(はじめに)
当社グループはAdAsia Holdings Limited(英領ケイマン諸島)を最終持株会社として2016年4月に創業し、その後2018年1月にAdAsia Holdings LimitedをAnyMind Group Limited(以下、AHC)に商号変更いたしました。当社は、AHCの子会社として2019年12月に東京都港区で設立されました。そして、2020年5月に当社の子会社であるAnyMind Holdings Limitedを吸収合併存続会社、当時親会社であったAHCを吸収合併消滅会社とする三角合併(ケイマン会社法上の組織再編)を実施したことにより、当社が当社グループの親会社となり、現在に至っております。当社は、持株会社として当社グループの経営方針策定及び経営管理を行っており、2022年9月末時点において、当社の連結子会社は27社です。
当社グループは「Make Every Business Borderless」というミッションのもとに、国境や産業、オンラインやオフラインなどの制約に捉われず、誰もが簡単にビジネスをできる世界を実現するビジネスインフラとなることを目指しております。その中で事業をより一層成長させるために、資金調達能力の拡大、社会的信用度・知名度の向上等が重要と考え、当社グループの重要市場の1つである日本において株式を上場することが適切と考えました。また、当社グループが株式を日本において上場するにあたり、英領ケイマン諸島の会社法に基づく会社の株式よりも、日本の会社法に基づく当社の株式を上場する形が投資家にとって親和性があり、投資家保護の観点から望ましいと判断したため、上記のグループ内組織再編を2020年5月に実施し当社を最終持株会社とした上で上場申請に至りました。2020年5月に実施した当社グループの組織再編の概要は以下のとおりとなります。
<組織再編前の当社グループの組織構造>
<組織再編の第一段階>
組織再編の第一段階として、当社株式を保有していたAHCより、当社が当社株式(自己株式)を買い戻しました。その後、AHCが保有する、当社以外の連結子会社であるAnyMind Group Pte. Ltd.及びその他の連結子会社の株式を、当社に譲渡し、その譲渡対価として、当社の自己株式をAHCに譲渡しました。この結果、組織再編の第一段階実施時点において、当社は、当社グループの中間親会社となりました。本組織再編の第一段階を実施した後の当社グループの主たる組織構造は、以下のとおりであります。
<組織再編の第二段階>
組織再編の第二段階として、当社自らが、ケイマン諸島籍の法人であるAnyMind Holdings Limitedを新たに設立し、その後、設立したAnyMind Holdings Limitedを吸収合併存続会社、AHCを吸収合併消滅会社とする三角合併(ケイマン会社法に基づく組織再編)を行い、消滅会社であるAHCの株主に対して、本合併の対価として、各株主が保有していた持株比率と同一割合で、当社が新たに発行する普通株式及び優先株式をそれぞれ無償割当しました。この結果、従前、当社グループの最終親会社であったAHCの株主は、当社の株主になると共に、当社が当社グループの最終親会社となっております。本組織再編完了後の当社グループの主たる組織構造は、以下のとおりであります。
(注)1.当社は、AnyMind Group Limited(英領ケイマン諸島、以下「AHC」)の子会社として東京都港区で2019年12月に設立されました。そして、2020年5月に当社の子会社であるAnyMind Holdings Limitedを吸収合併存続会社、当時親会社であったAHCを吸収合併消滅会社とする三角合併(ケイマン会社法上の組織再編)を実施したことにより、当社が当社グループの親会社となり、現在に至っております。かかる組織再編は2段階に分けられ、①当社を当社企業グループの中間親会社とするまでの取引については、国際会計基準(以下「IFRS」という)上、AHCを頂点とする共通支配下の取引となります。本取引を通じて、AHCの傘下にある当社及びその他の連結子会社間の資本関係を変更したのみであり、AHCを頂点とした当社企業グループ全体としての経済的実質は何らの変化はなく、当社企業グループ全体としての事業は継続している状況です。また、②三角合併については、本組織再編成を通じて当社企業グループの最終親会社であったAHCと中間親会社であった当社の親子関係を逆転した、すなわち、当社企業グループ内の組織構造のみを変更したものであり、当社企業グループ全体としての経済的実質は何らの変化はありません。したがって、2019年12月期の当社グループの連結財務諸表は、当社が設立された2019年12月からではなく、2019年1月1日に当社が設立され当社グループの持株会社であったとみなして作成しております。
2.上記指標は、IFRSにより作成しております。
3.当社の設立当時、当社の親会社AnyMind Group Limitedを最終親会社とする当該企業グループは、同社設立時よりIFRSを適用し、同社を報告企業とするIFRSに基づく連結財務諸表を作成していることから、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の目的における要求事項や免除規定を適用しておりません。
4.2019年12月期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に準じて、PwCあらた有限責任監査法人により監査を受けております。また、2020年12月期及び2021年12月期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwCあらた有限責任監査法人により監査を受けております。
5.2019年12月期、2020年12月期及び2021年12月期の親会社所有者帰属持分利益率は、親会社の所有者に帰属する当期損失が計上されているため、記載しておりません。
6.株価収益率は当社株式が非上場であるため、記載しておりません。
7.第2期は連結子会社の取得、本社移転に伴う敷金差入等の影響から投資キャッシュ・フローがマイナスとなっています。第3期は事業拡大に伴う運転資金の増加等により営業キャッシュ・フローがマイナスとなったほか、本社オフィス増床に伴う敷金差入等により投資キャッシュ・フローがマイナスとなり、子会社株式の追加取得、オフィスに係るリース負債の返済等により財務キャッシュ・フローがマイナスとなっております。
8.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であります。臨時雇用者数(アルバイト、パートタイマー及び人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
9.当社は、2021年7月29日の取締役会決議に基づき、2021年8月19日を効力発生日として、基準日である2021年8月18日の株主の保有する株式を1株につき600株の割合をもって株式分割を実施しております。なお、当該株式分割に伴い、1株当たり情報について、株式分割調整後の数値を表示しております。
(注)1.当社は、2019年12月26日設立のため、2019年12月期は0ヶ月と6日間となっております。
2.2019年12月期、2020年12月期及び2021年12月期は、当社は実質的な事業活動を行っていないため売上高を計上しておりません。
3.2020年12月期の1株当たり純資産額については、純資産の部の合計額よりA種、B種優先株式の払込金額を控除した金額を普通株式の期末発行済株式数で除して算定しております。
4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を行っていないため記載しておりません。
5.2019年12月期の1株当たり当期純損失金額については、当期純損益を計上していないため記載しておりません。
6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、2019年12月期については当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損益を計上していないため、記載しておりません。また、2020年12月期及び2021年12月期については1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
7.当社は、2021年7月29日の取締役会決議に基づき、2021年8月19日を効力発生日として、基準日である2021年8月18日の株主の保有する株式を1株につき600株の割合をもって株式分割を実施しております。なお、当該株式分割に伴い、1株当たり情報について、株式分割調整後の数値を表示しております。
8.当社は、定款に定める取得条項に基づく株主からの株式取得請求権行使を受け、優先株式のすべてにつき、2021年7月26日付で自己株式として取得し、対価として普通株式を交付しております。また、当社が取得した優先株式は、2021年7月29日開催の取締役会決議により同日付で会社法第178条に基づきすべて消却しております。
9.2019年12月期の自己資本利益率については、当期損益を計上していないため記載しておりません。また、2020年12月期及び2021年12月期については当期純損失であるため記載しておりません。
10.株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
11.当社は純粋持株会社であり、2019年12月期及び2020年12月期においては従業員は所属しておりません。また、2019年12月期、2020年12月期及び2021年12月期において、社外から当社への出向者を受け入れておりません。
12.2019年12月期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に準じて、PwCあらた有限責任監査法人より監査を受けております。また、2020年12月期及び2021年12月期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwCあらた有限責任監査法人より監査を受けております。
AnyMind Group株式会社の沿革は次のとおりであります。
消滅会社であったAnyMind Group Limitedの沿革は次のとおりであります。
当社グループは「Make Every Business Borderless」というミッションのもと、ブランド構築、生産管理、メディア運営、ECサイト構築・運営、マーケティング、物流管理等のソリューションをワンストップで支援するプラットフォームを提供しております。アジア・中東を中心に世界13ヵ国・地域にて事業を展開しており、2021年度における地域別売上収益比率(注)は日本が43%、東南アジアが41%、インド・中華圏等のその他地域が16%となっております。
なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
(注)地域別売上高比率は、子会社の所在地における内部取引消去前の売上収益に基づいて算定しております。
昨今のインターネット・テクノロジーの進化を通じて個人も法人も誰もがブランドを築き、グローバルにビジネスを展開できる世の中になってきていると考えております。一方で、まだ国や業界を跨ぐと情報の非対称性や、サプライチェーンの複雑さ、地理的・文化的な制約などが存在しております。そのような制約や複雑性はブランド構築や商品販売を行うための工程において複数の事業者や異なるサービスと連携をするハードルが要因の1つとしてあげられます。当社グループは13ヵ国・地域において事業展開を行い、マーケティング支援とパブリッシャー支援(注1)及びクリエイター支援(注1)を軸に、EC戦略(注1)やECサイト構築運用、生産管理、物流管理に至るまでのバリューチェーンのあらゆる側面にて法人クライアントや個人の事業支援を行っております。当社プラットフォーム上で様々なデータを活用し、一気通貫で事業支援をすることで、ビジネスをより簡単によりシンプルに行える世界の実現を目指しております。当社グループはインターネット関連事業の単一セグメントでありますが、ブランドコマース、パートナーグロースの2つの領域にて事業を展開しております。
(1) ブランドコマース領域について
当社グループはインフルエンサーマーケティング等のマーケティングと、ブランドの設計・企画から、生産管理、ECサイトの構築・運用、物流管理に至るまでのバリューチェーン全体を「ブランドコマース」と定義し、その各プロセスでサービスを提供しております。当社グループは創業以来、事業の軸として展開するインフルエンサーマーケティング、モバイルマーケティング、デジタルマーケティング支援のためのマーケティングプラットフォームについて、アジア全域にて法人クライアントへの提供をしております。また、新しくブランドを立ち上げたいクリエイターにはD2Cブランド企画から販売・物流までのバリューチェーン全体を支援し、既にブランドを有する法人クライアントへはクライアントのニーズに合わせて、生産管理、ECサイト構築・運営、マーケティング、物流管理、越境対応等の個別ソリューションでの支援を行っております。また、自社D2Cブランドの構築・運営も行っております。
これらのブランドコマース領域においては、マーケティングプラットフォーム「AnyTag」「AnyDigital」と、生産管理、ECサイト構築・運営、複数ECチャネルの一元管理、会話型コマース(注1)、物流管理を支援するD2Cプラットフォーム「AnyFactory」「AnyShop」「AnyX」「AnyChat」「AnyLogi」を提供しております。
(マーケティングプラットフォーム)
当社グループのマーケティングプラットフォームでは、インフルエンサーマーケティングの企画・推進・管理を行うプラットフォームである「AnyTag」、デジタル・モバイルマーケティング支援プラットフォームである「AnyDigital」を中心にブランド運営事業者に対してマーケティングソリューションの提供を行っており、2021年度で当社グループの全社売上収益に対して49.4%の割合を占めております。
インフルエンサーマーケティングとは、ソーシャルメディア上で影響力を持つインフルエンサー(クリエイターを含む)がクライアント企業の商品・サービスを直接体験し、その価値を伝えることによるマーケティング活動の支援を行うアプローチです。ソーシャルメディアを通じてユーザー目線で商品の価値を写真や体験談等を伝えることにより、商品・サービスの特性や価値が消費者に伝わりやすく、ブランディングや認知度の更なる向上が期待できることから、その手法に対する需要は高まっております。
当社グループのインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」の提供により、クライアント企業にとってはマーケティング対象の商品・サービスやターゲット・ユーザー層に適したインフルエンサーの選定、市場調査、インフルエンサーとの交渉・マーケティング準備、マーケティングキャンペーンの実施とリアルタイムでのモニタリング・効果検証を可能にしております。また、インフルエンサーにとってはそれぞれの特性やフォロワー層に適した案件機会を提供しております。既にグローバルでの450,000人以上(2022年9月末時点)のインフルエンサーの情報がプラットフォーム上で登録されており、クロスボーダー案件や海外マーケティング案件含めて、多様なブランドの支援を行っております。
当社グループのデジタルマーケティングプラットフォーム「AnyDigital」は、当社グループが各国で直接連携する優良インターネットメディアに対して、動画や音声を表示するリッチメディア広告(注1)を使用した様々なフォーマットでの広告配信を支援しております。また、インターネットメディアに対してのみならず、当社が連携するグローバル大手ゲーム事業者及びパブリッシャーの運営するモバイルアプリ上での広告配信も可能としております。これらのソリューションにより、各メディア及びアプリが持つ優良かつ広範なユーザー層に対して、効果的なターゲティングを行い広告効果の最適化を行うことが可能になっております。
当社グループはインフルエンサーマーケティング、デジタル・モバイルマーケティングも含めた多様なマーケティングソリューションを展開し、マーケティング戦略策定、広告運用の最適化、クリエイティブ制作支援、効果検証とモニタリング等、幅広いソリューションを提供しております。特に展開する13ヵ国・地域に跨るクロスボーダーでのマーケティング支援、各国でローカライズされた専門チームによる高度なマーケティング施策への対応により、グローバル企業のクライアント層を拡大しております。2021年12月期に当社グループがマーケティングプラットフォームによる取引を行った顧客は1,000社を超えており、そのうち75%が海外における顧客となっております。
(D2Cプラットフォーム)
D2Cプラットフォームとして、東南アジア及び中華圏へのアクセスを活かし、現地生産工場を直接ネットワーク化し、様々な商品に適した生産体制の構築・運営を支援する生産管理プラットフォーム「AnyFactory」を提供しております。またECサイトの構築・運営を支援する「AnyShop」、複数ECチャネルの一元管理ができるECマネジメントプラットフォーム「AnyX」、会話型コマースを支援する「AnyChat」、国内外の物流パートナーのネットワークを活かして在庫や物流の管理を行う物流管理プラットフォーム「AnyLogi」を提供しております。2021年度で当社グループの全社売上収益に対して8.1%の割合となっております。
クリエイターや法人クライアントがブランドを立ち上げ、運営する際の課題として、適切な製造業者を選定するための情報が不足する、海外工場の場合に複数の事業者との連携が必要になり生産コストの最適化ができない、生産スケジュール・品質管理が柔軟に行えないといったものがあります。また製品の生産から販売、マーケティング、物流まで異なる領域で最適な外部パートナーを選定し、バリューチェーンを構築することにハードルがあると考えています。それらの課題解決を行うために、当社グループはブランドの設計・企画から、生産管理、ECサイトの構築・運用、複数ECモールのデータ管理、会話型コマース、マーケティング、物流管理に至るまでのバリューチェーン(ブランドコマース)における主要ソリューションをワンストップで提供し、またアジア全域でのサービス提供を行うことでクロスボーダーでの連携ができる体制で運営を行っており、2022年9月末時点で展開又は支援するブランド数は112ブランドとなっております。
また、自社プラットフォームを活用して自社ブランドの構築・運営も行っており、連結子会社である株式会社LYFTにおいてフィットネス用のアパレルやプロテイン製品を企画・生産・販売するブランドである「LYFT」を運営しております。
(2) パートナーグロース領域について
当社グループはインターネットメディアやモバイルアプリ運営事業者などのパブリッシャーやYouTuberやTikToker等のクリエイターを中心とする当社パートナーに対して、データ分析、収益化支援、ユーザーエンゲージメント向上支援を行っており、これらのパートナーの成長支援を行う一連のソリューションを「パートナーグロース」と定義しております。具体的にはパブリッシャー向けにはパブリッシャーグロースプラットフォーム「AnyManager」、クリエイター向けにはクリエイターグロースプラットフォーム「AnyCreator」を提供しております。2021年度で当社グループの全社売上収益に対して41.9%の割合を占めております。
(パブリッシャーグロースプラットフォーム)
当社グループのパブリッシャーグロースプラットフォーム「AnyManager」は、パブリッシャーであるインターネットメディア事業者が運営するニュースメディア等のオンライン媒体やモバイルアプリについて、収益一元管理や分析を行えるダッシュボード機能の提供、インターネットメディア上の広告枠の管理・運用による収益最大化、ウェブページの表示速度の高速化を支援する機能やユーザーへのプッシュ通知機能などメディアパフォーマンス改善のためのソリューション提供を行っております。当社グループはGoogleに公式認定されたメディアソリューションパートナーとなっている他、100社を超えるネットワークと連携しインターネットメディア向けの収益最大化支援をアジア全域で行い、当社AnyManagerに接続されたパブリッシャーは2022年9月末時点で1,326媒体となっており、2022年の月間解約率(注1)は約1.0%で推移しております。また、2022年9月末時点で取引を行うパブリッシャーのうち、海外のパブリッシャー数は全体の68%を占めております。
インターネットメディア事業主は、運営するオンライン媒体やモバイルアプリを当社AnyManagerプラットフォームと連携いただくことにより、自社メディアの広告枠のパフォーマンスや収益状況の可視化、CPM(注1)の最適化、広告枠消化率の向上などの様々な収益向上のためのソリューションを活用いただくことが可能となっております。パブリッシャーグロースプラットフォームの収益としては、当社プラットフォームに連携するインターネットメディアの広告枠を各種ネットワーク上で販売することによる広告収益が主たるものの一つであり、当社グループと広告配信ネットワーク事業者との契約により当社グループが広告収益を一括して受け取り、当社グループから各メディア事業者に対して売上シェア(注1)の契約に基づいて広告収益の一部を支払っております。
(クリエイターグロースプラットフォーム)
当社グループのクリエイターグロースプラットフォーム「AnyCreator」は、YouTubeやTikTok等の動画配信サイトにおいてコンテンツを配信するクリエイターの活動やアカウント(YouTubeチャンネル等)マネジメントに関連するサポートを行っております。具体的には、YouTubeチャンネル等で動画視聴者を増加させ収益を最大化するための施策やデータ分析、動画コンテンツや著作権の管理、広告主のタイアップ(注1)案件のマッチング、イベント企画開催、グッズ販売、動画企画制作支援、また各種法律や規制の遵守のための支援を行っております。
これらのサポートへの取り組みの結果、「AnyCreator」は、2022年9月末時点で、代表的な動画配信プラットフォームであるYouTubeにおいて1,400チャンネル以上のグローバルなクリエイターが所属し、30億回以上の単月動画再生回数を有するアジアにおける最大級のネットワークに成長しております。2022年9月末に所属するYouTubeチャンネルのうち、海外にて活動するチャンネル数は全体の88%を占めております。また、100万人以上のチャンネル登録者を有するYouTubeチャンネルは2022年9月末時点で、90チャンネル超となっております。
クリエイターグロースプラットフォームにおける収益は大きく2つあり、1つはYouTube上に流れる広告による収益の一部をYouTubeから受領する広告収益です。YouTube上の動画視聴に付随して発生する広告収益のうち、一部が広告収益としてクリエイターに還元されておりますが、当社グループ所属のクリエイターについては当社グループとGoogle社等の動画配信事業者との契約により当社グループが広告収益を一括して受け取り、当社グループからクリエイターに対して各クリエイターとの契約に基づく広告収益の一部の支払いを行っております。
もう一点の収益としてクライアント企業からの直接の依頼に基づいて行われるタイアップ案件に紐づく収益です。タイアップ案件としては、クリエイターは顧客企業の商品やサービスを紹介する動画を作成し、自身のチャンネルやソーシャルメディア上において公開することで、顧客企業より対価を受け取ります。これらの広告は通常のテレビCMやデジタルマーケティングと比較して多くの情報を視聴者に伝えることができ、かつクリエイターの活動に関心を持っているファン層からの能動的な視聴が期待できるため広告効果が高いマーケティングが可能になると考えられております。そのほか、当社が有するD2Cブランド構築のための各種プラットフォーム(AnyFactory、AnyShop、AnyLogi、AnyX等)を活用し、クリエイターと共同でアパレルやスキンケア商品など、クリエイター独自のD2Cブランドの構築を支援するなど、様々な領域でクリエイターの活動を支援しております。
(3) その他について
その他事業としてタイにおいて従業員の勤怠管理ツール提供やエンジニア人材等の採用支援を行う人事部門向けソリューションの「AnyTalent」の運営を行っております。
(注)1.本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。
[事業系統図]
(a) ブランドコマース領域:マーケティング
(b)ブランドコマース領域:D2C
(c)パートナーグロース領域
2021年12月31日現在
(注)1.「主要な事業の内容」欄には、3 事業の内容に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.上記連結子会社で有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.議決権の所有(又は被所有)割合欄の( )内は、間接所有割合の内数です。
5.当社および一部の国内子会社は2023年12月期よりグループ通算制度の適用を予定しております。
2022年9月にAnyMind Japan株式会社及びその完全子会社である株式会社フォーエムをグループ通算制度の適用対象に含めることを目的として、AnyMind Group Pte. Ltd.が保有するAnyMind Japan株式会社発行の全ての普通株式を当社に譲渡しております。
6.AnyMind Group Pte. Ltd.、AnyMind Japan株式会社、及び株式会社フォーエムについては、最近連結会計年度(2021年12月期)において売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
(注)1.当社グループはインターネット関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
2.従業員は就業人員であり、当社グループからグループ外への出向者、グループ外から当社グループへの出向者は含まれておりません。臨時雇用者数は、従業員の総数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
(注)1.従業員数は就業人数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。