(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。
3.第57期及び第58期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。
4.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、契約社員を含む)は期末時点の人員を〔〕内に外数で記載しております。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第58期の期首から適用しており、第58期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
6.2023年5月10日開催の取締役会決議により、2023年5月29日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。第57期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。
3.主要な経営指標等のうち、第54期から第56期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。
4.前事業年度(第57期)及び当事業年度(第58期)の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。なお、第56期以前については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。
5.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、契約社員を含む)は期末時点の人員を〔〕内に外数で記載しております。
6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第58期の期首から適用しており、第58期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
7. 第55期の普通株式数の減少及びA種種類株式の増加は普通株式からA種種類株式への転換が8,700株発生したことによるものです。また、第57期の普通株式数の増加及びA種種類株式の減少はA種種類株式から普通株式への転換が8,700株発生したことによるものです。
8.2023年5月10日開催の取締役会決議により、2023年5月29日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。第57期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。なお、1株当たり配当額は株式分割前の金額を記載しております。
9. 当社は、2023年5月29日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第54期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第54期、第55期及び第56期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
当社の創業者である隈利實は、1951年より九州大学工学部に研究助手として勤務しておりました。実験や論文作
成の実験室から脱却して実際に世に役立つ製品の開発を行いたいと考え、大学勤務の傍ら、企業からの研究を受託
するようになりました。1962年に福岡県福岡市において企業からの研究受託を目的とし、当社の前身である隈研究
所を創業致しました。
その後、1965年に「株式会社西部技術研究所(現 株式会社西部技研)」を設立致しました。
株式会社西部技術研究所設立以後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。
注1:フラットなペーパー状の基材をギアー成形機等により波状加工する技術
注2:コルゲーション成形を連続して行う成形機
注3:-40℃露点以下のような超低湿空気に除湿することが可能なシリカゲルとゼオライトの2つの吸着材を合成
・含侵したハイブリッド除湿ロータ
注4:水分を吸着し難く、揮発性有機化合物を選択的に吸着する合成ゼオライト
注5:ガスタービンエンジンを搭載した小型発電機の排熱を利用したデシカント除湿機
注6:ロータにした際に高性能な除湿性能と強度を示すように直径と長さを調整した安全なガラス繊維
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社9社の計10社で構成されており、デシカント除湿機やVOC濃縮装置等の製造、販売、据付工事等のサービスを主な事業として取り組んでおります。なお、当社グループの事業は、空調事業の単一セグメントであるため、以下製品及びサービスごとに記載しております。
(1) 技術の特徴
当社は、1965年に前身となる株式会社西部技術研究所を立ち上げ、1974年に連続ハニカム成形技術(図1)を確立しました。シート状の素材と波形の素材を交互に積層接着して形づくられるのが、当社グループ製品のコアとなるハニカム積層体です。ハニカム積層体とは、ダンボールの板紙のようなものを何層にも重ねて作る構造体で、断面が蜂の巣に似ていることから、一般的にハニカムと呼ばれています。このハニカム積層体は、空気抵抗が少なく、強度に優れ、表面積が広いという3つの特徴を有しています。当社のコア技術は、多くの素材をハニカム状に加工できることと、そのハニカムに様々な機能剤を添着し、特別な機能を持たせることです。この技術を製品の心臓部となるハニカムロータ(回転体)(写真1)に用い、デシカント除湿機やVOC濃縮装置、全熱交換器(注1)等を世の中に提供してまいりました。私たちは設立当時より培ってきたこのハニカム加工技術の強みを活かしながら、地球環境に貢献する製品を生み出し続けることを重要なミッションと考え、日々新たな技術を磨いております。
図1:ハニカム成形技術の概念図
写真1:ハニカムロータの写真
注1:各製品の用途や特徴については、後述の「(2)主な製品」にて説明致します。
(2) 主な製品
(デシカント除湿機)
一般空調に用いられる除湿には主に「冷却式」と「デシカント式=吸着式」の2つの方式があります。「冷却式」は空気中の水分を冷却し結露させて除湿する方式です。一方「吸着式」は吸湿材に湿気を吸着させて空気を除湿する方式です。デシカント式除湿機は、シリカゲルやゼオライト等の吸着材を用いてハニカム内部に湿気を吸着させて空気を除湿します。空気を冷却する必要がないため、低温時や空気中に水分が少ない低露点環境においても、効率的に除湿することができるのが特徴です。
最終製品の品質維持のためにその製造工程で湿度コントロールを必要とする食品・製薬工場だけでなく、世界的に需要が急増中のリチウムイオン電池、二次電池や有機ELといった先端技術の製造工程にも採用されています。また、美術館・博物館、スーパーマーケット、室内アイススケートリンク、発電所や船舶輸送においても使われており、その用途は多岐にわたります。販売・設置に加え、導入をご検討頂いている新規顧客若しくは一定期間限定で使用する顧客に対しては、小型標準モデル機のレンタルサービスも提供しております。その中でも近年急拡大市場である車載電池の製造においては、そのほとんどの工程で-40℃露点(注1)以下の非常に低湿な環境が、当該製品の高性能、高耐久性、高安全性といった非常に厳しい品質基準が求められています。このような超低湿環境を省エネルギー性も加味して実現するには一般的な冷却式除湿機では実質的に不可能で、現在のところデシカント除湿機のみが有効な方式と認識されております
また、デシカント除湿機を用いたドライルームシステムの設計、設置工事も行っており、一般的な-40℃露点クラスから-90℃露点以下の超低露点まで幅広い要求にお応えしております。
デシカント除湿の原理
デシカント除湿機は下図のとおり、中心の除湿ロータ、処理空気を送風する処理ファン、再生空気を送風する再生ファン、再生空気を高温にするための再生ヒーターで構成された機器です。湿度の高い処理空気が処理ファンにより除湿ロータの処理ゾーンへ送られ、除湿ロータ内に含侵された吸着剤(シリカゲルもしくはゼオライト)により水分がロータ内に吸着され、処理ゾーン出口より乾燥空気が供給されます。一方、その吸着された水分はロータの回転により、再生ゾーンに運ばれ、そこに高温再生空気を給気することにより、吸着されていた水分が脱着され、室外へ排出されます。この吸着と脱着のサイクルをロータの回転とファンにより連続的に除湿する方式がデシカント除湿機です。なお、処理、再生ゾーン間は、互いの空気がリークして混合しないようなシール構造と独立した風路により気密が保たれております。
デシカント除湿機(標準機)
注1:空気はその温度が低ければ低い程、その空気が含むことのできる水分量が小さくなります。ある温度の空気を冷却し続け、その水分を維持することができずに結露する温度のことをその空気の露点と言います。
(VOC濃縮装置)
1990年代より米国を始め、欧州、そして中国の産業化に伴い、大気汚染防止のための厳しい環境規制が施行され始めました。近年ではその規制も更に厳しくなってきており、特に半導体、自動車塗装のような大風量のVOC混合排気の処理においては、当社VOC濃縮装置による方法が省エネルギー性も兼ねて、非常に効率的に処理することができる環境保全装置として広く認識されております。
VOC濃縮装置は、塗料から発生する大気汚染の原因となるベンゼンやトルエン等を総称した揮発性有機化合物(VOC)を選択的にVOC濃縮ロータに吸着させ、排出ガスの無害化を可能にします。
1988年に、世界に先駆けてゼオライトを用いたVOC濃縮ロータ商品化に成功して以後、塗装や印刷業界だけでなく
近年では急進中の半導体製造工程といった多様な用途に柔軟に対応した製品展開及び豊富なオプション展開をしております。中国やヨーロッパといった大気汚染に関連する法規制が厳しい国々や、大気汚染が深刻化する新興国において、法規制が今後制定・強化される可能性もあります。このような地域において今後も引き続き、製品展開に注力してまいります。
当該製品は開発からモジュール製造に至るまで日本国内で手掛けており、その性能の高さから世界30か国以上の顧客に選ばれております。
VOC濃縮の原理
VOC濃縮装置は下図のとおり、中心にVOC濃縮ロータ、ロータ回転駆動装置、処理・再生ゾーンで構成された装置です。半導体や自動車塗装の工場より排出された大風量低濃度VOC混合排気が送風機により、ロータ処理ゾーンへ運ばれ、VOCがロータ内に含侵された吸着剤(疎水性ゼオライト)によりロータ内に吸着され、処理ゾーン出口より清浄化されて排出されます。一方、吸着されたVOCはロータの回転機構により再生ゾーンに運ばれ、逆方向から送風された小風量の高温再生空気によりロータから脱着し、10倍から20倍に濃縮されたVOCガスが酸化分解燃焼装置へ運ばれ、水と炭酸ガスに分解処理し、清浄化されます。大風量、低濃度を直接燃焼装置で処理するためには大型の燃焼装置が必要となり、低濃度のまま燃焼分解するためには燃焼エネルギーを大量に必要としますが、VOC濃縮装置を導入することにより、燃焼装置を大幅に小型化することが可能であり、燃焼エネルギーも低レベルに抑えることで省エネルギーを実現致します。
VOC濃縮装置
(その他)
上記主力製品のほか、換気によって失われるエネルギーを再利用しCO2削減に寄与する省エネルギー装置、全熱交換器も製造販売しております。全熱交換器は、室内からの還気が屋外へ排気される際、還気が持つ熱と湿気(全熱)をハニカムロータが蓄え、汚れた空気のみが排気されます。同時に取り入れた外気がロータを通過する際に、蓄えた全熱を外気が受け取り、冬は予熱・加湿、夏は予冷・除湿されて室内に給気されます。一般事務所ビル、研究施設、病院、ホテル、学校、船舶、プール等、国内では当社の製品が多岐に渡る産業で採用されております。
(3) 製造・販売・サービス体制
① 製造体制
国内における生産工場展開状況は、本社がある福岡県に、第一工場(福岡県古賀市)と第二工場(福岡県古賀市)、第三工場(福岡県古賀市)、宗像工場(福岡県宗像市)を、神奈川県に湘南事業所(神奈川県高座郡寒川町)を展開しております。各工場での主な製造物は、第一工場では除湿ロータ、第二工場ではハニカムフィルターを中心に小型製品、第三工場ではデシカント除湿機の組み立て、宗像工場ではVOC濃縮装置用ロータ、湘南事業所では全熱交換器であります。
海外においては、スウェーデン(スパンガ)とポーランド(グディニャ)に主にデシカント除湿機を生産する工場を、アメリカ(ペンシルバニア州)に主に全熱交換器を生産する工場を、中国(江蘇省常熟市)に主にVOC濃縮装置を生産する工場及び主にデシカント除湿機を生産する工場(3か所)を計7か所展開しております。
②販売体制
福岡県にある本社に営業本部を置き、この本部の指揮の下に東京・大阪・名古屋に営業拠点を設置し、国内市場の顧客開拓、販売拡大に努めております。
海外では、スウェーデン、アメリカ、中国、ポーランド、アフリカ、韓国等の各子会社との緊密な連携のもと、ヨーロッパ、アメリカ、アジアをはじめ、約50か国にその販売網を広げております。各地域への直接営業及び各地域に代理店を設置し、グローバルな販売体制を構築しております。
③サービス体制
国内では、据付工事、メンテナンス、ロータ交換工事まで提供しており、製品の性能を最大限に発揮できる環境づくりを行っております。当社の製品は、工場等の設備として長い期間使用されることも多く、簡単に改修できない巨大プラントへの導入等もあります。そのような環境下で安定した性能を維持管理し、トラブルを未然に防ぐためにも定期的なメンテナンスは重要です。さらに技術向上のスピードが速い現代においては判断の難しい、交換や改修のタイミング等についても随時ご提案を行っております。また、他社製ロータを使用中であっても、当社製ロータへの交換を可能としております。将来的には国外の各種ロータの交換需要にも積極的に対応できる体制構築に注力してまいります。
国外においても、中国ではこれまで製造部と兼任で行っていたサービス業務をサービス部として独立し、更に専任人材を採用することにより、他社競合との差別化を図りながらサービス事業の拡大に取り組んでおります。
事業の系統図は次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは空調事業の単一の報告セグメントのため、「主要な事業の内容」欄には、各関係会社が行う具体的な事業内容を記載しております。
2.「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の〔内書〕は間接所有であります。
3.特定子会社であります。
4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5.債務超過会社であり、2022年12月末時点で債務超過額は29百万円となっております。
6.Seibu Giken DST AB、西部技研環保節能設備(常熟)有限公司及び迪思特空气処理設備(常熟)有限公司については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3.臨時従業員には、パートタイマー及び契約社員を含んでおります。
4.当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については記載しておりません。
(2) 提出会社の状況
(注) 1.従業員数は、当社から他社(当社子会社)への出向者を含む就業人員数であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3.臨時従業員には、パートタイマー及び契約社員を含んでおります。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5.当社は、単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については記載しておりません。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。