第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第17期

第18期

決算年月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

1,024,213

1,148,005

経常利益

(千円)

116,692

111,047

親会社株主に帰属する

当期純利益

(千円)

97,271

83,772

包括利益

(千円)

130,777

228,560

純資産額

(千円)

945,701

1,174,261

総資産額

(千円)

1,332,147

1,613,127

1株当たり純資産額

(円)

296.75

358.14

1株当たり当期純利益

(円)

60.79

52.36

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

35.6

35.5

自己資本利益率

(%)

23.0

16.0

株価収益率

(倍)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

64,827

106,014

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

18,832

17,896

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

757

788

現金及び現金同等物の

期末残高

(千円)

757,247

880,085

従業員数

(外、平均臨時雇用者数)

(人)

69

85

(13)

(18)

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

2.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

3.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

4.第17期及び第18期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC Japan有限責任監査法人の監査を受けております。

5.当社は、2023年11月2日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っておりますが、第17期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

611,882

738,684

723,792

981,251

1,129,190

経常利益

(千円)

45,455

32,551

12,167

139,528

131,822

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

73,562

54,634

15,719

105,814

125,198

資本金

(千円)

8,000

8,000

8,000

8,000

8,000

発行済株式総数

(株)

16,000

16,000

16,000

16,000

16,000

純資産額

(千円)

332,657

280,506

293,742

399,557

524,755

総資産額

(千円)

484,974

485,523

554,072

748,701

980,013

1株当たり純資産額

(円)

20,791.06

17,531.63

18,358.93

249.72

327.97

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

4,597.67

3,414.63

982.50

66.13

78.25

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

68.6

57.8

53.0

53.4

53.5

自己資本利益率

(%)

24.9

17.8

5.5

30.5

27.1

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(外、平均臨時雇用者数)

(人)

52

55

60

68

84

(6)

(11)

(10)

(13)

(18)

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

2.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

4.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

5.第17期及び第18期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC Japan有限責任監査法人の監査を受けております。なお、第14期、第15期及び第16期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく、PwC Japan有限責任監査法人の監査を受けておりません。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第17期の期首から適用しており、第17期及び第18期の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

7.当社は、2023年11月2日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っておりますが、第17期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

8.第15期において当期純損失を計上しております主な要因は、Ishin SG Pte. Ltd.の株式評価損71,380千円を計上したことによるものです。

 

9.当社は、2023年11月2日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第14期、第15期及び第16期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくPwC Japan有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

1株当たり純資産額

(円)

207.91

175.32

183.59

249.72

327.97

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

45.98

△34.15

9.82

66.13

78.25

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

 

 

 

2 【沿革】

当社創業者の明石智義(現代表取締役会長)は、2005年に東京都渋谷区にメディア事業を目的とする会社として、株式会社幕末を設立いたしました。その後、2012年に本社を東京都新宿区に移転し、2014年に商号もイシン株式会社に変更いたしました。イシン株式会社の設立以後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。

 

年月

概要

1999年12月

 

ベンチャー業界メディア『フロンティア(現ベンチャー通信)』を創刊(メディアPR事業のサービス開始)

2005年4月

東京都渋谷区神南にて株式会社幕末(資本金50万円)を設立

2005年6月

 

成長が期待されるベンチャー企業を紹介するメディア「ベストベンチャー100」の提供を開始(2007年にベンチャー企業向けの有料会員制サービスに変更)

2007年3月

資本金を300万円に増資

2007年11月

資本金を800万円に増資

2008年8月

本社を東京都港区白金台に移転

2009年5月

経営者の“経営力”を上げる情報メディア『経営者通信』を創刊

2009年7月

東京都港区白金台にて企業向け動画サービス提供を目的として株式会社幕末ムービーを設立

2012年3月

本社を東京都新宿区新宿に移転

2012年12月

 

 

子会社管理の目的でシンガポール現地法人Bakumatsu Holdings Pte. Ltd.を設立

東南アジアでのメディア運営を目的としてシンガポール現地法人Bakumatsu Singapore Pte. Ltd.を設立

2014年1月

 

 

当社とGMOインターネット株式会社(現GMOインターネットグループ株式会社)、GMO VenturePartners株式会社の共同出資により、ベンチャー企業に対する投資育成を目的としてGMOベンチャー通信スタートアップ支援株式会社を設立(現関連会社)

2014年8月

 

 

イシン株式会社に商号変更

Bakumatsu Singapore Pte. Ltd.をIshin SG Pte. Ltd.に商号変更

大阪府大阪市北区に西日本支店を開設

2014年9月

自治体の“経営力”を上げる情報メディア『自治体通信』を創刊(公民共創事業のサービス開始)

2015年7月

 

 

アメリカでのメディア運営を目的として、アメリカのデラウェア州にIshin USA, Inc.を設立(グローバルイノベーション事業のサービス開始)(現連結子会社)

Bakumatsu Holdings Pte. Ltd.をIshin Group Pte. Ltd.に商号変更

2015年11月

 

 

 

東南アジア・インドのVCファンドに投資する目的で英領西インド諸島、ケイマン諸島にIshin Global Fund Ⅰ L.P.を設立(現連結子会社)

ファンドを運用管理する目的で英領西インド諸島、ケイマン諸島にIshin Global Fund Ⅰ Limitedを設立(現連結子会社)

2016年4月

メディア広告の拡販を目的に東京都新宿区新宿に株式会社Nメディアを新設分割

2016年9月

株式会社幕末ムービーを清算結了

2017年8月

 

Ishin SG Pte. Ltd.がグローバル教育事業の共同立ち上げを目的に、シンガポールでインターナショナルスクールの入学斡旋を行うCulture Connection Pte. Ltd.(本社:シンガポール)と資本提携

2018年3月

Ishin Group Pte. Ltd.を清算結了

2018年4月

株式会社Nメディアを吸収合併

2019年4月

 

採用オウンドメディア(注)制作サービス「HIKOMA CLOUD」の提供を開始

イスラエルのテルアビブ市にイスラエル支店を開設

2019年5月

企業の自治体向けの架電業務を代行する、テレマーケティングサービスの提供を開始

2019年10月

 

西日本支店を閉鎖

大阪府大阪市中央区に西日本オフィスを開設

2020年6月

イスラエル支店を閉鎖

2020年12月

自治体と民間企業の情報流通プラットフォーム「RABAN」の提供を開始

2021年4月

イノベーション情報ポータル「BLITZ Portal」の提供を開始

2022年4月

企業の自治体向けのWEBマーケティングを総合的に支援する「BtoGプラットフォーム」の提供を開始

2022年12月

Culture Connection Pte. Ltd.の全保有株式を譲渡

 

 

年月

概要

2023年4月

高知県香南市に高知オフィスを開設

2023年9月

Ishin SG Pte. Ltd.を清算結了 

 

(注) オウンドメディア:顧客が自社で所有・管理できるメディアのこと。

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社(イシン株式会社)、子会社3社(Ishin USA, Inc.、Ishin Global Fund Ⅰ Limited及び Ishin Global Fund Ⅰ L.P.)、関連会社1社(GMOベンチャー通信スタートアップ支援株式会社)により構成されており、公民共創事業、グローバルイノベーション事業、メディアPR事業の3つの事業を主な事業として展開しております。いずれの事業においてもメディアを起点に新たな市場へ参入し、顧客の課題を解決するソリューション及びプラットフォームを立ち上げてまいりました。

サービス区分ごとの定義は以下の通りです。

・メディア    :当社メディアに広告掲載することで収益を得るサービス。

・プラットフォーム:主な収益はシステム利用料が中心で、同サービス上で顧客とステークホルダーの双方向性のあるサービス。

・ソリューション :上記2区分には含まれない、顧客ニーズに合わせたカスタマイズ性の高いサービス。

なお、Ishin Global Fund Ⅰ L.P.は東南アジアやインドのベンチャーキャピタルファンドに投資する投資事業組合であり、Ishin Global Fund Ⅰ Limitedはその運営管理を行っております。当該ファンドは主に東南アジア・インドのファンドへの投資活動及びベンチャー投資家へ海外スタートアップの情報提供を行うなど、当社グループが展開する各事業との連携や相乗効果を目的として運営しているものであり、各セグメントには配分しておりません。

当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。また、以下に示す区分は、セグメントと同一の内容であります。

 

(公民共創事業)

当事業では、自治体と民間企業をつなぐ事業として、自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)を中心に、防災・危機管理、学校教育・生涯学習、公共インフラ、健康福祉、地方創生などのテーマで、主に大手・中堅企業の自治体向けマーケティング等の業務を一気通貫で支援しております。

民間企業及び自治体の課題、提供するサービスは以下の通りです。

※当該事業を展開する主な会社は、当社であります。


当社は、自治体・民間企業の両者の間に立ち、サービスを通じて両者の課題解決を支援しております。

各サービスの詳細は以下の通りです。

 

① BtoG(注1)プラットフォーム

BtoGプラットフォームは企業の自治体向けのWEBマーケティングを総合的に支援するサービスであります。主な提供サービスは、自治体職員向けに運営しているWEBメディア「自治体通信Online」にて、各企業の専用ページを設置することができ、雑誌『自治体通信』に掲載した記事だけでなく、各企業のソリューション紹介やサービスカタログの設置が可能となっております。また、各企業のサービスリリースやセミナー開催などの情報を告知が出来たり、自治体職員向けのメールマガジンにて各社のソリューションの紹介も行っております。また、企業の自治体向けのマーケティング施策について、当社の社員と定期的に相談ができるカスタマーサクセスサービスもございます。以下が提供している具体的なサービスであり、プラットフォームを利用している民間企業からの月額利用料に係るSTOCK売上(注2)が主な収益となっております。

 

(注)1.BtoG:Business to Governmentの略称。

  2.継続的な契約から生じる売上。

 
<BtoGプラットフォームのサービス内容(2024年1月末時点)>


 

(注)同サービスは、ライトプラン・スタンダードプラン・プレミアムプランの3つのプランを提供しております。ライトプランは①~③のみ、スタンダードプランは④⑤まで、プレミアムプランは⑥までが提供サービスとなっております。各プラン最低12か月以上の契約となっており、基本的な月額費用は、ライトプラン:3.5万円、スタンダードプラン:10万円、プレミアムプラン:契約内容に応じて変動となっております。
 

② 自治体通信

2014年創刊の『自治体通信』は、課題解決に取り組む自治体とその取り組みをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。2023年3月期の発刊回数は11回で、全国約1,780か所の自治体に無料で毎号約34,800部(2024年1月発刊号実績)を、掲載企業がリーチしたい自治体の担当課に直接配送しております。

当サービスでは、民間企業の雑誌掲載に係る広告掲載に係るSPOT売上(注)が主な収益となっており、ソリューションを提供する民間企業のインタビューと自治体の導入事例のインタビューをセットにした記事広告を『自治体通信』の誌面に掲載しております。自治体でのソリューションの導入事例を紹介することにより、読者である自治体職員に導入イメージを喚起し、導入の動機形成を促す効果があるものと認識しており、自治体職員との商談獲得、商談資料として多面的に活用いただいております。また、雑誌という形態は、一定数あるとみられる自治体での回覧文化に沿ったものでもあり、セキュリティ対策のため庁内のWEBの利用環境に制限がある自治体も多いことから、雑誌媒体によるプロモーションの有用性は高いと考えております。

(注)都度の契約から生じる売上。

 

③ テレマーケティング、ウェビナー等の各種ソリューション

テレマーケティングは、民間企業向けに自治体に対する架電業務を代行するサービスであります。具体的には、ターゲットとなる自治体のリストやトークスクリプトを作成し、当社専門チームにて自治体へ架電を行い、顧客に自治体のリード情報(資料請求した自治体の名称・担当課・担当者氏名・メールアドレス等)や調査レポートを納品いたします。当サービスでは、業務支援として、主に架電量に応じた収益を得ております。

ウェビナーは、自治体職員を集客対象としたオンラインイベントやセミナー、展示会を企画・開催するサービスです。民間企業の協賛を募り、協賛企業のソリューションのPRや、参加者リードの獲得を支援しております。いずれの場合も、民間企業からプランに応じ費用を徴収しております。

各種ソリューションサービスは、主にSPOT売上が中心となっております。

 

各サービスを提供した顧客事例は以下のとおりです。

顧客

大手通信会社

課題

・自治体に対してAI関連のITツールを販売していきたい。
・早期のシェア拡大に向けて全国の自治体にPRしたいが、自社製品をどのようにPRすれば良いか分からない。

提供サービスの変遷

①自治体通信

・自治体の導入事例を中心としたインタビューコンテンツを作成
・複数回に渡り『自治体通信』に掲載し、全国の自治体へのPRを支援

②テレマーケティング

・ターゲットとなる担当課への架電業務を支援
・自治体のリード獲得を支援

③ウェビナー

・自治体DXウェビナーの企画・集客サポート
・ソリューションの訴求及びリード獲得を支援

④BtoGプラットフォーム

・サービスカタログの掲載や定期的なプレスリリースの配信
・WEB上でのリード獲得やマーケティングを支援
・『自治体通信』掲載記事のWeb掲載

 

 

 

(グローバルイノベーション事業)

当事業では、日系大手企業と国内外のスタートアップをつなぐサービスとして、成長産業に特化した情報提供サービスや各種ソリューションを通じて、大手企業のオープンイノベーション(注1)の推進を支援しております。

日系大手企業担当者(主に新規事業開発・R&D(注2)・経営企画担当者)及びスタートアップの課題、提供するサービスは以下の通りです。

※当該事業を展開する主な会社は、当社、Ishin USA, Inc.であります。Ishin USA, Inc.では、米国での現地スタートアップの調査及び取材、現地の日系大手企業の販売及び顧客フォローを担っております。


当社は、成長産業に特化した情報提供サービスや、各種ソリューションを通じて、日系大手企業と国内外のスタートアップの両者の課題解決を支援しております。
(注)1.企業が外部のアイディアや技術を活用することで、新たな価値を創造するための手段・考え方。
   2.Research and Developmentの略称。
 

各サービスの詳細は以下の通りです。

 

① BLITZ Portal(ブリッツポータル)

当サービスでは、日系大手企業向けに、成長産業に特化した情報ポータルサイト「BLITZ Portal(ブリッツポータル)」を提供しております。当社グループは日本、米国サンフランシスコに拠点を置き、グローバルで活動する契約リサーチャーやライターと連携しながら、国内外の成長産業の市場やスタートアップ、技術の動向を、レポートやデータベースとして提供しております。

成長産業においては変化が激しいゆえに整理された情報が少なく、かつ特に海外のスタートアップについては情報源が英語に限られていることが多くなっております。当社グループは成長産業の市場やスタートアップ、技術の動向を日々情報収集し、独自レポートとして日本語でわかりやすく整理しております。また、米国の大手スタートアップデータベースである「Crunchbase(クランチベース)」を運営するCrunchbase, Inc.(クランチベース)とライセンス契約を結んでおり、「BLITZ Portal」に「Crunchbase」のデータの日本語版を搭載し、約305万社(2024年1月末時点)の国内外の企業データベースを保有しています。さらに、当社グループの取材先スタートアップは日本企業との協業を期待している企業が多く、当社グループは取材先スタートアップと日系大手企業をマッチングするサポートも行っております。
  

<BLITZ Portalのサービス概要(2024年1月末時点)>


当サービスは月額利用料に係るSTOCK売上を主な収益としております。顧客企業の利用者にIDを付与し、ID数に応じて月額利用料を徴収しております。

 

② 研修・イベントサービス

スタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校の教授を講師として招いたグローバルイノベーション研修や、オープンイノベーションに特化し大手企業やスタートアップが登壇する大型イベントなど、日系大手企業のイノベーション活動を支援する様々なソリューションを展開しております。当サービスでは、研修提供に係る収益及びイベントの協賛や参加に係るSPOT売上が中心となっております。

 

③ TECHBLITZ

世界のスタートアップエコシステムを取材・調査し、イノベーション創発に役立つコンテンツを配信しているメディア「TECHBLITZ」を運営しております。読者は無料で閲覧できるメディアとなっており、国内外の有望スタートアップに取材し先進事例となるソリューションや技術を紹介するインタビューコンテンツや、事業会社やVC・学術関係者からイノベーション創発の事例、概況、トレンドに係るコンテンツを掲載しており、大手企業の担当者が日々情報収集をする際に活用されております。

 

(メディアPR事業)

当事業では、主に成長ベンチャー企業向けにブランディング及び採用支援を行っております。近年、クチコミやSNSなどで風評被害につながるケースが増加しており、企業が正しい情報をステークホルダーにわかりやすく伝達する必要性が高まっております。

当社はメディアの広告やCMS(注)の提供を通じて、顧客がステークホルダーに対して自社の魅力やビジョンを発信することを支援しており、特に採用需要の旺盛な成長企業を中心に導入が進んでおります。また、成長ベンチャー企業の経営者とのネットワークを活かした大型のカンファレンスも開催しております。

(注)CMS:Contents Management Systemの略称であり、Web専門知識がなくとも、簡単にWebサイトの作成・更新・運営ができるシステム。

 

成長ベンチャー企業の経営者及びステークホルダーの課題、提供するサービスは以下の通りです。

 


各サービスの詳細は以下の通りです。

※当該事業を展開する主な会社は、当社であります。

 

① 各種メディア

当サービスでは複数のメディアを運営しており、その中でも主力メディアは、ベンチャー業界メディアの『ベンチャー通信』「ベンチャー通信Online」であります。提供サービスの特徴は2つあり、1つは企業の伝えたいメッセージをユーザーにわかりやすく伝える記事広告を制作している点であります。もう1つはSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)の効果が期待できる点で、顧客の社名・社長名で検索した際に、当社サイトに掲載されている記事が検索順位の上位に表示されやすくなっております。当サービスでは、雑誌掲載に係るSPOT売上及びオンラインメディア掲載に係る月額の広告掲載料に係るSTOCK売上が主な収益となっており、主に経営者インタビューを中心とした記事広告を『ベンチャー通信』「ベンチャー通信Online」に掲載しております。

また、もう一つの主力サービスである「ベストベンチャー100」は、成長が期待されるベンチャー企業向けの有料会員制サービスとなっており、会員企業に対するコミュニティ形成及び会員企業のブランディングや採用支援を目的として、WEBメディア「ベストベンチャー100」の掲載や、カンファレンス及び経営者交流会を開催しております。当サービスは、会員企業からの月額会員費用に係るSTOCK売上が主な収益です。

 

② HIKOMA CLOUD

企業の採用ページ制作に特化したCMSを提供し、自社サイトを通じた採用活動の支援をしております。CMSの提供の他にも、コンテンツ制作の支援やカスタマーサクセスチームの伴走のもと、サイト改善や求人広告の運用サポートを行っております。当事業は、CMSの月額利用料及び求人広告の運用の手数料といったSTOCK売上が主な収益となります。

 

③ 大型イベント

成長が著しいベンチャー企業の経営者を中心に集めた「ベストベンチャー100カンファレンス」を開催しております。主に成長企業に対してマーケティングをしたいBtoB企業にスポンサーとして協賛していただき、イベントでの自社ソリューションのプレゼン機会や参加者リード、経営者とのマッチング機会の提供、といったサービスを提供しております。イベント協賛金に係るSPOT売上が主な収益となります。
 

 

以上、各3事業でメディア、ソリューション、プラットフォームを展開しており、事業ごとに展開しているサービスは以下のとおりです。


 

[事業系統図]

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業の

内容

議決権の所

有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

Ishin SG Pte. Ltd.

(注)2.3.

シンガポール国

730千

星ドル

営業支援

100.0

事務業務代行

調査営業開発業務委託

役員の兼任2名

Ishin USA, Inc.

(注)3.

米国カリフォルニア州

120千

米ドル

業界レポート執筆及び販売代理

100.0

事務業務代行

ポータルサイト提供

調査営業開発業務委託

役員の兼任2名

従業員の出向1名

Ishin Global Fund

Ⅰ Limited

 

英国領ケイマン諸島

米ドル

ファンド管理

100.0

事務業務代行

役員の兼任2名

従業員の出向1名

Ishin Global Fund

Ⅰ L.P.

(注)3.5.

英国領ケイマン諸島

5,001千

米ドル
(注)4.

投資事業組合

2.0

(注)4.

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

GMOベンチャー通信

スタートアップ支援

株式会社

 

東京都渋谷区桜丘町26番1号

50百

万円

ベンチャー企業支援

20.0

役員の兼任2名

 

(注) 1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

2.第18期連結会計年度(2023年3月期)において連結子会社であったIshin SG Pte. Ltd.は、2023年9月に清算結了しております。

3.特定子会社に該当しております。

4.Ishin Global Fund Ⅰ L.P.の「資本金」欄は、出資約束金額の総額を記載しており、「議決権の所有割合」欄は、出資比率を記載しております。

5.Ishin Global Fund Ⅰ L.P.について、投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取り扱い(実務対応報告第20号)に基づき支配していると考えられることから、連結子会社としております。

6.第17期連結会計年度(2022年3月期)において持分法適用関連会社であったCulture Connection Pte. Ltd.については、2022年12月26日付けでIshin SG Pte. Ltd.が保有していた全株式を譲渡したことに伴い、持分法適用の範囲から除外しております。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年1月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

公民共創事業

30

(4)

グローバルイノベーション事業

13

(8)

メディアPR事業

17

(1)

全社(共通)

26

(7)

合計

86

(20)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、制作部、WEB開発部、業務室、経営企画室及び管理本部に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2024年1月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

85

(20)

34.4

3.0

5,276

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

公民共創事業

30

(4)

グローバルイノベーション事業

12

(8)

メディアPR事業

17

(1)

全社(共通)

26

(7)

合計

85

(20)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、制作部、WEB開発部、業務室、経営企画室及び管理本部に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女賃金差異

① 提出会社

最近事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.

 男性労働者の育児休業取得率(%)
(注)2.

26.7

-

-

 

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男女間賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

② 連結子会社

 連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年労働省令第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。