第二部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次
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第70期
|
第71期
|
決算年月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
売上高
|
(百万円)
|
16,463
|
17,434
|
経常利益
|
(百万円)
|
708
|
716
|
親会社株主に帰属する 当期純利益
|
(百万円)
|
155
|
462
|
包括利益
|
(百万円)
|
145
|
659
|
純資産額
|
(百万円)
|
4,035
|
4,676
|
総資産額
|
(百万円)
|
16,122
|
16,982
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
3,105.93
|
3,595.64
|
1株当たり当期純利益
|
(円)
|
146.42
|
359.83
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益
|
(円)
|
―
|
―
|
自己資本比率
|
(%)
|
24.8
|
27.2
|
自己資本利益率
|
(%)
|
4.3
|
10.7
|
株価収益率
|
(倍)
|
―
|
―
|
営業活動による キャッシュ・フロー
|
(百万円)
|
1,261
|
1,587
|
投資活動による キャッシュ・フロー
|
(百万円)
|
△1,807
|
△614
|
財務活動による キャッシュ・フロー
|
(百万円)
|
893
|
△858
|
現金及び現金同等物 の期末残高
|
(百万円)
|
1,107
|
1,281
|
従業員数
|
(名)
|
244
|
304
|
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
2.株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。
3.第70期及び第71期の連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、仰星監査法人により監査を受けております。
4.平均臨時雇用者数については、従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第71期の期首から適用しており、第71期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
6.第71期の親会社株主に帰属する当期純利益の増加は、土地売却に係る固定資産売却益の計上等によるものであります。
(2) 提出会社の経営指標等
回次
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第67期
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第68期
|
第69期
|
第70期
|
第71期
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決算年月
|
2018年3月
|
2019年3月
|
2020年3月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
売上高
|
(百万円)
|
13,912
|
14,648
|
14,158
|
13,642
|
13,955
|
経常利益
|
(百万円)
|
123
|
144
|
280
|
583
|
567
|
当期純利益又は当期純損失(△)
|
(百万円)
|
125
|
△576
|
64
|
271
|
585
|
資本金
|
(百万円)
|
454
|
454
|
454
|
454
|
454
|
発行済株式総数
|
(株)
|
普通株式
|
普通株式
|
普通株式
|
普通株式
|
普通株式
|
2,330,330
|
2,330,330
|
2,330,330
|
2,330,330
|
2,330,330
|
純資産額
|
(百万円)
|
3,348
|
2,711
|
2,759
|
3,683
|
4,356
|
総資産額
|
(百万円)
|
16,655
|
16,774
|
14,995
|
14,821
|
15,368
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
3,296.39
|
2,669.29
|
2,716.24
|
2,864.03
|
3,387.27
|
1株当たり配当額 (1株当たり中間配当額)
|
(円)
|
15.00
|
15.00
|
15.00
|
15.00
|
15.00
|
(-)
|
(-)
|
(-)
|
(-)
|
(-)
|
1株当たり当期純利益 又は1株当たり当期純損失(△)
|
(円)
|
123.84
|
△567.89
|
63.40
|
255.65
|
455.50
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益
|
(円)
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
自己資本比率
|
(%)
|
20.1
|
16.2
|
18.4
|
24.9
|
28.3
|
自己資本利益率
|
(%)
|
3.8
|
―
|
2.4
|
8.4
|
14.6
|
株価収益率
|
(倍)
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
配当性向
|
(%)
|
12.1
|
―
|
23.7
|
5.9
|
3.3
|
従業員数
|
(名)
|
91
|
111
|
153
|
189
|
201
|
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
2.第68期の自己資本利益率は、当期純損失であるため記載しておりません。
3.株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。
4.第68期における配当性向につきましては、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
5.主要な経営指標等のうち、第67期、第68期及び第69期については会社計算規則(2006年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく仰星監査法人の監査を受けておりません。
6.第70期及び第71期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、仰星監査法人により監査を受けております。
7.平均臨時雇用者数については、従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
8.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第71期の期首から適用しており、第71期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。
2 【沿革】
当社は、和歌山県和歌山市において、1906年に前身である南海硫肥株式会社として創業いたしました。各種工業化学製品の製造を営み、一定の事業基盤を確立し、1920年2月には和歌山株取引所に株式を上場するまでに至りました。1939年9月には、シナジー効果の発揮を見込み、株式会社中山製鋼所と合併いたしました。その後、各種工業化学製品への広範かつ激増する需要へより迅速に応えるため、1951年6月に株式会社中山製鋼所より分離し、南海化学工業株式会社として設立され、株式会社中山製鋼所グループの一員として成長してまいりました。
当社と株式会社中山製鋼所とは引き続き資本関係は維持継続されたことから、事業面での相互連携を実施しておりましたが、株式会社中山製鋼所において「選択と集中」の考えのもと、保有する当社株式の売却方針が決定され、2013年2月、当社は、MBO(マネジメント・バイアウト:経営陣による当社株式の買収)により株式会社中山製鋼所から独立いたしました。
南海硫肥株式会社設立以後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。
年月
|
概要
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1906年10月
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各種化学製品の製造を目的として、南海硫肥株式会社(当社の前身)創業。
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1907年7月
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さらし粉製造開始。
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1911年1月
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現在の青岸工場にて硫酸製造開始。
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1918年5月
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土佐工場の前身である土佐曹達株式会社設立。
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1918年5月
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苛性ソーダ製造開始。
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1918年9月
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小雑賀工場(現在の和歌山工場)竣工、生産開始。
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1920年2月
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和歌山株取引所に株式を上場(1939年9月 上場廃止)。
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1939年9月
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株式会社中山製鋼所と合併。
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1947年7月
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各種化学製品の販売を目的として、興南商事株式会社設立(その後興南産業株式会社と改称し、2020年4月 吸収合併)。
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1951年6月
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株式会社中山製鋼所から分離し、南海化学工業株式会社設立。
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1976年4月
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本社を現在の大阪市西区に移転。
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2000年10月
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東日本での各種化学製品の販路拡大を目的として、東京都北区に東京オフィス(現在の東京支店)を開設。
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2000年12月
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全社にてISO14001認証取得完了。
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2002年8月
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各種塩事業の強化を目的として、株式会社エヌエムソルト(当社子会社)設立。
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2003年3月
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研究開発事業の強化を目的として、株式会社南海化学アールアンドディー設立 (2019年6月 吸収合併)。
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2004年3月
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京都・滋賀地域の販売強化を目的として、株式会社山藤を子会社化(2018年4月 吸収合併)。
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2006年3月
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有機化学製品の製造強化を目的として、富士アミドケミカル株式会社を子会社化。
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2009年5月
|
如皋市四友合成化工有限公司(当社子会社)設立。
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2010年1月
|
南海化学株式会社へ商号変更。
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2010年4月
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環境リサイクル事業(青岸工場)を分社化、エヌシー環境株式会社(当社子会社)設立。
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2010年6月
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如皋南海水処理剤有限公司(当社子会社)設立。
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2011年4月
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有機化学製品の販売強化を目的として、富士アミドケミカル株式会社の営業部門を継承。
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2013年2月
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南海グローバルケミ株式会社(SPC)が株式会社中山製鋼所及びその関連会社が所有する当社株式の全株を取得し、株式会社中山製鋼所との資本関係が消滅。
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2013年9月
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南海グローバルケミ株式会社(SPC)を吸収合併。
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2016年5月
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如皋新南海国際貿易有限公司(当社子会社)設立。
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2018年1月
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環境リサイクル事業の多角化を目的として、三和油化工業株式会社と合弁にて、サンワ南海リサイクル株式会社(持分法適用関連会社)を設立。
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2018年4月
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株式会社山藤の吸収合併に伴い、京都市南区に京都支店を開設。
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2020年6月
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化学品事業における取扱品目の拡充を目的として、エア・ウォーター株式会社及び東洋炭素株式会社と合弁にて、ATNグラファイト・テクノロジー株式会社(持分法適用関連会社)を設立。
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2023年2月
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東京支店を現在の東京都台東区に移転。
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3 【事業の内容】
当社グループは1906年の創業以来、化学品メーカーとして歩み続けてきました。現在は、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」を企業理念に掲げ、様々な製品の基礎原料として使われる苛性ソーダや殺菌、消毒に使われる次亜塩素酸ソーダをはじめとする「基礎化学品事業」、酢酸ナトリウム(食品用日持ち向上剤)、グルコサミンをはじめとする「機能化学品事業」、土壌殺菌剤として使われる農薬クロルピクリンをはじめとする「アグリ事業」、廃硫酸のリサイクルを中心とする「環境リサイクル事業」、及び塩の加工・販売に関する「各種塩事業」の5事業を展開しております。また、当社及び当社の関係会社は、当社及び国内外の連結子会社6社並びに持分法適用関連会社2社により構成されております。
当社グループの事業における報告セグメントの概要及び位置付けは次のとおりであり、以下の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表等 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
セグメントの名称
|
主な事業内容
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会社名
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化学品事業
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(基礎化学品) 苛性ソーダ、合成塩酸、次亜塩素酸ソーダなどのクロール・アルカリ製品、水の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤、工場排水や下水排水に利用される水処理凝集剤の製造・販売業務
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南海化学㈱(当社) 如皋市四友合成化工有限公司 (連結子会社) 如皋南海水処理剤有限公司 (連結子会社) 如皋新南海国際貿易有限公司 (連結子会社) ATNグラファイト・テクノロジー㈱ (持分法適用関連会社)
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(機能化学品) 食品添加物や健康食品の製造・販売、医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造・販売及びスルホン化やクロル化技術を活用した受託製造業務
|
南海化学㈱(当社) 富士アミドケミカル㈱(連結子会社)
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(アグリ) クロルピクリン及びクロルピクリン錠剤の製造・販売業務
|
南海化学㈱(当社)
|
(環境リサイクル) 硫酸リサイクル並びに当該技術を応用したリサイクル業務
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エヌシー環境㈱(連結子会社) サンワ南海リサイクル㈱ (持分法適用関連会社)
|
各種塩事業
|
各種塩の製造・販売業務
|
㈱エヌエムソルト(連結子会社)
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(注)1.報告セグメントについては、「化学品事業」と「各種塩事業」に区分しておりますが、「化学品事業」における取扱品目が多岐にわたることから、以下の説明においては、「化学品事業」を基礎化学品・機能化学品・アグリ・環境リサイクルに分類しております。
2.連結子会社である富士アミドケミカル㈱につきましては、2023年3月末で生産活動を終了し、今後は当社グループ外へ製造を委託します。2022年10月20日開催の当社取締役会において、会社清算に向けた固定資産の譲渡を決議し、2022年10月28日付けで不動産売買契約を締結いたしました。詳細は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載のとおりであります。
3.連結子会社である如皋新南海国際貿易有限公司につきましては、2022年4月19日開催の当社取締役会において、会社清算することを決議しており、2023年3月に事業の終了を予定しております。
上記に掲げている報告セグメント別の事業の詳細は、次のとおりです。
[化学品事業]
(基礎化学品)
当事業は当社和歌山工場のほか、連結子会社である如皋市四友合成化工有限公司、如皋南海水処理剤有限公司及び如皋新南海国際貿易有限公司、持分法適用関連会社であるATNグラファイト・テクノロジー㈱にて行っております。
当事業では、塩水の電気分解により生成される苛性ソーダ(※1)を中心に、併産される塩素や水素を活用した各種製品の製造及び販売を行っております。具体的には、当社が長年取扱っている水資源関連・医療・食品等の分野で漂白や殺菌、中和用に利用されるクロール・アルカリ製品(※2)(合成塩酸(※3)、次亜塩素酸ソーダ(※4)など)、浄化槽やプール水及び魚肉の解体場、食品工場等の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤(高度さらし粉など)、工場排水や下水排水などに利用される水処理凝集剤などのほかに、新たなラインナップとして、重亜硫酸ソーダ(※5)、含鉄バンド(※6)の取扱拡大を図っており、商社経由あるいはメーカー直販の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。製品の特性上や輸送コストの観点から、遠隔地への供給には適していないものが多く、関西地方を中心に供給を行っております。
(機能化学品)
当事業は当社のほか、連結子会社である富士アミドケミカル㈱にて行っております。
当社では、各種食品の日持ち向上剤として使用される酢酸ナトリウムなどの食品添加物やグルコサミンなどの健康食品の製造・販売と、長年に亘り培われた技術やノウハウを活かし、お客様のニーズに合わせたきめ細やかなオーダーメイド対応が可能な医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造・販売及びスルホン化(※7)やクロル化(※8)技術を活用した受託製造業務を行っております。富士アミドケミカル㈱では、医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造並びに受託製造業務を行っております。
当社は当該製品の販売業務について、商社経由あるいはメーカー直接の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。
(アグリ)
当事業は当社土佐工場にて行っております。当事業では、農薬の一種である土壌殺菌剤として使用されているクロルピクリン(※9)の製造・販売を行っております。クロルピクリンは液剤と錠剤があり、液剤は高濃度品(濃度99.5%)と低濃度品(濃度80%)、錠剤は液剤を特殊な方法で固型化した新しいタイプの商品となっております。クロルピクリンは液剤タイプが主流ではありますが、農業従事者の皆様により安全に安心してご使用いただくため、錠剤タイプの普及活動に重点を置き、営業活動を行っております。
クロルピクリンは、畑地をクリーンにする農薬の一つとして、1948年にたばこ向けに実用化されて以降、用途は野菜、花き等に広がっております。一般にクロルピクリンは、気化することにより目や喉の痛みや刺激臭を伴い、その使用には制約がありましたが、クロルピクリン液剤については、安全に使用される技術も確立されているほか、クロルピクリン錠剤については、錠剤化することにより使用時の気化を抑制することが可能となり、簡単に処理しやすい農薬として、農業従事者の皆様から好評をいただいております。
化学品事業における基礎化学品、機能化学品、アグリの事業系統図は、次のとおりであります。
[基礎化学品、機能化学品] [アグリ]
(注)基礎化学品、機能化学品の販売先メーカーは主に化学工業、鉄鋼・製紙、化粧品・洗剤等の業界になります。
(環境リサイクル)
当事業は連結子会社であるエヌシー環境㈱及び持分法適用関連会社であるサンワ南海リサイクル㈱が行っております。当事業では、石油精製業者などの廃硫酸供給業者より廃硫酸を引取り、硫酸を精製し各種メーカーへ販売しております。
化学品事業における環境リサイクルの事業系統図は、次のとおりであります。
[各種塩事業]
当事業は連結子会社である㈱エヌエムソルトが行っております。当事業では、オーストラリアやメキシコから輸入した原塩(天日塩)を、洗滌(せんでき)などの加工工程を経て、食品関係や融雪など様々な用途に用いられる塩を製造し、国内有数の梅干しの原産地である和歌山県南部地区の梅干加工業者や全国の食品メーカーをはじめとした各種メーカーに販売しております。また、融雪塩として、道路を維持管理する団体などに販売しております。
各種塩事業の事業系統図は、次のとおりであります。
[参考]用語の解説
用 語
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解 説
|
※1 苛性ソーダ
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化学名は「水酸化ナトリウム(NaOH)」といい、その水溶液は強いアルカリ性を示す、代表的な強アルカリ物質です。苛性ソーダは、この強アルカリ性という化学的性質を利用して、様々な酸と反応(中和)させたり、普通では溶けない物質を溶解させたり、他の金属元素や化合物と反応させたりして、別の化学合成物質や化学薬品を作り出すのに使われています。 例えば、産業・生活用物質を製造する上で必要な化学的処理において、金属の溶解、精製、不純物の除去、漂白、中和、軟化等のための基礎素材として用いられています。 苛性ソーダは、アルミニウムや化学繊維、石けん・洗剤の原料として使用され、パルプの溶解や漂白、また、様々な工業製品の製造に使われています。さらに、上下水道や各種産業の排水処理、還元剤として使用されるなど、非常に幅広い分野で使われています。 苛性ソーダそのものが最終製品に直接含まれている例は多くないものの、中間原料となる各種の化学薬品などの製造に使われ、幅広い産業分野において基礎素材として使われております。
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※2 クロール・アルカリ製品
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塩水の電気分解より製造した化学製品の総称であり、苛性ソーダや合成塩酸及びその派生により生成される製品を指します。
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※3 合成塩酸
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塩酸は、塩化水素の水溶液で、代表的な酸性物質です。酸類の中では比較的扱いやすく、中和・pH調整、各種工業薬品・食品の原料、金属表面処理等幅広く使用されております。 合成塩酸は、塩水の電気分解より製造した塩素と水素を原料とした塩酸であり、不純物の含有が少なく、品質が安定している特徴があります。
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※4 次亜塩素酸ソーダ
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化学名は次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と言い、苛性ソーダ水溶液に塩素ガスを吸収させて製造します。製品としては、有効塩素が12%の液体で、製品中の食塩含有量が10~12%の一般品と、4%以下の低食塩品の2種類があります。 用途は、上下水道やプールの殺菌・消毒、パルプの漂白、食品工業、水処理、廃水処理等、塩酸同様、幅広い分野に亘っています。
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※5 重亜硫酸ソーダ
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化学式NaHSO3と表される無機化合物であり、亜硫酸水素ナトリウムともいい、食品添加物(保存料)や還元剤などとして用いられております。
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※6 含鉄バンド
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水分中の不純物の凝集作用のある「ポリ硫酸第二鉄(化学式(Fe2(OH)n(SO4)3-n/2)m)」と「硫酸バンド(化学式Al2(SO4)3•16H2O)」の混合物であり、高処理能力を有する水の浄化剤(凝集剤)として注目されております。
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※7 スルホン化
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有機化合物の水素原子をスルホン基 -SO3Hに置換する反応であり、たとえば芳香族化合物に硫酸を作用させて芳香環の水素をスルホン基で置換し、芳香族スルホン酸とするときに用いられます。スルホン化剤としては硫酸以外に発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、塩化スルフリルなどがあり、染料や中性洗剤などの工業的製造において重要な反応です。
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※8 クロル化
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塩素化ともいい、化合物に塩素原子を導入する化学反応のことを指します。
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※9 クロルピクリン
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化学式CCl3NO2で表される、メタンの水素3個が塩素に、1個がニトロ基に置き換わった構造を持つ有機化合物であり、わが国では農薬登録されており、土壌中の病原菌、害虫、センチュウなどを防除する効果を有します。常温ではいくぶん粘性のある無色の液体であり、水には難溶で、蒸気は空気より重く、衝撃又は熱を加えると爆発する可能性があることや、光や熱で分解して塩化水素や窒素酸化物など有毒な気体を生じることから、取り扱いには注意を要します。また、液体のままでは非常に強い刺激臭を有しており、当社グループではゲル化の技術を用いて、刺激臭が抑制され取り扱いが容易なクロルピクリン錠剤の製造も行っております。
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4 【関係会社の状況】
名称
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住所
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資本金 (千円)
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主要な事業 の内容
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議決権の所有 (又は被所有) 割合(%)
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関係内容
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(連結子会社)
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富士アミドケミカル㈱ (注)7
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東京都北区
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30,000
|
化学品事業
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100.0
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受託製品の仕入 業務の受託 業務の委託 設備等の賃借 資金の借入、返済 債務の被保証 役員の兼任 4名
|
(連結子会社)
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エヌシー環境㈱ (注)3
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和歌山県和歌山市
|
200,000
|
化学品事業
|
100.0
|
硫酸等の仕入 事務の代行 設備等の賃貸 資金の貸付、回収 役員の兼任 4名
|
(連結子会社)
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㈱エヌエムソルト (注)5
|
和歌山県和歌山市
|
10,000
|
各種塩事業
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85.5
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化学工業薬品及び原塩の販売 原塩の仕入 債務の保証 役員の兼任 1名
|
(連結子会社)
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如皋市四友合成化工有限公司(注)3
|
中国江蘇省
|
2,000 千US$
|
化学品事業
|
100.0
|
原材料の仕入 役員の兼任 3名
|
(連結子会社)
|
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如皋南海水処理剤有限公司(注)3
|
中国江蘇省
|
10,000 千US$
|
化学品事業
|
100.0
|
原材料の仕入 役員の兼任 3名
|
(連結子会社)
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如皋新南海国際貿易有限公司(注)8
|
中国江蘇省
|
2,000 千人民元
|
化学品事業
|
100.0 (100.0)
|
原材料の仕入 役員の兼任 3名
|
(持分法適用関連会社)
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サンワ南海リサイクル㈱
|
和歌山県和歌山市
|
80,000
|
化学品事業
|
20.0
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消火廃液等の仕入 不動産の賃貸 資金の貸付 役員の兼任 2名
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(持分法適用関連会社)
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ATNグラファイト・テクノロジー㈱(注)6
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和歌山県和歌山市
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490,000
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化学品事業
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15.0
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役員の兼任 1名
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(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。
3.特定子会社であります。
4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5.㈱エヌエムソルトについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等(単位:百万円)
売上高 3,342
経常利益 104
当期純利益 63
純資産額 298
総資産額 1,945
6.ATNグラファイト・テクノロジー㈱については、議決権の所有割合は100分の20未満ではありますが、非常勤取締役として兼任しており、実質的な影響力を持っているため、関連会社としております。
7.富士アミドケミカル㈱につきましては、2022年10月20日開催の当社取締役会において、会社清算に向けた固定資産の譲渡を決議し、2022年10月28日付けで不動産売買契約を締結いたしました。詳細は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載のとおりであります。
8.如皋新南海国際貿易有限公司につきましては、2022年4月19日開催の当社取締役会において、会社清算することを決議しており、2023年3月に事業の終了を予定しております。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
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2023年2月28日現在
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セグメントの名称
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従業員数(名)
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化学品事業
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230
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各種塩事業
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28
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報告セグメント計
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258
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全社(共通)
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46
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合計
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304
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(注)1.従業員数は就業人員(グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。なお、平均臨時雇用者数については、従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
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2023年2月28日現在
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従業員数(名)
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平均年齢(歳)
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平均勤続年数(年)
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平均年間給与(千円)
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199
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47.4
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8.9
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6,756
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セグメントの名称
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従業員数(名)
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化学品事業
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153
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各種塩事業
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―
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報告セグメント計
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153
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全社(共通)
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46
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合計
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199
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(注)1.従業員数は就業人員(グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。なお、平均臨時雇用者数については、従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(3) 労働組合の状況
当社の労働組合は、南海化学労働組合と称し、「JEC連合」に加盟しております。なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。