(はじめに)
当社は技術者派遣事業を展開する株式会社ワールドコーポレーションを中心とした企業グループの経営管理を行う持株会社であります。
当社代表取締役である小林良は、主に建設業向けの技術者派遣事業を目的として、株式会社ワールドコーポレーション(現連結子会社)を2008年11月に設立しました。
その後、2019年5月に、株式会社アドバンテッジパートナーズが純投資を目的として設立した株式会社AP64(現当社)は、2019年11月に株式会社ワールドコーポレーションの全株式を取得し、完全子会社化することにより、当社を持株会社とする体制に移行いたしました。
なお、本書提出日現在において、株式会社ワールドコーポレーションの事業年度は既に第15期(2023年10月期)であり、当社グループの実質的な事業活動は株式会社ワールドコーポレーションで行われております。
持株会社である当社と事業子会社である株式会社ワールドコーポレーションの経緯は、下図のとおりであります。
(注) 1.上記指標は、国際会計基準(以下「IFRS」という。)により作成しております。
2.希薄化後1株当たり当期利益は、潜在株式は存在するものの当社株式が非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。
3.株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
4.第3期及び第4期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、監査法人A&Aパートナーズの監査を受けております。
5. 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(注) 1.当社は2019年5月27日設立のため、第1期は2019年5月27日から2020年4月30日までの11ヶ月と5日間となっております。
2. 第2期は、決算期変更により2020年5月1日から2020年10月31日までの6ヶ月間となっております。
3. 第1期の営業収益は子会社の経営管理体制構築支援業務の提供、第3期以降の営業収益は子会社の経営管理業務の提供に基づいて計上しておりますが、第2期は経営管理業務の提供を行っていないため、営業収益を計上しておりません。
4. 1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの当社株式が非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。
6. 自己資本利益率については、第1期、第2期、第3期及び第4期は当期純損失であるため記載しておりません。
7. 株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
8. 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用人員は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
9.第3期及び第4期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、監査法人A&Aパートナーズの監査を受けておりますが、第1期及び第2期の財務諸表については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。
(参考情報)
「第1 企業の概況(はじめに)」の記載のとおり、当社は2019年5月に持株会社として設立され、株式会社ワールドコーポレーションを完全子会社とし、現在に至っております。
参考情報として、日本基準に基づいて作成された2018年10月期、2019年10月期及び2020年10月期に係る株式会社ワールドコーポレーションの主要な経営指標等の推移は、次のとおりであります。
株式会社ワールドコーポレーションの主要な経営指標等の推移
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.株価収益率については、株式会社ワールドコーポレーションが非上場であるため、記載しておりません。
3.株式会社ワールドコーポレーションの1株当たり配当及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。
4.株式会社ワールドコーポレーションは、2019年10月23日付で普通株式1株につき、10,000株の割合で株式分割を行いましたが、第11期の期首に株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
5.第10期及び第11期及び第12期の財務諸表については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。
6. 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用人員は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
「第1 企業の概況(はじめに)」の記載のとおり、主に建設業向けの技術者派遣事業を目的として、株式会社ワールドコーポレーション(現連結子会社)を2008年11月に設立しました。その後、2019年5月に設立した株式会社AP64(現当社)は、2019年11月に株式会社ワールドコーポレーションの全株式を取得し、完全子会社化することにより、当社を持株会社とする体制に移行いたしました。
そこで、以下では株式会社ワールドコーポレーションの設立から、現在に至るまでの当社グループの沿革を記載しております。
(注)1.Computer Aided Designの略称であり、建設業等における設計・製図で用いるソフトウエア。
当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社3社(株式会社ワールドコーポレーション、株式会社ATJC、株式会社コントラフト)、非連結子会社1社(一般社団法人全国建設請負業協会)により構成されております。当社は純粋持株会社として当社グループの経営管理、経営指導等を行っております。当社グループの事業会社は、建設業向けの技術者派遣、IT業界向けの技術者派遣・システムエンジニアリングサービスの提供を主な事業として取組んでおります。
当社グループは、『深刻化するプロ人材(注)の枯渇を解決し、日本を「課題解決先進国」にする。』をミッション(存在意義)として掲げております。
日本に限らず、先進国の多くは枯渇とも言えるレベルで「プロ人材の不足」に悩まされており、国・産業・企業それぞれの単位での隆盛に影響を与える大きな課題となっていると考えております。今日の日本では、少子化に伴う新規就業者数の減少等によってプロ人材は慢性的に不足しており、既存のプロ人材も高齢化が進んでおり技術の継承も課題となっております。また、かかるプロ人材の不足を補うことが期待されるIT化・デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務効率化も、当社グループが事業領域としている建設業をはじめとする多くの産業分野において遅れているのが現状です。当社グループは、このような「プロ人材不足による問題」を解決し、日本を「課題解決の先進国」に押し上げるという強い意思をミッションに込めております。
(注)当社では、プロ人材を「特定の産業分野で技術をもち、専門業務に従事する人材」と定義しております。
当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記5.事業セグメント」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
2022年10月期におけるセグメント別売上収益及び構成比は、建設ソリューション事業は13,033百万円(89.6%)、ITソリューション事業1,507百万円(10.4%)であります。
(1)建設ソリューション
株式会社ワールドコーポレーション、株式会社コントラフト、一般社団法人全国建設請負業協会(注1)にて、建設ソリューション事業を展開しております。
2022年10月期における建設ソリューション事業の売上収益及び構成比は、株式会社ワールドコーポレーションが12,978百万円(99.6%)、株式会社コントラフトが54百万円(0.4%)となります。
株式会社ワールドコーポレーションにおいて、建設・プラント業界向けに、施工管理業務(注2)、CADオペレーター(注3)等の技術者派遣を行うとともに、施工図作成の請負業務も行っております。主に、建築(オフィスビル、高層マンション、商業施設、ショッピングセンター、工場、医療福祉施設、耐震工事等)、土木(道路、河川、下水道、橋、ダム、トンネル、鉄道等)、空調衛生(高層ビル、マンション、工場等)、電気設備(高層マンション、商業施設、ショッピングセンター、工場、医療福祉施設等)を受注領域としております。東京のほか、北海道、東北、中部、関西、九州に事業拠点を事業拠点を有しており、全国的にサービス提供を行っております。営業活動においては、現場への直接営業に注力しており、決定権の大きい現場所長に対して直接的な受注・価格交渉を行っております。さらに、施工計画時から竣工時まで、タイミングごとの現場ニーズに合った提案を行うことも可能となっております。具体的な派遣現場事例としては、TSMCの熊本工場建設工事、東京オリンピック関連施設建設工事、大都市における再開発案件、リニア中央新幹線や各種風力発電所の建設工事などが挙げられます。また、採用においては、大手求人メディアを活用した未経験者採用を中心としており、自社メディア(施工管理に特化した転職・求人情報サイト「セコカンNEXT」)等による経験者採用も行っております。人材育成においては、当社グループがこれまで蓄積してきたノウハウを用いた若手人材の育成メソッドを確立し、未経験者を中心に建設業界の基礎知識や専門用語の研修を行うなど、経験年次に応じた育成体制を構築しております。
株式会社コントラフトにおいて、「職人(技能労働者)を探している企業」(求人企業)と「職人(技能労働者)として働きたい方」(求職者)のプラットフォームである「ジョブケンワーク」を運営し、建設業務有料職業紹介事業許可を有する一般社団法人全国建設請負業協会に求職者情報の提供を行っております。一般社団法人全国建設請負業協会では、職人(技能労働者)求職者の職業紹介を行っております。建設業就業者は、①ゼネコンや技術者派遣会社に雇用される施工管理技術者等の技術者、②専門工事会社等に雇用され、建設工事の直接的な作業を行う、技能を有する職人(技能労働者)、③個人事業主として建設業に従事する一人親方に大別され、株式会社コントラフト及び一般社団法人全国建設請負業協会は、主に職人(技能労働者)を対象として事業を展開しております。職人(技能労働者)の有料職業紹介を行うことができる認定団体は全国に3団体のみであります。このため、職人(技能労働者)の有料職業紹介は、殆ど実績が見られない全く新しい市場と捉えており、求職者・求人企業の獲得による事業基盤構築を進め、先行者としての優位なポジションの確立を目指してまいります。一方で、新市場での事業展開であるため、職人(技能労働者)の有料職業紹介事業が想定通りに拡大しない可能性もあります。
(注)1.株式会社ワールドコーポレーションは、一般社団法人全国建設請負業協会の唯一の社員であり、同法人の議決権の100%を有しているものの、金額的重要性が乏しいため非連結子会社としております。
2.建設現場の工程管理、安全管理、品質管理、原価管理を行う。
3.CAD(Computer Aided Design)を用いて設計士や作図者の指示に従い図面の作成・修正・調整業務を行う。
(出所) 国土交通省「最近の建設業をめぐる状況について」(2022年6月15日)および国土交通省「第一回建設業の一人
親方問題に関する検討会」(2020年6月25日)に基づき、当社にて作成しております。
建設業就業者・技術者・技能労働者:総務省「労働力調査」(令和3年平均)を基に国土交通省で算出(国土
交通省「最近の建設業をめぐる状況について」2022年6月15日)
一人親方:総務省労働力調査(令和元年平均)をもとに国土交通省においての推計人数(国土交通省「第一回
建設業の一人親方問題に関する検討会」2020年6月25日)
(注)1.建設業務有料職業紹介事業とは、「事業主団体が、その構成員を求人者とし、又はその構成員若しくは構成員
に常時雇用されている者を求職者とし、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における建設業
務に就く職業に係る履用関係の成立をあっせんすることを有料で業として行うこと」と定義しております。
厚生労働大臣の許可を受けた認定団体のみ建設業務有料職業紹介事業を行うことが可能であります。
2.2023年2月時点、当社調べ(一般財団法人みやぎ建設総合センター、一般社団法人沖縄県建設業協会、一般財
団法人全国建設請負業協会の3団体)
(2)ITソリューション
株式会社ATJCにて、ITソリューション事業を展開しております。
2022年10月期における株式会社ATJCの売上収益は1,510百万円となります。
株式会社ATJCにおいて、SIer等の開発案件・インフラ管理業務に対して、IT技術者等の人材派遣やSES(システムエンジニアリングサービス)契約による受託を行っております。主なエンドユーザーとしては、通信業、金融業向けの開発案件が挙げられます。また、採用においては、未経験者採用を中心としております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、イン サイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
(注) 1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.株式会社ワールドコーポレーションについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えておりますが、セグメント情報のうち、建設ソリューション事業の売上高に占める割合が90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しております。
5.株式会社ATJCについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えておりますが、セグメント情報のうち、ITソリューション事業の売上高に占める割合が90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しております。
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
3.平均臨時雇用人員は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
4.最近日までの1年間において、従業員数が591名増加しております。主な理由は業容の拡大に伴い採用が増加
したことによるものであります。
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。
2.平均勤続年数は、当社グループ内での勤続年数を通算しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外を含んでおります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
5.平均臨時雇用人員は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。