(注) 1.当社は、連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第13期の期首から適用しており、第13期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
4.当社は、2023年12月8日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っており、発行済株式総数は4,155,200株となっております。
5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。
6.第9期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。また、第10期、第11期、第12期及び第13期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
7.第10期、第11期、第12期及び第13期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
8.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
9.第12期からキャッシュ・フロー計算書を作成しておりますので、第9期、第10期及び第11期のキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。
10.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員・アルバイト)は、1年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
11.第12期及び第13期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、仰星監査法人により監査を受けております。なお、第9期、第10期及び第11期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しておりますが、当該各数値については金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく仰星監査法人の監査を受けておりません。
12.第12期における総資産額及び純資産額の増加は主に、第三者割当増資によるものであります。
13,第10期及び第11期については、製品の機能強化を目的とした外部開発の利用拡大に伴う業務委託費の増加により、また、第12期及び第13期については、新規顧客の獲得を目的とした、積極的な広告宣伝活動への投資を行った結果、広告宣伝費が増加したため、経常損失及び当期純損失を計上しております。また、同様の理由により、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。
14.当社は、2023年11月17日開催の取締役会決議により、2023年12月8日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。
15.2023年11月17日開催の取締役会決議により、2023年12月8日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第9期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第9期、第10期及び第11期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、仰星監査法人の監査を受けておりません。
当社は、創業者である横井太輔がモバイル向けサービスの提供を目的として、2010年9月に静岡県焼津市に創業しました。当社設立以降の経緯は次のとおりであります。
当社は、「アイデアとテクノロジーで人々を笑顔にする!」をミッションに掲げ、「ココロ踊るチャレンジと心からの感謝にあふれる会社であり続ける」をビジョンとしております。また、役職員向けの行動指針(バリュー)として、「顧客志向」「チャレンジ」「スピード」「チームワーク」「尊重・信頼」「プロフェッショナル」の6つを定義し、徹底した顧客志向のもと、業務課題を深く理解し、課題解決を実現するためにデジタルサービスの開発・提供をしております。社名である「L is B(エルイズビー)」は、働く人々の人生の彩り・潤いになるサービスを提供したいという想いから、Life is Beautifulの頭文字を由来としています。
「ミッション・ビジョン・バリュー」
当社の事業内容は以下の通りであります。なお、当社はDXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)当社の事業領域
当社は、「現場」を持つ企業の業務課題をDX(デジタルトランスフォーメーション)(注1)によって解決するデジタルサービスを、主にSaaS(Software as a Service)(注2)と呼ばれる形態で提供しています。現場とは、建設業、流通小売業、インフラ業、運輸・交通業等の業界における現場のことを指します。業務は立って行い、普段パソコンは使わない人々をメインターゲットとして、当社のサービスを提供しています。
「現場のある業界イメージ」
(注) 1.DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して業務プロセス、製品・サービス、ビジネスモデルなどを変換することをいいます。
2.SaaS(Software as a Service)とは、インストール不要でインターネット上で使用できるソフトウェアをいいます。
当社の顧客である現場を持つ業界の多くの企業は、生産年齢人口の減少によって人材不足が深刻化しております。さらに、他の産業と比べて長時間労働が常態化し、例えば建設業においては、厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和4年度分結果確報」によると全産業平均と比較して年間約328時間の長時間労働となっています。長時間労働が発生する背景には、現場特有のコミュニケーション課題として、話したい相手が近くにおらず業務が停滞する、確認のために現場と事務所の往復が多い、膨大な手書きの点検記録や提出書類が必要となる、多くの協力会社とのタスク・スケジュール調整が頻発するといった課題があります。
当社は、現場の課題を解決するデジタルサービスとして、2014年10月に現場向けビジネスチャット「direct」をリリースしました。その後、「direct」と連携して稼働するサービス群として、2016年10月には働き方改革支援ソリューション「direct Smart Working Solution(SWS)」を、2017年1月にチャットボット(注1)レンタルサービス「direct bot RENTAL」を、2018年7月にはユーザーの思考に合わせて進化するFAQソリューション「AI-FAQボット」を、2022年4月にはタスク管理、スケジュール管理、掲示板を搭載した「direct Apps」をリリースし、サービスの拡充に努めてまいりました。さらに、顧客から寄せられるDXに関する課題を解決するため、2022年7月にDXコンサルティングサービスを開始し、コンサルティングや「direct」等と連携した個社別のオリジナルソリューションの設計・開発を行っております。また、「direct」のOEM(注2)提供を行う形で、自治体や信用金庫に対して、ビジネスチャットサービスを提供しております。
(注) 1.チャットボット(Chatbot)とは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、ユーザーからの呼びかけに応じて自動的に会話するプログラムをいいます。
2.OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、開発したサービス・製品を、供給先のブランド名で販売することをいいます。
当社の主なサービス提供形態は、顧客に対して「direct」等のデジタルサービスを提供し、顧客から利用料の支払いを受けております。商流は、当社から利用者に対して直接販売する形態と、販売パートナーを通じて利用者へ販売する形態があります。また、「direct」等の自社サービスを、OEMパートナーに対し、OEMパートナーのブランドとして利用者へ提供することがあります。
毎月経常的に得られるサービス利用料は、ストック売上高として計上しております。そのほかに、当社サービスの初期設定やDXコンサルティングサービスは、作業完了やシステムの納品ごとに、プロフェッショナルサービスその他売上高として計上しております。
「事業系統図」
(5) 現場のビジネスチャット「direct」の特徴
① 直感的でシンプルなインターフェース
「direct」は、リリース以来、現場で利用されるITツールとして開発してきました。チャットサービスは、業務連絡・報告といったコミュニケーションを円滑に行うために、業務に携わる全ての人が使いこなせる必要がありますが、現場で働く人々の職務内容やITリテラシーはばらばらで、ITツールの利用を全員に浸透させるのは困難です。「direct」は、スマートフォンを操作できる人であれば直感的に操作できるユーザーインターフェースを指向して開発しております。
「direct」のインターフェース
現場の業務には、社内の従業員だけでなく、協力会社や仕入れ先など、多くの社外の関係者と業務を推進します。建設現場では、現場監督を中心として、土木、左官、電気、配管、クロスその他多くの協力会社の作業員が関わり、流通小売では、仕入れ先や店舗の臨時職員など、自社の従業員以外とのコミュニケーションが必要とされます。「direct」は、このような社外の関係者と安全につながる仕組みとして、「direct Guest Mode(ダイレクトゲストモード)」というアカウント管理機能を提供しております(特許取得済 特許第6243382号)。「direct」の管理者及び通常ユーザーは、協力会社などの社外メンバーをゲストとして組織に招待することで、全参加メンバーに話しかけることができますが、招待されたゲストメンバーには他のゲストの存在が表示されません。
「direct Guest Mode(ダイレクトゲストモード)」
「direct」の開発・運用体制は、お客様の情報資産の保護を徹底し、セキュリティ事故の発生ゼロを目的として、情報セキュリティマネジメントシステムを構築し、一般財団法人 日本品質保証機構(JQA)の厳正なる審査のもとISO/IEC 27001:2013(JIS Q 27001:2014)及びISO/IEC27017:2015(JIP-ISMS517)の認証を取得しています(登録日:2016年12月9日)。
「direct」で送受信されるメッセージや添付ファイルのデータは、すべて暗号化通信(SSL/TLS)にて行われています。「direct」のサーバー管理は、専門エンジニアによる運用ルール(社内管理者アクセス制限・ログ管理、最新セキュリティパッチの定期適用、脆弱性診断など)のもと行われており、お客様からお預かりしたデータ(写真、動画、ドキュメントなどの添付ファイル)は暗号化方式AES256(注)により保存しております。 また、外部攻撃からの対策として、侵入検知、改ざん検出システムを設置して監視しております。さらに、「direct」は、現場の協力会社の関係者がスマートフォンで利用するという特性上、ファイルのダウンロード制限や、端末でのスクリーンショット制限といった現場で求められるセキュリティ機能を有しております。
建設業をはじめとして、現場ではDX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上のために、様々なデジタルツールが使用されています。「direct」は、現場で利用されるファイル共有ツール、グループウェア、帳票記録・報告・閲覧ツール、図面管理ツール、施工管理ツール等の他社サービスと連携しており、業務ツールのハブとなっています。
(注) 暗号化方式AES256とは、256ビット長の暗号鍵を用いて暗号化する方式をいいます。AESで用いられる暗号鍵で暗号鍵長が最も長く、安全性が高いとされています。
2022年4月、「direct」と連携するアプリケーション群として「direct Apps」のサービスを開始しました。初期アプリとして、タスク管理、掲示板、スケジュール管理の3アプリをリリースし、2023年3月に日程調整のためのアプリ「トリスケ」をリリースしました。各アプリにおいて情報を更新すると、「direct」にチャットとして通知され、現場の業務連絡の円滑化を実現しています。
「direct」を通じて利用できるアプリケーション群
② 「direct Smart Working Solution」
「direct Smart Working Solution(ダイレクトスマートワーキングソリューション、以下「SWS」という)」とは、「direct」とチャットボットの技術を活用した、従業員の長時間労働の是正を支援するサービスです。働き方改革関連法に対応するため、企業は限られた時間で成果を上げる仕組み作りが求められます。「SWS」は、残業実態を見える化し、一人ひとりの勤怠を適切に管理・運用することをサポートします。
「direct Smart Working Solution(ダイレクトスマートワーキングソリューション)」
「AI-FAQボット」は、チャットボットと会話して、必要な回答を必要な時に手に入れるAI活用によるFAQソリューションです。事前学習は一切不要、顧客が利用しているビジネスチャットやグループウェアとの連携可能、言葉の揺れの自動学習といった特徴を有しております。よくある問い合わせや、時間外の問合せに対して、チャットボットが対応することにより、問合せを受ける側の業務負担を軽減し、問合せを発する側の顧客又は従業員の満足度の向上を目指します。
「AI-FAQボット」
2023年6月、現場向け写真管理サービスとして、「タグショット/タグアルバム」をリリースしました。「タグショット/タグアルバム」は、タグを付けて写真や動画を撮影するだけで、クラウド上でデータを分類・保存できる現場向けカメラアプリです。現場にかかわるすべての人とリアルタイムでデータを共有でき、保存した写真や動画を探す手間を削減し、現場の業務効率化を実現します。
「タグショット/タグアルバム」
「仕事は視て覚える」をコンセプトとし、現場のナレッジ(知識)やノウハウ(技術)を動画で共有するためのサービスとして、「ナレッジ動画」を開発しております。動画編集の手間は不要であり、また動画ごとに閲覧できるユーザーを設定することが可能なため、手軽に、かつ安全に動画共有を行うことができます。2023年7月から一部のユーザーで先行試験利用を開始しました。
「ナレッジ動画」
「direct」をもっと便利に、業務を自動化するためのツールとしてご利用頂くために、「direct」上で稼働するbotを提供する「direct bot RENTAL(ダイレクトボットレンタル)」及び「daab(ダーブ)」を運営しています。
「direct bot RENTAL」は、現場の報告、連絡、事務作業を自動化するためのボットのレンタルサービスです。利用者は、「現場報告ボット」、「翻訳ボット」、「熱中症予防チェックボット」といったボットをすぐに利用することが可能です。
「daab」は、「direct agent assist bot(ダイレクト エージェント アシスト ボット)」の略称であり、チャットボット開発環境「daab SDK」を公開することにより、「direct」の利用者自身が開発できる開発環境を提供しています。「direct」のアクションスタンプや位置情報、既読者の取得などをボットに組み込んだり、複数の機能を組み合わせるなど、さまざまな形でボット作成が行えます。
「チャットボットソリューション」
当社は、「direct」の利用顧客から寄せられるDXによる業務効率化の要望・相談に対して、コンサルティングや「direct」等と連携したオリジナルソリューションの設計・開発という形でサービス提供しております。具体的には、災害時の速報・連絡、資材やコンクリートの発注、現場の出面(注1)管理、CO2排出量記録、現場で利用される機器の貸出管理、生成AI(注2)を活用した業務自動化等の要望に対し、「direct」と連携したシステムの設計・開発を行い、顧客に提供しております。
「DXコンサルティング」
(注) 1.出面とは、建設工事現場で働く人員の入退場を管理することをいいます。
2.生成AIとは、学習したデータから様々なコンテンツを生成する能力があるAIをいいます。
当社は、株式会社トラストバンクに対して「direct」のOEM提供を行っており、株式会社トラストバンクは総合行政ネットワーク「LGWAN」(注)で使える自治体向けビジネスチャットサービス「LoGoチャット」として展開しております。また、信金中央金庫及び東日本電信電話株式会社と連携し、信用金庫と取引先のDX支援として、信用金庫とお客様との間で非対面コミュニケーションを可能にする「しんきんdirect」を提供しております。OEMサービスにおいて、当社は、ID数に応じたレベニューシェアによる利用料の一部、システム開発にかかる開発料及び運用にかかる業務委託料を受領しております。
(注) 総合行政ネットワーク(LGWAN:Local Government Wide Area Network)とは、地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークをいいます。
該当事項はありません。
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員・アルバイト)は、最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社は、DXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
4.最近日までの1年間において従業員が18名増加しております。主に開発人員8名が増加したことによるものであります。
当社において、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。