(はじめに)
当社(サイプレス・ホールディングス㈱)は、2019年7月26日に、飲食店の経営を行う㈱サイプレス及び㈱ファンタバローレ(注)の経営管理を行うことを目的として、㈱丸の内キャピタル(三菱商事㈱及び㈱三菱UFJ銀行が出資して設立し、本書提出日時点では三菱商事㈱が100%出資する企業投資ファンド運営会社)が出資する形で設立されております。
当社設立前、㈱サイプレスでは、創業者である東稔哉(現 当社代表取締役社長)の後継人材の育成や、属人的ではない組織的な経営体制の確立等、事業成長ポテンシャルの最大化及び持続的な成長を図ることを目的として、次世代経営体制の整備をすることを経営課題として抱えておりました。社外の様々な主体から情報収集をしていく中で㈱サイプレスの抱える「事業成長ポテンシャルの最大化」と「組織的経営体制の強化による次世代経営体制の確立」を両立するためには、この領域に対して造詣が深いプライベートエクイティファンドに対して株式の多くを譲渡して、同社の成長に対してコミットいただき共に取り組む形が望ましいという考えに至り、最終的に、パートナーとして㈱丸の内キャピタルを迎えました。
㈱丸の内キャピタルは成城石井、ジョイフル本田やエムアイフードスタイル等の小売業界に対する投資実績を有しております。当該実績を踏まえた豊富な知見を活用出来るとともに、三菱商事㈱のネットワークを保有していることで今後の出店力強化のために様々な支援を受けられる可能性があること等、他出資候補先の中で最もシナジーを感じ、そして、㈱サイプレスの企業価値の源泉である企業文化を維持・発展させることの出来る柔軟性をもち、役職員の良きパートナーとなりうる相手先であると判断したため、最終的に㈱丸の内キャピタルを選定するに至っております。 当社設立後は、㈱サイプレスとの資本提携による株式購入等のため、㈱三井住友銀行よりシニアローンとして47億5,000万円、UDSコーポレート・メザニン4号投資事業有限責任組合よりメザニンローンとして12億5,000万円の借入れを行い、2019年9月20日に資本参画し、2019年11月1日に株式交換により㈱サイプレスの株式を100%取得し、㈱サイプレスの子会社である㈱ファンタバローレと併せて連結子会社化しております。
その後現在に至るまで、中長期的な成長戦略の一つとしてM&Aの活用を検討していることを理由に、当社と㈱サイプレスの合併は実施せずにホールディングス体制を維持しております。
なお、当該資本提携に伴う借入金については、 「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。
また、当社は企業経営の健全性の観点からガバナンス体制の強化のため、2024年9月に任意の指名・報酬委員会を設置し、取締役の選任及び解任に関する議案や、取締役が受ける報酬等の方針の策定等について、取締役会の諮問に応じ、助言及び提言を行うこととするなど、更なるガバナンスの強化に努めております。
当社グループとしての祖業は、飲食店経営を目的に1994年4月8日に設立した㈱サイプレスが端緒となります。当社は、主に当社グループの主な事業を運営する㈱サイプレスの経営管理を行っており、主たる事業運営は㈱サイプレスが行っているため、本著に関しては主に㈱サイプレスに関する記載をしております。また、必要に応じて当社、㈱サイプレスの表記を分けて記載しております。
(注)株式会社ファンタバローレは、当初飲食店及び美容室を事業目的としておりましたが、2019年9月に美容室事業からは撤退をしており、その後は飲食店(うどん業態)の運営を行っておりました。なお、2024年11月30日を効力発生日として株式会社サイプレスを吸収合併存続会社、株式会社ファンタバローレを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
回次 |
国際会計基準 |
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第5期 |
第6期 |
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決算年月 |
2023年8月 |
2024年8月 |
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売上収益 |
(千円) |
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売上総利益 |
(千円) |
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営業利益 |
(千円) |
|
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
(千円) |
|
|
親会社の所有者に帰属する当期包括利益 |
(千円) |
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|
親会社の所有者に帰属する持分 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり親会社所有者帰属持分 |
(円) |
|
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基本的1株当たり当期利益 |
(円) |
|
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希薄化後1株当たり当期利益 |
(円) |
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|
親会社所有者帰属持分比率 |
(%) |
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|
親会社所有者帰属持分当期利益率 |
(%) |
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|
株価収益率 |
(倍) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
|
|
従業員数 |
(名) |
|
|
〔ほか、平均臨時雇用人員〕 |
〔 |
〔 |
(注)1.2022年9月1日を移行日として、第6期より、国際会計基準(以下「IFRS」という。)により連結財務諸表を作成しています。また、第5期のIFRSに基づいた連結経営指標等もあわせて記載しています。
2.希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式は存在するものの希薄化効果を有しないため基本的1株当たり当期利益と同額としております。
3.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
4.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト)は、最近1年間の合計労働時間を平均所定労働時間で除した数値を〔 〕内に外数で記載しております。
5.第5期及び第6期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。
6.当社は、2024年10月16日開催の取締役会決議により、2024年11月14日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施しております。1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益につきましては、第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
(サイプレス・ホールディングス㈱)
回次 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
|
決算年月 |
2020年8月 |
2021年8月 |
2022年8月 |
2023年8月 |
2024年8月 |
|
売上高 |
(千円) |
|
|
|
|
|
経常損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
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普通株式 |
(株) |
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A種類株式 |
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純資産額 |
(千円) |
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|
総資産額 |
(千円) |
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|
1株当たり純資産額 |
(円) |
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|
1株当たり配当額 |
(円) |
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|
(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
|
|
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自己資本比率 |
(%) |
|
|
|
|
|
自己資本利益率 |
(%) |
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|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
|
|
|
配当性向 |
(%) |
|
|
|
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|
従業員数 |
(名) |
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|
|
|
|
〔ほか、平均臨時雇用人員〕 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
(注)1.1株当たり純資産額については、優先株主に対する残余財産の分配額を控除して算定しております。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
3.自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため、記載しておりません。
4.株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。
5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
6.第5期及び第6期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。なお、第2期から第4期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
7.当社は、2024年10月16日開催の取締役会決議により、2024年11月14日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施しております。1株当たり当期純損失(△)につきましては、第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
8.当社は、2024年10月16日開催の取締役会決議により、2024年11月14日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施しております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第2期乃至第4期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
回次 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
|
決算年月 |
2020年8月 |
2021年8月 |
2022年8月 |
2023年8月 |
2024年8月 |
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
696.78 |
672.84 |
646.06 |
675.19 |
669.83 |
1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△34.82 |
△13.91 |
△7.93 |
△8.03 |
△5.37 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
|
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(参考情報)
「第1 企業の概況(はじめに)」に記載のとおり、当社は、2019年11月1日に株式交換により、㈱サイプレスの株式を100%取得し、連結子会社化し、現在に至っております。
参考として、日本基準に基づいて作成された㈱サイプレスの2020年8月期から2024年8月期にかかる、主要な経営指標等の推移は以下になります。
(㈱サイプレス)
回次 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
第31期 |
|
決算年月 |
2020年8月 |
2021年8月 |
2022年8月 |
2023年8月 |
2024年8月 |
|
売上高 |
(千円) |
5,299,955 |
3,907,934 |
5,985,244 |
8,731,471 |
10,162,948 |
経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△195,572 |
△540,168 |
△520,674 |
322,837 |
579,014 |
当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△257,049 |
△509,200 |
404,310 |
107,964 |
185,948 |
資本金 |
(千円) |
45,000 |
45,000 |
45,000 |
45,000 |
45,000 |
発行済株式総数 |
(株) |
619 |
619 |
619 |
619 |
619 |
純資産額 |
(千円) |
132,775 |
△948,504 |
△544,194 |
△436,229 |
△250,280 |
総資産額 |
(千円) |
2,897,179 |
2,594,811 |
3,786,061 |
3,637,188 |
3,570,623 |
1株当たり純資産額 |
(円) |
214,499.34 |
△1,532,318.00 |
△879,150.84 |
△704,732.59 |
△404,330.90 |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
(1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
|
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△415,266.09 |
△822,617.50 |
653,167.16 |
174,418.26 |
300,401.69 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
自己資本比率 |
(%) |
- |
- |
- |
- |
- |
自己資本利益率 |
(%) |
- |
- |
- |
- |
- |
株価収益率 |
(倍) |
- |
- |
- |
- |
- |
配当性向 |
(%) |
- |
- |
- |
- |
- |
従業員数 |
(名) |
286 |
313 |
357 |
359 |
389 |
〔ほか、平均臨時雇用人員〕 |
〔136〕 |
〔175〕 |
〔325〕 |
〔420〕 |
〔486〕 |
(注)1.第27期乃至第31期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第27期乃至第31期の自己資本比率及び自己資本利益率については、自己資本がマイナスであるため、記載しておりません。
3.株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
5.第28期の純資産額については、期首の繰越利益剰余金で調整した第27期の財務諸表の修正額572,079千円が含まれております。
6.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト)は、最近1年間の合計労働時間を平均所定労働時間で除した数値を〔 〕内に外数で記載しております。
7.上記指標は、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)に基づき作成しております。なお、上記の各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
当該項目に関しては、㈱サイプレスの前身である、「串えもん」(個人事業)設立以降の、当社グループにおける主要な事業の変遷を記載しております。店舗の出店に関しては、各店舗ブランドの第1号店の出店のみ記載しております。
年月 |
事業の変遷 |
1993年11月 |
居酒屋「串えもん」 開店 |
1994年4月 |
東京都北区田端において飲食店を事業目的とした㈱サイプレスを設立(現 連結子会社) |
1995年5月 |
鮮魚居酒屋「魚屋源兵衛」東池袋店 開店 |
1997年11月 |
宅配寿司「すし屋の源さん」芝大門店 開店 |
1999年11月 |
㈱サイプレスの本店を東京都北区田端から東京都豊島区巣鴨に移転 |
2002年12月 |
高級寿司・和食のケータリング「源氏の宴」を開始 |
2006年3月 |
寿司「築地すし源本店」秋葉原店 開店 |
|
首都圏商業施設形態 「築地食堂源ちゃん」秋葉原UDX店 開店 |
|
首都圏路面形態「築地食堂源ちゃん」東池袋店 開店 |
2006年10月 |
㈱サイプレスの本社を東京都豊島区巣鴨から東京都千代田区神田神保町に移転 |
2007年10月 |
郊外型SC形態「築地食堂源ちゃん」イオンモール羽生店 開店 |
2007年11月 |
郊外型SCフードコート形態「築地食堂源ちゃん」イオンモール日の出店 開店 |
2009年7月 |
御膳をメインとした和食店「和食飛賀屋」イオンレイクタウン店 開店 |
2009年11月 |
讃岐うどん「伊吹や製麺」AKIBA_ICHI店 開店 |
2011年3月 |
㈱サイプレスの本社を東京都千代田区神田神保町から東京都千代田区神田錦町に移転 |
2011年4月 |
首都圏SC形態「築地食堂源ちゃん」池袋サンシャインシティ店 開店 |
2012年2月 |
東京都千代田区神田において飲食店、美容室を事業目的とした㈱ファンタバローレ(現 ㈱サイプレスに吸収合併)を設立 |
2012年3月 |
地鶏と鮮魚「地鶏と鮮魚よかたい」晴海トリトン店 開店 |
2013年7月 |
東京ビッグサイト内 フードコート「フードコート&ビア EatiT!」ビッグサイト店 開店 |
2013年10月 |
総合総菜専門店「フレッシュデリカ EatiT!」五所川原ELM店 開店 |
2014年3月 |
アメリカンダイナー「BAKER’S DINER」池袋サンシャイン店 開店 |
2014年7月 |
㈱サイプレスの本社を 東京都千代田区神田錦町から東京都千代田区有楽町へ移転 |
2014年11月 |
「築地食堂源ちゃん」とビアホールの複合型「築地食堂源ちゃん&グランドビアホフ」船橋店 開店 |
2015年5月 |
やきとん「チャールストン」品川シーズンテラス店 開店 |
2015年8月 |
とんかつ「とんかつ日和」アリオ上尾店 開店 |
2016年9月 |
東京ビッグサイト東館内「築地食堂源ちゃん」東京ビッグサイト店 開店 |
2017年1月 |
両国国技館内 「肉処雷電」両国国技館店(売店) 開店 |
2018年5月 |
㈱サイプレスの本社を東京都千代田区有楽町から東京都港区六本木へ移転 |
2018年8月 |
浅草ROXまつり湯内 「築地の宴源ちゃん」浅草ROX店 開店 |
2018年12月 |
「築地食堂源ちゃん」のスピンオフ店「スタンド源ちゃん」サンシャインシティ店 開店 |
|
グルメ回転寿司「ABURI百貫」秋葉原UDX店 開店 |
2019年4月 |
大井競馬場L-WING内 6店舗 開店(業務委託契約) |
2019年7月 |
当社グループの経営管理体制の強化を目的に、当社を東京都千代田区丸の内に設立 |
年月 |
事業の変遷 |
2019年9月 |
当社より㈱サイプレスへ資本参画し子会社化(現 連結子会社) |
|
㈱サイプレスが㈱ファンタバローレの全株式を取得し子会社化(現 ㈱サイプレスに吸収合併) |
2019年10月 |
東京ビッグサイト南館内「フードスクエアー」ビッグサイト店 開店 |
2019年11月 |
当社と㈱サイプレスにおいて株式交換を実施し、完全子会社化 |
2020年10月 |
ラーメン「喜多方ラーメンとし食堂」FKDインターパーク店 開店 |
2021年3月 |
FKD宇都宮内 フードコート3店舗(1オペレーション) 開店 |
2021年6月 |
釜たきごはんの総合和食店「築地とう庵」新百合ヶ丘エルミロード店 開店 |
2022年4月 |
フライドチキン&バーガー「チャーリーズ」鹿児島センテラス天文館店 開店 |
2022年7月 |
やきとり惣菜フランチャイズ「銀座惣菜店」イオンモール新利府店 開店 |
2024年6月 |
当社の本社を東京都千代田区丸の内から東京都港区六本木へ移転 |
2024年11月 |
㈱サイプレスが㈱ファンタバローレを吸収合併 |
2024年12月 |
おにぎり「おむすび源ちゃん」千葉ペリエ店 開店 |
|
天ぷら惣菜「惣菜天ぷらひのき屋」千葉ペリエ店 開店 |
当社グループは、当社及び連結子会社1社で構成されており、主に飲食事業並びにこれに付帯する業務を行っております。
現在、当社グループは、「外食企業としてより多くの人々に信頼され、地域に必要とされる店舗を創造し、社会に貢献する」というコンセプトのもと、「食の喜びをすべての人へ、特別ではなく、毎日食べる食事に感動や喜びを提供出来る事を目指す」を企業理念として、主力ブランド「築地食堂源ちゃん」の海鮮系の和食業態を基軸に、マルチブランド戦略を推進し、主に自社開発ブランドを東京23区内を中心に東北から九州にかけ計36ブランド、126店舗の直営店舗(2025年8月末時点)にて展開しております。
また、当社グループは、飲食事業の単一セグメントであり、セグメントごとの記載をしておりません。
本書提出日時点における当社グループの主な店舗ブランドと各店舗数(図1)及び過年度における店舗数の推移(図2)は、以下になります。
(図1) 当社グループの主な店舗ブランド
ブランド名 |
ブランドコンセプト・特徴 |
店舗数 |
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美味しく、手頃に、楽しい直球勝負の「魚河岸食堂」。豊洲・各地方市場直送の新鮮な魚介を盛り込んだ海鮮丼や定食が楽しめる種類豊富な食堂です。 地域ごとの特徴に合わせた店舗設計、商品作りをマーケットインの考えをもとに出店しております。 店舗形態としては、主に「路面型」「都市複合型」(注1)「SC・郊外型」(注2)の3形態で展開しております。 なお、2025年8月末時点における店舗形態ごとの出店数は以下のとおりでありますが、コロナ禍前後の比較では「SC・郊外型」、「都市・複合型」の出店が増加しております。
※東京ビッグサイト店は都市複合型に含まれております。 ※出店店舗の増加には業態変更が含まれております。 |
47店舗 |
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「炙り寿司」がコンセプトのグルメ回転寿司(注3)であり、38種類(注4)の豊富な炙りメニューを取り揃えております。寿司職人の「技」が織り込まれ江戸前寿司を楽しむのも良し、家族とテーブルを囲みながらゆったりとお寿司を楽しむのも良し、様々なシーンでご利用いただける”グルメ回転寿司”の店舗となっております。 店舗形態としては、「都市複合型」(注1)「SC・郊外型」(注2)の2形態で展開しております。 |
11店舗 |
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炭火焼き鳥の業態。炭火・串打ち・手焼きにこだわり、ジューシーで旨味あふれる「持ち帰りでも美味しい」焼き鳥を提供しております。なお、同ブランドはすべて㈱KSフロンティア(注5)のフランチャイズ業態となっております。 |
15店舗 |
(注)1.都市複合型とは、都心部における商業施設、オフィス街のビル等に隣接する店舗です。
2.SC・郊外型とは、地方や郊外のショッピングセンター(SC)等の商業施設における店舗です。
3.グルメ回転寿司とは、従来の回転寿司よりも高級なネタや品質、サービスを提供する回転寿司とし、ファミリー層だけでなく大人も楽しめる店作りが特徴です。
4.2025年5月時点の全店舗の平均メニュー数です。店舗によって炙りメニュー数は異なります。
5.炭火焼き鳥、鶏惣菜、お弁当の専門店を運営、またのれん分けフランチャイズ方式で独立開業の支援を行っております。
(図2) 店舗数の推移
当社グループの事業の特徴としては、以下が挙げられます。
a 実績豊富な店舗開発力
当社グループは、居酒屋「串えもん」の創業以降、数多くの業態の店舗開発を行ってまいりました。1995年5月には鮮魚居酒屋の「魚屋源兵衛」、1997年11月には、宅配寿司「すし屋の源さん」、2006年3月には当社主力ブランドである「築地食堂源ちゃん」を開設し、同年以降、ショッピングセンター、商業施設、路面等の様々な立地に出店してまいりました。
現在は、マルチブランド戦略を進める中で、和食・寿司・洋食・麺・カフェ軽食等の業態に加え、フードコートの運営や惣菜事業、ケータリングと寿司職人の出張サービスまで幅広く手掛けており、東京23区内を中心に東北から九州にかけ計36ブランド、126店舗の直営店舗にて展開しております。
特に「築地食堂源ちゃん」、「回転ずしABURI百貫」、「炭火焼鳥銀座惣菜店」を主力ブランドと位置づけて店舗開発を行っており、2020年初からのコロナ禍においても順調に店舗数を増加させております。2021年8月末時点から2025年8月末時点までの当社グループ全体の店舗数及び主力ブランドにおける店舗数の推移は以下のとおりです。
|
2021年 8月末 |
2022年 8月末 |
2023年 8月末 |
2024年 8月末 |
2025年 8月末 |
|
新規出店数 |
12店 |
16店 |
15店 |
7店 |
9店 |
|
全体の店舗数 |
100店 |
112店 |
118店 |
119店 |
126店 |
|
主力ブランドの店舗数 |
48店 |
52店 |
61店 |
65店 |
73店 |
|
|
築地食堂源ちゃん |
44店 |
44店 |
45店 |
45店 |
47店 |
|
回転ずしABURI百貫 |
4店 |
7店 |
9店 |
10店 |
11店 |
|
炭火焼鳥銀座惣菜店 |
0店 |
1店 |
7店 |
10店 |
15店 |
b 幅広い顧客に受け入れられる高品質かつリーズナブルな商品提供を実現する体制
当社グループの主力である「築地食堂源ちゃん」におきましては、ショッピングセンターや商業施設であれば家族連れでの来店、路面店であれば会社員等、年齢層、性別を問わず多様な顧客に来店いただいております。また、新鮮な魚を提供出来るように各市場からの直送で店舗に仕入れる体制、そして、その日の漁獲量等に応じた仕入商品の変更、当該仕入商品に応じた日替わり商品の提供を行う体制を整備しております。
具体的には、各店舗からの発注に基づき、当社グループの仕入本部が主に東京豊洲市場、青森五所川原市場、仙台中央卸市場、名古屋市中央卸売市場北部市場、奈良県中央卸売市場、大阪市中央卸市場、岡山市中央卸市場、福岡市中央卸市場鮮魚市場、福岡魚市場大牟田魚市場、宮崎市公設地方卸売市場、熊本地方卸売市場、鹿児島市中央卸市場の各市場での買い付けを行い、都内店舗については豊洲市場に設置している自社加工場での加工、自社配送、店舗での仕込み等を行っております。豊洲市場以外での買い付けの場合は各店舗の従業員が加工・仕込み等を行う体制となっておりますが、地域にかかわらず、長年の業務経験や業務知識を備えた従業員がお客様へ美味しい食事を提供するための体制を構築出来ているものと考えております。
この体制があるため、「築地食堂源ちゃん」で提供している海鮮丼や定食は、その日に市場で競り・買い付けを行ってすぐの鮮魚を使用することが可能であり、常に新鮮な商品を提供することに加えて、その日の漁獲量や旬に応じて仕入食材を柔軟に変更し、当該仕入商品に応じて、仕入本部・商品開発本部・各店舗が協働し店舗で日替わりのメニューを考案することで、高品質な商品をお客様へ提供することができているものと考えております。
また、「築地食堂源ちゃん」やグルメ回転寿司ブランド「ABURI百貫」では海鮮を主力商品としているため、一定の仕入量を確保することによるスケールメリットや、加えて上記日替わりメニュー等仕入魚種をフレキシブルに選定出来るメニュー作りによって仕入単価を抑制し、リーズナブルな商品の提供が可能になっているものと考えております。
なお、当連結会計年度の「築地食堂源ちゃん」における日替わりメニュー売上が全体売上に占める割合は約15%程度となっており大きな割合を占めております。(注)
これらの取り組みの結果として、当連結会計年度の原価率は33.3%と同業他社対比でも遜色ない水準で高品質な商品をお客様へ提供することが出来ていると考えております。
(注) 2025年4月実績。日替わりメニューがない東京ビッグサイト、イオンモール羽生店(フードコート)、大井競馬場L-WING(フードコート)を除く。
c 効率的な店舗オペレーション
当社グループの店舗においては、現場レベルで商品提供スピードを徹底的に管理し、稼働率の向上を日々追求しており、提供スピードが遅い商品については、原因を分析し、商品提供の方法や調理方法等について改善しております。
また、店舗スタッフの教育にも力を注いでおります。具体的には、店舗責任者をトレーナーとして定めOJTを通じて社員教育をしております。OJTでは、接客・ホール業務、レジ・会計業務、キッチン・調理業務等について、トレーナーが手順等を説明、実演、店舗スタッフが実際に業務を行い、その業務に対する適切なフィードバックや改善指導を繰り返し行っております。トレーナーのミッションとしては、以下の事項を定めており、これに基づき、”人財”教育を行っております。
①従業員の精神的成長を促し、自己成長力と社会人としての基礎力を教える、指導する。
②直接仕事に必要な作業、知識、技術、経験を教える、指導する。
教育によって育まれた店舗スタッフは、全国各地に配置されており、効率的運営のための最適シフト配置も徹底し、店舗スタッフの過不足が発生した場合は店舗間での融通に関しても対応しております。具体的には、ピークタイムとアイドルタイムを把握することで最適なシフト配置を実現しております。また、同一施設内や近隣に複数の店舗を出店することにより、店舗間での移動が比較的早く出来るため、店舗間で人材の融通を行うことにより効率的な店舗運営を行うことが可能であり、大井競馬場や東京ビッグサイト等の施設で行われる、展示会等の突発的なイベントにおいても、東京都内の店舗スタッフをヘルプとして派遣する等、当社グループとしての人員配置の効率化を行うことが可能となっております。
加えて、現場レベルでの徹底した店舗利益管理と従業員へのインセンティブ設計を行っていることが、効率的な店舗運営を可能にしております。「店長自らが経営者」との考えのもと、店長自らが店舗の損益計算書に基づき日々店舗利益の管理を行っております。その結果、タイムリーに店舗ごとの利益構造の改善活動を行うことが出来ております。また店舗利益をベースに従業員へのインセンティブが付与されるため、各従業員が店舗利益の向上に意欲的に取り組めるような仕組みが構築されております。
これらの効率的な店舗オペレーションの結果として、当連結会計年度においては、人件費率(注1)は31.7%、人件費1万円当たりEBITDAが2,866円(注2、注3)という生産性を実現出来ております。
(注1) 人件費率=人件費÷売上収益
人件費=給与手当+役員報酬+賞与引当金繰入額+パート費+雑給
(注2) 人件費1万円当たりEBITDA=EBITDA÷人件費×10,000
(注3) 投入した労働量に対する付加価値額を表す指標として当社グループにて算出
d ディベロッパーとの強固なリレーションを構築
当社グループでは、上述した「a 実績豊富な店舗開発力」に記載のとおり、これまで多種多様な店舗ブランドを開発しておりますが、当該開発力及び豊富なブランド数を活かして、商業施設のニーズに合わせた出店を店舗開発戦略として徹底しております。
上記戦略の徹底及び店舗運営実績等を踏まえ、当社グループはディベロッパーとの強固なリレーション構築が出来ていると考えており、好立地での出店依頼等、強固なリレーションを活かした出店活動を行うことが出来ております。
加えて、店舗開発力及び豊富なブランド数を活かして、同一の商業施設へ異なる業態を複数出店することが可能であり、これらの結果として継続的な店舗増加を実現出来ているものと考えております。
(図3) 同一施設への出店例
(2025年8月末時点) |
施設名 |
店舗ブランド |
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イオンモール豊川 |
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イオンモール土岐 |
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品川シーズンテラス |
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有明ガーデン |
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晴海トリトン、汐留シティーセンター |
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イオンモール鹿児島/羽生/福岡/宮崎/大牟田/盛岡南、五所川原ELM |
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(事業系統図)
名称 |
住所 |
資本金 (千円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有(又は被所有)割合 (%) |
関係内容 |
(連結子会社) |
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㈱サイプレス (注)1、2 |
東京都港区 |
45,000 |
飲食店の経営 |
100.0 |
当社からの経営指導等と役務提供 資金の貸付 役員の兼任あり |
㈱ファンタバローレ (注)4、5 |
東京都港区 |
8,000 |
飲食店の経営 |
100.0 (100.0) |
当社からの役務提供 |
(注)1.特定子会社であります。
2.㈱サイプレスについては売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成された2024年8月期の財務諸表における主要な損益情報等は以下のとおりであります。
主要な損益情報等 (1)売上高 10,162百万円
(2)経常利益 579百万円
(3)当期純利益 185百万円
(4)純資産合計 △250百万円
(5)資産合計 3,570百万円
3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.議決権所有割合欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。
5.2024年11月30日を効力発生日として㈱サイプレスを吸収合併存続会社、㈱ファンタバローレを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
6.株式会社丸の内キャピタルが運営するファンド(丸の内キャピタル第二号投資事業有限責任組合及びMarunouchi Global Fund II L.P.)は、合算して当社の過半数の株式を保有しておりますが、企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」第16項(4)の規定により、連結財務諸表規則に基づく親会社には該当しません。なお、当社グループが採用するIFRSにおいては、当該ファンドの運営会社である株式会社丸の内キャピタル及びその親会社である三菱商事株式会社が当社の最終的な支配当事者となります。
(1)連結会社の状況
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2025年7月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(名) |
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飲食事業 |
411 |
(491) |
合計 |
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( |
(注)1.当社グループは、飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。
2.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト)は、最近1年間の合計労働時間を平均所定労働時間で除した数値を( )内に外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
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2025年7月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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(注)1.当社グループは、飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
a 組合名 UAゼンセンサイプレス労働組合(2023年6月8日結成)
b 組合員数 1,664名(社員367名 アルバイト1,372名)(2025年7月31日時点)
c 所属上部団体 UAゼンセン
労使関係は相互信頼に基づき、安定した状態にあり、特記事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
② 連結子会社
当連結会計年度 |
補足説明 |
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管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注1) |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注2) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注1) |
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正規雇用労働者 |
パート・有期労働者(注3) |
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
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(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.パート・有期労働者の男性労働者の育児休業取得率については、対象者がいないため記載しておりません。