第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第18期

第19期

決算年月

2021年3月

 2022年3月

売上高

(千円)

6,700,860

8,984,223

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

66,240

253,709

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失

(△)

(千円)

227,537

215,071

包括利益

(千円)

227,537

215,071

純資産額

(千円)

775,112

1,138,118

総資産額

(千円)

2,189,995

2,633,767

1株当たり純資産額

(円)

20.57

27.08

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

6.04

5.35

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

35.39

43.17

自己資本利益率

(%)

34.59

22.49

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

246,504

360,606

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

37,249

177,136

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

36,275

748,404

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

720,558

931,220

従業員数

(人)

55

59

(外、平均臨時雇用人員)

(4)

(6)

 

(注) 1.第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はありますが、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。第19期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はありますが、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第19期の期首から適用しておりますが、第19期に係る主要な経営指標等については影響はありません。

3.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

4.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )に外数で記載しております。なお、臨時雇用者とは、アルバイトであり、派遣社員を除いております。

5.第18期及び第19期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令28号)に基づき記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。

6.2022年8月22日付で、A種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、全てのA種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、2022年9月7日付で当該A種優先株式を全て消却しております。

 

7.当社は、2022年9月7日開催の臨時株主総会決議において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。

8.当社は、2022年6月23日付で株式1株につき1,500株の割合で株式分割を行いましたが、第18期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)を算定しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第15期

第16期

第17期

第18期

第19期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(千円)

548,324

511,606

492,050

625,018

782,678

経常利益

(千円)

288,932

207,064

195,267

325,893

440,393

当期純利益

(千円)

264,510

165,759

161,283

430,915

398,646

資本金

(千円)

602,027

602,027

602,027

602,027

877,012

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

19,425

19,425

19,425

19,425

22,164

A種優先株式

5,872

5,872

5,872

5,872

5,872

純資産額

(千円)

237,505

403,262

564,546

1,002,404

1,979,126

総資産額

(千円)

978,346

501,818

668,280

1,180,432

2,349,951

1株当たり純資産額

(円)

53,249.05

44,612.31

36,208.60

26.60

47.10

1株当たり配当額

(円)

(1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

10,582.10

6,613.32

6,434.89

11.44

9.92

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

24.28

80.36

84.48

84.92

84.18

自己資本利益率

(%)

264.28

51.74

33.33

55.00

26.75

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(人)

50

54

54

55

59

(外、平均臨時
雇用人員)

(6)

(9)

(5)

(4)

(6)

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はありますが、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

   2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第19期の期首から適用しておりますが、第19期に係る主要な経営指標等については影響はありません。

   3.1株当たり配当額及び配当性向については、当社は配当を実施していないため、記載しておりません。

   4.株価収益率は、当社株式が非上場であるため、記載しておりません。

   5.主要な経営指標のうち、第15期から第17期については「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。

     6.第18期及び第19期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。

   7.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )に外数で記載しております。なお、臨時雇用者とは、アルバイトであり、派遣社員を除いております。

   8. 2022年8月22日付で、A種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、全てのA種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、2022年9月7日付で当該A種優先株式を消却しております。

   9.当社は、2022年9月7日開催の臨時株主総会決議において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。

10.当社は、2022年6月23日付で株式1株につき1,500株の割合で株式分割を行いましたが、第18期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。

 

11.当社は、2022年6月23日付で株式1株につき1,500株の割合で株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第15期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下の通りとなります。

なお、第15期、第16期及び第17期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第15期

第16期

第17期

第18期

第19期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

1株当たり純資産額

(円)

△35.50

△29.74

△24.14

26.60

47.10

1株当たり当期純利益

(円)

7.05

4.41

4.29

11.44

9.92

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

2003年5月

東京都新宿区において、資本金10百万円で当社設立

2004年10月

ダウンロード可能な携帯電話向けフルブラウザ「jigブラウザ」提供開始

2010年5月

携帯電話向けTwitterクライアント「jigtwi」提供開始

2013年6月

福井県鯖江市に本店移転

2014年4月

プログラミング専用こどもパソコン「IchigoJam」提供開始

2014年6月

行政向けオープンデータ化支援サービス「オープンデータプラットフォーム」提供開始

2015年9月

動画・ラジオでの生配信アプリ「ふわっち」提供開始

2016年4月

株式会社A Inc.の全株式を取得し、子会社化

2016年5月

株式会社appwindow(現:株式会社B Inc.)設立

2017年1月

株式会社appwindowの社名を株式会社B Inc.に変更

2017年3月

株式会社A Inc.に対し一般消費者向け関連の一部(「ふわっち」等)を事業譲渡

2017年3月

株式会社B Inc.に対し自治体向け・企業向け関連の一部(「オープンデータプラットフォーム」、「IchigoJam」等)を事業譲渡

2022年8月

福井県鯖江市に自社ビルを建設し、本店移転

 

 

2022年8月に移転した本店(自社ビル)の写真(福井県鯖江市)

 


 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社2社(株式会社A Inc.及び株式会社B Inc.)の計3社で構成されており、一般消費者向け関連、自治体向け・企業向け関連を主な事業として取り組んでおります。

セグメント

事業・サービスの名称

主な事業・サービスの主な内容

一般消費者向け関連

ライブ配信事業

ライブ配信サービス「ふわっち」を提供しております。

ブラウザ事業

フィーチャーフォン向けフルブラウザアプリ「jigブラウザ」を提供しております。

その他事業

Twitterクライアント事業

自治体向け・企業向け関連

こどもパソコン事業

プログラミング専用こどもパソコン「IchigoJam」を提供しております。

オープンデータプラットフォーム事業

自治体向けに「オープンデータプラットフォーム」を提供しております。

 

 

当社ならびに連結子会社の事業における位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

(1) 一般消費者向け関連

①ライブ配信事業(株式会社A Inc.) 

(ア) ライブ配信事業の概要

ライブ配信サービス「ふわっち」を提供しております。

提供しているサービス形態

名称

概要

ふわっち


アプリ(iOS版、Android版)

「ふわっち」で、ライブ配信及びライブ配信の視聴ができるアプリです。誰でも簡単に配信できるようアプリを立ち上げてからボタン一つで配信を開始できるように設計しています。

whowatch.tv

 


 

「ふわっち」のウェブブラウザ版

PCからアクセスしてライブ配信やライブ配信の視聴ができます。

 

 

「ふわっち」ではスマートフォンやPCを用いて誰でも簡単にライブの視聴、配信を行うことができます。ユーザーは、スマートフォンに搭載されたカメラ等を通じてライブ配信を行う配信ユーザーと、そのライブ配信をスマートフォンやPCを通じてリアルタイムで視聴する視聴ユーザーに大別されます。ユーザーはライブ配信及びライブ配信の視聴を原則として無料で行うことができ、配信ユーザーによるライブ配信は「ふわっち」内で全てのユーザーが自由に視聴することができます。

 

 

 

 

アプリトップ画面


配信画面


有料アイテムのアニメーション例


 

 

視聴ユーザーはライブ配信をリアルタイムで視聴するとともに、配信中にスマートフォンやPCの画面内に表示されるコメント欄に自身のコメントを送り配信ユーザーや他の視聴ユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取ることや、無料/有料のアイテムを利用することで、ライブ画面を盛り上げるエフェクトを発動することができます。当社グループにおいては、ライブ配信中に視聴ユーザーが使用するアイテムの販売が当社グループの主な収益となり、2022年3月期の当社グループ収益の約99%を占めています。

配信ユーザーは自身の行う配信において、視聴ユーザーの数や無料/有料のアイテムを視聴ユーザーからどの程度受け取ったかなどを含む配信を盛り上げたことによる報酬として当社グループからポイント(1ポイントあたり1円相当)を獲得することができます。ポイントは、ポイントでのみ獲得できる限定アイテムや他社ポイントサイトのポイント、現金(銀行振込)に交換することが可能です。当社グループは配信ユーザーが雑誌等の媒体への出演権や「ふわっち」の特製グッズ等の特典を競い合うイベントやランキング戦を設けることや、期間限定アイテムの販売を行う等、配信が盛り上がる企画を提供することにより、新たなユーザーの獲得やユーザー層の拡大に努めております。

なお、当社グループのライブ配信サービス「ふわっち」のビジネスモデルは下図の通りです。


 

「ふわっち」は芸能人や音楽やスポーツ等の特定分野のプロではないアマチュアの配信ユーザー(例えば、普通の会社員、主婦、シニア、学生等)がメインで配信するサービスであることから一般の方が配信を始めることの敷居が低く、また各配信ユーザーのバックグラウンドが多種多様であることから配信内容に多様性があり、ユーザー層の裾野が幅広いことが特徴です。「ふわっち」は、2015年のサービス開始以来、30代~40代をメインユーザー層としており、その周辺年代も含めた20代~50代までの幅広い年齢層を中心とした男女にご利用いただいております。

 

<ユーザーの年齢別構成比>


 

(注)ユーザーの年齢分布は、2022年7月1日から2022年9月30日までの期間におけるライブ配信サービスのアクティブユーザーを対象に集計しております。

 

(イ) ライブ配信事業の特徴

「ふわっち」では、自身の配信を行うことを、SNS等を通じて予告することができます。また、配信はリアルタイムにて行われることから、配信開始時にはフォロワーに対してアプリ内で通知を送ることができるほか、Twitter(ツイッター)シェア機能を通じて、ユーザー自身が「ふわっち」上で行うライブ配信の開始をTwitter上に投稿、拡散することで、新たなユーザーの獲得につなげることができます。

ライブ配信は、配信ユーザーが特定のコンテンツを一方的に提供するものではなく、コメント投稿やアイテム使用により視聴ユーザーがライブ配信に積極的にアクションを起こすことで、配信ユーザーと視聴ユーザーとでリアルタイムなコミュニケーションを楽しみ、その時間を互いに共有し合うことが特徴であると当社グループでは考えております。また、そのコミュニケーションの中で、視聴ユーザーはアイテム使用等により配信ユーザーを応援し、配信ユーザーは視聴ユーザーに楽しんでもらうことや、喜んでもらうために配信を行うといったサイクルが成立しているものと当社グループでは考えております。インターネットを通じて初めて生まれる何気ないコミュニケーションは、普段の日常生活では味わうことが難しい、家庭でも職場でもない第三の場所(サードプレイス)における関係性の構築に価値があるものと当社グループでは分析しております。

 

 

<アイテムについて>

「ふわっち」では、通常アイテム、期間限定アイテム、イベント専用アイテム等の各種アイテムを販売しております。

通常アイテム(例)

アイテムの例

解説

価格帯(税込み)

花火


 

人気アイテムであり、最も多く利用されるアイテムの1つ

1,100円/個

KP・いいね

 


 

挨拶代わりに気軽に使用されるアイテムの1つ

120円/100個〜

バースデーケーキ

 


 

配信ユーザーの誕生日を祝福するアイテムの1つ

3,600円/個

 

その他、風船、ハート、バーガー、ふわふわくまさん、ガラガラくじなど多種多様な通常アイテムを取り揃えており、ユーザーが気分に合わせて利用することが可能です。また、ビギナー配信ユーザーを応援するアイテムとして無料で提供している「ひよこ」、特定のカテゴリーの配信を視聴することにより無料で貯まるアイテム「メガホン」等、無料アイテムも一部提供しております。さらに、音の鳴るアイテムの販売など新商品の開発も恒常的に実施しています。

 

 

期間限定アイテム(例)

「ふわっち」では四季を彩ったアイテムも季節に合わせて期間限定で提供しており、季節を楽しむアニメーション等を提供しております。

:2022/3/17~2022/3/26実施のお花見アイテム

さくら餅・桜カクテル

限定アイテム

夜桜ライトアップ

豪華なアニメーション付の限定アイテム

 

 


 

 


 

 

:2022/1/18~2022/1/27実施のスノーファンタジーアイテム

雪の結晶・スノーフェアリー

限定アイテム

オーロラ

豪華なアニメーション付の限定アイテム

 

 

 


 

 

 


 

 

 

上記に加えて、「ふわっち」では毎月新しいイベントを開催しており、そこでイベント専用アイテムを販売しております。

 

<イベントについて>

イベントとは、配信ユーザーがイベント開催期間中において、視聴ユーザーの数や無料/有料のアイテムを視聴ユーザーからどの程度受け取ったかなどを含む配信の盛り上がりに応じて当社グループより付与されるランキングポイントの合計で順位を競い合うもので、最終的な順位に応じて特典を受け取ることができます。当社グループはイベントの開催により、配信ユーザーが特典を獲得するために配信するモチベーションを高め、配信頻度の増加や配信ユーザー数の増加を図ることができ、かつ配信の盛り上がりを創出できるものと考えており、視聴ユーザー、課金ユーザーを含む新たなユーザーの獲得やユーザー層の拡大に寄与していると分析しております。

なお、イベントの特典には、雑誌やCM、ラジオ番組への出演、街頭ポスターへの掲載等配信ユーザーとしての知名度向上につながるようなものや、配信グッズ(マイク、照明セットの配信機材)等配信ユーザーの配信活動自体に役立つもの等があります。

また、特典を競うイベント以外に、新規配信ユーザーの応援イベント、配信を始めて間もないルーキーの配信ユーザーのみを対象としたイベント、次のステージを目指す中堅配信ユーザーを対象としたイベント等、数多くの配信ユーザーの中で、注目を浴びるチャンスを提供することを目的としたイベントも提供しております。

加えて、アイテム獲得等によるランキングポイントの競い合い以外の要素として、ナイス(無料で1ユーザー1日1回のみ押せるもの)の数を競い合うイベント、視聴ユーザー数を競い合うイベント、デイリーランキング、マンスリーランキング等の各種ランキングを設置し、多くのユーザーが様々な場所でスポットライトが当たるように、企画の考案、実施に努めております。以下はイベント開催時のアプリ内に表示するバナーの一例です。

 

ふわっち道場

(初心者向けイベント)

配信応援ランキング

(グレード別(注)のイベント)

ふわっちマガジンに載ろう

(メインイベント)

 


 


 


有力配信ユーザーとなる為の

育成支援

グレード別の競い合いにより

競争を分散

魅力ある特典/

メディアとのタイアップ

 

 

(注)グレードとは、配信者の階級を表す制度であり、配信における盛り上がり度合いに応じて、当社グループ独自の試算により、ホワイト、ホワイト+、ブロンズ、ブロンズ+、シルバー、シルバー+、ゴールド、ゴールド+、プラチナ、プラチナ+の10段階のグレードに分かれております。主にイベントへの参加基準として活用しています。

 

<カテゴリーについて>

「ふわっち」では、雑談、音楽、趣味、コラボなど複数の配信カテゴリーを提供しており、ユーザーが容易に自分好みのライブ配信を見つけることができるような仕組みを提供しております。なお、配信ユーザー自身が、自身の配信ライブの内容に応じて配信カテゴリーを選択しており、視聴ユーザーは自身の好みや興味関心のあるカテゴリーからお気に入りの配信ユーザーを探すことが可能です。

また、「ふわっち」ではたぬき、きつね、うさぎなど特殊な機能を持つカテゴリーも提供しております。たぬき、きつねの両カテゴリーにおいては、視聴ユーザーが匿名でのコメント投稿が可能であることが大きな特徴です。たぬきカテゴリーでは匿名投稿は任意選択、きつねカテゴリーでは全員が自動的に匿名投稿との違いがあります。うさぎカテゴリーについては、視聴ユーザーはうさぎカテゴリーの配信を視聴することでメガホンを無料で貯めることができることから、配信ユーザーにとっては通常のカテゴリーでの配信に比べて視聴ユーザーを集めやすいことが特徴です。加えて、配信ユーザー同士が配信しながらコミュニケーションできるコラボ配信機能を使用することのできるコラボカテゴリーを提供しております。

上記の通り、複数のジャンルや機能に応じてカテゴリーが分かれていることにより、ユーザーは自身の配信内容や配信スタイルに応じて臨機応変にカテゴリーを選択できることから、配信ユーザーと視聴ユーザー双方の多様なニーズに対応しているものと当社グループでは考えております。

 

<サービス健全性について>

当社グループはユーザーが利用しやすいライブ配信プラットフォームを実現する為、プラットフォームの健全性維持のための仕組みを構築しております。この仕組を効率的かつ効果的に運営することによりユーザーが安心して利用できる環境を整備しております。当社グループは、不特定多数のユーザーがオンライン上のコミュニケーションの場として「ふわっち」を活用していることの重要性とリスクを十分理解した上で、配信ユーザー、視聴ユーザーが共に安心してご利用いただけるよう、プラットフォームの健全性維持・改善を最重要事項として認識しております。具体的には、未成年ユーザー保護、サービス監視体制の構築、ユーザーによる監視の促進、配信ユーザー保護、著作権保護、ユーザーへの啓蒙活動の推進等の施策を行っており、主な取組みの具体的な内容は以下の通りです。

 

主な取組内容

(a)未成年ユーザー保護

・ユーザー登録時に年齢確認を実施し、未成年ユーザーに対して月間のアイテム購入金額に上限を設定し、未成年による多額のアイテム購入を未然に防止

・NGワード機能、それに伴う注意喚起やアカウント規制を行うことで、未成年ユーザーが巻き込まれるトラブル発生の防止

・未成年ユーザーの深夜帯(22時以降翌5時まで)の配信禁止

・13歳未満の方はサービス利用の全面禁止

 

(b)サービス監視体制の構築

・24時間365日リアルタイム監視を行う体制の構築と対応

i)    全配信の画像監視

ii)   視聴ユーザーが投稿するコメントに関するNGワードの監視

iii)  通報処理

iv)   ソーシャルリスニング(Twitter等の外部サイトでの炎上有無の監視)

・上記リアルタイム監視体制のもと、違反行為に対する配信停止措置、それに伴うアカウント利用規制の実施

・配信音声のテキスト化とテキスト監視体制

・定期的なプロフィール画像や文言の検査

・サービス内イベントの審査(受賞候補ユーザーの配信内容の再確認)、イベント参加可否審査(過去の違反行為の度合いに準じて参加可否を判断)

・配信停止やアカウント規制の基準とする監視基準の定期評価及び更新

 

 

(c)ユーザーによる監視の促進

・ユーザーが違反行為を報告しやすくする為のユーザー通報機能の提供

・配信ガイドライン及び視聴ガイドライン等において違反内容を明示し、違反行為に対するユーザー通報を啓発

・ユーザー通報に対して適切かつ迅速に対応することにより、ユーザー間で違反行為に対する自浄作用の意識を醸成

 

(d)配信ユーザー保護

・ライブ配信中のユーザー間トラブル発生を事前に防止する仕組みとして、配信ユーザーが指定した特定のユーザーのブロックや特定のワードを非表示にする機能の提供

・ライブ配信中の配信ユーザー、視聴ユーザーが不快な気持ちになることを防止する仕組みとして、誹謗中傷、出会い目的、卑猥な内容に代表される不適切なコメントをNGワードとして登録し、配信画面上に非表示とする機能を提供

・ライブ配信中に視聴ユーザーによる不適切なコメントや迷惑なコメントに対するコメント通報機能の設置とそれに伴うアカウント利用規制の実施

 

(e)著作権保護

・著作権に関するガイドライン、楽曲利用に関する注意喚起、ガイドライン等を公開し、ユーザーに啓蒙

・著作権者向けの通報窓口の設置。著作権侵害行為に対して迅速に対応できる体制の構築

・著作権を有する権利団体や会社(一般社団法人日本音楽著作権協会、株式会社NexTone)との間で、サービス上の著作権利用に関する包括契約を締結

・外部ツールを用いた原盤マッチングによる楽曲使用の監視

・ゲーム配信の全面禁止

 

(f)ユーザーへの啓蒙活動の推進

・全ての配信において、毎回配信に訪れた際に、不適切なコメントをしないことを求める内容を注意事項として表示

・利用規約やサービスを利用する上でのルールや注意事項を記載したガイドラインをはじめとする様々なガイドラインを設け禁止行為を明確にし、ユーザーに周知徹底するための啓蒙活動を継続的に実施

 

 以上の通り、当社グループではプラットフォームの健全性維持の為、継続的に仕組みの改善に努めています。サービス開始以来約7年で蓄積してきた経験や運営上のノウハウは、プラットフォームに対する安心感や信頼感を高めることに寄与しており、「ふわっち」の強みを構成する重要な要素であると考えております。

 

②ブラウザ事業(株式会社jig.jp) 

フィーチャーフォン向けフルブラウザアプリ「jigブラウザ」を提供しております。

「jigブラウザ」は、フィーチャーフォンからのPCサイト閲覧を実現するフルブラウザアプリです。現在では、ほとんどのwebサイトがPC向け又はスマートフォン向けで提供されておりますが、フィーチャーフォンからでも、それらのPC向け又はスマートフォン向けwebサイトを閲覧できるサービスとなります。 

当サービスは、利用者から月額利用又は年間利用の料金を受領し、サービスを提供するブラウザアプリであります。また、アドネットワーク各社から「jigブラウザ」への広告掲載による報酬を受領しております。

 

③その他事業(株式会社jig.jp) 

その他事業として、Twitterクライアント事業のサービスを提供しております。また、アドネットワーク各社から「jigtwi」への広告掲載による報酬を受領しております。

 

 

(2)自治体向け・企業向け関連

①こどもパソコン事業(株式会社B Inc.)

当社所有の商標権「IchigoJam」を使用したプログラミング専用こどもパソコンを委託先が生産・販売することにより、その販売台数に応じた一定のライセンス料を委託先より受領し、収益を獲得するものであります。プログラミングや電子工作について学ぶ場を提供している企業や学校等でプログラミング教材として活用されております。

 

②オープンデータプラットフォーム事業(株式会社B Inc.)

当サービスは、契約先の自治体に対して自治体から公開されているファイル形式(EXCEL、PDF、CSV、XMLなど)を、全国で統一されている形式(LinkedRDF)へ簡単に変換し、公開できるプラットフォームを提供し、その利用料として各委託先自治体よりプラットフォーム利用料を受領し、収益を獲得するものであります。

 

なお、2022年3月期以降の四半期毎の営業損益及び広告宣伝費の推移を下表に示しております。

(百万円)

2022年3月期

2023年3月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

営業損益

△173

△247

82

76

224

204

広告宣伝費

554

636

295

270

238

258

 

 

 

事業系統図

 


 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

株式会社A Inc.

(注)2,3

 

福井県鯖江市

10,000

ライブ配信事業

100.00

事業運営の委託

設備の賃貸借

金銭の貸借

役員の兼務6名

 

 

株式会社B Inc.

(注)4

 

福井県鯖江市

1,000

こどもパソコン事業

オープンデータプラットフォーム事業

100.00

事業運営の委託

設備の賃貸借

金銭の貸借

役員の兼務5名

 

 

(注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

  2.特定子会社であります。

  3.株式会社A Inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%

        を越えております。また、当連結会計年度末時点で債務超過額は433百万円であります。
主要な損益情報等

①  売上高   8,900百万円

②  経常損失  △696 〃

③  当期純損失 △615 〃

④  純資産額  △433  〃

⑤  総資産額  1,765 〃

4.株式会社B Inc.については、債務超過会社であり、当連結会計年度末時点で債務超過額は57百万円でありま

   す。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

 2022年9月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

一般消費者向け関連

58

(4.8)

自治体向け・企業向け関連

1

全社(共通)

7

(1)

合計

65

(5.8)

 

(注)  1.従業員数は、正社員の人員数です。なお、役員(取締役及び監査役)は従業員数に含まれておりません。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人数です。

   3.全社(共通)は、人事総務及び経理等の従業員数です。

4.臨時従業員にはパートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 2022年9月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

65

33.1

6.8

5,404

(5.8)

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

一般消費者向け関連

58

(4.8)

自治体向け・企業向け関連

1

全社(共通)

7

(1)

合計

65

(5.8)

 

(注)  1.従業員数は、正社員の人員数です。なお、役員(取締役及び監査役)は従業員数に含まれておりません。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人数です。

   3.全社(共通)は、人事総務及び経理等の従業員数です。

4.臨時従業員にはパートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。