第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2020年4月

2021年4月

2022年4月

2023年4月

2024年4月

売上高

(千円)

10,931

79,223

358,317

742,551

1,059,102

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

1,973

41,827

172,384

255,050

389,362

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

2,043

41,646

135,880

184,308

272,752

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

5,000

50,000

50,000

100,000

100,000

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

 普通株式

100

1,000

1,000

1,000

1,000

 A種種類株式

80

80

純資産額

(千円)

100,784

14,138

121,743

706,051

978,803

総資産額

(千円)

15,623

63,334

270,520

1,237,710

1,504,857

1株当たり純資産額

(円)

1,007,848.43

14,138.09

121,743.11

61.21

115.76

1株当たり配当額

(円)

(1株当たり中間配当額)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

20,435.26

347,850.41

135,880.59

35.44

50.51

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

645.1

22.3

45.0

57.0

65.0

自己資本利益率

(%)

252.6

44.5

32.4

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

123,279

496,981

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

560,678

463,633

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

745,068

123,929

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

348,362

257,782

従業員数

(名)

4

6

20

28

〔ほか、平均臨時雇用数〕

―〕

―〕

―〕

0

0

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社が存在しないため記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

4.A種種類株式は、残余財産分配について普通株式より優先される株式であるため、第10期及び第11期の1株当たり純資産額の算定にあたって、A種種類株式に優先して配分される残余財産額を純資産の部の合計額から控除しております。

 

5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

6.第7期及び第8期の自己資本利益率については、期中平均の自己資本がマイナスのため、記載しておりません。

7.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

8.第7期から第9期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

9.主要な経営指標等のうち、第7期から第9期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。

10.第10期及び第11期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、清友監査法人により監査を受けておりますが、第7期、第8期及び第9期の財務諸表については、監査を受けておりません。

11.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時従業員の最近1年間の平均雇用人数であります。

12.当社は、2024年8月14日開催の取締役会決議により、2024年9月8日付で普通株式1株につき5,000株の割合で株式分割を行っております。第10期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)を算定しております。

13.2024年9月8日付で株式1株につき5,000株の分割を行っております。

そこで、日本取引所自主規制法人の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。

なお、第7期、第8期及び第9期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、清友監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2020年4月

2021年4月

2022年4月

2023年4月

2024年4月

1株当たり純資産額

(円)

△201.57

△2.83

24.35

61.21

115.76

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

△4.09

69.57

27.18

35.44

50.51

潜在株式調整後
 1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

 

 

 

2 【沿革】

株式会社ブッキングリゾート(以下、「当社」といいます。)は2013年5月、インターネットを利用した情報処理・情報提供サービスを目的として、親会社であるエス・エヌ・ホールディングス有限会社(以下、「親会社」といいます。)の100%子会社として設立いたしました。親会社は、グループ内に食品スーパー事業及び会員制別荘事業等を営む株式会社にしがきを有し、当社創業者である代表取締役の坂根正生も、株式会社にしがきの子会社である株式会社レジタイズ(現、株式会社デジタルストレージ)に在籍していた際に、株式会社にしがきを含む親会社グループが保有するリゾートマンションや別荘等を対象とした会員(オーナー)獲得・集客業務を担っておりました。

また、当社設立後も株式会社レジタイズに在籍しながら事業を模索し、親会社グループが運営する宿泊施設の集客業務に携わる中で蓄積したマーケティング、販売促進及び予約サイト構築等のノウハウを活かして全国の宿泊施設運営者が抱える課題を解決できると確信し、親会社グループ外のリゾート施設を対象とした集客支援事業を開始することといたしました。当社設立以降の主な沿革は以下のとおりであります。

年月

概要

2013年5月

兵庫県神戸市中央区に株式会社サカネット(資本金5,000千円)を設立

 

経営者へのインタビューメディア事業を開始

2015年11月

親会社グループが所有する本社ビルの売却に伴い、本社を大阪府大阪市北区梅田二丁目6番20号15階に移転

2019年6月

集客支援事業を開始し、グランピング施設及びリゾートヴィラ等、リゾート施設に特化した予約プラットフォーム「リゾートグランピングドットコム」を開設

2019年10月

株式会社ブッキングリゾートに商号変更

2023年2月

直営宿泊事業を開始し、ドッグヴィラ千葉南房総(千葉県南房総市)を開業

 

ペットツーリズムに特化した予約プラットフォーム「いぬやど」を開設

2024年4月

直営宿泊施設「RIVERSIDE CAMP FIELD CHICHIBU」(埼玉県秩父市)を開業

2024年7月

直営宿泊施設「秩父別邸 木叢-komura-」(埼玉県秩父市)を開業

 

 

 

3 【事業の内容】

当社は、「宿泊業界をUP DATEする」という企業理念を掲げ、顧客である掲載施設の魅力を引き出し、旅行者(ユーザー)に適切にPRすることで、掲載施設の売上を最大化することを目的としております。「宿泊すること」よりも「宿泊・滞在自体を楽しむこと」をコンセプトとしており、単に寝泊りするだけの施設ではなく、滞在自体が旅行の目的となるような施設づくりを支援しております。また、特色ある宿泊施設を多数掲載する魅力的な予約プラットフォームを旅行者(ユーザー)に提供することで、顕在化したニーズのみならず潜在的なニーズも掘り起こしてまいりたいと考えております。

当社は、集客事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、提供するサービスによって、予約プラットフォームの運営や掲載施設へのコンサルティングを行う「集客支援事業」と、施設運営上のノウハウ獲得を目的として直営宿泊施設を運営する「直営宿泊事業」の2つに区別しております。

 

(1)集客支援事業

集客支援事業では、掲載施設の売上最大化を目的に、旅行者(ユーザー)の特定のニーズに特化した予約プラットフォームを運営するとともに、掲載施設に対する開業サポート、ブランド設計、施設個別の予約サイトの構築、PR広告の運用など、開業支援から開業後の集客支援まで一貫して行うコンサルティングサービスを提供しております。

当社は、集客支援事業を通じて主に以下の3つの役割を果たしております。

 

①集客支援

旅行者(ユーザー)に対しプロモーションを掛けて旅行そのものの動機を創出し、予約プラットフォーム及び施設個別の予約サイトに誘導するマーケティングを行っております。予約プラットフォームだけでなく施設個別の予約サイトについても当社が制作・運営することで、予約プラットフォームと施設個別の予約サイトをシームレスに繋げることができ、検索エンジンでのSEO対策並びに修正及び変更を即時に行える体制を構築しております。

 

②運営支援

プランの設定及び人員配置等の施設運営に関するノウハウや直営宿泊施設の運営により蓄積された成功事例・失敗事例の提供、仕入先や取引業者の選定に関する助言、予算実績の進捗管理等、継続性のある支援を行っております。

 

③開発支援

掲載施設の事業計画の策定やコンセプト設計、設備計画、運営方法の立案、旅行者(ユーザー)の目に留まりやすいソフトコンテンツ開発等、新たな施設の開業や既存施設の魅力造成を支援するコンサルティングを行っております。

 

集客支援事業の大きな特徴は、旅行者(ユーザー)の特定のニーズに特化した予約プラットフォームを運営し掲載施設のプロモーションを行うとともに、掲載施設に対して運営・開発上のコンサルティングサービスを提供していること及びそれらのサービスを成功報酬型の料金体系で提供していることにあります。

予約プラットフォームは、アウトドアでありながら高級感があり、設備の整った環境で快適に過ごせる施設(以下、「グランピング施設」という。)及び客室内でゆっくりと過ごせる1棟貸しのリゾートヴィラなど宿泊が旅行の目的となる滞在型の施設(以下、「リゾート施設」という。)を掲載する「リゾートグランピングドットコム」並びにペットツーリズム(ペット同伴旅行)に対応した施設を掲載する「いぬやど」を運営しております。「いぬやど」では、リピート獲得を目的とした会員限定の予約プラン等を発信するため会員制度を導入しており、2024年11月末日現在の会員数は5.2万人を超えております。

当社の顧客の多くは、施設当たりの客室数が6~7室程度の比較的小規模な宿泊施設であり、様々な形態の宿泊施設を総合的に掲載する予約サイトの中では埋没しやすく、キャンペーン等による値引きや広告宣伝費のコスト負担が大きくなる傾向にあります。当社は、予約プラットフォームを旅行者(ユーザー)の特定のニーズに特化させ、ピンポイントで訴求することで、集客効果の最大化を図っております。

 

また、施設個別の予約サイト制作費用、アクセス数増加のためのPR費用、施設運営・開発についてのコンサルティング費用等を当社が負担し、当社予約プラットフォーム又は施設個別の予約サイトを通じて獲得した宿泊予約売上にのみ集客手数料が発生するという成功報酬型の料金体系を採ることで、掲載施設側の初期コストを低減し、売上が十分にない開業前の宿泊施設や経営難に陥った宿泊施設であっても利用しやすいサービスとしております。成功報酬型の料金体系は、掲載施設に売上が立たない限り当社にも売上が立たないという利害の一致を生み出し、掲載施設と深い信頼関係を築くことを可能としております。

 

集客支援事業における契約形態には「集客支援」と「完全集客支援」の2種類があります。

集客支援の掲載施設に対しては、販路の1つとして当社予約プラットフォームに施設を掲載いただき、旅行者(ユーザー)に施設の情報を提供することで掲載施設の認知拡大に貢献しております。完全集客支援の施設に対しては、予約販路を当社に一任いただく代わりに、予約プラットフォームへの掲載に加えて、施設個別の予約サイトの構築、プラン作成等の運営支援、コンセプト設計等の開発支援等を一貫して行っており、施設自体の魅力造成や日常的に生じる課題の解決を支援し、掲載施設の売上最大化に貢献しております。

なお、2024年11月30日現在における、集客支援と完全集客支援の掲載施設数及び掲載客室数の内訳は以下のとおりであります。

契約形態

掲載施設数

掲載客室数

集客支援

135施設

39.1%

1,096室

48.0%

完全集客支援

210施設

60.9%

1,188室

52.0%

合計

345施設

100.0%

2,284室

100.0%

 

 

 

【事業系統図】


 

(2)直営宿泊事業

直営宿泊事業では、複数の直営宿泊施設を運営しております。

集客支援事業同様、観光や保養を目的とする旅行者(ユーザー)をターゲット顧客としておりますが、当社が直営宿泊施設を運営する目的は、施設運営上の成功事例・失敗事例を蓄積し、集客上有用なノウハウを獲得することにあります。

2023年2月に直営施設「ドッグヴィラ千葉南房総」を開業し、その後新たな形態の宿泊施設に関するノウハウを獲得することを目指して2024年4月に直営施設「RIVERSIDE CAMP FIELD CHICHIBU」、2024年7月に同施設に併設する「秩父別邸 木叢-komura-」を開業し、複合施設「秩父リゾート」として運営しております。

直営宿泊施設では、旅行者(ユーザー)は勿論のこと施設運営にかかわる関係者の貴重な声を直接聞くことができる場であり、ニーズの察知、予約獲得に有用な新サービスの試験的な導入、コスト削減に向けた効率的な運営方法の構築、設備・備品の仕入れ業者との繋がりを得ること等に役立てております。

「ドッグヴィラ千葉南房総」では高まるペットツーリズム需要に対応するべく、「いぬやど」会員の創出やペットオーナーのニーズに応える新サービスの試験的な導入等を行っております。宿泊される旅行者(ユーザー)に対して新サービスやペット用アメニティ、ペット用フード、その他のアイテムをいかにPRしていくかを試行錯誤し、成功事例と失敗事例を蓄積して集客支援事業のコンサルティングに活かしております。

「秩父リゾート」では、自由に滞在方法を選んで宿泊できる複合型のアウトドアリゾートを運営しております。具体的には、どんな客層、人数でも使いやすい、誰にも気兼ねせず自由に過ごせるプライベート空間を備えた連棟型のプライベートヴィラ、アウトドアニーズに応えるキャンプフリーサイト、トレーラーを利用したグランピングサイトを用意しております。そして、集客支援事業に活用するために、初期コストを抑える施設設計や制限のある土地での施設開業手法など開発面のノウハウを蓄積し、運営面ではドッグヴィラ千葉南房総同様、旅行者(ユーザー)のニーズを直接拾い、新サービス、ニーズの高い備品及び設備等を導入することでリピート獲得を進め、掲載施設の売上最大化を支援するためのノウハウ蓄積を行っております。

直営宿泊施設で得られた知見を集客支援事業における提案内容に活かすことで、掲載施設の運営者に対してより実効性の高い提案を行っております。

 

 

【事業系統図】


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有(又は被所有)割合(%)

関係内容

(親会社)

 

 

 

 

 

エス・エヌ・ホールディングス有限会社

京都府京丹後市大宮町口大野88番地

10,000

会員制ジムの運営

(64.8)

 

(注) 1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2024年11月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

35

(4)

32.7

1.4

3,725

 

 

事業区分の名称

従業員数(名)

集客支援事業

17

直営宿泊事業

13

(4)

全社(共通)

5

合計

35

(4)

 

(注) 1.当社は「集客事業」の単一セグメントであるため、事業区分別の従業員数を記載しております。

2.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時従業員の最近1年間の平均雇用人数であります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.最近日までの1年間において従業員数が12名増加しております。主として事業拡大に伴う採用によるものであります。

5.全社(共通)は、経理及び総務等の管理部門の従業員であります。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 提出会社における管理職に占める女性従業員の割合及び採用した従業員に占める女性従業員の割合

 

2024年11月30日現在

管理職に占める

女性従業員の割合(%)

(注)1

採用した従業員に占める

女性従業員の割合(%)

80.0

62.5

 

(注) 1.当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないものの、任意で直近1年間の実績を記載しております。

2.当社は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の記載を省略しております。