第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第10期

決算年月

2023年6月

売上高

(千円)

1,711,553

経常利益

(千円)

169,572

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

121,585

包括利益

(千円)

121,585

純資産額

(千円)

639,832

総資産額

(千円)

1,065,475

1株当たり純資産額

(円)

262.15

1株当たり当期純利益

(円)

49.83

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

60.0

自己資本利益率

(%)

21.0

株価収益率

(倍)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

255,429

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

3,331

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

27,396

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

737,057

従業員数

(名)

37

 

(注) 1.当社は、2022年12月に株式会社FPコンサルティング(現連結子会社)の全株式を取得したことから、第10期より連結財務諸表を作成しております。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

3.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

4.第10期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。

5.第10期の財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の約定弁済による支出により、マイナスとなっております。

6.従業員数は就業人員であります。なお、臨時雇用者数については、臨時雇用者が存在しないため、記載しておりません。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

決算年月

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

売上高

(千円)

1,557,137

1,187,349

1,547,762

1,397,007

1,672,008

経常利益

(千円)

334,642

221,158

329,230

51,071

185,378

当期純利益

(千円)

209,088

139,516

224,758

38,752

133,030

資本金

(千円)

31,900

31,900

31,900

31,900

31,900

発行済株式総数

(株)

3,190,000

3,190,000

3,190,000

3,190,000

3,190,000

純資産額

(千円)

98,484

254,735

479,494

518,246

651,277

総資産額

(千円)

614,662

625,978

849,535

810,145

1,005,698

1株当たり純資産額

(円)

40.36

104.33

196.44

212.32

266.84

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

66.75

57.18

92.11

15.88

54.52

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

16.0

40.7

56.4

63.9

64.7

自己資本利益率

(%)

317.2

79.0

61.3

7.8

22.8

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

16,277

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

53,811

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

26,664

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

505,692

従業員数

(名)

12

16

25

25

34

 

(注) 1.1株当たり配当額及び配当性向は、配当を実施していないため記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第9期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.第9期は、2021年4月からApple Inc.が開始した広告規制の影響を受け、当社アプリインストール数の獲得にかかる広告運用費が増加したことから、経常利益及び当期純利益が大幅に減少しました。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (1) 事業環境に関するリスク ⑥ プラットフォームの動向について」をご参照ください。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

5.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

6.第6期、第7期及び第8期はキャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。また、当社は第10期より連結財務諸表を作成しているため、第10期のキャッシュ・フローに関する各項目については記載しておりません。

7.第9期の営業活動によるキャッシュ・フローについては、前事業年度にかかる法人税等及び消費税等の納付によりマイナスとなっております。

8.第9期の投資活動によるキャッシュ・フローについては、事業会社への出資に伴う投資有価証券の取得によりマイナスとなっております。

9.第9期の財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の約定弁済による支出によりマイナスとなっております。

10.従業員数は就業人員であります。なお、臨時雇用者数については、臨時雇用者が存在しないため、記載しておりません。

11.第9期及び第10期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。なお、第6期、第7期及び第8期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

2013年7月

インターネット広告代理事業を主な目的として、東京都渋谷区にて当社設立

2014年3月

東京都世田谷区に本店移転

2014年6月

株式投資初心者向けの学習アプリ「株初心者説明書」をリリース

2016年11月

FX初心者向けの学習アプリ「まるまるFX」をリリース

2017年6月

東京都世田谷区内で本店移転

2018年1月

FXデモトレードアプリ「FXなび」をリリース

2018年7月

「FXなび」のTVCMを開始

2018年10月

東京都渋谷区に本店移転

2018年11月

TV番組「おとこを磨く経済学」を放送開始

2019年9月

株式投資デモトレードアプリ「株たす」をリリース

2020年5月

マネープランシミュレーションアプリ「トウシカ」をリリース

2021年12月

暗号資産デモトレードアプリ「暗号資産なび」をリリース

2022年5月

人工知能(AI)を使った投資自動売買サービスを手掛ける株式会社efitと資本業務提携

2022年12月

ファイナンシャルプランニング(FP)サービスを提供する株式会社FPコンサルティング(現連結子会社)、FPに関する実行支援サポート、FPに関する研修・教育サービスを提供する株式会社FPCソリューションズの全株式を取得

2023年3月

一般社団法人全国銀行協会と共同で、家計管理・株式投資デモトレードアプリ「まねらん」をリリース

野村ホールディングス株式会社と共同で「つみたて投資学習アプリ Powered by トウシカ」をリリース

2023年5月

株式会社FPコンサルティングが株式会社FPCソリューションズを吸収合併

2023年8月

「株たす」にて、実際の株主優待と同等の商品がもらえる「誰でも株主優待」をリリース

2023年10月

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が同社専用の従業員向けの投資学習アプリとして「株たす」を採用

2023年11月

「株たす」にて、米国株のデモ取引機能をリリース

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社である株式会社FPコンサルティングの計2社で構成されております。

なお、当社グループの報告セグメントは、「投資学習支援事業」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1) 当社グループの事業の概要

当社グループは、「おかねに対する意識と行動を変える。」をミッションとして、投資や資産形成を通して、消費者から支援者へと、人々の社会との関わり方を変えていくことの背中を押せるようなプロダクトの開発に取り組んでおります。

本書提出日現在においては、当社の主要な事業として、FX(※1)、株式投資、資産形成について、座学ではなくゲーム感覚のデモトレードやシミュレーションを通して体験型で学習できるスマートフォン向けアプリの開発・運営を行っております。また、株式会社FPコンサルティングの主要な事業として、法人・個人向けに金融教育やライフプランニングの提案、住宅購入、相続対策のアドバイス等のファイナンシャルプランニングサービスを提供しております。

 

(2) 各事業の内容、特徴及びビジネスモデル

① 体験型投資学習アプリ

(内容・特徴)

当社が開発・運営する主要な体験型投資学習アプリの内容及び特徴は、次のとおりです。

アプリ名称

アプリロゴ

内容

特徴

FXなび


FXデモトレード

アプリ

FXについて、漫画・イラストで学べる入門向け学習コンテンツや、為替のリアルタイムデータを利用した体験型学習コンテンツであるデモトレード機能の他、当社作成コラムや主要な経済ニュースのまとめ読み等の情報コンテンツを提供しています。また、証券会社・FX会社の比較・ランキング情報を掲載し、当社アプリを介して口座開設を行うこともできます。

トウシカ


マネープラン

シミュレーション

アプリ

つみたてNISA(2024年1月開始の新NISAにおいては「つみたて投資枠」)・iDeCo(個人型確定拠出年金)を中心とした長期積立投資による資産運用について、入門向けの学習コンテンツの他、つみたてシミュレーション機能、当社作成のコラム等の情報コンテンツを提供しています。また、証券会社の比較・ランキング情報を掲載し、当社アプリを介して口座開設を行うこともできます。

株たす


株式投資デモ

トレードアプリ

株式投資について、漫画・イラストで学べる入門向け学習コンテンツや、個別銘柄の株価のリアルタイムデータを利用した体験型学習コンテンツであるデモトレード機能の他、当社作成コラムや主要な経済ニュースのまとめ読み、株主優待情報、IPO情報等の情報コンテンツを提供しています。また、証券会社の比較・ランキング情報を掲載し、当社アプリを介して口座開設を行うこともできます。

 

 

 

投資に関する知識不足や心理的不安がハードルになっている投資未経験の「投資家デビュー」を体験型投資学習を通して後押しするアプリとなることを指向して、開発・運営を行っております。

 


 

(ビジネスモデル)

ユーザー向けには無料でアプリを提供しております。当社アプリを介して証券会社やFX会社の口座開設がなされた場合、当社はアフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)(※2)を介して成功報酬を得ます。「アフィリエイト」とは成果報酬型広告のことを指し、広告主が期待する成果が発生したことを広告主により承認された場合に、アフィリエイト広告を掲載する媒体が、ASPを介して成果報酬を受領する仕組みの広告形態であります。ASPは証券会社・FX会社から広告費を受領して口座開設数増加のための広告運用を行っております。当社は、特定の証券会社・FX会社を掲載した記事を配信したり、口座比較と題して証券会社・FX会社を条件別で順位付けして紹介したりすることで、各ページに設置した口座開設バナー等をタップすると口座開設用ページに遷移する広告により、当該証券会社・FX会社へユーザーの送客等をして、アフィリエイト報酬を得ております。なお、アフィリエイト報酬の報酬単価は、広告主およびASPとの協議により決定されます。協議において考慮される主な要素としては、広告主の獲得したい希望口座開設数、アプリユーザーによる口座開設率・入金率・収益額及び相対的なEPC(Earning Per Click。広告1クリックあたりの収益)があります。

また、当社主要アプリのユーザー獲得経路は主に動画広告による流入となっております。当社では、安心して投資家としてデビューしていただくため、デモトレードやコラム等の学習コンテンツの充実により、学習効果向上を図っております。

証券会社・FX会社にとっては、当社アプリで投資学習を行ったユーザーの流入により、一般的なWeb検索やアフィリエイトからの流入と比較して投資に積極的な顧客を獲得することで、広告効果の向上が見込まれます。

このように、証券会社・FX会社、ユーザー(投資家)、当社の三者ともに有益なビジネスモデルが特徴です。

 

② ファイナンシャルプランニングサービス

(内容・特徴)

株式会社FPコンサルティングにて、法人・個人向けに金融教育やライフプランニングの提案、住宅購入、相続対策のアドバイス等のファイナンシャルプランニングサービスを提供しております。特に法人顧客においては、所属する従業員の「ファイナンシャルウェルビーイング(「ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的、経済的に健康な状態であること)」の一環として、「おかね」についての不安をとりのぞき、「おかね」との健全な向き合い方ができている状態)」を実現してもらうべく、法人ごとのニーズや制度に沿ったオーダーメイドセミナー、独自のeラーニングシステムを利用したオンライン研修、従業員個別の相談サービス等を提供しております。

特定非営利活動法人(NPO)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が認定する「CFP®資格」を始めとする資格を有し、豊富な知見を持つプロフェッショナルが在籍しており、個人のライフスタイルやライフプランに合わせた資産運用を提案し、資産形成をサポートすることをミッションとしています。

特徴としては、税理士や司法書士等の他士業との兼業や保険代理店及び証券仲介業を行っていない、独立系のFP会社であり、中立的かつ個人の要望に寄り添ったアドバイスを提供できる点が挙げられます。また、大規模の企業において組成されるケースが多い労働組合の組合員の方々や、公務員の方々へのサービス提供実績が多くなっております。

なお、金融教育サービスの一部は、提携するファイナンシャルプランナーに業務委託しております。

 

(ビジネスモデル)

法人・組合向けでは顧問契約に基づく役務提供やセミナーの開催、個人向けではファイナンシャルプランニングサービスにおける役務提供等に対する対価を主な収益としております。金融教育サービスの提供を提携するファイナンシャルプランナーが行う場合は、当社から業務委託を行い、対価を支払っております。また、個人への保険代理店、不動産仲介業者の紹介に伴う、事業者からの紹介手数料による収益があります。

 

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。


 

[用語説明]

本項「事業の内容」において使用する用語の定義については、次のとおりです。

番号

用語

定義

※1

FX

証拠金を金融機関に預託し、差金決済により外国通貨の売買を行う取引(外国為替証拠金取引、通貨証拠金取引又は外国為替保証金取引と呼ばれます)のことを指します。FXという略称は「Foreign eXchange=外国為替」に由来します。

※2

アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)

アフィリエイト広告において、広告主とメディア(媒体・アフィリエイター)を仲介するサービスを提供する事業者を指します。

 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

㈱FPコンサルティング

大阪府大阪市北区

10,000

ファイナンシャルプランニングサービス

100.0

役員の派遣1名

経営支援

 

(注) 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

 

2024年1月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

投資学習支援事業

39

 

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。なお、臨時雇用者数については、臨時雇用者が存在しないため、記載しておりません。

2.当社グループの報告セグメントは、「投資学習支援事業」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2024年1月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

36

33.6

2.2

5,843

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。なお、臨時雇用者数については、臨時雇用者が存在しないため、記載しておりません。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社の報告セグメントは、「投資学習支援事業」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当社グループは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。