(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
2.当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。
3.第9期連結会計年度及び第10期連結会計年度の連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けております。
4.第9期及び第10期の経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失は、研究開発活動や事業基盤整備に伴う先行投資負担が継続したことによるものです。また、同様の理由により、第9期及び第10期の営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。
5.自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載しておりません。
6.当社は、種類株式を発行しておりましたが、その株式の内容により「普通株式と同等の株式」として取り扱っていることから、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失の算定における期末株式数及び期中平均株式数には種類株式を含めております。なお、2026年2月2日開催の臨時株主総会の決議に基づき、2026年2月6日付で種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。
7.当社は、2026年2月2日開催の臨時株主総会の決議に基づき、同日付で発行可能株式総数の変更を、同年2月6日付で単元株式数の変更をそれぞれ行っております。また、2026年1月16日の取締役会の決議に基づき、2026年2月6日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。第9期期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。
8.従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
2.当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。
3.第9期及び第10期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けております。なお、第6期、第7期及び第8期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査を受けておりません。
4.第6期から第10期について、経常損失及び当期純損失は、研究開発活動や事業基盤整備に伴う先行投資負担が継続したことによるものです。
5.自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
6.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
7.当社は、種類株式を発行しておりましたが、その株式の内容により「普通株式と同等の株式」として取り扱っていることから、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失の算定における期末株式数及び期中平均株式数には種類株式を含めております。なお、2026年2月2日開催の臨時株主総会の決議に基づき、2026年2月6日付で種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。
8.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第7期の期首から適用しており、第7期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
9.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
10.当社は、2026年2月2日開催の臨時株主総会の決議に基づき、同日付で発行可能株式総数の変更を、同年2月6日付で単元株式数の変更をそれぞれ行っております。また、2026年1月16日の取締役会の決議に基づき、2026年2月6日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。第9期期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。
11.当社は、2026年2月6日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第6期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第6期、第7期及び第8期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
当社は、「自動運転の民主化」を目的として、2015年に設立されました。自動運転の基盤となるソフトウェアの開発を出発点とし、当社創業メンバーの一人であり、当社代表取締役CEOである加藤 真平が主体となり、名古屋大学の研究室において開発されたオープンソース(注1)の自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」を同年に初めて公開いたしました(現在は、一般社団法人「The Autoware Foundation」(以下「AWF」という。)がその管理業務全般を担っております)。
「Autoware(オートウェア)」は、オープンソースとして、特定の事業者に依存しない中立的な形で広く公開されており、その後、国内外の研究機関や企業等による技術検証や応用が進められたことから、自動運転分野における共通基盤としての役割が徐々に広がっていきました。これを契機に、当社グループでは、ソフトウェアの開発のみならず、試験走行やデータ収集等を含む関連サービスの提供も開始し、事業を段階的に拡大してまいりました。
近年では、地域交通課題に対応する形で、自動運転システムの実装に向けた地方自治体や交通事業者との取組みが進展しており、当社グループでは、公道における実証実験、各種車両へのシステム搭載、運行管理や保守運用体制の整備など、幅広い領域での支援を行っております。今後も、産学官との連携を通じて、安全かつ持続可能な自動運転の社会実装に貢献すべく、技術開発及び事業展開を継続してまいります。
(注) 1.ソフトウェアの設計図に相当するソースコードを一般に公開し、誰もが自由に利用・改良・再配布できる方式。
2.実験を目的とした取組みであり、道路交通法に基づく運行に必要な許可は取得しておらず、運行は実施しておりません。
当社は、「創造と破壊」をミッションとし、「自動運転の民主化」をビジョンに掲げております。ミッションである「創造と破壊」は、従来にないアプローチで前例のない課題に挑み、新たな価値を大胆に創造するという当社の姿勢を表現しています。
ビジョンには、安全な自動運転技術に資するあらゆるテクノロジーを開放し、様々な組織・個人がその発展に貢献できる開放的なエコシステムを構築するという意味が込められております。
現在、自動車産業は歴史的な大変革期にあり、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(以下「SDV」という。)の台頭、電動化、自動運転技術の進展など、従来のビジネスモデルに根本的な変化が求められています。また、自動運転市場においては、各国政府による政策支援や法規制の整備が進展しているものの、当社グループの事業拡大にあたっては、関連法令に基づく許認可の取得や制度整備の進展が重要な要素となっております。
こうした技術革新及び制度環境の変化を背景に、当社グループは新しい技術と伝統的な企業との橋渡し役として、オープンソース(注1)型ソフトウェアを活用した柔軟かつ実装可能なソリューションを提供することにより、既存の自動車業界構造をディスラプト(混乱)させることなく尊重しつつ、次世代技術への円滑な移行を支援する存在となることを目指しています。これにより、既存の大手自動車OEM(注2)やTier1サプライヤー(注3)など自動車産業に関連する様々な企業が自動運転を含む次世代技術を無理なく導入できる環境づくりに貢献していきます。
これらミッション・ビジョンのもと、当社グループはオープンソース戦略によって自動運転技術の社会実装を推進しており、オープンソース型自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」の開発を主導することで、グローバルな技術基盤を提供しております。当社グループはこのような取組みを通じて、自動運転技術を社会全体へ普及させ、人々の移動の可能性を広げることを目指しております。
なお当社グループは自動運転事業の単一セグメントであります。
当社グループが事業の技術的基盤として採用する「Autoware(オートウェア)」は、自動運転システムの開発・運用に必要な機能群を備えた、オープンソース型自動運転ソフトウェアプラットフォームです。「Autoware(オートウェア)」は2015年に名古屋大学にて当社創業者が公開した後、当社グループが中心となって開発・普及を推進しており、自動運転分野における国際的な共通基盤として、拡大を遂げております。
オープンソースとは、ソフトウェアの設計図に相当するソースコード(注4)を一般に公開し、誰もが自由に利用・改良・再配布できる方式を指します。この方式により、特定の企業や国家に依存しない中立性・透明性が確保され、また、グローバルに分散した開発者や研究者との協調開発が可能となることで、技術革新のスピードと柔軟性が大きく向上します。とりわけ、オープンソースの透明性は、クローズドソース(プロプライエタリ)型ソフトウェア(注5)と比較して顕著です。クローズドなソフトウェアは、特定企業がソースコードや技術仕様を独占的に管理・運用するものである一方、「Autoware(オートウェア)」はその全コードと更新履歴が公開されているため、利用者自身が技術の内容や動作を確認・評価することが可能です。これにより、ユーザーは特定ベンダーへの過度な依存を避け、導入や運用に関する選択の自由を保持できます。また、このような協調開発によって、従来のクローズドなソフトウェア開発と比較して、当社及び当社の顧客であるOEMにおいてソフトウェアの開発効率を高めることができます。「Autoware(オートウェア)」はこうした透明性の利点を活かし、多様な用途・要件に対応可能な柔軟性と拡張性を備えたソフトウェア基盤として構築されています。このような柔軟性及び拡張性を基盤として、当社グループは「Autoware(オートウェア)」に自社技術を組み合わせることで、多様な車種・用途への展開を可能とし、特定用途に特化した企業と比較して汎用性の高い技術基盤を提供しております。
2018年には、「Autoware(オートウェア)」の国際的普及及び持続可能なエコシステムの構築を目的として、当社を含む複数の企業・団体により、一般社団法人「The Autoware Foundation」が設立されました。AWFは、「Autoware(オートウェア)」の開発・保守・標準化の中核的役割を担う国際コンソーシアムであり、産業界、学術機関、研究機関、政府機関、非営利団体など100社超の多様な組織が加盟しています。なお、「Autoware(オートウェア)」に係る知的財産権はAWFに帰属しており、当該知的財産はオープンソースソフトウェアとして、誰もが自由に利用・改良・再配布することが可能な形で管理されています。
AWFの主な役割としては、以下の項目が挙げられます。
・「Autoware(オートウェア)」の中長期的な技術ロードマップの策定と管理
・コミュニティ主導によるソフトウェア開発・保守の推進
・国際標準化活動との連携
・技術文書・仕様書の策定と公開
・実証実験や学術研究との連携による実用化支援
当社はAWFの創設メンバーとして、理事会や技術委員会において中心的役割を担っており、ソフトウェアの開発のみならず、エコシステム全体の設計・運用、産学官の連携促進、人材育成など、幅広い分野で貢献しています。こうした活動を通じて、当社グループは「Autoware(オートウェア)」の継続的な進化と、自動運転社会における国際的な透明性の高いプラットフォームの形成を目指しております。
2026年4月1日現在、「Autoware(オートウェア)」への貢献者数(ソフトウェア開発プラットフォームであるGitHubにおけるコード・コントリビューター数)は600人であり、そのうち68.2%が当社及びパートナー企業に属さない貢献者です。また、GitHubのユーザーがリポジトリをブックマークし、プロジェクトへの支持を示す手段である「Star」の数も着実に増加しており、同日現在でAWFが受領した「Star」は11,584件となっています。
当社グループ(当社並びに当社の子会社及び関連会社)は、当社(株式会社ティアフォー)、連結子会社2社(TierIV North America Inc.、株式会社Human Dataware Lab.)、持分法適用関連会社3社(株式会社マップフォー、株式会社eve autonomy、AI教習所株式会社)で構成されています。
当社グループは、「自動運転の民主化」をビジョンに掲げ、オープンソースソフトウェア「Autoware(オートウェア)」を基盤とした自動運転ソリューションの社会実装を推進しており、日本国内を中心に事業を展開しております。
会社別では、当社は、自動運転システムの開発と提供を中心に、自動運転車両の走行環境の構築、データ解析、ソフトウェア更新等を含む各種ソリューションを提供しており、連結子会社であるTierIV North America Inc.は、主に北米市場におけるパートナーや事業の開拓を、株式会社Human Dataware Lab.は、自動運転領域等におけるデータ解析、ソフトウェアの開発を主な業務としております。また、持分法適用関連会社である株式会社マップフォーは自動運転の実現に必要な高精度3次元地図データや測量技術に関わる開発、株式会社eve autonomyは工場内などにおける無人搬送サービスの提供、AI教習所株式会社は自動運転技術を活用した自動車教習システムの開発・販売を行っております。
本項では、オープンソースである「Autoware(オートウェア)」を基盤とした技術提供に関連する、当社グループの代表的な収益創出の仕組みの一例について説明いたします。本記載は、「Autoware(オートウェア)」が無償で公開されている中で、当社グループがどのように商用展開に向けた価値を提供し、対価を得ているかについての概要を示すものであり、当社グループの全事業における収益構造を網羅するものではありません。なお、当社グループは、自動運転市場の立ち上がり段階や顧客の導入フェーズに応じて多様な収益創出の仕組みを有しており、これらの詳細については後段の「サービスの説明」にて記載しております。
「Autoware(オートウェア)」は、誰もが無償で利用可能なオープンソースソフトウェアであり、基本的な自動運転機能を備えているものの、そのままでは商用車両への実装や量産フェーズにおいて求められる水準を達成することは困難であり、商用利用には一定の技術的補完が必要とされます。特に、機能安全や品質保証、実運用環境への適応など、事業として自動運転を成立させるには、個別の顧客ニーズに応じた高度な設計と実装が不可欠です。
当社グループは、「Autoware(オートウェア)」を基盤とし、商用利用を見据えたソフトウェア及びハードウェア構成から成る「リファレンスデザイン(注6)」を独自に構築しております。この設計思想の中核にあるのが、「マイクロオートノミー・アーキテクチャ(Microautonomy Architecture)(注7)」という当社グループ独自の概念です。これは、共通の要素技術群を基盤にしつつ、用途や車種が異なる複数の事業領域に対し、効率的かつ柔軟に自動運転レベル4対応の自動運転車両を開発・展開することを可能とする設計思想であり、「Autoware(オートウェア)」や当社グループが開発する要素技術のみならず、サードパーティー製のハードウェアやソフトウェアとも統合されたものです。
なお、自動運転レベルは0~5までに分類され、当社グループでは、運転者を必要としない自動運転の実現が可能となるレベル4が実現可能な技術開発を推進しております。これは、深刻化するドライバー不足といった社会課題の解決に資するのみならず、人の関与を前提とするレベル0~3と比して、より広範なユースケースへの適用が可能となることから、当社グループにとっても事業上の成長機会を獲得するうえで肝要であると認識しております。
各自動運転レベルの概要
出所:国土交通省「自動運転車両の呼称」資料をもとに当社作成
このリファレンスデザインに基づき、当社グループは顧客(主に自動車OEMや特殊用途車両のメーカー)ごとの車両タイプや運用環境、要件に応じて最適な技術構成を設計・提供しています。これにより、顧客にとっては、一から自動運転技術を開発する必要がなくなり、既に検証済みのリファレンスデザインに基づき、ラストワンマイル(注8)のカスタマイズ作業のみに注力することで、商用化までの期間とコストを大幅に圧縮することが可能となります。また、一度確立されたリファレンスデザインは、共通性・再利用性の高いアーキテクチャで構成されているため、他の類似ニーズを持つ顧客への横展開が可能であり、当社グループにとってスケーラブルな事業運営の基盤を形成しております。こうした技術的基盤の上で当社グループは、リファレンスデザインの提供及び顧客ごとの個別要件に応じたラストワンマイルにおける技術支援・開発業務を通じて収益を獲得しており、さらに、顧客において「Autoware(オートウェア)」を基盤とした自動運転システムを搭載した車両が量産フェーズに移行した場合には、ライセンスモデルやロイヤルティモデルを適用することで、販売台数等に応じた継続的な収益を得る仕組みを構築しております。
このように当社グループは、オープンで非独占的な技術である「Autoware(オートウェア)」を活用し、マイクロオートノミー・アーキテクチャとリファレンスデザインを軸とした技術価値の提供を通じて、収益を創出しております。
マイクロオートノミー・アーキテクチャとリファレンスデザイン(イメージ)(注6、7)

当社グループの顧客への提供価値(イメージ)

当社は、オープンソース自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」の開発を先導する企業として、「Autoware(オートウェア)」を技術的基盤とした自動運転システムの商用利用を実現するための補完的なプロダクトを開発・提供しています。これらは、自動運転機能の設計・検証・運用までの一連のプロセスに対応するものであり、顧客(主に自動車OEMや特殊用途車両のメーカー)の導入フェーズや技術ニーズに応じて柔軟に組み合わせて提供することが可能です。
具体的には、「Autoware(オートウェア)」をベースとした拡張可能な車載ソフトウェアプラットフォーム「Pilot.Auto(パイロットドットオート)」、クラウド技術を活用して開発及び運用の効率化を支援する開発運用プラットフォーム「Web.Auto(ウェブドットオート)」、及びセンサーや演算装置などのハードウェアとソフトウェアを統合したリファレンスプラットフォーム「Edge.Auto(エッジドットオート)」を展開しております。当社グループでは、これらのプロダクトを、自動車OEMや特殊用途車両メーカーを含む多様な顧客の実現したい内容や導入フェーズに応じて、単独又は必要な要素を組み合わせた形で複数同時に提供することで、事業を展開しております。
以下に、各プロダクトの概要を示します。
「Pilot.Auto(パイロットドットオート)」は、「Autoware(オートウェア)」を基盤として構築された車載用自動運転ソフトウェアパッケージであり、センシング、周辺認識、自己位置推定、経路計画、車両制御など、自動運転に必要な機能を包括的に提供します。商用車両への組込みを前提とした設計となっており、用途や走行環境に応じたモジュール構成(注9)や、機能安全要件への対応も視野に入れた高い拡張性を備えています。
当社グループは、「Pilot.Auto(パイロットドットオート)」を通じて、ソフトウェアのカスタマイズ、車両への組込み及びハードウェア構成要素との統合、走行環境への適合、並びに運用段階におけるメンテナンス支援を提供しています。これには、ソフトウェア及びシステム全体に対する技術支援に加え、「Web.Auto(ウェブドットオート)」との連携による走行ルートや地図データなどの運用環境に対する保守・更新支援も含まれます。
このように、「Pilot.Auto(パイロットドットオート)」は当社グループが提案するリファレンスデザインを基盤としながら、顧客のニーズに応じた柔軟なシステム設計と運用を可能とするものであり、初期構築にかかる負担の軽減及び迅速な自動運転システムの導入に資する設計となっております。
「Web.Auto(ウェブドットオート)」は、「Pilot.Auto(パイロットドットオート)」を活用した自動運転システムの開発・検証・運用を効率化するクラウドベースのソフトウェアプラットフォームであり、いわゆるDevOps(開発と運用の連携)を支援するための基盤としての機能も備えております。シミュレーションによる自動運転アルゴリズムの検証、走行ログの管理・可視化、地図データの生成・更新、パラメータのリモート設定といった機能を提供し、開発現場と運用現場を横断した一貫性のある開発環境を実現することを目指しています。
また、「Web.Auto(ウェブドットオート)」は、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)に対応した開発データパイプラインの管理や、車両運行管理(Fleet Management Service)(以下「FMS」という。)(注10)・遠隔監視・ソフトウェアの無線アップデート(Over The Air)(以下「OTA」という。)(注11)といった機能を通じて、自動運転システムを搭載した車両の運用・保守を支援する仕組みを提供しており、第三者が提供するアプリケーションや運用支援サービスとの連携も考慮された設計となっております。これらの機能により、開発コストの削減や市場投入までの期間短縮に資することが可能です。
「Edge.Auto(エッジドットオート)」は、「Pilot.Auto(パイロットドットオート)」の動作に必要な周辺ハードウェア(センサー、エッジコンピューティングデバイス、入出力インターフェースなど)と各種ソフトウェアツールを組み合わせたリファレンスプラットフォームです。リアルタイム処理性能や環境耐性など、実運用に求められる仕様に基づいた構成がなされており、商用展開を視野に入れたシステム評価や初期導入に適した設計となっております。
本プラットフォームは、当社グループがこれまでに培ってきた自動運転技術を基に、利用実績のあるセンサーや演算装置を採用し、オープンソースで提供されるセンサドライバや「Autoware(オートウェア)」に含まれるソフトウェアモジュールと組み合わせて動作する構成となっています。これにより、用途や導入フェーズに応じて、個別のハードウェアコンポーネント単位から、統合されたシステム構成まで複数の段階的な選択肢を提供することが可能です。
また、「Edge.Auto(エッジドットオート)」は、当社が提供する「Pilot.Auto(パイロットドットオート)」及び「Web.Auto(ウェブドットオート)」と組み合わせて活用することが想定されており、それぞれのプロダクトと連携することで、自動運転システムに必要なハードウェア及びソフトウェアの選定、評価、検証プロセスの効率化が図られる構成となっています。これにより、ユーザーは独自の自動運転ソリューションを速やかに構築することが可能となります。
「Autoware(オートウェア)」と当社プロダクトとの関係性(イメージ)

当社グループの事業は、「Mobility Service(モビリティサービス)」「Development Service(デベロップメントサービス)」「Solution Service(ソリューションサービス)」の3つのサービスに大別されます。これらの事業は、自動運転市場そのものの発展段階に加え、顧客企業が置かれている事業フェーズ(例:自動運転技術の開発・導入初期段階、量産化段階等)にも対応できるよう構成されています。
現時点においては自動運転バスを中心とした事業展開を行っており、地方自治体等における自動運転レベル2からレベル4の実証実験や定期運行に関連する売上が主な構成要素となっております。モビリティサービス及びデベロップメントサービスについても、現状においてはこれら実証実験や定期運行の拡大に対応する形で展開されております。
なお、足元では「Mobility Service(モビリティサービス)」における自動運転サービスの実証実験・導入を推進しておりますが、自動運転市場の拡大及び社会における自動運転車両の需要が高まることに伴い、当該車両の量産を見据えた「Development Service(デベロップメントサービス)」が事業の中心的な役割を担っていくことを想定しております。
具体的には、「Mobility Service(モビリティサービス)」では主に自動運転市場の黎明期かつ顧客が初期導入段階にある場合における実証実験・実装から、その後の運用支援までを担います。「Development Service(デベロップメントサービス)」では自動運転市場の拡大局面において、当社グループの顧客である自動車OEM等が自動運転に対応した車両の量産を行うことに向けた自動運転システムの開発を行います。「Solution Service(ソリューションサービス)」は、これら両事業の下支えとなる基盤的役割を果たしており、当社グループ及び「Autoware(オートウェア)」のエコシステム拡大を支援する位置付けにあります。なお、当社グループでは多様な車種への対応を進めておりますが、現時点においては社会実装の進展状況等を踏まえ、「Mobility Service(モビリティサービス)」における自動運転バスと、「Development Service(デベロップメントサービス)」における閉鎖空間における特殊用途車両を活用したサービスが事業の主要な領域となっております。
2025年9月期における当社グループの「Mobility Service(モビリティサービス)」「Development Service(デベロップメントサービス)」「Solution Service(ソリューションサービス)」の売上高及び構成比は、それぞれ2,267百万円(35.4%)、1,330百万円(20.8%)、2,812百万円(43.9%)となっております。以下に、当社が展開する3つのサービスの概要を記載いたします。
「Mobility Service(モビリティサービス)」は、当社グループが自動車OEMからベース車両を調達し、自動運転システムを架装した上で、地方自治体や交通事業者、MaaS(Mobility as a Service)(注12)事業者等の顧客に提供する事業です。なお、地方自治体等への導入にあたっては、パートナー企業を介して提供するケースが多いものの、一部においては当社グループが直接提供する場合もあります。
本事業は、自動運転市場の黎明期において、日本における自動運転の社会実装に先行して取り組む、新技術への感度が高い顧客層を対象とし、自動運転車両の導入・実証実験・運用を技術的に支援することを通じて、日本国内における自動運転市場そのものの形成を目指すものです。実証実験においても、車両提供や運行サポート、アフターサービスなどを通じて技術知見の蓄積を図りつつ、事業収益を獲得しております。
本事業の収益は、自動運転システムが架装された完成車両の販売に加え、自動運転車の走行準備にかかる技術支援(高精度3次元地図作成、調律作業)、自動運転車の運行・運用支援、自動運転レベル4の認可取得にかかる技術支援、並びに保守・アフターサービスに基づく継続的なサービス収入などで構成されます。地方自治体等との実証実験から得られる収益もこれらに含まれます。
「Development Service(デベロップメントサービス)」は、大手自動車OEM等を顧客とし、当社プロダクトを基盤とした自動運転システムの量産化開発を推進する事業です。顧客の中には、商用車メーカー、乗用車メーカーに加え、建設機械等の特殊用途車両のメーカーなど、幅広い顧客が含まれ、2026年5月現在、協業先のOEM及びTier1サプライヤーは合計で18社存在します(直接的な顧客に加え、ビジネスフローに間接的に関与する企業及びエンドユーザーを含む。)。各顧客が自社製品として販売を予定する量産車両への自動運転機能の搭載を見据え、当社プロダクトを提供するとともに、各社の要求事項に対する開発受託並びに技術協力を実施しております。本事業は、自動運転市場の拡大とともに、当社グループ顧客における自動運転システムを搭載した車両の量産フェーズへの移行に応じて、当社グループの事業機会も拡大していく構想であり、中長期的に当社グループの業容を支える主要な事業領域の一つです。また、今後は自動運転市場の拡大及び社会における自動運転車両の需要の高まりに伴い、当該量産フェーズへの移行が進展することで、本事業が当社グループにおいて中核的な役割を担っていくことを想定しております。現在も、当社グループは複数の企業との間で、自動運転技術の開発受託や技術実証などを担っており、こうした連携を通じて、将来の各社の量産車両に向けた自動運転技術の実装を支援しております。
本事業の収益は、顧客との共同開発において、個別のニーズに応じた専用開発支援やカスタマイズ対応に対する対価を主たる構成要素としております。初期段階においては、当社ソフトウェアをベースに顧客の量産車向けに共同開発活動を行います。共同開発の段階においては、エンジニアリングサービスにかかるワンタイム収益のほかに、開発に必要なライセンスを付与することによるライセンス料収入を計上することもあります。こうした取組みは、将来的な量産展開を見据えたパートナーシップの中で進められるため、フェーズごとの技術検証、仕様策定、評価といったプロジェクト単位の収益が中心となっております。次に、自動運転システムの稼働に必要なセンサー、コンピューター類のハードウェアコンポーネント一式である「ADK(Autonomous Driving Kit)」の販売を行います。前述のステップを踏まえ、顧客が自動運転車両の量産が可能となるため、量産フェーズに移行した後は、販売された車両一台ごとに対価を得るライセンスモデルやロイヤルティモデルといった、スケールに応じた収益創出の仕組みが適用されます。
「Solution Service(ソリューションサービス)」は、オープンソースソフトウェア「Autoware(オートウェア)」や当社プロダクトの導入・活用を推進する企業・団体に対し、幅広い技術支援及び運用支援を提供する事業や、当社が採択された政府の委託事業などが含まれており、当社グループの事業並びに「Autoware(オートウェア)」エコシステムの拡大を支える役割を担っております。提供するサービスは多岐にわたり、「Autoware(オートウェア)」に関する技術トレーニング、エデュケーションキットや関連デバイスの提供、導入コンサルティングなど、委託事業の採択内容や、顧客ニーズに応じた柔軟な技術支援体制を構築しています。
また、本事業を通じ、当社グループは公益社団法人自動車技術会と連携し、自動運転技術を競技形式で学ぶ教育プログラム「自動運転AIチャレンジ」の運営にも参画しております。本チャレンジには、日産自動車株式会社、本田技研工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、株式会社SUBARUといった日本の主要自動車OEM等が協賛しており、「Autoware(オートウェア)」に対応可能なエンジニアの裾野の拡大を図るとともに、産学官を横断した連携により、Autowareエコシステムの持続的成長に寄与しています。
このように「Solution Service(ソリューションサービス)」は、当社の他サービスを技術的・組織的な両面から支える事業基盤であり、自動運転技術の普及とその社会実装を支援するうえで、当社グループ全体の成長と持続的な競争力強化に寄与する重要な領域として位置付けられています。
本事業の収益は、顧客に対するソフトウェアライセンスの提供、技術トレーニング、導入支援、ハードウェア販売、コンサルティング等のサービス提供に対する対価で構成されております。これに加え、当社グループが運営に参画する教育プログラムや啓発活動などを通じたパートナーシップ契約やプロジェクト単位での支援業務も含まれており、技術支援と教育支援の両輪による収益基盤を築いております。
以上のとおり、当社のサービスは、自動運転市場の発展段階と顧客の様々な事業フェーズの双方に対応できるよう設計されております。自動運転の導入を検討する初期段階の顧客に対しては、当社グループが車両の提供とともにシステム構築や現地対応まで一貫して支援する「Mobility Service(モビリティサービス)」を展開しており、一方で、将来の量産を見据えた自動運転システムの開発を行う顧客に対しては、「Development Service(デベロップメントサービス)」を通じて共同開発から量産に対応可能な技術提供までを担っています。顧客の技術的成熟度や導入段階に応じた柔軟な提供体制を構築することで、安全な自動運転技術を誰もが利用できるように開放し、様々な組織・個人がその発展に貢献できるエコシステムを築くことの達成を段階的かつ戦略的に推進しています。
サービス別概要
(注) 1.エンドユーザーに対するサービス提供の形態としては、パートナー企業を通じて提供する場合と、当社グループが直接提供する場合が存在します。
2.「ワンタイム」収益とは、車両やハードウェアの販売など、その性質上個別的なサービス又は製品に関連して発生し、将来において繰り返されることが想定されない収益をいいます。また、「リカーリング」収益とは、長期間にわたり定期的に支払われるライセンス料や納品後のアフターサービスに係る収益など、その性質上継続的に発生することが想定される収益をいいます。
3.Solution Service(ソリューションサービス)のコンサルティングサービスには政府からの委託事業を含みます。
(用語解説)
事業系統図(イメージ)

(注) 1.特定子会社であります。
2.役員の兼任等には、当社従業員が関係会社の役員を兼任している場合を含んでおります。
3.「資本金」欄は、百万円未満(外貨建てのものは表示単位未満)を切り捨て表示しております。
4.有価証券報告書の提出会社であります。
5.最近事業年度の末日における議決権の被所有割合を記載しております。なお提出日現在における議決権の被所有割合は24.1になります。
(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.当社グループは、自動運転事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社グループは、自動運転事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合については、2026年5月31日時点の数値となります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4.男女の賃金差異は2026年5月の時間単価で比較した場合、上記区分別に左から84.1%、85.8%、102.1%となります。男女の賃金差異は時短勤務の適用者率や契約時間の違いが主な要因であり、賃金や評価などの制度上の取り扱いに男女差はありません。
連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。