当社は、日本基準に基づいて財務諸表を作成しておりますが、第3期より国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいた財務諸表を作成しているため、IFRSに基づく経営指標等も参考情報として記載しております。
日本基準に基づく経営指標等
回次 |
日本基準 |
|||
第1期 |
第2期 |
第3期 |
||
決算年月 |
2023年4月 |
2024年4月 |
2025年4月 |
|
売上高 |
(千円) |
|
|
|
経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△ |
|
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
|
|
持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
|
|
|
資本金 |
(千円) |
|
|
|
発行済株式総数 |
(株) |
|
|
|
純資産額 |
(千円) |
|
|
|
総資産額 |
(千円) |
|
|
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
|
|
|
1株当たり配当額 |
(円) |
|
|
|
(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
|
1株当たり当期純利益又は 1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
|
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
|
|
|
自己資本比率 |
(%) |
|
|
|
自己資本利益率 |
(%) |
|
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
|
配当性向 |
(%) |
|
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|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
|
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
△ |
△ |
現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
|
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
3.第1期は、2022年12月14日から2023年4月30日までの4ヶ月と18日であります。なお、当社の実質的な事業活動は、第2期の期首にあたる2023年5月1日(旧サイバーソリューションズ株式会社を消滅会社とする吸収合併の効力発生日)から開始しております。したがって、第1期は経常損失及び当期純損失を計上しております。
4.第1期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、第2期及び第3期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
5.第1期の自己資本利益率については、当期純損失のため記載しておりません。
6.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
7.従業員数は当社から当社外への出向者を除く就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、嘱託社員、人材会社からの派遣社員)は年間平均人員を( )外数で記載しております。
8.第2期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりますが、第1期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、監査を受けておりません。
9.2024年4月22日付で普通株式1株につき150株の割合で株式分割を行っておりますが、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。
10.当社は、2024年4月22日付で普通株式1株につき150株の株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第1期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。
なお、第1期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
回次 |
第1期 |
第2期 |
第3期 |
|
決算年月 |
2023年4月 |
2024年4月 |
2025年4月 |
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
62.73 |
98.25 |
153.22 |
1株当たり当期純利益又は 1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△3.93 |
36.78 |
54.92 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(参考情報)
IFRSに基づく経営指標等
回次 |
国際会計基準 |
||
第2期 |
第3期 |
||
決算年月 |
2024年4月 |
2025年4月 |
|
売上高 |
(千円) |
|
|
税引前利益 |
(千円) |
|
|
当期利益又は 親会社の所有者に帰属する当期利益 |
(千円) |
|
|
当期包括利益又は 親会社の所有者に帰属する当期包括利益 |
(千円) |
|
|
持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
|
|
資本金 |
(千円) |
|
|
発行済株式総数 |
(株) |
|
|
資本合計又は 親会社の所有者に帰属する持分 |
(千円) |
|
|
資産合計 |
(千円) |
|
|
1株当たり資本合計又は 1株当たり親会社所有者帰属持分 |
(円) |
|
|
1株当たり配当額 |
(円) |
|
|
(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
|
基本的1株当たり当期利益 |
(円) |
|
|
希薄化後1株当たり当期利益 |
(円) |
|
|
自己資本比率又は 親会社所有者帰属持分比率 |
(%) |
|
|
自己資本利益率又は 親会社所有者帰属持分当期利益率 |
(%) |
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
配当性向 |
(%) |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
(注)1.第3期よりIFRSに基づいて財務諸表を作成しております。また、第2期については2023年5月1日を移行日としたIFRSに基づく連結経営指標等をあわせて記載しております。
2.第2期においてInternet Secure Services株式会社を非継続事業に分類しております。これにより第2期及び第3期の売上高及び税引前利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。
3.希薄化後1株当たり当期利益については、新株予約権は存在するものの、権利確定が上場条件付きとなっているため希薄化効果の計算対象外ですので、記載しておりません。
4.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は、関連会社を有していないため、記載しておりません。
5.2024年4月22日付で、普通株式1株につき、150株の割合で株式分割を行っておりますが、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり資本合計又は1株当たり親会社所有者帰属持分及び基本的1株当たり当期利益を算出しております。
6.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
7.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、嘱託社員、人材会社からの派遣社員)は年間平均人員を( )外数で記載しております。
8.当社のIFRSに基づく財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。
(参考情報)
当社は、旧サイバーソリューションズ株式会社の吸収合併を目的として、2022年12月14日にACAセキュリティ株式会社として設立されました。その後、2023年1月に旧サイバーソリューションズ株式会社の全株式を取得して子会社化し、2023年5月1日に旧サイバーソリューションズ株式会社を吸収合併した後、同日にACAセキュリティ株式会社からサイバーソリューションズ株式会社に商号変更を行い、実質的に事業を継承しました。そのため、比較可能性の観点から、参考情報として実質的な存続会社である旧サイバーソリューションズ株式会社(単体)の2021年9月期から2023年4月期に係る主要な経営指標等の推移(会社計算規則に基づき算出した数値)を記載しております。
旧サイバーソリューションズ株式会社の日本基準に基づく主要な経営指標等の推移
回次 |
日本基準 |
|||
第22期 |
第23期 |
第24期 |
||
決算年月 |
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年4月 |
|
売上高 |
(千円) |
1,703,810 |
2,088,171 |
1,385,452 |
営業利益 |
(千円) |
621,946 |
775,316 |
452,633 |
経常利益 |
(千円) |
639,487 |
805,763 |
479,672 |
税引前当期純利益 |
(千円) |
639,678 |
745,074 |
337,570 |
当期純利益 |
(千円) |
426,723 |
539,555 |
214,588 |
資本金 |
(千円) |
100,000 |
100,000 |
100,000 |
純資産額 |
(千円) |
1,621,216 |
2,033,026 |
2,063,453 |
総資産額 |
(千円) |
2,786,275 |
3,641,655 |
3,884,621 |
(注)1.各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
2.第24期は、決算期変更により2022年10月1日から2023年4月30日までの7ヶ月間となっております。
<当社(新サイバーソリューションズ株式会社)の設立経緯について>
当社は、当社代表取締役社長の林界宏の出資により、オフショア開発を目的として1997年1月に創業(設立は同年4月)されたリンクアジア株式会社を起源としております。リンクアジア株式会社はほどなくして、「ファブレスで開発した良い製品とサービスを日本国内で販売する」というコンセプトのもと、1998年8月にサイバーソフト株式会社へ商号を変更し、サーチエンジンの販売等を営んでおりました。
しかし、林界宏はリンクアジア株式会社と同時期に創業し、代表取締役社長を兼務していたインターネットセキュリティシステムズ株式会社(2001年9月店頭登録後、2007年4月上場廃止)の株式公開準備に専念するため、サイバーソフト株式会社の経営から退くこととなり、サイバーソフト株式会社の事業を当時の役職員に引き継ぐことを目的として、2000年1月に旧サイバーソリューションズ株式会社が設立されました。旧サイバーソリューションズ株式会社は、事業譲渡を受けた後、現在の事業の主力であるメールシステムの提供を2001年1月から開始し、これまで事業を拡大して参りました。
旧経営陣による経営の結果、業績が低迷し債務超過に陥っていた2009年4月に林界宏は株主からの要請を受け、旧サイバーソリューションズ株式会社に復帰しており、以降、就任当初を除き非常勤ではあるものの、取締役会長兼経営会議議長(注1)として一部経営に関与しておりました。林界宏の経営への関与強化に伴い、事業が順調に拡大傾向にあった2022年に、更なる経営基盤の強化及び事業の拡大を目的として、林界宏を大株主かつ代表取締役社長に据えて株式上場を目指すこととなり、旧経営陣を含む既存株主から全株式を取得するためのMBO(マネジメント・バイアウト)の実行に向けてACAセカンダリーズ株式会社と提携を行うこととしました。ACAセカンダリーズ株式会社は林界宏によるMBOをサポートするため、LBO(レバレッジド・バイアウト)に係るスキームの立案等を担い、2022年12月に旧サイバーソリューションズ株式会社を承継するためにACAセキュリティ株式会社を設立しました。ACAセキュリティ株式会社は、2023年1月に旧サイバーソリューションズ株式会社の全株式を取得して子会社化し、その後2023年5月に旧サイバーソリューションズ株式会社を吸収合併すると同時に、商号をサイバーソリューションズ株式会社に変更いたしました。
(注1)本人の事情により、林界宏は2020年1月に取締役の地位のみ退いております。
<LBOについて>
当社は、旧サイバーソリューションズ株式会社の株式取得にあたり、取得資金を調達するために、銀行からの借入によるLBOを実施いたしましたが、当社の業績は順調に推移し借入金の返済も順調に行われた結果、2024年7月に全額を返済しております。その結果、LBO実施時の財務制限条項及び担保提供義務については消滅しております。
また、当社はLBOによる旧サイバーソリューションズ株式会社の全株式の取得に伴い、のれんを計上しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、当社の将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上することとなります。当該のれんの減損リスクの内容については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (4) その他のリスク」に記載しております。
さらに、林界宏によるMBOの実施後における企業経営の健全性確保の観点から、当社はガバナンス体制の強化が重要であると考え、2024年1月の臨時株主総会において監査役会設置会社に移行するとともに、2025年1月より取締役会の役員構成について社外取締役の比率を過半数(注2)にしております。加えて、2025年4月に任意の指名報酬委員会を設置し、経営陣並びに社外取締役の構成、取締役の個別報酬の基本方針、報酬制度の設計について協議する等、さらなるガバナンス体制の強化に努めております。
(注2)取締役5名のうち社外取締役3名(うち、独立社外取締役2名)
<リンクアジア株式会社(サイバーソフト株式会社)の沿革>
年月 |
変遷の内容 |
1997年4月 |
リンクアジア株式会社設立 |
1998年8月 |
サイバーソフト株式会社へ商号変更 |
2000年1月 |
旧サイバーソリューションズ株式会社へ事業譲渡 |
2000年9月 |
破産宣告(2001年1月破産廃止決定) |
<旧サイバーソリューションズ株式会社の沿革>
年月 |
変遷の内容 |
2000年1月 |
旧サイバーソリューションズ株式会社設立 サイバーソフト株式会社から事業譲受 |
2001年1月 |
CyberMailリリース(メールシステム) |
2005年1月 |
MailBaseリリース(メールアーカイブシステム) |
2005年11月 |
MailGatesリリース(メールセキュリティシステム) |
2007年3月 |
ISO27001認証取得 |
2008年6月 |
関西オフィス設立 |
2009年1月 |
CYBERMAIL Σサービス開始(クラウドメールサービス) |
2012年12月 |
MAILBASE Σリリース(クラウドメールアーカイブサービス) |
2016年7月 |
CyberMail STリリース(メール無害化サービス) |
2016年11月 |
CYBERMAIL Σ-STサービス開始(クラウドメール無害化転送サービス) |
2018年7月 |
MAILGATES Σサービス開始(クラウドメールセキュリティサービス) |
2019年4月 |
Cloud Mail SECURITYSUITE サービス開始(クラウドセキュリティサービス) |
2020年1月 |
EMERGENCY MAILサービス開始(バックアップWEBメールサービス) |
2020年4月 |
ISO27017、ISO27018認証取得 |
2021年10月 |
Internet Secure Services株式会社設立(2025年3月に保有する株式を一部売却し、連結の範囲から除外) |
2022年8月 |
Enterprise Auditリリース(eDiscovery対応メール監査システム) |
2023年1月 |
ACAセキュリティ株式会社が旧サイバーソリューションズ株式会社の全株式を取得し、完全子会社となる |
2023年5月 |
ACAセキュリティ株式会社を存続会社、旧サイバーソリューションズ株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施 |
<当社(新サイバーソリューションズ株式会社)の沿革>
年月 |
変遷の内容 |
2022年12月 |
ACAセキュリティ株式会社設立 |
2023年1月 |
ACAセキュリティ株式会社が旧サイバーソリューションズ株式会社の全株式を取得し、完全子会社化 |
2023年2月 |
代表取締役社長の林界宏及び林界宏の親族を割当先とする第三者割当増資を実施 |
2023年5月 |
ACAセキュリティ株式会社を存続会社、旧サイバーソリューションズ株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施。サイバーソリューションズ株式会社へ商号変更 |
2024年11月 |
SecureDriveリリース(クラウドストレージサービス) |
2024年12月 |
株式会社日立システムズと業務資本提携の締結 |
2025年2月 |
SecureCommunicationONEリリース(統合コラボレーションサービス) |
2025年2月 |
SecureBoardリリース(クラウドグループウェアサービス) |
2025年3月 |
Internet Secure Services株式会社の株式を一部売却、連結の範囲から除外 |
(1)サービス概要
当社は、デジタルコミュニケーション&サイバーセキュリティ事業の単一セグメントでありますが、サービスの特徴から、メールの無害化、脅威防御、情報漏洩対策などと関連するセキュリティ、リスクマネジメントの製品・サービスの企画・販売事業を行うセキュリティソリューション事業、及びビジネスコミュニケーション(メール・ビジネスチャット・グループウェア)に関連する製品・サービスの企画・販売事業を行うコミュニケーションソリューション事業の2つの事業に区分しております。
事業 |
各事業を構成するサービス内容 |
セキュリティ ソリューション事業 |
メールセキュリティ「Cloud Mail SECURITYSUITE」、「MailGates」、「CyberMail-ST」、「Cybermail-CDR」、メッセージングアーカイブ「Enterprize Audit」といったメールセキュリティの製品・サービスの企画・販売 |
コミュニケーション ソリューション事業 |
メールサービス「CyberMail」「CYBERMAILΣ」(注)、ビジネスチャット「CYBERCHAT」、セカンダリメール「EMERGENCYMAIL」、クラウドストレージサービス「SecureDrive」、クラウドグループウェアサービス「SecureBoard」、統合コラボレーションサービス「SecureCommunicationONE」(注)といったビジネスコミュニケーション製品・サービスの企画・販売 当社サービス導入に向けた導入に向けた支援サービスの販売 |
(注)メールサービス、ビジネスチャット、メールセキュリティ等を統合してサービス提供している「CYBERMAIL Σ」及び「SecureCommunicationONE」については、サービスの比率に応じて、コミュニケーションソリューション事業とセキュリティソリューション事業に収益を配分しております。
(2)ビジネスモデルの特徴
当社のビジネスモデルの特徴としては、①ファブレス経営、②ハイブリッド経営、③No.3論理に基づく日本No.1戦略、の3つがあります。
①ファブレス経営
当社は、創業時より「ファブレス経営」(注1)を掲げ、製品・サービスの企画、開発、検証、販売、サポートの中で、製品開発(カスタマイズ開発は除く)を自社では行わず、提携する会社に委託する体制を構築することで、固定費の抑制を図っております。製品開発に係る対価については、売上高に連動した一定率で設定しており、また、海外の提携会社に対しても円建てで決済する契約としていることから、原価のコントロールが容易となり、高い利益率を確保できる事業構造を実現しております。
②ハイブリッド経営
コミュニケーションソリューション事業の対象となるメールサービス等の市場は、大きな成長は見込まれないものの、縮小傾向も見られない成熟した市場領域であり、開発人材の確保が困難であることから新規参入もなく、同業他社の撤退も進んでいることから、当社は安定的な収益基盤および残存者利益を確保しております。一方、セキュリティソリューション事業の対象となるメールセキュリティやリスクマネジメント等の市場は、成長性の高い市場領域となっております。当社は、これら2つの事業を組み合わせた「ハイブリッド経営」を推進することで、売上高の成長と収益性の確保の両立を図っております。
③No.3論理に基づく日本No.1戦略
当社は、「No.3論理に基づく日本No.1戦略」(注2)を掲げ、当社がターゲットとしているメールサービス等のコミュニケーションソリューション事業領域において、ニッチ戦略により業界トッププレイヤーとの直接的な競争を回避し、価格優位性の確保を図っております。具体的には、業界大手がクラウドサービス(注3)を中心としたサービス展開をしている中、当社はクラウドサービスに加えてパッケージソフトウェアも提供しており、更には顧客の要望に応じた柔軟なカスタマイズにも対応可能な体制を整えております。また、業界大手がメール、チャット、Web会議、ストレージ等をオールインワンパッケージとして提供しているのに対し、当社は分野ごとに最適な他社製品を選定し、組み合わせて提供することで差別化を図っております。このように、同業他社が行わないサービスを提供する戦略により、価格競争に陥らず、顧客がスイッチしづらい構造を確立し、継続的な取引関係を構築できているものと考えております。
以上のビジネスモデルの特徴により、当社の売上高は、月額利用料を主とするサブスクリプション形式(注4)が大半を占めております。また、主要な売上高であるクラウドサービスの実質解約率(注5)は0%以下、つまり解約金額を既存顧客へのクロスセルやアップセルによる売上高の増加が上回るネガティブチャーンの状況となっており、安定的なストックビジネスを実現しております。
過去のクラウドサービス売上高の実質解約率の推移(注6)は以下となっております。
(注1)当社では、自社で製品・サービスの開発を行わない体制とすることをファブレス経営と称しております。当社主力製品については、製品の基本機能については開発会社が知的財産権を保有し、当社が日本での販売にあたりライセンス料を支払っております。尚、当社が企画・発注した機能は、当社が知的財産権を保有しております。
(注2)「No.3論理に基づく日本No.1戦略」とは、世の中の多くの市場が成熟期を迎える頃には業界No.4以下は淘汰されていき、Top3に集約されていくという当社の考察に基づいて、業界大手であるMicrosoftやGoogleがやらないことをやるというニッチ戦略によって競争を回避し、価格優位性を向上させることで国内コミュニケーションソリューション市場における業界No.3、日本企業としてはNo.1を目指すという方針を意味しております。
(注3)クラウドサービスとは、ユーザー自身が用意したハードウェア上でソフトウェアを利用する販売形態であるパッケージソフトウェアに対して、当社がネットワーク経由でサービスとしてユーザーに提供する販売形態をいいます。
(注4)当社では、導入支援等の一過性の売上高を除く、毎月継続的に収益計上されるビジネスコミュニケーション製品及びメールセキュリティ製品の売上高をサブスクリプション形式の売上高としております。
(注5)実質解約率は、既存顧客の前月売上高に対する当月売上高の比率から算出しており、解約に加え、アカウント数の減少等による既存顧客の売上高減少分およびクロスセルやアップセル等による既存顧客の売上高増加分を含んだ数値となっております。なお、算出に当たっては一過性の初期登録料を除外し、契約更新遅延等による月次売上高の変動分を平準化処理した内部管理用の売上高を用いております。
(注6)グラフ中にある四半期数値及び年度数値は、月次数値を平均化することで算定しております。
[事業系統図]
当社は、提携会社へ仕様書に基づいた開発委託しており、当社で成果物に対する検証をした上で、エンドユーザーに向けて直販及び販売代理店経由でサービスを提供しております。
(注)直接販売及び販売代理店の割合は、2025年4月期における割合を記載しております。
該当事項はございません。
なお、2024年4月期末時点において連結子会社でありましたInternet Secure Services株式会社の株式を2025年3月31日付で一部売却したことにより、連結の範囲から除外されたため、2025年4月期末時点において、連結子会社はありません。
(1)提出会社の状況
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|
|
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2025年8月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
||
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( |
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事業部門の名称 |
従業員数(人) |
|
営業部門 |
17 |
(3) |
技術部門 |
34 |
(4) |
全社(共通) |
16 |
(2) |
合計 |
|
( |
(注)1.従業員数は当社から当社外への出向者を除く就業人員数であります。
2.臨時雇用者数(契約社員、嘱託社員、人材会社からの派遣社員)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。
3.平均年間給与は、直前期1年間の完全在籍者の平均で算出しており、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業部門に区分できない管理部門等に所属しているものであります。
(3)労働組合の状況
当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり特筆すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に課する法律(平成27年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。