(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。
3.当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。
4.主要な経営指標等のうち、第21期から第23期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。
5.前事業年度(第24期)及び当事業年度(第25期)の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。
6.当社は、2024年3月13日開催の取締役会決議により、2024年5月1日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行っております。第24期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算出しております。なお、1株当たり配当額は株式分割前の金額を記載しております。
7.当社は、第22期の期首(2019年8月1日付)において、有限会社アドレ・エステートを吸収合併しております。当社は同社の100%子会社であったため、当社株式2,500株を新たに発行し、同社株式と1:1の割合で交換しております。
8.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。
9.当社は、2024年5月1日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第21期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第21期、第22期及び第23期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
当社は、1998年山口県山口市において、建築設計・施工業務を目的として、現代表取締役会長である杉田茂樹が個人開業した「カドス・コーポレーション」が前身です。
翌年の1999年同所において、流通店舗(コンビニエンスストア、ドラッグストア、飲食店等)の建築設計・施工に特化した「有限会社カドス・コーポレーション」を設立し、その後2004年に株式会社に組織変更しております。
開業以後の当社に係る経緯は、次のとおりです。
当社は、「お客様の発展を願うことが我社の発展の鏡と心得、共生と共栄を目指します」の企業理念のもと、「この街にこんなお店があれば便利だな」「この街にあのお店ができれば嬉しいな」という地域の声を形にし、地域の街づくりに貢献する企業のひとつとして、地域の価値向上を目指した事業を行っております。具体的には建設事業と不動産事業の2つを柱とする事業展開を行っております。両事業の区分は「第2 事業の状況」や「第5 経理の状況」において示すセグメントの区分と同一です。各事業の具体的内容は次のとおりです。
(1)建設事業
当社は、建設事業として、山口県・広島県を中心に主として流通店舗の設計施工を行っています。なお、当社は元請を主としており、実際の施工は当社の協力会社(下請会社)が行っております。
創業以来、土地の有効活用を希望する土地オーナーの情報、事業に適した用地の情報、新しい事業展開のために拠点を求めるテナント企業の情報を収集してまいりました。これらの情報をもとに、土地オーナーとその土地に適したテナント企業を引き合わせ、双方のニーズをつなげることで建築工事の受注に結び付けるビジネスモデルを「カドスLANシステム」と呼び、当社にとって強みと言えるビジネスモデルであると考えております。これにより、土地の特性に合わせた最適な事業プランの提案から店舗の設計施工、テナント企業の出店までをトータルプロデュースしております。なお、社名の「CADOS」は、「Construct=建設」「Architecture=建物」「Design=設計」「Of」「Survey=測量」の頭文字を組み合わせて命名したものであり、「カドスLANシステム」の「LAN」は、「Land=土地」「Application=活用」「Network=情報網」の頭文字を組み合わせて当社が作った造語です。いずれも、土地活用の提案から設計・施工までをトータルプロデュースするという、当社の事業スタンスを意図して表現しております。
競合企業の多くが、テナント企業の出店が決定した案件の施工を請負うことに集中しているのに対し、当社は創業当初から土地を活用したい土地オーナーへのアプローチを進め、活用することについて、土地オーナーから承諾を得た土地の情報を店舗設計図案とともにテナント企業に紹介し、土地の賃貸借契約につなげるマッチングを進めてまいりました。その結果、出店用地を探したいテナント企業の評価や土地を活用したいと考える土地オーナーの認知度も高めることができました。土地オーナーとテナント企業のマッチングは、テナント企業からの特命受注につながり、競合他社との価格競争も回避できております。また、当社は、店舗施工後においても物件の修繕対応や物件の土地オーナーとの関係性構築を行っております。土地オーナーとの関係性構築の一環として、土地オーナーそれぞれに管理番号を設定のうえ賃貸借契約管理書(管理カード)の発行を行っており、管理番号により物件名や担当者を即時に把握し、適切な対応を行えるようにしております。当社では、賃貸借契約締結後においても、土地オーナーに直接テナント企業から連絡があった場合には内容を確認し、テナント企業との面談に同席を行うなど、必要なアドバイスも行っており、また土地オーナーが所有する他の土地の相談等に応じるなど、土地オーナーのアフターケアを行うことで、賃貸借契約満了時には当社で新たな土地活用方法を提案し、永続的なトータルコーディネートを行うべく事業を推進しております。上記の賃貸借契約管理書(管理カード)を発行したオーナーを施工物件土地オーナーとして管理しており、2023年7月期末現在の管理数は235人(社)となりました。また、当社が土地オーナーから土地活用の依頼を受け、テナント企業に土地の紹介と出店の提案を行い、出店の合意をもとに土地オーナーとテナント企業が土地賃貸借契約を締結するまでのマッチング期間の中間値(2021年7月期~2023年7月期)は約4か月(119日)であります。契約締結までに2か月を要しないケースもあり、早期の契約締結が実現できておりますが、地域環境の変化や競合企業の参入などにより、ビジネス機会を逃すことのないよう、今後もマッチング期間の短縮は重要であると認識しております。
2023年7月期の完成工事高(売上高)は4,503百万円、新築工事件数(売上計上分)は34件、新築完工件数(施主引渡分)は23件(ドラッグストア10件(43.5%)、飲食店8件(34.8%)、その他店舗2件(8.7%)、事務所2件(8.7%)、コンビニエンスストア1件(4.3%))であり、売上高のうち、当社のメインターゲットであるナショナルチェーン(山口県隣県以外にも出店しているチェーン店)店舗関連は4,051百万円(90.0%)、ナショナルチェーン以外のローカル店舗(地場企業、オフィス・事業拠点など)関連が452百万円(10.0%)でありました。
当社設立から2023年7月期までの新築完工件数の累計は511件(コンビニエンスストア163件(31.9%)、飲食店127件(24.9%)、ドラッグストア86件(16.8%)、その他店舗77件(15.1%)、オフィス・事業拠点58件(11.4%))と実績を積み上げております。新築完工累計件数は、当社設立から2013年7月期までの15年間で207件に対し、約2.5倍となっております。ナショナルチェーンの件数は404件(79.1%)、ナショナルチェーン以外のローカル店舗は107件(20.9%)であります。ブランド数は165件であり、ナショナルチェーン77件(46.7%)、ローカル店舗88件(53.3%)であります。1ブランド当たり平均店舗数は3.1店舗であり、ローカル店舗1.2店舗に対し、ナショナルチェーンは5.2店舗と4倍超となっております。
ナショナルチェーン404件のうち、同一ブランド10店舗以上のブランドは8ブランド274件(67.8%)、同一ブランド3店舗以上(~9店舗)は16ブランド64件(15.8%)、同一ブランド3店舗未満のブランドは53ブランド66件(16.3%)であります。
交通要地という好立地の提供・紹介により、ナショナルチェーンの割合は着実に上昇しております。また、ナショナルチェーンの割合を増やすことで、当社が営業エリアを拡大する際には一からテナント企業を開拓することなく、新たな営業エリアでも既存エリアのテナント企業に営業活動が可能となることから、営業エリア拡大にも寄与するものと考えております。
(2)不動産事業
当社の不動産事業は、建設事業の営業活動の中で土地オーナーとテナント企業とのニーズがマッチングしないケースがあることから、当社が両社の間に入り双方のニーズをつなぎ合わせることで案件を成立させております。例えば、土地オーナーの希望は土地の賃貸、テナント企業の希望は建物の賃借の場合では案件は成り立ちませんが、当社が土地オーナーより土地を賃借し、当社費用で建物を建築のうえテナント企業に土地・建物を賃貸(建貸)することで双方のニーズがマッチングします。また、土地オーナーの中には、テナント企業と直接賃貸借契約を結ぶことに不安を持たれる方もおられますので、当社が土地オーナーから土地を賃借してテナント企業に転貸することで、テナント企業から店舗施工の受注につながるとともに不動産賃貸収入を得られる場合もございます。これらのビジネスモデルにより、土地オーナーとテナント企業のマッチングを促進させ、店舗施工の受注成約率を高めるとともに、当社にとって長期安定収入となる不動産賃貸収入を得ています。また、中古の店舗・事務所・ビル等を取得し、必要な改装等を施したうえでの賃貸、出店を予定している企業と土地オーナー間の不動産売買の仲介、保有設備である太陽光発電システムによる売電も不動産事業として展開しており、建設事業と不動産事業の両輪でビジネス機会を最大化する構造を構築しております。さらに、収益規模の拡大を目的とし、採算性を十分に検討したうえでの不動産売買にも着手しております。
なお、当社の不動産事業における不動産賃貸借パターンは以下のとおりです。
1.土地オーナーから当社が土地を賃借し、当社費用で建物を建設のうえ当社が土地建物をテナント企業に賃貸するケース
2.土地オーナーから当社が土地を賃借し、当社がテナント企業に土地を賃貸するケース
3.土地オーナーから当社が土地を購入し、当社がテナント企業に土地を賃貸するケース
4.土地建物オーナーから当社が土地建物を購入し、当社がテナント企業に土地建物を賃貸するケース
5.土地オーナーから当社が土地を購入し、当社費用で建物を建設のうえ当社が土地建物をテナント企業に賃貸するケース
6.土地オーナーから当社が土地を賃借し、自社で運用するケース:駐車場など
7.土地建物オーナーから当社が土地建物を賃借し、当社がテナント企業に土地建物を賃貸するケース
8.建物オーナーから当社が借地上の建物(敷地の借地権含む)を購入したうえで、土地オーナーから当社が土地を賃借し、当社がテナント企業に土地建物を賃貸するケース
9.土地オーナーから当社が土地を購入し、自社で運用するケース:太陽光発電所など
同事業は、山口県及び広島県を中心に事業展開しており、2023年7月期の不動産事業売上高は1,156百万円(対象物件数は95件)であり、内訳は、建物賃貸収入863百万円(74.7%)、土地賃貸収入233百万円(20.2%)、売電収入33百万円(2.9%)、仲介手数料収入25百万円(2.2%)でありました。
2023年7月期末現在の不動産賃貸件数は95件となっており、2013年7月期末時点の不動産賃貸件数52件と比較すると10年間で約1.8倍となっております。なお、2023年7月期末現在の不動産賃借件数は73件であります。
当社は、建設受注と不動産賃貸の両面からアプローチすることにより、例えば当社が不動産を賃借することで建設受注にもつながるなど、建設事業と不動産事業の複合案件を生み出し、不動産賃貸による不動産収入の獲得、さらには期間満了後には新たな建設受注の獲得も期待できることから、将来にわたって長期間安定した不動産収入と建設受注を獲得しうる事業構造(プラットフォーム)を確立しています。事業系統図によって示すと次のとおりです。
該当事項はありません。
(注) 1.従業員数は他社から当社への出向者1名を含む就業人員数であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。
4.最近日までの1年間において従業員数が9名増加しております。主な理由は、事業の拡大と管理体制強化を目的とした新規採用であります。
当社には労働組合はありませんが、労使関係については、円滑な関係にあり特記すべき事項はありません。
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。