第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

(はじめに)

 当社は、事業子会社の経営管理を行う持株会社であり、事業子会社ではスポーツ施設の警備・清掃・整理案内・グラウンド整備、スポーツイベントの企画・運営、オフィスビルや商業施設・工事現場の警備・清掃・受付、企業への人材派遣、及び商品・サービス販売支援等の事業を行っております。

 本項目では、当社及び事業子会社(以下「当社グループ」といいます。)の設立から現在に至るまでの変遷について説明します。

 

 (1) 当社グループの創業

 1974年6月、清掃等の軽作業を請負う目的で個人により設立された日本総業有限会社にて、明治神宮野球場(東京都新宿区)での清掃、観客整理案内整理業務を受託、これが当社グループの事業の始まりとなりました。

 

(2) 事業子会社の設立

 1983年8月に日本総業株式会社へ組織変更した後、1998年10月に神奈川県横浜市港北区にニッソーサービス株式会社(現 ヒトトヒト株式会社)を、2004年8月に宮城県仙台市宮城野区に株式会社ジャスティスセキュリティー(その後商号変更し東北ニッソーサービス株式会社、現 ヒトトヒト株式会社)をそれぞれ子会社として設立、また2004年2月と2011年8月に日本総業株式会社が株式会社ノティオの株式を取得して100%子会社としました。

 

(3) 持株会社の設立

 2011年2月に日本総業株式会社の株主であった創業者が逝去した後、相続人等による株式所有を経て、2018年2月に当時の日本総業の取締役3名がニッソーホールディングス株式会社(旧ニッソーホールディングス、実質上の存続会社)を設立し、日本総業の株式を譲り受けて100%子会社としました。

 

(4) 当社及び当社グループの成立

旧ニッソーホールディングスの3名の株主は、個人経営から組織的な会社運営への転換を画策し、日本成長投資アライアンス株式会社が運営するJ-GIA1号投資事業有限責任組合により2019年7月に設立された株式会社Slugger(現 当社、形式上の存続会社)に対し、2019年8月に旧ニッソーホールディングスの全株式を譲渡しました。LBO(Leveraged Buyout)の形式で株式を譲り受けたSluggerは2019年12月に旧ニッソーホールディングスを吸収合併してニッソーホールディングス株式会社へ商号変更、その後2020年4月にヒトトヒトホールディングス株式会社へと再び商号変更し、現在に至っております。

なお、Sluggerに対して旧ニッソーホールディングスの株式を譲渡した株主のうち1名は当社代表取締役社長兼グループCEOの松本哲裕です。松本は大学在学中から日本総業でアルバイトを経験した後1998年に同社に入社、一時転職したものの2011年に同社に再入社し取締役に就任という経歴ですが、事業の実務に精通していることに加え、当社の主要取引先である三井不動産株式会社との取引のきっかけを作り拡大させた実績を持つ等、当社グループの成長のために最も欠かすことのできない取締役であります。このような経験と資質から、出資というリスクを伴うインセンティブの一環として2019年8月にSluggerの第三者割当増資を引き受け、現在は当社発行済株式数の10.0%(1,400,000株、個人の資産管理会社を含む)を保有しております。

当社子会社の日本総業は2022年4月に子会社のニッソーサービスと東北ニッソーサービスを吸収合併し、同時にヒトトヒト株式会社へと商号変更しました。

また当社において、2021年11月に株式会社アプメス(現 ヒトトヒトキャリアライズ株式会社)の株式を、2023年5月に株式会社エース警備保障、株式会社エースガード、株式会社GOP警備保障(現 株式会社エース警備保障)の株式をそれぞれ取得し、子会社化しております。

 

(5) ガバナンス体制の構築

 旧ニッソーホールディングス株式の取得に伴い、資本上は当社を頂点とした持株会社体制を確立しました。その後2019年12月に取締役会を設置してグループ全体の意思決定機関としたことに加え、2022年4月には財務経理や人事総務、内部監査などの管理部門を当社に集約し、内部統制やコンプライアンスを推進する体制を整備しました。更に2023年6月に監査役会を設置、2025年4月に監査等委員会設置会社へ移行することで業務執行取締役への牽制機能を強化しております。

 このように、当社設立後も着実にガバナンス体制の整備と強化に努めております。

 

(6) 上場の目的

当社グループの事業は、グループ各社に集う「人」がサービスの中核を成しており、その一人一人が生み出す付加価値によって収益がもたらされております。しかしながら、国内生産年齢人口の減少が続く見通しの中においては、当社の成長の源泉となる「人」を確保することが今後一層困難になることが予想されます。各企業とも人財の確保にしのぎを削る中において当社グループが必要な人財を獲得し続けるためには、透明性の高い会社運営とともに、長期にわたって安心して働くことができる安定的且つ働きがいがある魅力的な職場といった労働環境を構築し、多くの方に認知してもらうことが重要になると考えております。これらを実現するために、自力での変革に加えて上場により社会的信用度の向上を図りたいと考え、上場を申請いたしました。

また従業員に対する継続的な待遇向上も、人財の確保につながることはもちろん、従業員の生活を預かる企業としての責務であると考えております。継続的な待遇向上のためには企業の成長が必須となることから、当社では自力での成長に加えてM&Aによる成長も重要な手段と考えております。このため、上場による資金調達手段の多様化や資金調達能力の増大によって財務体質の強化を図り、積極的にM&Aを進めることで成長を加速させ、株主への還元はもちろん従業員の待遇にも還元していきたいと考えております。

 

以上の当社グループの変遷を図示したものは以下のとおりです。


 

(注)1.2004年2月に発行済株式総数の70.0%を取得し、その後2011年8月に全株式を取得しております。

2.2023年5月にエースガード及びGOP警備保障の全株式を、エース警備保障の発行済株式総数の85.5%をそれぞれ取得し、その後2024年3月にエース警備保障の全株式を取得しております。

 

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

国際会計基準

第5期

第6期

決算年月

2024年3月

2025年3月

売上収益

(百万円)

15,606

16,803

税引前当期利益

(百万円)

93

508

親会社の所有者に帰属する
当期利益

(百万円)

19

342

親会社の所有者に帰属する
当期包括利益

(百万円)

9

343

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

1,879

2,223

総資産額

(百万円)

11,712

11,180

1株当たり親会社所有者
帰属持分

(円)

134.26

158.84

基本的1株当たり当期利益

(円)

1.37

24.43

希薄化後1株当たり
当期利益

(円)

1.37

24.02

親会社所有者帰属持分比率

(%)

16.0

19.9

親会社所有者帰属持分当期利益率

(%)

1.0

16.7

株価収益率

(倍)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

827

336

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

871

62

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

1,300

729

現金及び現金同等物の

期末残高

(百万円)

1,951

1,495

従業員数
〔ほか、平均有期雇用人員〕

(名)

393

375

1,776

1,761

 

(注) 1.第5期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。

2.第5期及び第6期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。

3.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

4.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向を除き、グループ外から当社グループへの出向を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員及びアルバイトを含み派遣社員を除く。)は年間の平均人員(1日8時間換算)を〔 〕に外数で記載しております。

5.2025年10月14日開催の取締役会決議により、2025年11月10日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を行っております。第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益を算定しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

日本基準

第2期

第3期

第4期

第5期

第6期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(百万円)

135

186

188

531

522

経常利益(△は損失)

(百万円)

20

24

233

1,456

892

当期純利益(△は損失)

(百万円)

20

23

188

844

900

資本金

(百万円)

100

100

100

100

100

発行済株式総数

(株)

280,000

280,000

280,000

280,000

280,000

純資産額

(百万円)

2,775

2,798

2,610

3,454

4,355

総資産額

(百万円)

9,323

10,713

10,348

11,434

11,450

1株当たり純資産額

(円)

9,904.32

9,987.25

9,315.07

246.61

310.92

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益

(△は損失)

(円)

71.54

82.93

672.18

60.31

64.31

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

29.74

26.10

25.20

30.19

38.02

自己資本利益率

(%)

0.75

0.83

27.86

23.07

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数
〔ほか、平均有期
雇用人員〕

(名)

16

19

21

―〕

―〕

-〕

-〕

-〕

 

(注) 1.株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。

2.2025年11月10日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を行っており、発行済株式総数は14,000,000株となっております。第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

3.1株当たり配当額、1株当たり中間配当額及び配当性向は、配当を行っていないため記載しておりません。

4.主要な経営指標等の推移のうち、第2期から第4期については、会社計算規則(平成18年法務省令13号)の規定に基づき算出した数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。

5.前事業年度(第5期)及び当事業年度(第6期)の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。

6.第4期については、管理部門の従業員を子会社から当社に転籍させたことで販売費及び一般管理費が増加し、経常損失と当期純損失を計上しております。

7.第5期については、子会社からの経営指導料増額により売上高が増加し、子会社からの配当実施により売上高を上回る経常利益を計上しております。

8.潜在株式調整後1株当たり当期純利益につきましては、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であ り、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

9.第4期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため、記載しておりません。

10.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員及びアルバイトを含み派遣社員を除く。)は年間の平均人員を〔 〕に外数で記載しております。

 

11.2025年11月10日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を行っております。そこで東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに挙げると、以下のとおりとなります。なお、第2期、第3期及び第4期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

回次

第2期

第3期

第4期

第5期

第6期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

1株当たり純資産額

(円)

198.09

199.75

186.30

246.61

310.92

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益

(△は損失)

(円)

1.43

1.66

△13.44

60.31

64.31

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

 

 

2 【沿革】

 (はじめに)に記載のとおり、当社は2019年7月に設立された後、2019年8月にニッソーホールディングス株式会社の株式を取得し2019年12月に同社を吸収合併、そして2020年4月に現在の商号に変更しておりますが、当社グループの事業は1974年6月に設立された現在のヒトトヒト株式会社から継続されています。

 そこで以下では、当社に加えて実質上の存続会社であるヒトトヒト株式会社及びその他の子会社の沿革をそれぞれ記載しております。

 (1) 当社の沿革

年  月

事    業    の    変    遷

2019年7月

日本成長投資アライアンス株式会社が運営する投資事業組合の出資により株式会社Sluggerとして当社設立

2019年8月

ニッソーホールディングス株式会社の全株式を取得

2019年12月

ニッソーホールディングス株式会社を吸収合併し、ニッソーホールディングス株式会社へと商号変更、また本店所在地を東京都港区虎ノ門から東京都渋谷区神宮前へと変更

2020年4月

ヒトトヒトホールディングス株式会社へと商号変更

2021年11月

株式会社アプメス(現 ヒトトヒトキャリアライズ株式会社、以下、「アプメス」)の全株式を取得し子会社化

2023年5月

株式会社エース警備保障(以下、「エース警備保障」)の発行済株式総数の85.5%、有限会社エースガード(現 株式会社エースガード、以下、「エースガード」)及び株式会社GOP警備保障(以下、「GOP警備保障」)の全株式を取得し子会社化

2023年6月

定款を変更し、監査役設置会社から監査役会設置会社へと移行

2024年3月

エース警備保障の発行済株式総数の14.5%を追加取得し、完全子会社化

2025年4月

定款を変更し、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へと移行

 

 

 

 (2) ヒトトヒト株式会社及びその他の子会社の沿革

年  月

事    業    の    変    遷

1974年6月

日本総業有限会社(現 ヒトトヒト株式会社)設立、明治神宮野球場の清掃業務及びヤクルトスワローズ主催試合の運営業務を開始

1983年8月

日本総業有限会社から日本総業株式会社(以下、「日本総業」)へと組織変更

1984年2月

東京都公安委員会より警備業の認定を取得。明治神宮の警備業務を開始

1998年10月

ニッソーサービス株式会社(現 ヒトトヒト株式会社)を設立、横浜ベイスターズ(現 横浜DeNAベイスターズ)主催試合の運営業務を開始

2000年4月

三井ショッピングパークららぽーとの交通警備業務を受託

三井不動産グループ商業施設での業務を開始

2004年2月

日本総業が、株式会社ノティオ(以下、「ノティオ」)の発行済株式総数の70%を取得し子会社化

2004年8月

株式会社ジャスティスセキュリティー(現 ヒトトヒト株式会社)を設立

2005年1月

株式会社ジャスティスセキュリティーから東北ニッソーサービス株式会社へと商号変更、東北楽天ゴールデンイーグルス主催試合の運営業務を開始

2011年2月

創業者の急逝に伴い、日本総業の取締役1名が日本総業の役職員から創業者所有分以外の日本総業の株式を取得

2011年8月

日本総業が、ノティオの全株式を取得し、完全子会社化

2018年2月

日本総業の取締役3名の出資によりニッソーホールディングス株式会社(現 ヒトトヒトホールディングス株式会社)を設立。取締役1名が所有する日本総業の全株式を取得

2018年7月

日本総業にて名古屋支店を設置

2019年2月

日本総業にて大阪支店を設置

2020年2月

日本総業にて福岡営業所(現 福岡支店)を設置、福岡ソフトバンクホークス主催試合の運営業務を開始

2022年1月

日本総業にて北海道営業所を設置

2022年4月

日本総業が、ニッソーサービス株式会社及び東北ニッソーサービス株式会社を吸収合併し、ヒトトヒト株式会社へと商号変更

2022年4月

ヒトトヒトにて組織変更を実施し、東北支店、横浜支店、ビルマネジメント本部、イベントマネジメント本部を設置、また福岡営業所を福岡支店へと変更

2022年4月

アプメスが、子会社の株式会社アプメスエージェントを吸収合併

2023年1月

アプメスが、本店所在地を東京都港区虎ノ門から東京都渋谷区神宮前へと変更

2024年4月

アプメスからヒトトヒトキャリアライズ株式会社へと商号変更

2024年4月

エース警備保障を存続会社としGOP警備保障を消滅会社とする吸収合併を実施

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社5社(ヒトトヒト(株)、ヒトトヒトキャリアライズ(株)、(株)エース警備保障、(株)エースガード、(株)ノティオ)の計6社で構成されております。

当社グループは人財サービス事業の単一セグメントとなりますが、イベントマネジメント、ビルマネジメント、人財サポートの3つの分野を主要な事業としております。

それぞれの事業の特徴は以下のとおりです。

 

(1) イベントマネジメント事業

当事業は、野球やゴルフ、サッカー、バスケットボールなど不特定多数の観客や参加者が集まるイベントの安全を確保する業務を行っております。

当事業は、当社グループの祖業である明治神宮野球場での業務に始まります。当初は試合後の清掃から始まって次第にチケット確認や座席への案内、グラウンド整備を行い、警備業の認定を受けて警備業務も実施するようになり、飲食店舗運営やファンクラブ運営にまで幅を広げております。現在は明治神宮野球場に加えて横浜スタジアム、楽天モバイルパーク宮城、みずほPayPayドーム福岡、阪神甲子園球場、京セラドーム大阪、ベルーナドーム、及び北海道ボールパークFビレッジと、プロ野球12球団中8球団の本拠地球場にて各種の業務を実施するまでに至っております。(注)1

ゴルフ競技においては、女子ツアーを中心に警備業務の一部受注から始まり、現在は警備のみならず観客の輸送業務や案内整理業務、更に大会開催前の地元説明会や臨時駐車場の確保、バス輸送体制の整備、警察への説明と対応等多岐にわたる業務を行うことで、2025年3月末現在において国内女子JLPGAツアー37大会中15大会をはじめ、その他女子や男子、シニア等合わせて25大会の運営支援を行うまでに成長しております。

サッカーについては、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)発足翌年の1994年より関与しており、現在は7チームに対して警備や整理案内、その他の業務を提供しております。またバスケットボールについては、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)発足4年目となる2019年-2020年シーズンより関与しており、現在は8チームに対して警備や整理案内、その他の業務を提供しております。(注)1

その他にはマラソンや花火大会、音楽ライブ・コンサートなど季節性・一過性のイベントに加え、近年プロリーグ化が進展するラグビーや卓球などでも、野球やゴルフで培った実績と蓄積された運営ノウハウを顧客に評価され、運営支援の数を増やしております。加えて観客数増加やグッズ売上増等を図るためのマーケティング調査サービスやイベント装飾物の調達・設営サービスも提供しております。

上記の各スポーツ・イベントは不定期に開催されるため、繁閑の差が大きく人員確保が困難という点が共通していますが、当社グループは学生を中心とした人財プール(アルバイトスタッフ)を常時一万人近く抱え、協力会社を含めて必要な人員を適宜供給できる人財インフラともいえる体制とそれら人員を統括する現場リーダーのマネジメント力を備えております。この人財インフラを提供することで、主催者がスタッフ人財を流動化しイベント企画等の高付加価値業務に集中できるようなサポートを行っています。全国規模のイベントに柔軟かつ迅速に対応できる体制を構築しており、イベントが多いシーズンにおいても、グループ横断の連携により安定した人員供給と運営品質を実現しています。このような柔軟な対応力が当社グループの競争力の源泉となっております。

 

(注)1.2026年1月現在で当社が関与する球団・チームは以下のとおりです。

プロ野球:東京ヤクルトスワローズ、横浜DeNAベイスターズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、

     福岡ソフトバンクホークス、北海道日本ハムファイターズ、埼玉西武ライオンズ、

     阪神タイガース、オリックス・バファローズ

Jリーグ:横浜F・マリノス、ベガルタ仙台、柏レイソル、ヴィッセル神戸、SC相模原、

     ジェフユナイテッド市原・千葉、RB大宮アルディージャ

Bリーグ:仙台89ERS、川崎ブレイブサンダース、千葉ジェッツふなばし、サンロッカーズ渋谷、

     大阪エヴェッサ、横浜ビー・コルセアーズ、横浜エクセレンス、ライジングゼファー

     福岡

 

(2) ビルマネジメント事業

当事業は、商業施設やオフィスビル、学校等において従業者や来場者の安全確保に努める施設警備と、施設周辺や施設駐車場、及び建築・建設・土木工事現場等での交通を整理し通行者の安全確保に努める交通誘導警備、並びにオフィスビル清掃や興行施設(スタジアム・アリーナ)のイベント前後の清掃業務を主たる業務として行っております。

施設警備においては、安全確保を第一とする警備業務が主たる業務ではありますが、来場者への施設案内や拾得物取り扱い、迷子案内など接客に類する業務も含まれています。当社グループの警備員(アルバイト含む)に占める女性の割合は17.2%、また30歳未満の割合は37.5%と、いずれも警備業全体の平均割合(7.3%、10.4%)よりも高く、来場者に対して朗らかで柔らかい応対ができる警備員が多いことが特長です。(注)2

交通誘導警備においても商業施設の駐車場では施設と同様に柔らかい応対が期待されるため、若い警備員が多いことは優位点のひとつとなっているほか、野球場等から一時的に多くの交通誘導警備員を供給することで施設特性や曜日・イベントによる繁閑差に応じた柔軟な配置計画を実現できることも優位点と考えております。工事現場においても工事の進捗や天候によって警備員の人数や警備時間の変動があるため、グループ内だけでなく外注先を含めた警備員の供給力は強みとなっております。

上記のような警備業務のみならず、顧客の大規模商業施設においては、受付やバックヤードの各種庶務業務も行う他、施設の設計段階で自治体や警察から求められる警備計画の立案や作成等の支援も行い、開業初期の安全体制構築にも貢献しております。商業施設での警備実績と経験に基づき立案された交通渋滞や混雑を防ぐための当社グループの支援も、商業施設の警備業務を継続的に受注できる要因の一つとなっております。

また清掃業務については、床清掃や窓清掃など清掃箇所別に専業で行う小規模会社が大多数の中、当社グループでは協力会社とともに一括での業務実施が可能であることが、ビル管理会社等の発注企業からの継続的な業務受注の要因となっております。

特に商業施設の実績としては、2026年1月末時点において三井不動産株式会社グループが運営する三井ショッピングパークららぽーとや三井アウトレットパーク等の商業施設(都心型商業施設を除く)52施設のうち26施設において警備等の業務を提供しております。

なお、上記業務については直接契約による他、警備会社や統括管理会社(ファシリティマネジメント会社)等の元請企業との契約により、顧客にサービスを提供しております。

 

(注)2.当社グループの割合は都道府県公安委員会への届出書類(2024年12月末現在)より、警備業全体の平均割合は警察庁生活安全局生活安全企画課「令和6年における警備業の概況」より、それぞれ抜粋

 

(3) 人財サポート事業

当事業は、移動体通信関連企業等への一般事務等の人材派遣業と、モバイル機器や消費財を中心としたセールスプロモーション業を主たる業務としており、人財確保に悩む顧客の業務サポートを行うことで、幅広い企業の営業活動の支援を行っています。

当社の人材派遣業における派遣先業務はバックオフィスと呼ばれる顧客サポート窓口や契約事務での業務が中心であり、一般事務といえども派遣先のサービス自体への理解が必要となるため、派遣期間が1年を超える長期になる契約が多く、収益の変動は比較的少ない業務です。

セールスプロモーション業は、メーカーや物販会社から商品の宣伝や販売を受託し実施する業務を中心にしております。モバイル機器については、移動体通信事業者(通信キャリア)からの委託や通信キャリアの販売代理店からの再委託を受け、モバイル機器販売店や家電量販店にて販売業務を行っておりますが、頻繁に変更される料金プランや商品サイクルが短いモバイル機器の特徴といった幅広い販売知識が必要となり、販売員のこれら知識や提案力による販売数量の差が大きいため、安定した販売実績を挙げることができれば顧客からの解約が起こりにくく、逆に取引拡大も可能な業務です。通信キャリアの一つである楽天モバイルの店舗運営業務は2021年の取引開始当初は1店舗のみの受託でしたが、2026年1月時点において27都道府県にて183店舗の受託へと取引が拡大しております。

商品の宣伝においては、数日から1カ月程度の短い実施期間において多数の拠点に多くの宣伝スタッフを配置する必要があるため、東京、大阪、名古屋、札幌など大都市圏に拠点を持つ当社グループのアルバイトスタッフや協力会社からの人財供給力が活かされる業務と考えております。またこれら宣伝は家電量販店で行われることも多いですが、家電量販店は各社独自の商慣習や店内ルールがあり、モバイル機器の販売でそれらを熟知している当社グループはその点でも強みを有すると考えております。専門知識と提案力を備えたスタッフを多数育成することで、店舗、バックオフィス、事務、コールセンター、イベント会場、作業サポート、軽作業、キッティング、スタッフサポート、PR補助、整理案内など多様な現場で業務請負や人材派遣業務を提供しています。

その他、個人向け事業として家事代行サービスも行っており、東京都内の一部地域限定ではありますが、顧客ニーズに合わせて家事に関する様々なサービス提供を行っております。

 

(4) その他の事業

当社グループでは、その他の事業として、グループ各社のサービスに付随する資機材・装飾物の調達や工事に関する事業、及び野球やサッカーの練習からスポーツイベント等にも使用可能な屋内多目的練習施設「ヒトスタ!」事業を営んでおります。当事業もグループ各社の事業の伸長とともに成長していくものと考えております。

 

それぞれの事業の内訳と、事業を行っている連結子会社の内訳は以下のとおりです。

セグメント

人財サービス

事業名称

イベント

マネジメント事業

ビル

マネジメント事業

人財サポート事業

その他の事業

事業内容

野球やゴルフ等スポーツイベントの準備・運営・警備・清掃等の業務

商業施設、オフィスビルの施設管理・警備・清掃等の業務

モバイルサービス等の販売企画・店舗運営、及び顧客サポート業務の受託・人材派遣

グループ各社のサービスに付随する資機材の調達や工事、

屋内練習施設運営等

主に担当する子会社

ヒトトヒト(株)

ヒトトヒト(株)

(株)エース警備保障

(株)エースガード

ヒトトヒトキャリアライズ(株)

(株)ノティオ

 

 

 

 

また、事業の系統図は以下のとおりです。

 


 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業
の内容

(注)1

議決権の

所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

ヒトトヒト株式会社

(注)2,5

東京都渋谷区

50

警備業

100.0

役員の兼任1名

経営指導・管理業務の受託

金銭の貸借

 

 

 

 

 

 

ヒトトヒトキャリアライズ株式会社(注)2,5

東京都渋谷区

10

人材派遣業

業務請負業

100.0

役員の兼任無し

経営指導・管理業務の受託

金銭の貸借

 

 

 

 

 

 

株式会社エース警備保障

(注)2,5

兵庫県尼崎市

10

警備業

100.0

役員の兼任無し

経営指導

金銭の貸借

 

 

 

 

 

 

株式会社エースガード

兵庫県神戸市

灘区

警備業

100.0

役員の兼任無し

経営指導

金銭の貸借

 

 

 

 

 

 

株式会社ノティオ

(注)2,4

東京都渋谷区

10

イベント企画・運営業

100.0

(100.0)

役員の兼任1名

経営指導・管理業務の受託

金銭の貸借、消耗品の発注

 

 

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、代表的な業務の名称を記載しております。

2.特定子会社であります。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4.議決権の所有割合の( )内は間接所有の割合であり、内数であります。

5.ヒトトヒト(株)、ヒトトヒトキャリアライズ(株)及び(株)エース警備保障については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。2025年3月期の日本基準に基づいて作成された財務諸表における主要な損益情報等は以下のとおりです。

ヒトトヒト(株)

 売上高         10,298百万円

 経常利益          577百万円

 当期純利益        408百万円

 純資産額        1,529百万円

 総資産額        2,870百万円

ヒトトヒトキャリアライズ(株)

 売上高          2,809百万円

 経常利益           28百万円

 当期純利益         18百万円

 純資産額          237百万円

 総資産額          573百万円

(株)エース警備保障

 売上高          3,099百万円

 経常利益           78百万円

 当期純利益         50百万円

 純資産額        1,031百万円

 総資産額        1,458百万円

6.当社の過半数の株式を所有するJ-GIA1号投資事業有限責任組合は、企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」第16項(4)の規定により、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づく親会社には該当しません。なお、当社が採用するIFRSにおいては、当該会社が直近上位の親会社であり、最終支配当事者は日本成長投資アライアンス株式会社であります。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

当社グループは、人財サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

2026年1月31日現在

従業員数(名)

397

1,733

 

(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向を除き、グループ外から当社グループへの出向を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員及びアルバイトを含み派遣社員を除く。)は年間の平均人員(1日8時間換算)を( )に外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

当社は、人財サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 

 

2026年1月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

22

―)

41.8

2.14

6,361

 

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

11.1

60.5

60.5

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、育児休業取得対象者が不在の場合、「―」を記載しております。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

ヒトトヒト(株)

6.5

25.0

14.3

100.0

80.2

86.4

86.0

ヒトトヒトキャリアライズ(株)

11.1

82.7

78.0

90.3

(株)エース警備保障

10.0

105.5

68.0

97.3

(株)エースガード

93.5

84.1

73.7

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、育児休業取得対象者が不在の場合、「―」を記載しております。