(はじめに)
当社は、1953年7月に株式会社新興製作所(現社名)の100%子会社として同社の欧文印刷電信機「テレプリンター」の保守を目的に、株式会社新興印刷電信サービスステーションとして創業しました。
1960年代はタイプライター、郵便局窓口端末、データ通信端末等の事務機の保守、販売を行い、1970年代から東京三洋電機株式会社(1986年三洋電機株式会社と合併)のレセプトコンピュータシステム「メディコム」の保守を全国で開始するとともに、NECフィールディング株式会社よりビジネスパソコン(N5200、N6300)、モデム等の保守業務を受託し保守サービスを中心に事業を拡大してまいりました。現在、保守サービス事業を基盤に、サーバやPC等のIT機器の設定やネットワークの構築を行うソリューション事業、IT技術者を派遣する人材サービス事業を全国で展開しております。
株式会社新興印刷電信サービスステーションは数度に渡り商号を変更し、1982年4月に商号を当社の旧社名である新興サービス株式会社に変更しました。
当社は、創業時から2014年までの主たる株主は株式会社新興製作所でしたが、2014年及び2017年に実施された計2回のマネジメント・バイ・アウト(以下、「MBO」といいます)により、株主が異動しておりますのでその内容について説明いたします。
2014年に株式会社新興製作所が保有する当社(当時の商号は「新興サービス株式会社」。以下、「旧新興サービス株式会社」といいます)の株式について、株式会社新興製作所より買取り要請があったため、2014年5月に当時の経営陣が新会社(新興リボーン株式会社)を設立し、2014年6月に旧新興サービス株式会社の既存株主からプライベートエクイティ・ファンド(以下、「当該ファンド」といいます)を活用し発行済株式の100%を取得しました。
2014年11月に新興リボーン株式会社は旧新興サービス株式会社を吸収合併し同日に商号を新興サービス株式会社に変更しました。この株式取得や合併は、当社の代表取締役福留泰蔵を中心とする経営陣が主導し経営していくことで、経営判断のスピードを早め、さらなる事業拡大につなげることを目的として行われたものであります。新興サービス株式会社は会社合併時に被合併会社である旧新興サービス株式会社(実質上の存続会社)の営業活動を全面的に継承しております。以上が1回目のMBOであります。
2014年11月に完了した1回目のMBOにより、MBOに参加した当該ファンドが当社の普通株式の66.7%及び全てのA種優先株式(無議決権)を保有することになりました。その後、2016年9月頃に当社及び経営者株主である福留泰蔵は当該ファンドより普通株式及びA種優先株式全ての取得要請を受けたことから、経営の独立性を維持し、事業を安定的に運営することを目的に当該ファンドから株式を取得するための受け皿会社として2016年12月に当時の当社役員6名(福留泰蔵、佐山龍一、高坂喜一、石田英章、菊池薫、佐藤秀樹)が株式会社ヒューマンサービスを設立し、2017年1月に、当社が当該ファンドからA種優先株式の一部を自己株取得し消却した上で、株式会社ヒューマンサービスは残るA種優先株式と普通株式を当該ファンドから取得しました。一般的なMBOスキームのように株式会社ヒューマンサービスを存続会社として当社が株式会社ヒューマンサービスと合併した場合には、合併後の存続会社に多額ののれんが発生し償却負担が生じることが想定されたため、当社と株式会社ヒューマンサービスは合併を行うことなく、株式会社ヒューマンサービスが調達した借入金及び優先株式の返済等の原資には、株式会社ヒューマンサービスが取得した当社のA種優先株式の配当を充てるスキームを採用しました。以上が2回目のMBOであります。その結果、株式会社ヒューマンサービスは当社普通株式の65.1%を保有し親会社として存続しております。なお、2O20年4月に商号を新興サービス株式会社から株式会社SHINKOに変更し現在に至っております。
株式会社ヒューマンサービスは、提出日現在では当社の親会社に該当しておりますが、当社株式の保有以外に事業は行っておらず、当社との取引関係もありません。株式会社ヒューマンサービスは当社の上場時に当社株式の一部を売り出すことにより得た資金を基に、福留泰蔵以外の株式会社ヒューマンサービス株主が保有する株式を取得、消却することを計画しております。当該株式消却が行われることにより、株式会社ヒューマンサービスは同氏の資産管理会社となり、当社の親会社等(親会社又はその他の関係会社)に該当しなくなる予定であります。
当社の設立から現在に至るまでの沿革の模式図は次のとおりです。
回次 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
第7期 |
第8期 |
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決算年月 |
2018年3月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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普通株式 |
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A種優先株式 |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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普通株式 |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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A種優先株式 |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.第4期から第7期の1株当たり純資産額については、A種優先株式の発行金額及び優先配当額を純資産の部から控除して算定しております。
3.A種優先株式は、経営陣が設立した株式会社ヒューマンサービス(親会社)が、2017年1月に、当時株主だったファンドから譲り受けた種類株式であります。2021年6月に当社が株式会社ヒューマンサービスから全株式を買取り、消却済となっております。
4.A種優先株式に係る配当は優先配当であります。この配当金は株式会社ヒューマンサービスが当社株式譲り受けのために調達した資金の返済原資として、定款に基づく配当を実施したものであります。
5.第4期から第7期の1株当たり当期純利益については、A種優先株式の優先配当額を当期純利益から控除して算定しております。
6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
7.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
8.配当性向は、普通株式に係る1株当たり配当額を1株当たりの当期純利益で除して算出しております。
9.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
10.第7期及び第8期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。
なお、第4期、第5期及び第6期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
11.第4期、第5期及び第6期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。
12.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は年間平均人員を()内にて記載しております。
13.当社は、2021年9月30日開催の取締役会決議により、2021年11月1日付で普通株式1株につき1,000株の株式分割を行っております。第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
14.当社は、2021年11月1日付で普通株式1株につき1,000株の株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。
なお、第4期、第5期及び第6期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
回次 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
第7期 |
第8期 |
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決算年月 |
2018年3月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
143.37 |
191.62 |
343.52 |
389.21 |
577.80 |
1株当たり当期純利益 |
(円) |
60.04 |
57.29 |
157.16 |
50.22 |
247.10 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
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普通株式 |
5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
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(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
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A種優先株式 |
25,632.00 |
25,632.00 |
25,632.30 |
25,632.30 |
- |
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(うち1株当たり中間配当額) |
(12,851.26) |
(12,851.00) |
(-) |
(-) |
(-) |
15.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号令和2年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社の沿革 |
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2014年5月 |
新興サービス株式会社の株式の引受けを目的に新興リボーン株式会社設立 |
6月 |
旧新興サービス株式会社の株主から発行済株式の100%を取得し、同社を子会社化 |
11月 |
旧新興サービス株式会社を吸収合併 商号を新興サービス株式会社に変更 |
2016年12月 2017年1月 |
新興サービス株式会社の株式の引受けを目的として、株式会社ヒューマンサービス設立 株式会社ヒューマンサービスは、当社普通株式の67.5%を既存株主から取得し、当社を子会社化 |
2020年4月 |
商号を株式会社SHINKOに変更 |
旧新興サービス株式会社の沿革 |
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1953年7月 |
東京都港区三田において株式会社新興印刷電信サービスステーションを創業 株式会社新興製作所(現社名)のST型頁式和欧文印刷電信機(テレプリンター)の保守サービス会社並びに保守対応機器の販売会社として発足 |
1963年8月 |
本社事務所を東京都港区新橋に移転 |
1970年7月 |
商号を谷村新興サービス株式会社に変更 |
1972年7月 |
本社事務所を東京都港区西新橋に移転 |
1982年4月 |
商号を新興サービス株式会社に変更 OA機器(FAX・コピー機等)販売開始 |
1994年6月 |
東京地区の三洋電機製品販売拡大を目的として、株式会社サンヨーオーエー新興を三洋電機情報機器株式会社との共同出資により設立 |
1998年1月 |
勧奨退職制度による退職社員の再雇用の場として株式会社エス・エス・エンジニアリングを設立 |
2001年4月 |
株式会社サンヨーオーエー新興を吸収合併 |
12月 |
本社事務所を東京都港区西新橋内で移転 |
2002年4月 |
自社開発の「電気工事積算システム」のバージョンアップ及び開発・販売体制強化を目的として株式会社ドソネ設立 |
2004年4月 |
株式会社ドソネ解散 |
2005年1月 |
愛・地球博(日本国際博覧会)にエンジニアを派遣したことを契機に、人材サービス事業を開始 |
2007年7月 |
ソリューション営業に特化した組織を作り、全国で展開作業等のソリューション事業を開始 |
2011年5月 |
本社事務所を東京都台東区浅草橋へ移転 |
2014年11月 |
新興リボーン株式会社と合併。この合併により、旧新興サービス株式会社は消滅 |
当社は、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業の3事業を柱に、全国60超の拠点より24時間365日エンジニアが機器の保守、導入設計、設置展開サービスを提供しております。また、親会社として株式会社ヒューマンサービスが存在しており、当社と株式会社ヒューマンサービスとの関係については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク その他 (15)株式会社ヒューマンサービスについて」に記載しております。
なお、上記3事業は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。
保守サービス事業
システムのサポート、機器の保守、コールセンター、ヘルプデスクサービスを提供しております。
全国の病院、クリニックに導入されているPHC株式会社製電子カルテシステム、レセプトコンピュータ(診療報酬明細書発行システム)を始め、調剤薬局に導入されている同じくPHC株式会社製電子薬歴システム、薬剤情報システム、自動錠剤包装機、一包化監査システム、医事コンピュータ、注射薬払出システム、適温配膳車等の保守サービスを受託しております。
全国の病院・一般診療所の数は、厚生労働省の調査によると現在約11万3千件(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m22/is2204.html 2022年4月末時点データ)、また、調剤薬局は、全国約6万件(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/20/dl/kekka5.pdf 2020年3月末時点データ)であります。そのうち当社では病院・一般診療所へ導入されている電子カルテシステムやレセプトコンピュータ、調剤薬局に導入されている電子薬歴システム等の機器を合わせて、約3万5千件の保守契約を締結し保守サービス業務を行っております。
電子カルテシステム及びレセプトコンピュータの保守は、顧客と直接保守契約を締結する「ハードウェア保守契約」と機器のメーカーであるPHC株式会社と顧客がハードウェア機器契約を締結した後、当社が顧客に対してサービスを提供し、PHC株式会社からハードウェア保守料を受領する「システムサポート契約」の2つのパターンがあります。現在PHC株式会社により、システムサポート契約の締結が促進されており、既存顧客は機器のリプレースのタイミングで順次ハードウェア保守契約からシステムサポート契約へ契約形態を変更しております。また、従来契約を締結しないまま障害発生の都度修理対応をしていた顧客に対しても契約締結を促す意向であることから、今後契約件数は増加していくと予測しております。
PHC株式会社によれば、同社製の電子カルテシステム、レセプトコンピュータは、クリニック(診療所)向けの機器としては高い国内シェアを維持しているとのことですが、顧客がPHC株式会社製の機器を選ぶ理由の一つとして、当社の保守サービスの品質への高い評価も存在すると当社では考えております。
また、PHC株式会社以外でも多くのベンダーから多種多様な機器の保守サービスを委託されております。修理対応サービスレベルに合わせた保守契約を各ベンダーと締結しており、緊急対応の要否、駆けつけ時間と部品在庫管理等の細かな要求に合わせ、全国60超の拠点からエンジニアがお客様の元へ駆けつけるオンサイトサービスを提供しております。
当社は、メーカーに属さない独立系の保守会社であることが強みであり、医療機器やIT機器、非IT機器を問わず様々なメーカー機器の保守対応が可能であり、24時間365日オンサイトサービスを提供しております。
保守サービス事業の多くは保守契約に基づき継続的に収益が入るストック型ビジネスであることから、経済状況の変動に左右されにくいという特長があります。新型コロナウイルス感染症が拡大し、経済が低迷し始めた2020年以降においても、安定した収益を確保できております。
また、近年需要が増えつつあるコールセンターやヘルプデスク業務、機器の稼働状況を継続的にチェックする死活監視業務についても、東京都台東区にテクニカルセンターを設置し、体制を整備しており、現在53の企業より業務を受託しております(2022年12月31日時点)。テクニカルセンターはオンサイトサービスの中枢拠点でもあり、障害発生の一次連絡を受付けています。連絡受付後、障害内容を踏まえて対応方法をジャッジし、現地対応が必要な案件については、拠点の管理者(通称ディスパッチャー)へ連絡します。ディスパッチャーはエンジニアを手配したり、訪問前準備をしたり、各種サービスの司令塔として機能し、迅速なトラブル対応を可能にしております。その他テクニカルセンターでは、ネットワークやPCの遠隔監視や診断を行っており、障害発生時にも自動的にアラートが上がる仕組みになっております。また、遠隔監視により、システムの利用が不可能となるような重度の障害を未然に防ぐ等の予防保守にもつながっております。
更に、今後の保守サービス事業の拡大を目指し、2016年に東京都、2020年には大阪府、2021年には宮城県、2022年には北海道、福岡県において医療機器修理業の許可を取得しました。医療分野における保守実績のある当社へは、現在多くのメーカーから医療機器の保守依頼や、同業他社からの協業依頼もあります。
ソリューション事業
医療機関、福祉施設、一般企業、官公庁向けにシステムの設計、構築、設置工事、展開管理等のICTサービスを提供、また顧客の要望に合わせた機器の提案、販売をしております。
本社におけるソリューション営業活動では、日本電気株式会社、KDDI株式会社といった大手企業との協業により、ネットワーク機器やPC関連の設定サービスを提供する他、大手総合重工業メーカー物流部門との協業による自動倉庫システムサービスの展開など、様々なサービスメニューを開発、展開しております。これらの案件は本社が全国拠点をマネジメントすることにより、全エリアにおいて同一品質のサービスを提供しております。
また、東京都八王子市には機器の設定から現地配送までを一括管理できるキッティングセンターを有しております。
こちらは、顧客からの依頼台数に合わせてキッティングエリアの拡大が可能であり、建物には電子機器、精密機器、貴重品等の盗難防止の他、機密情報の漏洩等を回避するためのセキュリティ対策が施されています。その他、東北支店、中部支店、関西支店においても支店内にキッティングスペースを設けております。
全国13支店においてもそれぞれソリューション営業の活動をしております。特に地元企業とのリレーションに力を入れ、例えば北海道支店における家畜セリシステム、中四国支店における農政局へのPC販売、設定、設置、展開作業等、地元ならではの機器に関わるソリューション案件も獲得しております。
顧客からの情報収集、営業提案、ネットワークの設計、構築、機器の設置展開、更に保守サービス事業へ引き継いでの運用管理、オンサイトサービスという一連の流れをワンストップで提供できることが当社の強みであります。
人材サービス事業
IT機器の保守、点検、修理を行うカスタマエンジニア(以下、「CE」といいます)、システムの設計や、ネットワークの設計・構築、派遣先企業のフロント営業のサポートを行うシステムエンジニア(以下、「SE」といいます)を派遣しております。
主要取引先であるNECフィールディング株式会社へはCEを、KDDIグループへはSEを派遣しております。NECフィールディング株式会社とは1967年のプリンター保守サービスの提供をきっかけに、以来長期に渡る取引の中で当社のエンジニアの技術力が評価され、現在は140名を超えるCEを派遣しております(2022年12月31日時点)。
KDDIグループからは、2005年の日本国際博覧会におけるSE派遣以来、継続して派遣の要請があり、現在は60名を超えるSEを派遣、また15名以上が準委任契約又は請負契約による業務に従事しております(2022年12月31日時点)。上記2社からは、毎年多くの増員要請を受けております。
また、その他複数の企業にもエンジニアを派遣しており、派遣を契機にソリューションや保守案件を受託するケースが増えております。
人材サービス事業全体の各期末時点における派遣人員数は、2018年3月期212名、2019年3月期214名、2020年3月期233名、2021年3月期241名、2022年3月期262名と順調に増加しております。IT人材不足という市場環境において、派遣の需要が毎年増え続けていることから、今後も機会損失が無いよう、毎年計画的に派遣人員を増員し、社内研修による資格取得推進を始め、常時エンジニアのスキルアップを図っております。
当社の保守サービス事業及び人材サービス事業は、保守契約や派遣契約に基づくストック型のビジネスが主であります。機器の保守は、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年以降、医療機関等から一時的に保守員の立ち入りを制限されるケースがありました。しかし、診療に必要な機器を常時正常に稼働させ続けることは医療機関にとって不可欠なことであり、同様に他の企業においてもシステムを安定的に稼働させる必要があることから、結果的には保守員の出動が減少するということは殆ど見られず、また、保守契約の解約となるケースも殆ど発生しませんでした。人材サービス事業においては、派遣先の事情によりテレワークとなるケースもありましたが、ITエンジニア不足の市場の中で派遣契約が解除されることは無く、保守サービス事業同様、コロナ禍でも影響を受けにくいという傾向が見られました。
当社の社員は入社後、CEあるいはSEとしての教育を受け、必要な資格を取得した上でそれぞれ拠点へ配属されます。エンジニアは各配属先において現場経験を積むことや、資格取得講習等を受講することにより、必要なスキルを身に付けていきます。その後、人事ローテーションにより、また新たな部署で経験を積むことで、マルチな対応が可能なエンジニアへとスキルアップしていく、そのような環境が当社にはあります。
当社には現在700名を超えるエンジニアがおり(2022年12月31日時点)、その多くはCEとSEの両スキルを保有しております。特定の時間に集中していることが多い保守サービス業務の前後の時間に機器の設定や設置等作業を行うことにより、業務効率が上がり、生産性の向上につながっております。
このように、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業全てに対応でき、各事業の知見があるエンジニアが、自身の配属先あるいは派遣先での業務に従事する中で、取引先企業の抱える課題や需要を把握し、当社の3事業の特長を生かした提案をすることで、新たなビジネスが生まれております。他にも当初機器の導入展開案件を受託した取引先から、その次のステップである運用管理まで依頼されるケースも増えてきております。このように、事業間シナジーにより新規案件を獲得できること、3事業を通じて様々な市場に参画できるといった強みがあります。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
関係会社は次のとおりであります。
名称 |
住所 |
資本金 (千円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
(親会社) 株式会社ヒューマンサービス |
千葉県船橋市 |
10,000 |
有価証券の投資・運用 |
被所有 65.1 |
役員1名の兼任あり。 |
(その他の関係会社) PHC株式会社 |
愛媛県東温市 |
7,907,000 |
各種ヘルスケア機器・サービスの開発・製造・販売 |
被所有 17.3 |
同社製品の保守受託、同社製品の仕入れ。 役員1名の兼任あり。 |
(その他の関係会社) PHCホールディングス株式会社 (注)1 |
東京都港区 |
47,065,000 |
持株会社 |
被所有 17.3 (17.3) |
その他の関係会社である PHC株式会社の親会社。 直接的な取引は無い。 |
(注)1. 有価証券報告書の提出会社であります。
2. 議決権の所有割合又は被所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
(1)提出会社の状況
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2022年12月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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( |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
保守サービス事業 |
|
( |
ソリューション事業 |
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( |
人材サービス事業 |
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( |
報告セグメント計 |
|
( |
全社(共通) |
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( |
合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属している者であります。
(2)労働組合の状況
提出会社における労働組合の状況は下記のとおりであります。なお、労使関係は円満であり特記すべき事項はありません。
名 称 SHINKO従業員組合
組合員数 2022年12月31日現在の組合員数は、434人であります。
上部団体 所属する上部団体はありません。