第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

売上高

(千円)

64,750

112,899

203,140

300,089

421,163

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

1,382

11,729

△13,959

△89,363

△147,236

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

1,202

11,549

△14,139

△89,543

△147,415

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

-

-

-

-

-

資本金

(千円)

8,000

8,000

8,000

8,000

8,000

発行済株式総数

(株)

11,111

11,111

11,111

11,111

11,111

純資産額

(千円)

△13,435

△1,886

△16,025

△105,569

△252,901

総資産額

(千円)

20,082

42,718

38,186

226,304

265,438

1株当たり純資産額

(円)

△1,209.20

△169.75

△1,442.32

△95.01

△227.61

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

108.18

1,039.45

△1,272.57

△80.59

△132.67

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

-

-

-

-

-

自己資本比率

(%)

△66.90

△4.42

△41.97

△46.65

△95.31

自己資本利益率

(%)

-

-

-

-

-

株価収益率

(倍)

-

-

-

-

-

配当性向

(%)

-

-

-

-

-

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

-

-

-

△75,728

△177,148

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

-

-

-

-

△31,753

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

-

-

-

246,880

187,223

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

-

-

-

178,031

156,352

従業員数
〔外、平均臨時雇用者数〕

(名)

6

〔4〕

13

〔8〕

21

〔7〕

28

〔6〕

36

〔8〕

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

     2.第7期から第8期にかけて、売上高はAIソリューション及びAIプロダクトともに順調に推移したため増収となったものの、研究開発、人材及びマーケティング活動に対する積極的な先行投資により経常損失及び当期純損失が拡大いたしました。

   3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

   4.2019年9月期から2023年9月期まで、事業拡大のための先行投資を続けており、当該資金を親会社からの借入金で調達していたため純資産がマイナスとなっております。なお、2024年4月に実施した第三者割当増資により純資産のマイナスは解消され、2024年6月に親会社からの借入金を返済しております。

   5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

 

6.当社は、2024年4月30日付で第三者割当増資(A種優先株式2,776株)の発行が行われた結果、資本金は232,856千円となり、純資産額は債務超過を解消し、発行済株式総数は普通株式11,111株、A種優先株式2,776株となりました。その後、2024年6月10日付臨時株主総会においてA種優先株式を廃止し、普通株式の発行済株式総数は13,887株となりました。

7.潜在株式調整後1株当たり当期純利益について、第4期から第7期について潜在株式が存在しないため、第8期に潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。また、第6期から第8期は1株当たり当期純損失を計上しているため、記載しておりません。

8.第4期及び第5期の自己資本利益率については、期中平均自己資本がマイナスとなるため記載しておりません。また、第6期から第8期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため、記載しておりません。

9.当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。

10.第4期、第5期及び第6期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。第7期の投資活動によるキャッシュ・フローについては、該当事項がないため記載しておりません。なお、第7期及び第8期の営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなった理由は主にAIプロダクトへの先行投資(研究開発・マーケティング等)によるものであり、第8期において投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなった理由は本社移転に伴う内部造作及び敷金の差入れによるものであります。

11.主要な経営指標等のうち、第4期から第6期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。

12.前事業年度(第7期)及び当事業年度(第8期)の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、監査法人アヴァンティアにより監査を受けておりますが、第4期、第5期及び第6期の財務諸表については、監査を受けておりません。

13.従業員数は就業人員数であり、従業員数の〔 〕外書きは、臨時従業員(インターン、アルバイト、派遣社員)の年間の平均雇用人数であります。

14.当社は、2024年5月31日開催の取締役会決議により、2024年6月20日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。第7期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)を算定しております。

15.2024年6月20日付で株式1株につき100株の分割を行っております。

そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。

なお、第4期、第5期及び第6期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、監査法人アヴァンティアの監査を受けておりません。

 

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

1株当たり純資産額

(円)

△12.09

△1.69

△14.42

△95.01

△227.61

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

1.08

10.39

△12.72

△80.59

△132.67

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

-

-

-

-

-

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

-

(-)

 

 

 

2 【沿革】

 当社は、現代表取締役社長である築山英治が、東京大学大学院在学中に自身の研究テーマをもとにした3D(*1)技術を活用したバーチャルフィッティング(*2)サービスの事業化のため設立された会社であります。

 当社設立以降の概要は、以下のとおりであります。

年月

概要

 2016年3月

3D技術を活用したバーチャルフィッティングサービスの事業化を目的として、東京都文京区本駒込において当社を設立

 2017年7月

3D技術を活用したEC導入向けネット試着サービス「Sapeet EC tool」の提供開始

2018年9月

機械学習分野の知見をさらに深め、新たな領域での価値提供につなげることを目的として、PKSHA Technologyが当社株式を取得し、株式会社PKSHA Technologyの連結子会社化

AIソリューション提供開始

2020年1月

AI(*3)姿勢分析システムである「シセイカルテ」のサービス提供開始

2021年4月

「シセイカルテ」の追加機能として、電子カルテ機能(現、「マルチカルテ機能」)を追加

2021年10月

「シセイカルテ」のAI姿勢分析機能に、歩行分析・動作分析機能を追加

2022年5月

情報セキュリティ強化対策の一環として、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS(*4))に関する国際規格であるJIS Q 27001:2014 (ISO/IEC 27001:2013)の認証を取得

2022年6月

接客支援システムである「カルティチャット」のサービス提供開始

2023年2月

「シセイカルテ」の電子カルテ機能について、接客標準化のための高度カスタマイズ機能を追加し、「マルチカルテ」として単一でのサービス提供を開始

2023年9月

商談時のナビ・サポートによりフローを標準化することで、『成約率を上げる』商談支援ツールである「カルティセールス」のサービス提供開始

2023年11月

現在地に本社を移転

 2024年4月

日本テレビホールディングス株式会社等を引受先とする第三者割当増資を実施

 

 

 

3 【事業の内容】

当社は「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションとして掲げ、「人の身体性・精神性・行動をデータとロジックに基づき分析/可視化する。また、その技術を簡単に利用できるように、仕組みを開発し続ける。その仕組みによって、人と社会がより最適な状態で触れ合い、人のポテンシャルを解放したり、生活の質を高めたり、と心身豊かになれる世界をつくります。」を実現すべく、様々な事業に取り組んでおります。

 

当社の強みとする技術分野としては、AI及び3Dに関するものがあります。AIに関する技術分野としては、主に画像認識、自然言語処理(*5)、機械学習(*6)/深層学習(*7)を中心としております。また直近では、LLM(*8)や生成AI(*9)の活用を進めております。当社においてはこれらの技術を組み合わせ、さらに専門家との協同により付加価値の高い専門的な技術・ノウハウ等のナレッジを蓄積したデータを様々な形で提供できるアルゴリズム(*10)をもとにした「Expert AI」を中核として、顧客企業のニーズに合わせたプロダクト開発・プロダクト開発支援・コンサルティング等を行うAIソリューション、自社で開発したプロダクトを主にSaaS(*11)型で顧客企業に提供するAIプロダクトの提供を行っております。これらを総称してExpert AI事業と称しております。

 

Expert AIは、業務効率化を主な目的とするAIが「ノンコア業務(例えば、直接的に利益を生み出さない業務)を代替し業務効率化を図る」ことに対し、「AIで各領域の専門家ナレッジを再現・サポートし、コア業務(例えば、利益の創出に直結する業務)の価値をさらに増幅・拡張する」ものと定義しております。これまで当社はウェルネス領域の専門家(理学療法士、整形外科医、柔道整復師等)、セールス領域の専門家(コンサルタント等)等との協同によるExpert AIによりサービス提供を行っております。今後も、様々な領域の専門家との協同より、更なるExpert AIの強化や創出により当社事業の拡大に努めてまいります。

 


 

AIソリューション及びAIプロダクトのいずれも、それぞれ単体でサービス提供が可能となっておりますが、いずれもExpert AIを技術の源泉としており、その他の技術の共通化や、ノウハウの共有等により、売上の最大化や開発コストの低減が行えるといった特徴を有しております。

 

 Expert AI事業全体を図示すると、以下のとおりであります。

 


 

(1)AIソリューション

当社の保有するAIや3D等の技術をもとにしたアルゴリズムモジュールを、顧客ごとの要件に合わせて組み合わせ、これら技術の活用ニーズがある業種業界向けのサービス提供(主にAI身体分析アルゴリズム)や、LLMを用いた生成AIモジュールを集客や営業・接客の場面で活用できるようにするサービス提供(主にコミュニケーションアルゴリズム)を行っております。また具体的には、営業・接客型化やシステム化、蓄積データのものづくりへの活用による製品開発支援等を行っており、当社技術を顧客ニーズに寄り添った形で、プロダクト開発・コンサルティングといった様々な形でサービスを提供しております。

AIソリューションの提供手法を図示すると、以下のとおりであります。

 


    PoC:Proof of Conceptの略称であり、新しい手法などの実現可能性を見出すために、試作開発に入る前の検証をいう。
 

 

当社では顧客価値を最大化するために、様々なAIソリューションから最適なAIソリューションの導入を企画段階から全面的にサポートしております。また、AIソリューションの導入に伴うAI開発や実装だけでなく、その前段階の業務の整理や要件定義、業務フローの改善、導入後の保守運用等も行い、当社が一気通貫で対応することで顧客価値や費用対効果の最大化を目指しております。また、当社AIプロダクトのSaaSカスタマイズパッケージや、当社独自のExpert AI等を活用することで、より早期の開発・実装、より高い費用対効果を実現することも可能であると考えております。

提案/課題整理から保守運用/ライセンス提供まで、一気通貫でのAIソリューションの提供を可能としていることから、短期・中期におけるサービス提供に係る収益(提案/課題整理~実装)だけではなく、保守運用やライセンス収入といった長期間に渡る継続的な売上獲得も可能となっております。

AIソリューションにおいて注視している指標について、上位10プロジェクトの平均受注単価※1は2023年9月期11百万円、2024年9月期18百万円(前期比7百万円増加)となり、継続率※2は2023年9月期85.7%、2024年9月期90.0%(前期比4.3ポイント上昇)となり、いずれも順調に推移しております。

※1 当該期に新規受注したプロジェクトの受注額の平均値、2024年9月期は2023年10月から2024年8月までの平均値

※2 売上高100万円以上の取引先について、前期に売上計上があった取引先のうち当期にも売上計上があった取引先の割合、2024年9月期は8月末までの数値

 

これまでの実績として、以下のような事例があります。〔 〕内は、使用しているAIモジュール又は技術であります。

 

① 体型サイズ推定技術の提供 〔身体分析アルゴリズム 体型推定ソリューション〕

アパレル業界の顧客向けに、特別な採寸道具や全身写真なしに、オンライン上でアンケートに答えてもらうだけでお客様の体型を推定し、最適なセットアップの提案まで行えるオンライン完結の採寸システムを提供しております。

 

② 寝具購買促進 〔身体分析アルゴリズム 姿勢分析ソリューション〕

寝具業界の顧客向けに、性別・身長・体重・入眠時の姿勢といった設問への回答と、姿勢の撮影により、寝姿勢の特徴を分析し、おすすめの寝具を提案する購買促進につなげるソリューションを提供しております。

 

③ インタラクティブミラーを活用した店舗接客支援コンテンツの提供 〔身体分析アルゴリズム 顔分析
     ソリューション〕

アパレル業界の顧客向けに、初のOMO型店舗(*12)出店時の企画/構想から、技術提供、開発/運用支援まで行っております。店舗に設置されたインタラクティブミラーに内蔵されたカメラでお客様を撮影し顔立ちやパーソナルカラーに合った商品提案を行い、その結果を紙やWebページで持ち帰れるソリューションを提供しております。

 

 ④ メールメッセージの自動生成 〔コミュニケーションアルゴリズム 文章生成支援ソリューション〕

不動産業界の顧客向けに、メールメッセージの文面を、商談内容に合わせたメール文面をAIが自動生成するソリューションを提供しております。自社の商材情報を事前に学習させ、お客様との会話内容を反映した自然な表現のメール文面を生成することができます。作成したメール文面については、そのままお客様に送信する、担当者が内容を変更して送信することもでき、メール文面の生成だけではなく一つのツールとして提供しております。

 

 ⑤ AIロールプレイング 〔コミュニケーションアルゴリズム 営業・商談トレーニングソリューション〕

宝飾品販売事業者向けに、販売スタッフに対する重点商品のAIロールプレイングを行うソリューションを提供しております。販売拡大のKSF(Key Success Factor)が販売スタッフの教育であることに着目し、よく売れているスタッフのトークスクリプトをAIにインプットし、AIが疑似顧客を演じて販売スタッフが疑似商談行い、その結果をAIが評価するものであります。

 

 

 ⑥ 孤独・孤立相談支援 〔コミュニケーションアルゴリズム 文章生成支援ソリューション〕

自治体及び認定NPO法人の官民連携でAI及びSNSを活用した孤独・孤立相談支援事業のモデル開発の推進しております。ソーシャルワーカー 、当社AIプロダクトの「カルティチャット」 による有人対応、AIによる無人対応により、24時間相談できる孤独孤立相談窓口を実現しております。

 

〈コミュニケーションアルゴリズム提案事例)

 


 

(2)AIプロダクト

AIプロダクトは、「カルティ」のブランドで主にSaaSによりサービスを提供しております。ひとを科学し、ノウハウを詰め込んだExpert AIにより接客・商談現場における"バラつき"を解消し、お客様とのコミュニケーションのAI・DX化を実現するクラウドサービス(カルティクラウド)であります。

現在リリースされている主なサービスとしては、「シセイカルテ」「マルチカルテ」「カルティチャット」「カルティセールス」であり、単一のサービスとしての利用のみならず、複数のプロダクトを組み合わせた提案やサービス提供も行っております。一般的なSaaSの場合、個別のカスタマイズを行うことはできませんが、当社のAIプロダクトにおいては個社ごとのカスタマイズ提供も可能となっております。中長期的には、ウェルネス業界の店舗DXを一気通貫でサポートできるようなオールインワンSaaSとしてのポジションを確立すべく、各サービスの機能拡充や相互利用できるような開発を進めております

本書提出時点において、カルティクラウドにおいては以下の4サービスを展開しており、総アカウント数※3 は2023年9月末2,714アカウント、2024年8月末3,240アカウント(前期末月比526アカウント増加)となっており、解約率※4 については2023年9月期1.34%、2024年9月期0.63%(前期比0.71ポイント低下)となっております。なお、4サービスのうち、「シセイカルテ」の売上高・アカウントがAIプロダクト全体の8割程度を占めております。

 

※3 カルティ シセイカルテ・カルティ マルチカルテ・カルティ セールスのアカウント数、及びカルティチャットの取引社数の合計

※4 カルティ シセイカルテ・カルティ マルチカルテ・カルティ セールスにおけるMonthly Gross Revenue Churn Rateの平均値(カルティチャットは取引件数の重
    要性が低いことにより除外)、2024年9月期は8月末までの平均値
        Monthly Gross Revenue Churn Rateは、月内に発生した解約やダウングレードによる損失金額をベースに、解約等が与える影響を示す指標をいう。

 


 

 SaaSの一般的な特徴として、サービス開始まで一定の開発期間が必要であるものの、サービス開始後は契約期間において安定的な収益が獲得できる点にあります。例えば、当社のAIプロダクトのメインプロダクトである「シセイカルテ」の場合は、契約期間が1年間・2年間・3年間のプランがあり、2024年8月末時点の新規・更新契約を含めたプランの契約期間の平均は2年となっており、かつ契約期間においては原則として解約不可であることから、新規ユーザーの増加に従い収益がストック型で逓増するモデルとなっております。それにより、固定費を吸収し損益分岐点を突破することにより、高い収益率を確保することを見込んでおります。

 

① カルティ シセイカルテ(以下、「シセイカルテ」と記載)

「シセイカルテ」は、「AI姿勢・可動域・歩行分析」といった姿勢分析を主な機能とした、コミュニケーション支援ツールであり、SaaSプロダクトとしてサービス提供しております。「シセイカルテ」は、理化学療法士・整形外科医・柔道整復師等の身体の専門家から姿勢分析の専門ノウハウを再現したExpert AIをもとに、姿勢のゆがみ等をAIにより分析し、タブレット端末やスマートフォンにおいて可視化するツールであります。

シセイカルテは主に、以下の機能・特徴を有しております。

・ タブレット端末やスマートフォンのみで、体の歪みを数値化できる。

・ 体の歪みを3D技術で可視化することができ、利用者の行動変容を促すことができる。

・ 分析結果に対して、改善メニューをAIがレコメンドすることができる。また、レコメンド内容はカスタマ
      イズ可能であり、事業者ごとのメニュー提供も可能である。

・ 施術履歴のデータベース機能を有しており、利用者の身体の変化を写真・数値・グラフで記録することが
      できる。

 

〈シセイカルテ特徴及び分析の流れ)

  シセイカルテの特徴及び分析の流れを図示すると、次のとおりであります。

 


 

本書提出時点における主なターゲット業種としては、整体院、接骨院、鍼灸院、フィットネス、歯科医院となっております。顧客においては、「姿勢」の可視化を通じた顧客とのコミュニケーションにより、利用者数の増加やリピート率の向上を目的としてご利用いただける事例が多くあります。

また、姿勢分析だけではなく、歩行分析及び動作分析機能を有しており、当該機能は介護施設がターゲットとなります。

 なお、当社は、様々な不調と相関関係があると言われている「姿勢」に着目しており、2024年8月末時点で約140万回分の姿勢分析データを保有しております。当社では様々な専門家と、「姿勢×メンタル」「姿勢×栄養」といったように姿勢と姿勢に関連するテーマでオンラインセミナーを開催しており、これまでに累計3,500名以上の申込実績があるなど専門家からの関心も高い領域であると認識しております。

 

 

② カルティ マルチカルテ(以下、「マルチカルテ」と記載)

「マルチカルテ」は、利用者が自社の事業や業務の流れに沿って、マルチカルテ上に記録しておきたい顧客情報、施術記録、トレーニング記録、接客記録、顧客からヒアリングした事項といったすべての項目を、ノーコードで制限なく自由にカスタマイズ可能なカルテサービスであり、SaaSプロダクトとしてサービス提供しております。タブレット端末での利用を想定しており、タップ操作や手書き機能により、紙に書いているものと同じ内容を入力することができ、ペーパーレス化の実現にも寄与しております。

マルチカルテはシセイカルテとのセットでご利用いただくケースが多いですが、マルチカルテ単体でもサービス提供を行っております。分析・可視化のみならず、電子カルテ機能や施術履歴データベース機能も搭載しており、コミュニケーション支援のためのDX(*13)ツールとしても活用されております。

マルチカルテは主に、以下の機能・特徴を有しております。

・ カルテのすべての項目がノーコードでカスタマイズ可能となっており、自社専用のオリジナルカルテを作
      成することができる。そのため、あらゆる情報を一元管理することができ、利用者間でのスムーズな連携
      が行える。

・ ヒアリングや施術が理想的なフローとなるように項目をカスタマイズすることが可能であり、実際の流れ
      に沿って項目を変化させることができるため、理想的なフローの型化をすることができる。

・ 接客内容の音声記録、文字起こし、要約、箇条書き変換を自動で行うLLMを活用した「AIカルテ」機   
      能(オプション)

・ 利用者のスマートフォン等から、事前に必要事項の入力が行え、来店時の業務を効率化できる。

・ 画像・表・グラフなど様々な表現方法が選択でき、円滑な顧客とのコミュニケーションを促進することが
      できる。

・ 手書き入力機能を有しており、同意書の手書き署名や、利用者の状態を手書きで補足説明できる。

 

上記のように、カルテのすべての項目を自由にカスタマイズできることで、シセイカルテのような特定の業界だけではなく、より広い業種・業態での利用が可能となっております。

本書提出時点における主なターゲット業種としては、シセイカルテと同様ですが、すべての項目のカスタマイズが可能であるため、カルテを利用する業種であればターゲットとなります。

 

〈マルチカルテ特徴)

  マルチカルテの特徴を図示すると、次のとおりであります。

 


 

 

〈シセイカルテ/マルチカルテ)

シセイカルテ及びマルチカルテは合わせて使用することが可能であり、概要図は次のとおりであります。

 


 

③ カルティセールス

接客・商談時の担当者を、カルティセールスによりナビ・サポートをすることでフローを標準化し、成約率を上昇させることを目的とした商談支援ツールであります。

カルティセールスは主に、以下の機能・特徴を有しております。

・ ヒアリング・商談時に、聞くべきことが漏れなく聞くことができる。
 ・ 顧客の回答内容に合わせて深掘り質問や提案を表示することができる。

・ ヒアリング時にシートへの入力を進めるだけで、ハイパフォーマーのヒアリングから提案の流れを再現す
      ることができる。

 

④ カルティチャット

接客支援システムである「カルティチャット」について、当該プロダクトによるマーケティングの戦略設計からアカウント運用・分析まで一気通貫で提供できるサービスを行っております。「カルティチャット」は、LINE、Instagram、Web、Facebook Messengerなどのメッセージアプリ上で稼働する、チャットBOT(*14)と有人チャット接客システムを組み合わせて提供できるシステムであります。

カルティチャットは主に、以下の機能・特徴を有しております。

 ・ LINE、Instagram、Web、Facebook Messengerなどのマルチメディアを一括で管理し、運用することができ

   る。

 ・ 顧客の成果につながるような、チャット設計や改善支援を行う。

 ・ 有人対応について、当社でサポートすることができる。

 

 

以上述べた事項を、事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

[事業系統図]

 


 

* 用語集

 

用語

内容

1

3D

Three Dimensionsの略称であり、「3次元」や「立体」をいう。

2

バーチャルフィッティング

衣服の3Dデータを用いて、ユーザーの体型の3Dアバターによりオンライン上で疑似的に衣服の試着ができる技術をいう。

3

AI

Artificial Intelligenceの略称であり、学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステムをいう。

4

ISMS

国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が共同で策定する情報セキュリティ規格で、情報資産の保護、利害関係者からの信頼を獲得するための“セキュリティ体制の確保”を目的としたフレームワークをいう。

5

自然言語処理

人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術をいう。

6

機械学習

人工知能技術の主要な研究分野であり、データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法をいう。

7

深層学習

Deep Learningと同義であり、ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種である。従来の機械学習技術では、教師データの特徴をどう数値化するかを人間が定義する必要があったが、深層学習ではアルゴリズムによって教師データの特徴を数値化できるため、複雑な特徴を表現することが可能となっている。

8

LLM

Large Language Modelsの略称であり、非常に巨大なデータセットとディープラーニング技術を用いて構築された言語モデルをいう。一般的には大規模言語モデルをファインチューニングなどすることによって、テキスト分類や感情分析、情報抽出、文章要約、テキスト生成、質問応答といった、様々な自然言語処理タスクに適応でき、代表的な事例としてはOpenAIのChatGPT、MicrosoftのAzure AI等がある。

9

生成AI

学習したデータから様々なコンテンツを生成する能力があるAIをいう。

10

アルゴリズム

コンピューター上における問題を解くための手順・解き方をいう。

11

SaaS

Software as a Serviceの略称であり、ユーザー側のコンピューターにソフトウェアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービスをいう。

12

OMO型店舗

Online Merges with Offlineの略称であり、オンラインとオフラインを融合させて、新たな顧客体験を生み出すような店舗をいう。

13

DX/

デジタルトランスフォーメーション

Digital Transformationの略称であり、新しいデジタル技術を活用し、企業におけるこれまでの組織やシステム、ビジネスモデル等を、より付加価値の高いものへと変貌させ、利益や生産性の向上を図ることをいう。

14

チャットBOT

チャット(会話)とBOT(ロボット)を組み合わせた言葉であり、自動会話プログラムをいう。

 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(親会社)

 

 

 

 

 

株式会社

PKSHA Technology

東京都文京区本郷二丁目35番10号

10,000

AI Research & Solution事業

AI SaaS事業

(66.81)

資金の借入

業務受託

管理業務委託

役員の兼任等

 

(注)1.当社親会社である株式会社PKSHA Technologyは、有価証券報告書及び有価証券届出書を提出しております。

  2.2024年4月に実施した第三者割当増資により、株式会社PKSHA Technologyによる議決権の被所有割合は53.45%となっております。

  3.本書提出時点において、資金の借入、管理業務委託及び役員の兼任はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

 2024年8月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

44

〔4〕

35.0

2.3

6,514

 

 

 当社はExpert AI事業の単一セグメントであるため、本部別に記載しております。

セグメントの名称

従業員数(名)

AI・DX事業本部

38

〔2〕

経営管理本部

6

〔2〕

合計

44

〔4〕

 

(注) 1.従業員数は就業人数であり、従業員数の〔  〕外書きは、臨時従業員(インターン、アルバイト、人材派遣
   会社からの派遣社員を含む。)の最近1年間の平均雇用人数であります。

     2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。

   3.最近日までの1年間において従業員が7名増加しております。主な理由は、事業拡大のため人材採用を積極
   的に行ったためであります。

 

(2) 労働組合の状況

 当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。