第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第2期

第3期

第4期

第5期

第6期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(千円)

3,703

136,862

1,479,001

5,724,794

13,663,728

経常利益

又は経常損失(△)

(千円)

20,227

62,437

243,344

1,705,571

1,853,978

当期純利益

又は当期純損失(△)

(千円)

20,407

62,712

176,133

1,220,751

1,244,465

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

21,996

121,994

171,991

452,808

452,808

発行済株式総数

普通株式

A種優先株式

B種優先株式

(株)

 

 

 

 

 

 

348,800

348,800

348,800

348,800

348,800

112,992

112,992

112,992

112,992

20,320

134,450

134,450

純資産額

(千円)

13,367

150,650

426,778

2,212,983

3,457,448

総資産額

(千円)

17,063

191,072

767,647

3,516,170

8,238,121

1株当たり純資産額

(円)

38.32

106.86

262.98

38.63

74.31

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

58.51

138.59

375.73

20.47

20.87

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

78.3

78.8

55.6

62.8

41.9

自己資本利益率

(%)

138.9

90.6

48.0

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,419,291

3,537,470

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

402,594

793,940

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

526,881

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,899,415

4,644,695

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(名)

3

26

69

142

303

1

7

17

22

60

 

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、重要性が乏しい非連結子会社のみであるため、記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

4.第4期から第6期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また第2期及び第3期については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

5.第2期及び第3期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

6.当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。

7.当社は、第2期、第3期及び第4期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

8.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

9.第5期及び第6期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。 なお、第2期から第4期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき 算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

10.当社は、2022年11月18日開催の取締役会決議により、2022年12月14日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。そのため、第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

11.2022年12月14日付で普通株式1株につき100株の分割を行っております。

そこで、東京証券取引所自主規制法人の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。

なお、第2期から第4期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第2期

第3期

第4期

第5期

第6期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

1株当たり純資産額

(円)

0.38

△1.07

2.63

38.63

74.31

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

△0.59

△1.39

3.76

20.47

20.87

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

 

12.2022年11月18日開催の取締役会決議により、2022年12月5日付ですべてのA種優先株式及びB種優先株式を自己株式として取得し、対価としてA種優先株式及びB種優先株式1株につき、それぞれ普通株式1株を交付しております。また、会社法第178条の規定に基づき2022年11月18日開催の取締役会決議により、2022年12月5日付で当該種類株式の全部を消却しております。なお、2022年12月13日開催の臨時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。

13. 1株当たり純資産額については、優先株式に対する払込金額を控除して算定しております。

14.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第6期の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

 

2 【沿革】

年月

概要

 2016年6月

東京都中央区新川において資本金19百万円でカバー株式会社を設立

 2017年2月

VR(注1)卓球ゲーム「Ping Pong League」のリリース

 2017年9月

VTuber(注2)アイドル「ときのそら」の活動開始

 2018年6月

女性VTuberグループ「hololive」の立ち上げ

 2018年6月

東京都中央区新川に本社を移転

 2019年5月

男性VTuberグループ「HOLOSTARS(ホロスターズ)」の立ち上げ

 2019年7月

東京都千代田区内神田に本社を移転

 2020年4月

インドネシアにおける女性VTuberグループ「hololive Indonesia」活動開始

 2020年6月

東京都千代田区神田多町に本社を移転

 2020年9月

英語圏における女性VTuberグループ「hololive English」活動開始

  2021年2月

メディアミックス(注3)プロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」始動

 2021年3月

東京都千代田区外神田に本社を移転

 2021年9月

公式オンラインショップ「hololive production OFFICIAL SHOP」の運用を開始

 2022年6月

英語圏における男性VTuberグループ「HOLOSTARS English」活動開始

 2022年11月

メタバースサービス「ホロアース」の常設ロビー空間のβ版をリリース

 

(注)1.VRとはVirtual Realityの略称であり、コンピューターによって作られた仮想的な世界を、あたかも現実世界のように体感できる技術のことであります。

 2.VTuberとは、主にYouTube等の動画配信プラットフォームにおいてモーション・キャプチャーを用いてアニ   メルック・アバターで活動するバーチャル・エンターテイナーのことであります。

 3.メディアミックスとは、原作のIP(Intellectual Property:知的財産)を漫画やアニメといった複数のメディアで多面的に展開することであります。例えば「ホロライブ・オルタナティブ」ではスクウェア・エニックスが提供する漫画アプリ「マンガUP!」において漫画作品「Holoearth Chronicles Side:E ヤマト神想怪異譚」を展開している他、YouTube上でのアニメ―ションコンテンツの展開も実施しております。

 

 

3 【事業の内容】

(1) 企業ミッション

当社は「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を企業ミッションとしております。日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。

 

総務省統計局の発表によれば、2022年12月時点で日本の総人口は約1億2,484万人となっており、2008年をピークに減少が続いています。国内市場の緩やかな縮小が予想される一方で、日本の誇るアニメ、ゲーム関連産業は海外市場が牽引する形で成長を続けており、その規模はアニメ関連市場で約2.7兆円(注1)、ゲームコンテンツ市場で約21.9兆円(注2)まで拡大しております。当社は、AR(注3)やライブストリーミング(注4)といった最新技術を使って日本発のエンターテインメント・カルチャーを世界に広めていくことにより、クリエイターの活躍や日本文化のさらなる発展を後押しすることを目指しております。

 

(注) 1.2021年のアニメ関連市場規模(出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2022」)

2.2021年のゲームコンテンツ市場規模(出所:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2022」)

3.ARとはAugmented Realityの略称であり、ありのままに知覚される情報に、デジタル合成などによって作られた情報を付加し、人間の現実認識を強化する技術のことであります。例えば、当社の提供するARアプリケーション「ホロリー」では、VTuberの3D映像を現実空間に投影して写真や動画を撮影できます。

4.ライブストリーミングとは、インターネット上で音声や動画をリアルタイムで配信することであります。

 

 

(2) サービス概要

当社はモーション・キャプチャー技術(注5)とアニメルック・アバター(注)を用いて活動するバーチャル・エンターテイナー「VTuber」のキャラクターIP開発、及びVTuberプロダクション「hololive production(以下、「ホロライブプロダクション」という)」の運営を行っております。

 

当社のVTuberは当社が開発した配信アプリケーションとアニメルック・アバターを用いて、YouTubeを中心とした動画配信プラットフォームでゲーム実況や歌唱等のライブ配信を主とした活動を行います。ライブ配信においては、ユーザーのメンバーシップ(注7)加入やSuper Chat(注8)が主な収益源となります。

 

キャラクターIPの開発は国内の主要なクリエイターとの協働により行っており、クオリティの高いキャラクター・アバターモデルが多くのファンからの支持を得ています。VTuberによるアバターを用いたライブ配信は、視聴者にクリエイターの創作に対する強い親近感を与え、これまでのアニメ等では見られなかった新しいエンターテインメント体験をもたらします。

 

所属VTuberのキャラクターIP権利は当社に帰属しており、IPに基づいたマーチャンダイジングやライセンスビジネス等の多様なコマース展開を可能としています。VTuber IPの影響力の拡大に伴って、コマース展開の規模も拡大しており、2022年3月期時点では在籍VTuberあたりの収益は年間約2億円(注9)まで成長しております。

 

2022年12月末時点でホロライブプロダクションのVTuber在籍数は71名(言語地域別で日本が48名、インドネシアが9名、英語圏が14名)となっており、そのうち31名はYouTubeのチャンネル登録数が100万登録を超える等幅広く支持を得ていると認識しております。また、ホロライブプロダクションの所属VTuberのYouTubeチャンネル登録総数は7,200万登録(注10)を超えており、日本、北米、東南アジア地域における登録数トップのVTuberをはじめ、登録数ランキング上位のVTuberが多く所属しております(注11)。

 

ホロライブプロダクションの所属VTuberによるライブ配信コンテンツは、月間で1,500以上もの本数がYouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームに提供されており、それらのアーカイブ(Archive:保存記録による配信)を含む動画コンテンツの累計投稿件数は2022年12月末時点で6.3万本に上ります。視聴者はライブ配信内でVTuberに向けたコメント等を通して双方向性と没入感のあるライブエンターテインメントを楽しむことができます。

 

 

VTuber IPは立上げに長い期間と多額のコストが必要なTVアニメやゲーム等のコンテンツのキャラクターIPと比較して、相対的に低コストで継続的に視聴者との接点を持つことができる優位性を持っていると考えられます。

 

また、VTuberとのコミュニケーションの一環で、日常的に数多くのファンアートや多言語翻訳コンテンツが視聴者によって作成されており、そうしたUser Generated Contents(UGC)(注12)コミュニティの存在がVTuberコンテンツに深みをもたせています。当社コンテンツの視聴者による切り抜きコンテンツ(注13)のYouTube上での再生回数は65億回を超えており(注14)、新規の視聴者の拡大にも寄与していると考えられる他、Twitterでの2022年3月期年間の当社コンテンツ関連投稿数は約1.2億件となっており、ファンコミュニティでは日々活発なやり取りが確認されております。

 

こうした高頻度かつ双方向のコミュニケーションを背景とした当社のVTuber IPコンテンツのファンエンゲージメント(注15)の高さは従来のアニメコンテンツ等と比較した際の当社コンテンツの独自性となっております。

 

エンターテインメント・コンテンツ業界において、自社によるIPの開発機能を有さない企業は、コンテンツ供給のために他社のIPライセンスを借り入れる必要があり、関連する商業展開の自由度もIP所有元の意向に制限されるため、迅速な成長とマージンの確保が難しい傾向にあります。また、IPを自社開発する企業においても、ゲームやアニメといったコンテンツのみを媒体とする場合は、コンテンツ供給のために大きな資金、人員、期間を要する傾向にあります。

 

それらの企業と比較して、当社は自社によるIP創出体制を整備すると共に、双方向性コンテンツ運用を行っており、これらを背景とした独自の強みを有していると考えております。

 


*1所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和として算出

*2VTuberあたり四半期収益は各四半期収益を四半期末時点の所属VTuber数で除して算出

 


 

*3現在活動休止中であるキズナアイを除いた場合、宝鐘マリンが国内No.1

 

 

(注) .モーション・キャプチャー技術とは、カメラ等を使って人やモノの動きをデジタル化する技術のことであります。

. アニメルック・アバターとは、デフォルメされた色調の2Dアニメのような3Dモデル制作技法等を使って作られたアニメのような外見のキャラクターモデルのことであります。

7.メンバーシップとは、ユーザーが一定の月額料金を支払うことによってYouTube等の動画配信プラットフォームのチャンネルのメンバーとなり、メンバーシップに加入したユーザー向けの限定動画視聴や絵文字利用等のメンバーシップ限定の特典を得られる制度のことであります。

8.Super Chatとは、YouTubeのライブ配信動画におけるライブチャットの利用時に視聴者が有料課金を行うことでチャットメッセージを目立たせることができる機能のことであります。視聴者の課金金額はプラットフォームから一定の金額が控除された後、当社及び配信者に収益として払込まれます。

9. VTuberあたり収益は当該期間の売上高を当該期末の在籍VTuber数で除して算出。

10. YouTubeチャンネル登録数の総数は所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和として算出。2022年12月31日時点。

11. 出所:ユーザーローカル。2023年1月11日時点、VTuberランキング(ファン数ランキング)、現在活動休止中のVTuberを除く順位。

12.User Generated Contents(UGC)とは、主にソーシャルメディア等のオンライン・プラットフォーム上でユーザーによって投稿されるコンテンツのことであります。

13. 切り抜きコンテンツとは、公式コンテンツとして配信された動画の一部をファンが切り抜き、字幕等の一部編集を加えた上で配信する非公式コンテンツのこと。当社では二次創作ガイドラインを公開し、一定の制限の下、こうした活動を認めております。

14. 出所:ユーザーローカル。2023年1月11日時点。YouTube上に存在する当社コンテンツの切り抜きを扱うチャンネルのうち、総再生回数が上位の200チャンネルについて実績を集計しております。

15. ファンエンゲージメントとは、ブランドやコンテンツとファンが積極的に関与し合うことで構築される愛着等の結びつきのことであります。

 

(3) 当社の事業分野別の内容

当社の事業は、VTuber事業並びにその付帯業務の単一セグメントで構成されております。

事業分野別では、①配信/コンテンツサービスと②ライブ/イベントサービスを通じて、ホロライブ等のグループ及び所属VTuberそれぞれの認知度の向上、ファンの獲得及びコミュニティの熱量上昇を図っており、その結果として醸成されたグループや個々のVTuber IPのブランドを基盤として、③マーチャンダイジングサービスと④ライセンス/タイアップサービスを展開しています。

事業分野別の詳細は以下のとおりです。

 


 


 

① 配信/コンテンツ

YouTubeを中心とした動画配信プラットフォームや各種SNS等を通じて、VTuberによるライブ配信を主とした動画コンテンツを提供している他、音楽ストリーミングサービスでの楽曲コンテンツの提供も行っております。

 

 

主な収益項目は視聴者からのメンバーシップ加入、Super Chat、動画配信プラットフォーム上での広告収益、及び音楽ストリーミングサービス上での楽曲コンテンツの販売収益等となっており、主なコスト項目はプラットフォーム手数料及びVTuberとしてアバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイター(演者)(注16)への収益分配等となっております。

 

VTuberのキャラクターIPは当社によって企画・制作されており、それぞれのVTuberの活動は当社から演者に対して貸与されるモーション・キャプチャーハードウェア/ソフトウエア、キャラクターアバター、及びYouTubeやTwitter等の配信プラットフォーム/SNSアカウントを用いて提供されています。

 

当社はホロライブプロダクションのブランドとコミュニティを拡大させながら、オーディションにより選抜された演者、影響力の大きい外部クリエイター等との共創を通して、付加価値の高いIPを継続的に生み出す仕組みを構築しており、その結果として新規のVTuberでもデビュー時から大規模な集客を行うことが可能となっております。

 

当社のVTuber IPは海外でも浸透が進んでおり、2022年12月時点で当社のVTuberのYouTube配信における月間の海外再生数比率は41%となっております(注17)。字幕等を通したVTuberコンテンツのローカライズやSNSを通したコミュニティ運営等により、グローバルにUGCコミュニティの拡大を推進しつつローカル言語でのVTuberをデビューさせることにより、着実な海外展開を実施しております。

 

また、当社では多様かつ安定的なサービスの提供とコミュニティの健全な拡大のために、各種ガイドラインの整備、外部エンターテインメント企業とのアライアンスの拡充、及び関連する業界団体への参画等を行っております。

 

(注)16.コンテンツ・クリエイターとはアニメルック・アバターを用いてVTuberとしてライブ配信活動やコンテンツ制作を行う演者のことであります。

  17.2022年12月におけるチャンネル総視聴回数に占める海外アカウントの再生回数比率。

 

② ライブ/イベント

所属VTuberのライブコンサート及びファンミーティング並びに当社IPの国内外出展等のイベントをオフライン又はオンラインで提供しております。

 

主な収益項目はオフライン、オンラインでのチケット販売収益、イベントに際した物販収益及びイベントの様子を収録した映像ソフトウエアの販売収益等となっており、主なコスト項目はイベント制作費及び演者出演費等となっております。

 

当社ではイベントの企画、制作を行っており、各イベントは外部制作会社、イベント会場運営会社、オンライン配信プラットフォーム等との協働によって提供されています。ライブコンサートやファンミーティングといったイベントの実施にあたっては、大規模なモーション・キャプチャー及び配信が可能なスタジオ設備、並びにAR技術等を用いることにより、ファンが当社VTuberをより身近に感じることができるユニークな体験の提供を実現しております。

 

過去に実施したライブコンサートイベントの多くは、映像設備を導入したコンサート会場に観客を動員して実施するオフラインでの実施と、インターネット上で配信プラットフォームを通してコンサートの様子をライブ配信するオンラインでの実施を同時に行っており、現地を訪れることのできない遠方のファンもオンライン配信を通してイベントに参加することが可能となっております。イベントを通じたファン同士の交流は、ファンにとってもコミュニティ規模の成長を実感できる大きな機会となっております。

 

また、イベントは国内だけでなく、海外でも多数実施しており、2022年においては「hololive Meet」と題して、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア等、世界各地での出展やファンミーティングイベントを開催しております。

 

 

③ マーチャンダイジング

当社VTuber IPをベースにしたキャラクターグッズ及びデジタルコンテンツの販売を行っております。

主な収益項目はEC(Electronic Commerce:電子商取引)での商品販売収益となっており、主なコスト項目は材料費等の製造費用、演者収益分配及びEC販売・決済手数料等となっております。

 

従来の芸能人等と比較した際のVTuberの独自性の一つとして、アニメのキャラクターのようにIPとしての多様なコマース展開を行いやすいことが挙げられます。これにより、当社EC上でも1つのキャラクターIPについて多種多様なグッズやデジタルコンテンツの企画販売が可能となっております。

 

当社では商品の企画・デザイン、販売、プロモーション等を行っております。商品販売は自社EC「hololive production OFFICIAL SHOP」からの受注又は在庫販売が主となっており、当該ECから国内及び海外の顧客に向けた販売を行っております。加えて、自社ECからの発送や現地独自決済手段の導入が未対応の一部海外地域への販売等を目的とした外部ECサイトからの販売も行っております。

 

マーチャンダイジングの売上構成は現状、VTuberのアニバーサリー等に際した特別受注生産・販売前提の商品の構成が大きくなっておりますが、プロダクションとしてのブランド力やIP商品の企画・販売体制の拡充に伴い、より幅広い消費者層に向けて常時販売可能な収益性の高い商品の開発も進んでおります。

 

④ ライセンス/タイアップ

外部商品又はコンテンツのメーカー等に対する当社保有IPの使用権利の提供(以下、「ライセンスアウト」という)又はタイアップ広告を通じた当社所属VTuberによる他社企業のプロモーションやメディア出演を提供しております。

 

主な収益項目はライセンスアウトの対価としてのロイヤリティ収益及び広告出稿企業やメディアからのプロモーション料・出演料収益となっており、主なコスト項目は個別の案件実施に係る一部制作費負担や演者への出演料分配となっております。

 

当社では具体的なライセンスアウト案件に係る制作監修、又はVTuberによる出演・プロモーション協力等を提供しております。

 

VTuberはライブ配信等で活動するインフルエンサーであることに加えてキャラクターIPとしての性質を有しているため、当社IPが他社のゲーム等のコンテンツ内でキャラクターとして活用されるような事例もあり、そうした事例は規模の大きさから案件あたりの収益性も高くなっております。

また、タイアップ広告でもVTuberの直接の稼働無しに商品パッケージやポスター等で活用される事例があり、そうした事例は直接の演者稼働を伴う一般的なインフルエンサー広告の事例よりも効率性の観点から収益性が高くなるケースが多くなっております。

 

前述のようにVTuberのライセンス/タイアップビジネスは演者の稼働制約に縛られずに案件数を増加させられる事例もあるため、プロダクションや各VTuberの影響力と集客力の高まりに伴って本ライセンス/タイアップの収益規模も堅調に成長してきております。

 

 

[事業系統図]


 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

(注)関係会社が1社ありますが、非連結子会社であり、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

2023年1月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

401

98

31.6

1.6

5,118

 

(注)1.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、正社員及び契約社員のみで算定しております。

4.当社は、VTuber事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。