区、江東区、練馬区、杉並区を基盤とする牛乳販売店の事業を譲受

2025年10月

高齢者個人宅向け配食び介護施設向け調理済食材配食を行う株式会社優食を完全子会社化

2025年11月

東京都文京区、埼玉県朝霞市を基盤とする牛乳販売店の事業を譲受

 

 

 

 

 

3 【事業の内容】

(1) パーパス・ミッション

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社3社(KOMPEITO USA Inc.、株式会社ODYデリバリーズ、株式会社優食)の計4社で構成されており、「はたらく人をエンパワメントする」というパーパスの下、「世の中にシゲキをつくる」をミッションとして掲げています。社名であるKOMPEITOは、小さな気づきから世の中にシゲキをつくる存在としてありたい、そのためにはただ甘いだけでなく、トゲのある様々な色を持った人たちが集まる金平糖のような組織でありたいという思いが込められております。

 

(2) サービス概要

 当社グループは、オフィスでいつでも健康的な食事ができる「設置型健康社食」OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)サービスを軸に運営しております。当該サービスは、新鮮なカットサラダやカットフルーツを中心に、合成保存料・合成着色料を使用せず食品添加物を極力控えた健康的かつ片手でも食べやすい利便性を備えたプライベートブランド商品など、当社独自の食品添加物使用基準を満たした健康的な食事をオフィスに設置した冷蔵庫・冷凍庫に「置き型」で提供するものです。これにより、従来型の社食運営が難しい中小規模の事業所でも、従業員の食環境を整えることのできる福利厚生サービスとなっております。

 提供形態としては、サラダやフルーツ等を冷蔵でお届けするプランに加え、食べ応えのあるお弁当や惣菜等を冷凍でお届けするプランも展開しております。後者は、ごはんを含む主食をオフィスで手軽に摂りたいというニーズに応えるもので、昼食としてより充実した食事を求める従業員に支持され、その利用割合は増加傾向にあります。こうした品揃えにより、軽食から主食まで多様な食シーンを網羅し、幅広い従業員の利用を促進しております。

 また、現在では、OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)に加え、次世代自動販売機「SALAD STAND(サラダスタンド)by OFFICE DE YASAI」や、オフィスワーカー向けに地方の特産品や新商品等を販売促進で訴求を行える「OFFICE DE MEDIA(オフィスでメディア)」など、「はたらく人をエンパワメントする」というパーパスの実現へ向けた新たな事業開発に取組んでおります。

 当社グループは、現在、福利厚生サービス事業を展開する単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。なお、2025年8月期の売上高構成比はOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)事業95.4%、その他事業1.8%、連結子会社2.8%となっております。

 

(3) 当社グループの強み

① 全国をカバーする配送ネットワーク及びオペレーション体制

当社グループは、野菜を含む生鮮食品を週次で宅配可能とする配送ネットワークを構築し、北海道利尻島から沖縄与那国島まで全国をカバーしております。冷蔵7拠点(北海道、千葉、愛知、和歌山、広島、福岡、沖縄)及び冷凍1拠点(東京)の計8拠点を運用しており、今後も東北、北陸、四国地域等、導入企業拡大に応じ随時拠点を拡大していく計画です。

配送は、当社グループ社員が商品交換や冷蔵庫内の陳列まで行う「デリバリー方式」と、「宅配便業者による配送方式」の2種類を採用しております。本書提出日現在、デリバリー方式は全体の約2割を占めており、今後も自社グループ配送網の強化によってデリバリー件数を増加させていく方針です。配送費についても効率化を進めており、第13期のOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)のARR(年次経常収益)(注1)に占める配送費の割合は約13%と、無駄の少ない運営体制を実現しています。

また、当社のサービスの強みでもある新鮮なカットサラダやカットフルーツといった生鮮食品の配送は、曜日や時間帯によって繁忙が大きく異なり人員配置の難易度が高いことに加え、生鮮品であるため破損や液漏れなどが発生しやすく、緩衝材を含めた梱包方法に工夫が必要となっております。この消費期限の短い生鮮食品を高頻度で安定的に顧客企業へ届けられる配送網を構築していることが当社グループの強みとなっております。

 

(注)1.Annual Recurring Revenue。サブスクリプション契約に基づき、毎年定期的に得られる「年次経常収益」を指す。プランに応じた固定金額である「月額利用料」と販売された商品個数に単価を乗じた「商品代金」の合算額で算出。

 

② 強固な営業ネットワーク

当社グループは、コロナ禍を契機に開始した代理店施策を通じて、地方銀行や事業会社とのパートナーシップを拡大し、強固な営業ネットワークを構築しております。2026年5月末時点で、地方銀行81行、事業会社189社を中心とした合計270の営業提携先(パートナー)と提携しており、パートナーセールスグループの営業人員も3年間で約3倍に増加しております。これらの販売代理店網を活用した営業展開により、売上高はコロナ禍以降において毎期増収を達成し続けております。今後もパートナー企業との連携を強化し、販売チャネルの拡大と営業効率の向上を図ってまいります。

また、導入に当たり業種や規模、地域を問わず幅広い企業に導入いただけるサービス特性が、パートナーの地方銀行や事業会社の見込み顧客への紹介を一層加速させております。

なお、当社グループは、地方銀行や事業会社との提携を通じた販売ネットワークを全国的に同業他社より先行して構築しており、特に地方銀行においてはビジネスマッチングにおいて類似サービスの重複契約をしない企業も多く、パートナー企業との継続的な連携や導入実績の蓄積を背景に、営業面における一定の先行優位性及び参入障壁を有しているものと認識しております。このような販売チャネルの構築には一定の時間と関係性構築が必要であることから、当社グループでは競合他社による短期的な模倣は容易ではないものと考えております。

 

③ 顧客フォロー体制と高い顧客満足度

当社グループは、「デリバリー方式」による週次配送時の顧客とのコミュニケーションに加え、カスタマーサクセスグループ(CS)及びパートナーセールスグループによる定期的なフォローアップを行うことで、顧客との密接なコミュニケーションを実現しています。営業・運営・CSの三部門が緊密に連携することにより、顧客満足度の高いサービス運営を行っております。

その結果、月次定期解約率(チャーンレート)(注2)は低水準で安定しており、2021年8月期2.2%、2022年8月期1.5%、2023年8月期1.5%、2024年8月期1.3%、2025年8月期1.4%、2026年5月末時点1.1%と推移しております。

今後も、継続的なサービス改善を通じて顧客満足度の更なる向上を目指してまいります。

 

(注)2.解約率:直近12カ月月次解約数 / 直近12カ月総契約社数

 

④ 中小企業との高い親和性

当社サービスは、貸出用の小型専用冷蔵庫や冷凍庫の設置により完結するシンプルな仕組みを採用しており、中小企業でも容易に導入できる点が特長です。また、専用アプリによるキャッシュレス決済を導入しており、顧客側での日々の運用コストは実質的に発生しない形となっております。さらに、ラストワンマイル配送が可能なエリアにおいては、週次配送による商品の交換を当社が行うことで、顧客の負担低減に努めております。2026年8月期第3四半期末時点において、従業員数100名以下の企業が契約先全体の約81%を占めており、当社サービスは中小企業を中心に広く利用されています。

これらにより、従来はコストやスペース面の制約から大企業に限られていた社食制度を、中小企業でも手軽に導入できるようにし、幅広い企業の福利厚生環境向上に寄与しております。

 

⑤ 従業員エンゲージメント改善に資する事業ドメイン

近年、国内における労働力不足を背景として、企業にとって従業員のエンゲージメント向上や人材の定着(リテンション)、採用力の強化が重要な経営課題となっております。福利厚生施策の中でも「食事・昼食補助」は従業員からの需要が非常に高く、当社グループの「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」は、この市場ニーズに合致したサービスとして導入が拡大しております。

本サービスは、オフィス内でいつでも喫食可能な「利便性」、国産野菜や低糖質・高たんぱくメニューを中心とした「健康面」、原則1品100円から購入可能な「低価格」、及び冷蔵・冷凍両プラン合わせて毎月約160品(2026年8月期第3四半期末時点)の豊富なラインナップによる「選ぶ楽しみ」という4つの価値を従業員へ提供しております。これにより、休憩時間が短い職場や周辺に飲食店が少ない事業所においても、手軽に健康的な食事環境を構築することが可能です。当社が2026年2月に実施したOFFICE DE YASAI利用者向けアンケート調査(回答者数1,288名)によれば、本サービスの利用により利用者の75.2%が「会社に対する満足度が上がった」と回答しており、単なる食事補助にとどまらず、従業員のエンゲージメント向上や企業の健康経営推進に寄与するソリューションとして評価されております。

今後も拡大が見込まれる従業員エンゲージメント市場において、企業の人的資本経営を支援してまいります。

 

(4) 本契約社数の推移

当社グループの「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」サービスにおける本契約社数は継続して増加しており、2026年8月期第3四半期末時点では、6,644社(地方比率62%、地方について東京都、愛知県、福岡県、兵庫県、大阪府、神奈川県以外の都道府県と定義しております。)であり、2025年8月期における新規契約先は2,567社となっております。当社グループは、オフィス勤務者を中心とした福利厚生サービスを提供しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う2020年4月の1回目の緊急事態宣言の発出時には、多数の企業から一時休止の申し出があり、2020年5月時点まで本契約社数は一時的に減退しました。

その一方で、リモートワーク環境の整備が困難な企業や、リモートワーク併用に伴い従来型の社員食堂の維持が困難になった企業等からの需要が高まり、1回目の緊急事態宣言の解除後である2020年6月以降は、新規の申込が従来以上のペースで拡大したこと等により本契約社数が回復しました。また、健康経営や労働人口減少に伴う福利厚生制度の見直しといった社会的な潮流も追い風となり、以降本契約社数は継続して増加傾向にあります。そして、2026年4月からは企業の食事補助の非課税枠拡大を伴う税制改正も追い風となっております。

 

(5) 定期解約率とARR(年次経常収益)

2026年8月期第3四半期末時点でOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)本契約顧客の月次定期解約率(注3)は1.1%(直近12カ月実績平均)と低水準で安定しており、本契約社数の積み上がりにより、2026年8月期第3四半期末のARR(年間経常収益)は約89.2億円になっております。週次配送を含む緊密な顧客フォロー体制と高い顧客満足度を維持しており、導入・運用コストを最小限に抑える事業特性から中小企業を中心に高い親和性を有しております。これらの強みを通じて、全国の幅広い企業に対し、健康的な職場環境の整備を支援するサービスを提供しています。

 

 



 


(注)3.解約率:直近12カ月月次解約数 / 直近12カ月総契約社数

 

当社グループは、2024年以降、本書提出日現在までに当社の完全子会社である株式会社ODYデリバリーズを受け皿とした乳製品宅配業者のM&A(事業譲受)を3件実行しており、また、当社による、給食事業者である株式会社優食のM&A(株式取得)による完全子会社化を実行しております。これらのバリューチェーン統合による配送コストや仕入コスト削減、物流の最適化を図るとともに、顧客基盤の獲得によって給食市場本丸の隣接市場への拡張を狙う等、非連続的な成長を目指しております。なお、株式会社ODYデリバリーズは東京都内の個人顧客向け中心に乳製品宅配事業及びOFFICE DE YASAI事業の一部配送機能を担い、株式会社優食は岡山県内中心に高齢者向け配食サービス及び介護施設向け食材提供事業に係る商品の製造・販売を担っております。

また、当社グループは、健康志向及び福利厚生ニーズの高い北米市場への参入を成長戦略の柱の一つとしております。北米では、食の福利厚生関連市場は約5兆円規模に上ると見込まれており(注4)、当社サービスと親和性の高い市場環境が形成されています。

本環境を踏まえ、2024年にアメリカ合衆国に現地法人KOMPEITO USA Inc.を設立し、カリフォルニア州ロサンゼルスを中心に「Lumeal(ルミール)」ブランドによる設置型冷凍庫のオフィス向けフードサービスを展開しております。製造工程は現地サプライヤーが担い、当社は営業・物流・アプリなどの機能を提供する体制を構築しております。

 

(注)4.Fortune Business Insights「Meal Vouchers & Employee Benefits Solutions Market Size and Future  Outlook」(2025年11月掲載)に基づき当社にて作成

 

(6) 事業系統図

国内の福利厚生サービス事業の基本的な取引の流れ及び外部のステークホルダーとの関係は以下の図のとおりであります。


 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

KOMPEITO USA Inc.

(注2)

アメリカ合衆国

カリフォルニア州

306千米ドル

福利厚生サービス事業

100.0

役員の兼任

資金の貸付

株式会社ODYデリバリーズ

(注2)

東京都

品川区

30,000千円

福利厚生サービス事業

100.0

役員の兼任

資金の貸付

事務所の賃貸

食材の仕入れ

 

(注) 1.「主要な事業の内容」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2.特定子会社であります。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4.最近連結会計年度末以降、2025年10月1日付で株式会社優食の全株式の取得が完了したことにより、株式会社優食は当社の連結子会社となりました。なお、同社は特定子会社に該当いたします。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

 

2026年6月30日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

福利厚生サービス事業

209

139

合計

209

139

 

(注) 1.当社グループは福利厚生サービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

   2.従業員数は就業人員(休職者を除く)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイト)は、最近1年間の年間平均人員数を〔 〕内に外数で記載しております。

   3.最近日までの1年間において従業員数が53名増加しております。主な理由は、業容拡大に伴う期中採用の増加に加え、株式会社ODYデリバリーズにおける事業譲受に伴う従業員の受入れ及び株式会社優食の株式取得による連結子会社化に伴い、子会社従業員数が増加したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2026年6月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

184

34.2

2.2

 5,750

69

 

(注) 1.当社グループは、福利厚生サービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

   2.従業員数は就業人員(休職者を除く)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイト)は、最近1年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

   3.平均年間給与は、臨時雇用者を除き従業員の賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

 

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

31.8

100.0

56.4

81.1

29.2

 

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。