第二部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2018年5月

2019年5月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

売上高

(千円)

32,661

132,172

378,386

603,764

1,156,059

経常損失(△)

(千円)

28,887

71,028

217,512

177,703

8,425

当期純損失(△)

(千円)

28,293

71,294

218,042

178,229

8,957

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

55,810

55,810

100,000

10,000

81,435

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

1,515

3,030,000

2,000,000

2,000,000

2,000,000

S1種優先株式

364,000

364,000

364,000

S2種優先株式

150,000

150,000

150,000

S3種優先株式

516,000

516,000

516,000

A種優先株式

737,800

777,700

777,700

B種優先株式

109,900

純資産額

(千円)

68,365

2,928

613,062

479,920

613,833

総資産額

(千円)

106,486

81,741

834,815

852,880

1,089,061

1株当たり純資産額

(円)

41,255.71

56.27

165.29

254.41

258.88

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純損失(△)

(円)

23,182.25

23.52

64.32

47.08

2.29

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

64.2

3.5

73.4

56.2

56.3

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

15,832

42,507

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

6,496

6,512

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

21,837

142,250

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

756,713

934,958

従業員数

(人)

10

15

39

55

55

(ほか、平均臨時雇用者数)

(43)

(10)

(29)

(33)

(41)

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.1株当たり純資産額の算定に当たっては、優先株主の払込金額を控除して計算しております。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

7.自己資本利益率については、当期純損失であるため、記載しておりません。

8.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

9.前事業年度(第7期)及び当事業年度(第8期)の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けております。なお、第4期から第6期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。

10.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、アルバイトを含む)は、( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

11. 当社は、第7期よりキャッシュ・フロー計算書を作成しておりますので、第4期から第6期のキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。

12.第8期の投資活動によるキャッシュ・フローの減少要因は、有形固定資産の取得による支出7,482千円があったことによるものであります。また、財務活動によるキャッシュ・フローの増加要因は、株式の発行による収入142,340千円があったことによるもので、現金及び現金同等物の期末残高も同様に増加しております。

13.2023年3月10日開催の取締役会決議により、2023年3月27日付ですべてのS1種優先株式、S2種優先株式、S3種優先株式、A種優先株式及びB種優先株式を自己株式として取得し、対価として当該S1種優先株式、S2種優先株式、S3種優先株式、A種優先株式及びB種優先株式1株につき、それぞれ普通株式1株を交付しております。また、当社が取得したS1種優先株式、S2種優先株式、S3種優先株式、A種優先株式及びB種優先株式のすべてについて、同日付で消却しております。これにより、発行済株式数は普通株式3,917,600株となっております。なお、2023年3月28日開催の臨時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。

14.当社は、2019年2月22日開催の取締役会決議により、2019年3月20日付で普通株式1株につき2,000株の株式分割を行っております。そのため、第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。

15.当社は、2019年3月20日付で普通株式1株につき2,000株の株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第4期、第5期及び第6期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2018年5月

2019年5月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

1株当たり純資産額

(円)

△20.62

△56.27

△165.29

△254.41

△258.88

1株当たり当期純損失(△)

(円)

△11.59

△23.52

△64.32

△47.08

△2.29

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

2【沿革】

    当社の主な沿革は以下のとおりであります。

年月

概要

2014年6月

 

2016年7月

当社代表取締役 石川 聡彦が東京大学に在学中、東京都中央区にGoods株式会社(現株式会社アイデミー)を設立

本社を東京都渋谷区に移転

2017年7月

商号を株式会社アイデミーに変更

2017年9月

 

2017年12月

個人領域におけるデジタル人材育成支援プログラム「Aidemy Premium(アイデミー プレミアム)」をリリース

無料で学べるAIプログラミング学習サービス「Aidemy Free(アイデミーフリー)」をリリース

2018年7月

 

 

2019年3月

 

2019年12月

2020年1月

 

 

2020年4月

 

2020年8月

2021年2月

2021年6月

 

2021年11月

2022年7月

 

2022年12月

 

 

2023年1月

エンタープライズ企業のデジタル変革に向けて必要なデジタル人材の育成支援を行うオンラインDXラーニング「Aidemy Business(アイデミー ビジネス)」をリリース

本社を東京都文京区に移転

「Aidemy Business」に付随したサービスとして講師派遣型でデジタル人材育成研修を行う「Aidemy Practice(アイデミープラクティス)」をリリース

一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)に入会

ダイキン工業株式会社と資本業務提携契約を締結。AI人材の育成を強化し、AIを活用したソリューションを創出

株式会社テクノプロと資本業務提携契約を締結。AI人材育成からサービス開発まで共同で実施

エンタープライズ企業のデジタル変革をテーマ選定からPoC開発、システム開発、運用まで一気通貫で伴走型支援するサービス「Modeloy(モデロイ)」をリリース

本社を東京都千代田区に移転

「Aidemy」シリーズの受講者数が10万人を突破

古河電気工業株式会社と資本業務提携契約を締結。デジタル人材育成から新規事業開発まで共同で実施

KDDI株式会社と地域のDX人材育成に関する業務提携契約を締結

個人のデジタルスキルを可視化するアセスメントテスト 「DSAT (Digital Skill Assessment Test)」をリリース

日本ゼオン株式会社と資本提携契約を締結。マテリアルズ・インフォマティクス(ビッグデータ、AIなどのデジタル技術の活用により、材料の製造方法を予測するなど、材料開発の効率化を図る取り組み)領域での本格的な協業を開始

「Aidemy」シリーズの受講者数が20万人を突破

 

3【事業の内容】

(1)事業の概況

 当社は「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウェア技術を、い

ち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しておりま

す。

 当社は、主にAI/DX(注1、注2)に関するプロダクト・ソリューション事業を展開しており、法人向けのAI/DX

プロダクト、AI/DXソリューション、個人向けのAI/DXリスキリングから成り立っております。

 AI/DXプロダクトでは、主にエンタープライズ企業(従業員1,000名以上の企業約4,000社、当社定義)のデジタ

ル変革を行う土台づくりやデジタル技術内製化のために、デジタル人材の育成支援を行うオンラインDXラーニング

「Aidemy Business(アイデミービジネス)」及び講師を派遣し研修を実施する講師派遣型デジタル人材育成研修

「Aidemy Practice(アイデミープラクティス) 」を提供しております。

 AI/DXソリューションでは、主にエンタープライズ企業向けに様々な現場のデジタル変革に必要なテーマ選定、

PoC開発(注3)、システム開発、運用までの全ての領域を顧客企業に伴走しながら支援する「Modeloy(モデロ

イ)」のサービスを提供しております。

 AI/DXリスキリングでは、個人領域におけるデジタル人材育成支援プログラム「Aidemy Premium(アイデミープ

レミアム)」のサービスを提供し、個人のリスキリングを支援しております。

 

(2)AI/DXプロダクト~デジタル人材育成支援~(Aidemy Business、Aidemy Practice)

 当社の主要サービスである「Aidemy Business」は、主にエンタープライズ企業に対してAIやIoT(注4)、DX、

ブロックチェーン技術等のデジタル技術内製化に向けて必要なデジタル人材育成支援を行うオンラインDXラーニン

グであります。PCやスマートフォン、タブレット等を使ってオンラインでデジタル人材を育成することが可能であ

り、コンテンツはオフィス内だけでなく、在宅、営業所、店舗、外出先、移動中、海外拠点など離れていても活用

することが可能であります。コンテンツには、分かりやすい動画形式や実際にタイピングして習得する形式があ

り、動画形式のコンテンツは、1つのセクション当たりの時間が5~10分程度であり、忙しいビジネスパーソンが

「すきま時間」を使ってデジタル技術を習得することが可能であります。

  「Aidemy Business」では、AI、DX等のデジタル技術を中心にエンジニア向け、ビジネス職向けに全188コース

 (2023年4月現在)を提供しており、ユーザーはコンテンツを自由に受講可能であります。また、難易度を4段階

 に分けてコンテンツを提供しており、顧客企業側が育成したい人材のレベルに合わせたカリキュラム設定が可能で

 あります。顧客企業に対して、当社の担当者がニーズをヒアリングし、顧客企業に合ったカリキュラムをカスタマ

 イズして提供しております。管理者向けのツールでは、ユーザーのデジタル人材育成の進捗状況がひと目で分かる

 ような管理画面や、各種データをダウンロードして分析できる機能が付随しております。また、ユーザー管理画面

 を通じてデジタル推進、デジタル変革のリーダー候補を見つけることが可能であります。

 また、デジタルに強い組織の構築のため、役員・管理者向けにデジタル人材育成、デジタル変革の事例紹介を行

うクローズドユーザー会をオンライン・オフラインで開催しており、顧客企業間の垣根を越えて、デジタル人材育

成の進め方やデジタル活用事例等のナレッジが共有されております。

 「Aidemy Business」は、ライセンス数に応じた利用料金を支払うSaaS(注5)形態のサービスであります。顧

客企業内での利用人数が多くなるにつれて、1ユーザー当たりの利用単価が低減するボリュームディスカウントの

価格モデルであります。サービスの提供は、原則12ヵ月以上での契約を基本としており、12ヵ月以上の契約顧客企

業を「標準契約企業」、12ヵ月未満を「トライアル契約企業」と位置付けております。

 「Aidemy Business」では、サービス開始後4年以上にわたって継続的にアップデートを行っており、最新の内

容を反映したコンテンツの質と量、顧客企業の目的に合う最適な学習カリキュラムの提案や学習アドバイス、他社

交流会の開催、顧客企業専任の担当者やカスタマーサクセスによる手厚いサポートが評価され、エンタープライズ

企業を中心に、幅広いサービス提供実績を積み上げております。提供するコンテンツの領域を継続的に拡大してお

り、今後も一層のシステム、コンテンツ、サポートの強化を図りながら、オンラインDXラーニングを展開してまい

ります。

 また、「Aidemy Business」に付随したサービスとして、「Aidemy Practice」では講師を派遣しデジタル人材育

成研修を実施する講師派遣型研修を提供しております。さらに、顧客企業の事情に合わせたカスタマイズ研修や、

デジタル技術活用のためのコンサルティング、複数の企業の社員が1つの研修に参加するオープン型研修も実施し

ております。デジタル時代に必要なAI・DXスキルを実践形式の研修で提供しており、「Aidemy Business」と組み

合わせた反転学習により、通常の研修よりも学習効果の高い研修プログラムとなっております。「Aidemy

Business」でデジタルリテラシーの習得を事前に行うことで、研修中はワークショップやハンズオンといった、よ

り実践的な内容に集中することが可能となります。そして、理論の習得だけでなく、現場ですぐに使えるデジタル

スキルやノウハウの習得を重視したプログラム構成となっております。主に提供しているプログラムは、「実践型

Python研修」「DX事業立案ワークショップ」「AI活用企画ワークショップ」「新入社員向けDXプログラム」

「Power BIローコードデータ可視化研修」等でありますが、顧客企業のニーズに応じて研修内容を柔軟にカスタマ

イズしております。

 「DSAT(Digital Skill Assessment Test)」は、個人のデジタルスキルを総合的に評価、可視化できるアセス

メントテストであります。AI/DX推進を実施する上で必要なスキルを、「スタンダード」「エンジニアリング」

「データサイエンス」「ビジネスプランニング」の4つに区分し、それぞれの区分に対してスキルレベルを数値化

できるテストであります。4つのテストを複数組み合わせることで、一人格を総合的に評価することも可能であり

ます。デジタル人材の育成に必要な4つのスキルレベルを数値化し、組み合わせて評価することで、スキルの可視

化や学習効果の測定、デジタル人材の発掘、スキル別人材の分析、人材育成計画の立案・見直し、及び適材配置が

可能になり、企業や組織の競争力向上やデジタル変革を促進します。「DSAT」は、各区分20~30分間で20~30問に

答える選択肢式のアセスメントテストで、Web上で受験することが可能であります。

 顧客企業内におけるGX(グリーントランスフォーメーション、企業における温室効果ガスの排出源である化石燃

料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)の実現に向

けた事業・サービス開発を伴走型により支援するサービスも提供しており、オンラインでGXを学ぶ「Aidemy GX」

及びGX新規事業支援を提供しております。「Aidemy GX」はGX人材育成を目的とし、GXに特化したコンテンツを

SaaS形態で提供しております。付随するサービスとして、「GX事業立案ワークショップ」や「GXリテラシーアップ

研修」等も提供しております。また、顧客企業内のGX新規事業の創出をサポートする中で、AI/DXが関わるプロジ

ェクトに繋がった場合には、当社のプロフェッショナル人材(AIコンサルタント・エンジニア・データサイエンテ

ィスト)が伴走型で支援する体制を構築しております。

 

(3)AI/DXソリューション~デジタル変革伴走型支援~(Modeloy)

 当社の「Modeloy」は、主にエンタープライズ企業向けにデジタル変革におけるテーマ選定、PoC開発、システム

開発、運用までの全ての領域を顧客伴走型で支援するサービスであります。顧客伴走型支援とは、当社が顧客企業

と密接に協力してプロジェクトを進めることにより、顧客企業のデジタル変革を支援するサービスであります。当

社のプロフェッショナル人材が、「Aidemy Business」によって育成された顧客企業側のデジタル人材とともにプ

ロジェクトを立ち上げ、デジタル変革を推進し、顧客企業内にノウハウが蓄積する形でデジタル技術内製化の支援

を行います。

 顧客企業がデジタル変革プロジェクトを実現するにあたっては、人材育成、テーマ選定、PoC開発、運用の4つ

のステップを進む必要があります。「Aidemy Business」を活用することで、社内におけるデジタル人材を幅広に

育成し、その中からデジタル変革に強い顧客企業内のリーダー候補人材を選別・活用してテーマ選定、PoC開発を

行います。デジタル変革プロジェクトは顧客企業のビジネスモデルをデジタル技術を用いて変革することで、新た

な付加価値を創造するものであります。従来の外部ベンダーを使ったシステム開発は業務効率改善が主である一

方、デジタル変革プロジェクトは新規ビジネスとなることが多く、社内のビジネスのコアであるケースが多くなり

ます。そのため、外部ベンダーのノウハウや知見に頼るのではなく、顧客企業の社内にノウハウや知見が残る内製

化が求められるため、当社ではプロジェクトの上流工程から下流工程まで一気通貫で伴走型支援を行っておりま

す。

 「Modeloy」は主に、「テーマ選定支援」「PoC開発支援」「システム開発支援」の3つの領域で構成されてお

り、全ての工程において顧客企業の支援をするケースや、3つの領域のうち1~2つの支援を行うケースがあり、

顧客企業のニーズに合わせて最適な支援を実行しております。

 「テーマ選定支援」のゴールは、現場のメンバーがデジタル技術を使って解決する課題や、必要となるデータを

整理することであります。そのために、現場メンバーと当社のプロフェッショナル人材が協働して、現場の業務理

解をした上で、データサイエンティストが解決可能な課題に落とし込み、デジタル技術で解決すべきテーマの整理

を行います。AIやML(注6)を活用する場合に必要な要素(必要性能や性能が下がった場合のリスクヘッジ、モデ

ルの再学習の定義など)の具体化も行います。

 これまで顧客企業が取り組んだテーマの例としては、「工場内のAIによる製品目視検査システム構築」「業務プ

ロセス効率化のための画像認識アプリケーションの開発」「実験データ管理のためのアプリケーション開発及び予

測モデルの開発」などがあります。

 「PoC開発支援」のゴールは、実際にデータを使って機械学習モデルやWebアプリケーションを構築し、性能の検

証を行うことであります。そのために、整理した課題と顧客企業内のデータを使ってPoCモデルを顧客企業ととも

に開発します。

 「システム開発支援」のゴールは、デジタルで課題解決するシステムを構築することであります。そのために、

実際に現場で利用できるシステムを構築します。デジタルを活用したプロダクトの開発に向いているアジャイル開

発手法(現在主流であるシステムやソフトウェアの開発手法の1つで、「計画→設計→実装→テスト」という開発

工程を機能単位の小さいサイクルで開発を繰り返す手法)を用いることを想定しております。汎用的な

AWS/Azure/GCP(アマゾン社/マイクロソフト社/グーグル社提供のクラウドサービス)等のクラウドサービスの利

用など、案件ごとに最適なものを選択します。

 

0201010_001.png

 

(4)AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションの相互シナジー

  AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションは相互にシナジーを発揮することで好循環するビジネスモデルになって

 おります。導入ハードルが低いプロダクトである「Aidemy Business」をまず導入していただくことで、強固な顧

 客基盤を構築することが可能になるため、ドアノックツールとして機能しております。その上で、顧客企業のニー

 ズやデジタル人材育成のノウハウが当社に蓄積されていきます。

  デジタル人材育成に対する顧客企業の期待は、育成された人材が社内で活躍し、新たな価値を創出することであ

 り、そのニーズに対して「Modeloy」を通じたサポートをすることでビジネスの共創が可能であります。当社のプ

 ロフェッショナル人材と共同で開発することで、当社も顧客企業の属する業界特有の課題を把握でき、顧客企業と

 の強い信頼関係を構築できます。そして共同のプロジェクトを通じて得られたノウハウやナレッジを当社のプロダ

 クトにも還元させ、さらに次の新規プロダクト開発に活かしていくことが可能であります。実際にそのようなノウ

 ハウやナレッジを「Aidemy Business」のコンテンツ制作に還元しており、また「Aidemy Business」に続く新規プ

 ロダクトの開発も進めております。

  実際に「Modeloy」による新たな取り組みとして、デジタル変革伴走型支援を通じて、大手材料メーカーととも

 に新たなデジタルプロダクトを共同開発しております。具体的には、顧客企業側のデジタル人材と当社のプロフェ

 ッショナル人材が協力して、材料開発を効率化するための新しいプロダクト「LabBank」を開発しております。こ

 のプロダクトは、ビッグデータやAIを使って、材料の製造方法を予測することができます。顧客企業側のデジタル

 人材はペアプログラミング(初心者と上級者又は上級者同士でペアを組み行う開発)などの方法で、スキルを向

 上させることも可能であります。顧客企業が保有する材料開発や研究に関する実験データをもとに、データを構造

 化するためのデータベースやアプリケーション等の管理システムを構築し、蓄積したデータを利活用することがで

 きます。そして、原材料や配合割合から素材加工メーカーでの製造結果を予測するマテリアルズ・インフォマティ

 クス(ビッグデータ、AIなどのデジタル技術の活用により、材料の製造方法を予測するなど、材料開発の効率化を

 図る取り組み)の基礎モデルの開発を顧客企業と共同で進める体制を構築しております。

 

0201010_002.png

 

(5)AI/DXリスキリング~個人向けAI/DXリスキリング支援~(Aidemy Premium)

  当社の「Aidemy Premium」は、個人領域におけるデジタル人材育成支援プログラムであり、3~6ヶ月間ですぐ

 に使えるデジタルスキルの習得を目指すオンラインのリスキリング支援サービスであります。初心者から始めるこ

 とができ、AI/DX領域に特化していること、マンツーマンサポートでスキルを身につけられることが特徴でありま

 す。

 AI/DX市場は「IT人材需給に関する調査報告書」(出所:「みずほ情報総研 IT人材需給に関する調査報告書

2019年3月」)によれば、IT人材は78.7万人、AI人材は12.4万人不足(ともに2030年予測)すると想定されてお

り、AI/DX市場の成長に伴い最先端人材を現在の教育規模の10倍にあたる年2~3万人の追加育成が急務と言われ

るほど、今デジタル人材のニーズは高まっております。市場環境が当社ビジネスに追い風である中、当社の

「Aidemy Premium」が選ばれる理由は、次の3つであります。

 

①完全オンラインで、時間や場所に縛られずスキル習得が可能

 「Aidemy Premium」は完全オンラインのサービスであります。平日に忙しい会社員や、プログラミング未経験で丁

寧にスキルを習得したい個人でも、自身のペースに合わせて柔軟にスキル習得のスケジュールを立てることができ

ます。また、厚生労働省指定の教育訓練給付制度を利用できる数少ないオンラインプログラムに認定されておりま

す。

 

②マンツーマンサポートにより実践に近い経験ができる

 プログラム受講中は専属のチューターがマンツーマンで、一人ひとりの進捗に合わせてサポートしております。添

削課題や成果物はチューターが丁寧にレビューし、実務でも通用するより質の高いコードを書くためのフィードバッ

クを行います。自身で作成したアプリケーションのポートフォリオ作成もサポートしており、転職活動ではそれを開

示することで、転職先にアピールすることが可能であります。

 「Aidemy Premium」を利用した受講生の中には、エンジニア未経験から機械学習エンジニアへ転職された方も多数

存在しております。プログラムを進める中でつまずいている箇所を質問することができ、実務的な知識を習得するこ

とができることは独学にはないポイントとして評価されております。

 

③「講座受け放題」で、さらに学べる

 「Aidemy Premium」では受講期間内であれば、画像認識・自然言語処理・AIアプリ開発等のプログラムからさらに習得したいプログラムを自由に追加で受講することが可能であります。

 「Aidemy Premium」では2023年4月末時点で計7の講座を提供しておりますが、主にユーザーから選択される講座は次の5つであります。特に(1)~(3)及び(5)の講座は、経済産業省より第四次産業革命スキル取得講座(通称「Reスキル講座」(注7))に認定されており、厚生労働省指定の教育訓練給付制度の活用が可能であることから受講料の最大70%が支給されるため、受講者は自己負担を大幅に軽減することが可能であります。

(1)AIアプリ開発講座

  画像認識を利用した機械学習を用いたWebサービスを作成する講座であります。データの取得から、機械学習ア

 ルゴリズム、Webアプリの実装までの流れを学ぶことができます。

(2)データ分析講座

  データの自動取得(スクレイピング)、機械学習、時系列解析等のスキルが習得できます。応用課題では、タイ

 タニック号の乗客の生存率を予測する課題、最終課題ではオリジナルデータを利用したデータ分析を行います。

(3)自然言語処理講座

  機械学習、ディープラーニング、自然言語処理を学び、応用課題ではツイッターのデータから、会社の株価を予

 測するモデルを作成します。

(4)実践データサイエンス講座

  Kaggle(世界中の機械学習・データサイエンスに携わる人のコミュニティ)で上位入賞を目指せるデータサイエ

 ンススキルを、豊富な演習問題をこなしながら学びます。Kaggleに挑戦したい場合やデータ分析力を身に付けたい

 場合に適しております。

(5)JDLA E資格(注8)対策コース

  JDLA(一般社団法人 日本ディープラーニング協会)認定プログラムとして、E資格の試験の対策を行います。機

 械学習、ディープラーニングを中心とした最新技術についての理論を学び、豊富な演習問題で機械学習モデルの実

 装スキルを磨きます。

 ユーザーが受けられるものとして、チャット機能によるサポート、チューターによるコードレビュー、オンライ

ンカウンセリング、転職相談があります。

  申込にあたっては、無料オンライン相談会でユーザーの疑問や不安を解消しております。また、開始後8日以内

 であって、開始後に満足いただけない場合は全額返金保証も付けており、ユーザーは安心してコースを開始するこ

 とができます。

 

[事業系統図]

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(注記)

番号

用語

解説

AI

「Artificial Intelligence」の略。人工知能。識別や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピュータに行わせる技術。

DX

「Digital Transformation」の略。データとデジタル技術を活用して、顧客企業や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

PoC

「Proof of Concept」の略。概念実証。新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証すること。事前に検討したアイデアやコンセプトの実現可能性を見極め、期待した効果が得られると判断できれば実プロジェクトを進めていくことになる。

IoT

「Internet of Thing」の略。今までインターネットに繋がっていなかったモノをインターネットで繋ぐこと。

SaaS

「Software as a Service」の略。インターネット経由でサービスが提供される形態。

ML

「Machine Learning」の略。機械学習のことで、人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法。

Reスキル講座

講座を受講した修了生に対して、受講費用の50%(年間上限40万円)、更に受講修了日から1年以内に資格取得等し、被保険者として雇用された又は雇用されている等の場合には20%の追加支給(合計70%、年間上限56万円)を雇用保険から支援がなされる。

E資格

ディープラーニングを実装するエンジニアの技能を認定するAIエンジニア向けの資格であり、「一般社団法人日本ディープラーニング協会」(JDLA)が創設した資格試験のこと。

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年4月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

72

40

35.3

1.9

6,487

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、アルバイトを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社はAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

4.従業員の内訳として、ビジネス領域に属する人員(セールス・カスタマーサポートに係る人員)は54%、テクノロジー領域に属する人員(エンジニア・コンサルティング・データサイエンス・コンテンツ制作に係る人員)は31%、コーポレート領域に属する人員(管理業務に係る人員)は15%となっております。

5.従業員数が前事業年度末に比べ17名増加しております。主な増加理由は、業容拡大に伴い採用を積極的に行ったことによるものであります。

 

(2)労働組合の状況

 当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。