第二部 【企業情報】

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(千円)

107,357

163,439

368,030

475,929

890,244

経常利益

(千円)

545

133

80,015

113,851

211,177

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

280

13,983

15,937

90,404

139,745

持分法を適用した場合の
投資利益

(千円)

資本金

(千円)

82,750

82,750

82,750

82,750

82,750

発行済株式総数

(株)

440,000

440,000

440,000

440,000

440,000

普通株式

400,000

400,000

400,000

400,000

400,000

A種優先株式

40,000

40,000

40,000

40,000

40,000

純資産額

(千円)

180,975

166,991

182,928

273,333

413,079

総資産額

(千円)

206,717

206,680

438,831

524,149

796,282

1株当たり純資産額

(円)

77.44

42.48

82.32

30.83

65.77

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益
又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

0.70

34.96

39.84

22.60

34.94

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

87.5

80.8

41.7

52.1

51.9

自己資本利益率

(%)

0.3

9.1

39.6

40.7

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

54,869

249,472

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

4,761

121,748

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

90,862

1,094

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

424,657

553,476

従業員数

(名)

6

11

16

22

27

(外、平均臨時雇用者数)

(0)

(1)

(1)

(1)

(5)

 

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第7期の期首から適用しており、第7期以降の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有していないため、記載しておりません。

4.2022年8月12日付で、A種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、全てのA種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、2022年8月21日付で当該A種優先株式の全てを消却しております。

5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

6.第4期及び第6期から第8期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。また、第5期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

7.第5期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

8.第5期においては、訴訟費用として特別損失13,827千円を計上したため、当期純損失を計上しております。

9.株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。

10.当社は第6期まではキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

11.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイト及び人材会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

12.預り金、売掛金及び前受金に係る過年度の会計処理の誤りが判明したため、第6期において誤謬の訂正を行いました。当該誤謬の訂正による累積的影響額は、第6期の期首の純資産の帳簿価額に反映されております。この結果、第6期の期首利益剰余金が14,410千円減少しております。なお、上表の第4期から第5期の数値には当該金額を反映しておりません。

13.主要な経営指標等のうち、第4期、第5期及び第6期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくPwC京都監査法人の監査を受けておりません。

14.第7期及び第8期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC京都監査法人の監査を受けております。

15.第7期の投資活動によるキャッシュ・フローは、敷金及び保証金の差入による支出と有形固定資産の取得による支出により、4,761千円のマイナスとなっております。

16.第8期の投資活動によるキャッシュ・フローは、敷金及び保証金の差入による支出、有形固定資産の取得による支出、及び無形固定資産の取得による支出により、121,748千円のマイナスとなっております。

17.当社は、2018年3月30日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが、第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。また、2022年8月31日付で普通株式1株につき10株の株式分割を行っておりますが、第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。

 

18.当社は、2018年3月30日付で普通株式1株につき100株の株式分割を、2022年8月31日付で普通株式1株につき10株の株式分割を行っております。
    そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第4期、第5期及び第6期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくPwC京都監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

1株当たり純資産額

(円)

7.74

4.25

8.23

30.83

65.77

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

0.07

△3.50

3.98

22.60

34.94

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

 

 

2 【沿革】

当社の代表取締役CEO 佐藤 海は、大学在学中にシリコンバレーでの3年間の留学生活を通して、米国ベンチャーにインターンシップとして参加し、起業や経営について学び、大学を卒業後、2014年4月に共同で当社を設立しております。

当社設立以降の主な経緯は以下のとおりです。

年月

概要

2014年4月

株式会社Rebase(資本金 25万円)を東京都世田谷区尾山台に設立

2014年5月

レンタルスペース予約・集客サービス「インスタベース」をリリース

2015年3月

資本金を775万円に増資

2016年10月

株式会社ベネフィット・ワンが運営するベネフィット・ワンの会員に対するインスタベースのサービス提供を開始

2017年5月

資本金を8,275万円に増資

2017年7月

本社を東京都渋谷区恵比寿西に移転

2018年9月

スペース利用者向けのiOSアプリの提供開始

2018年11月

「インスタベースポイント」の提供開始

2018年12月

掲載スペース数が5,000件を突破

2019年3月

スペース利用者・スペース掲載者を対象とした「インスタベース安心補償」の提供開始

2019年7月

BBQ・グランピングサービスを展開する株式会社G-styleとの協業により、飲食付きスペースの予約受付を開始し、新規サービスの提供に向けた検討を開始

2019年8月

株式会社G-styleとの協業の一環として、ケータリング・デリバリーの手配ができる「インスタベースPlate」の提供開始

2019年9月

スペース利用者向けのAndroidアプリの提供開始

2019年10月

スペース掲載者向けのiOSアプリの提供開始

2020年3月

「インスタベース」のトップページデザインをリニューアル

2020年4月

「インスタベース」において利用者を限定してスペースを貸し出す「コミュニティ機能」をリリース

2020年12月

掲載スペース数が10,000件を突破

2021年5月

レンタルスペースに配送可能な飲食事業者と、飲食物を配送可能なレンタルスペースが検索され、レンタルスペースと飲食物の予約を効率的に行うことができるシステムに関する特許を取得(特許 第6889429号)

2021年6月

個室型ワークブース「テレキューブ」を全国に展開するテレキューブサービス株式会社との協業により、「インスタベース」で日本全国のテレキューブの予約受付を開始

2021年10月

「インスタベース」のサービスロゴをリニューアル

2021年11月

掲載スペース数が15,000件を突破

2021年12月

プライバシーマークを取得(登録番号 第21004790(01)号)

2022年3月

本社を東京都渋谷区神宮前に移転

東京都知事登録旅行業を取得(登録番号 第3-8196号)

2022年4月

住友不動産株式会社、株式会社構造計画研究所と業務連携

住友不動産株式会社が開発する新築分譲マンション付帯の共用施設を入居者限定のレンタルスペースとして予約、利用、決済を可能にする協業を開始

2022年5月

掲載スペース数が20,000件を突破

 

 

 

3 【事業の内容】

当社は「一人ひとりの『らしさ』であふれる世界」というビジョンを掲げ、「『できる』をあたりまえに」をミッションとし、多様性の尊重が社会的に重要なテーマとして注目される昨今、一人ひとりの無限の可能性を実現する機会やきっかけを提供し、豊かなライフスタイルで溢れる世界の実現を目指しております。

ビジョンの実現のために、レンタルスペースの予約プラットフォームである「インスタベース」により、ありとあらゆる場所で、フレキシブルに使えるスペースを提供することで、一人ひとりが思う存分、場所の制限なく、自身を表現できる世界を創造してまいります。

 

(1) 事業の概要

当社はマッチングプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。主たるサービスは「インスタベース」であり、概要は以下の通りであります。

「インスタベース」は、当社の主軸サービスと位置付けており、「人」と「空間」を繋ぐプラットフォームであります。空いている物件やスペースを貸したい人(以下、「スペース掲載者」という)が貸したい期間や時間帯だけスペースを提供し、スペースを使いたい人(以下、「スペース利用者」という)が使いたい期間や時間帯をインターネットを通じてパソコンやスマートフォンから予約することができるマッチングサービスであります。

当社は、「インスタベース」という「人」と「空間」を繋ぐ仕組みの提供を通じて、場所の制限なく人々の持てる可能性を広げ、一人ひとりが持つ想いを実現できる世界を目指しております。

 


 

「インスタベース」では、スペースの利用シーンに合わせて、会議室やテレワークスペース、古民家や撮影スタジオ、ダンススタジオなど多種多様なスペースを提供しております。また、スペースの利用目的においては、打ち合わせや商談、セミナーや研修、勉強会などのビジネスユースに留まらず、ヨガやダンスレッスン、撮影、ホームパーティー、各種イベントなどあらゆるニーズに対応しております。遊休スペースを抱えて困っている人、目的に応じて最適な場所を探すことに困っている人、その双方が抱える課題を最適にマッチングすることによって解決するサービスが「インスタベース」であります。

 


 

「インスタベース」の特徴の一つが集客力です。「インスタベース」では特定の利用用途に偏らずに、幅広い用途で集客を最大化することに注力してまいりました。一般的に「レンタルスペース」や「時間貸しスペース」として想起される利用イメージは、会議や打ち合わせ(貸し会議室)、会社説明会やセミナー(セミナールーム)、また友人同士でのパーティー(パーティールーム)と思われますが、「インスタベース」ではこのような利用以外にも、ダンスやヨガなどのレッスンに利用できるスタジオ、プライベートジムとして利用できるフィットネススペース、商品・サービス・人物の撮影スペース、エステやネイルなどの施術可能なサロンスペースなど、幅広い用途に対応した多岐に渡るスペースが掲載され、利用されております。

このように、幅広い利用用途としてポートフォリオを広げてきたことで、コロナ禍においても予約数を増加させることができ、さらにはリピート率の高い用途での予約数を大きく増やすことができました。

 


 

 

これまで活動場所を必要としている人は、多額の初期費用を用意して物件を賃貸借契約するか、自宅の一部を教室などの活動場所として確保するか、公民館などの場所を借りるかなど、活動場所として最適な場所を見つけづらい状態でした。また、不動産オーナーから借り手のつかない賃貸物件を収益化したいという相談を多くいただいております。当社の展開する「インスタベース」では、時間単位・日単位での提供が可能なため、賃貸テナントがつかない期間や営業時間外の時間帯だけ、活動場所を必要とする人に提供することができます。

所有スペースを手軽にかつ安心して貸し出せるよう、スペース掲載者に対して必要な管理機能やサービスを提供しております。具体的には、スペースページの作成・管理、予約管理や利用料金の回収、万が一に備えた補償サービスやダブルブッキングを防止するための外部のカレンダーサービスや予約管理システムとの連携機能、さらにスマートロックや防犯カメラをはじめとしたIoT機器(※)とのシステム連携など、効率的でセキュアかつ省人化した運営が行える仕組みを提供しております。

 

※ Internet of Things の略であり、あらゆるモノをインターネットと接続する技術のことで、モノ同士が相互に通信することにより実現するサービスや仕組みのこと

 


 

当社はこのようにスペース掲載者にとって魅力的な価値提供を行うことで、スペース掲載者からスペース利用料に対する手数料(〜35%)をいただいております。スペース利用者は予約時にオンライン決済にてスペース利用料を支払い、決済代行会社を通じて当社がスペース利用料を一括回収し、スペース利用料から手数料を控除した金額をスペース掲載者にお支払いするスキームとなっております。なお、スペース掲載者からいただく手数料は集客という価値提供に対する対価であり、スペース利用者による予約率を最大化したいと考えております。そのため、予約時の確認項目を少なくすることでスペース利用者ができる限りスムーズに予約していただけるよう、スペース利用者からは手数料をいただいておりません。

また、「インスタベース」に付随するサービスとして、飲食を伴うスペース利用時に飲食物の手配の手間をなくすため、スペース利用者とデリバリー・ケータリング事業者をマッチングするサービス「インスタベースPlate」、スペース掲載者とレンタルスペースの運営に最適な商品やサービスを提供する事業者をマッチングする「マーケットプレイス」も展開しております。なお、「インスタベースPlate」においては、スペースの予約と同時にシームレスに飲食物の予約ができる仕組みについて特許を取得しております。

 

 


 


 

(2) サービスの特徴

① スペース利用者への価値提供

1.パソコン・スマートフォンで24時間いつでも検索・予約可能

エリアや用途、利用日時などから気軽に目的に合わせたスペースを検索することができ、気になるスペースについてはスペースページにてスペースの内観写真、設備や備品、口コミなどスペースに関する詳細情報をいつでも確認できます。予約する際には電話や書面でのやり取りなどは必要なく、Web上で手軽に予約完結できます。スペース利用者のマイページでは、予約情報や予約したスペースの入退室方法も確認でき、メッセージ機能を通じてスペース掲載者とやり取りをすることも可能です。さらにスマートフォン向けアプリケーションを利用すれば利用直前や利用終了時刻の直前にお知らせの通知を受け取ることも可能です。

 

2.多種多様な用途で利用可能

スペース利用の目的はスペース利用者ごとに多種多様であるため、多岐にわたる利用ニーズに応えられるよう、創業以来掲載スペース数の増加ならびに様々なタイプのスペース掲載を促進してまいりました。結果として「インスタベース」では日本全国すべての都道府県でスペースが掲載され、当社調べにおいてレンタルスペースのマッチングプラットフォームとして掲載スペース数が最多のサービス(※1)であります。

3.安心して利用できるサービスや機能が充実

法人、個人問わず安心してご利用いただけるよう充実した決済方法や、万が一に備えた補償サービス「インスタベース安心補償」を提供しています。決済方法としては、クレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込(※2)、請求書等の後払い(※3)など、スペース利用者のニーズに合わせた様々な決済手段を提供しております。また、「インスタベース安心補償」はスペース利用者が過失により利用したスペース内の備品や設備等を壊してしまった場合などにおいて、最大1億円が補償されるサービスであります。

これらの機能やサービスは、スペース利用者であればサービス利用料等は一切かからず利用が可能です。(※4)

 

※1 「スペースシェアリングサービス カオスマップ2022年版」(モノオク株式会社による調査)に記載された日本国内におけるレンタルスペースのスペースシェアリングサービス各社における2022年10月14日時点の掲載スペース数を調査

※2 Pay-easy払いとして銀行振込によるスペース利用料の支払いが可能です。

※3 株式会社ラクーンフィナンシャルが提供する決済サービス「Paid」や、GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する決済サービス「こんど払い byGMO」にて後払い決済が可能です。

※4 決済方法によっては、決済手数料がかかる場合があります。

 

② スペース掲載者への価値提供

1.充実した予約管理機能や運営サポート

「インスタベース」ではスペース掲載者に対してスペース利用者の集客だけではなく、スペースページ作成管理機能や予約管理機能、ダブルブッキング防止のためGoogleカレンダーと「インスタベース」の予約情報を自動連携する機能やスマートロック・監視カメラなどIoT機器(※)と「インスタベース」の予約を自動連携する機能など、レンタルスペースの運営に欠かせない機能を提供しております。

2.安心のサポート体制

スペース掲載者からの問い合わせに対応するための専門部門を設置し、レンタルスペース運営のサポートを実施しております。

また、スペース利用料の回収については、決済代行会社を通じて当社がスペース利用料を一括回収し、スペース利用後にスペース利用料からサービス手数料を控除した金額をスペース掲載者にお支払いしております。スペース利用者のキャンセルによりキャンセル料金が発生した場合にも、予約時の決済料金から漏れなく回収しており、料金回収の不安なく運営できる仕組みを提供しております。

さらに、スペース利用者が過失によりスペース利用時にスペース内の備品や設備を損壊してしまった場合などにおいて最大1億円が補償される補償サービス「インスタベース安心補償」を提供しており、万が一に備えたサポート体制も整えております。

3.シンプルな料金体系

スペース掲載にあたりかかるコストは、スペース利用料に対するサービス手数料のみの完全成果報酬型となっており、初期費用や月額固定費用などは一切かかりません。サービス手数料には、各スペースへの集客のみならず、「1.充実した予約管理機能や運営サポート」や「2.安心のサポート体制」に記載しているスペース掲載者への提供価値のすべてを内包して提供しており、余計なコストをかけることなく安心して「インスタベース」を利用いただいております。

 

※ Internet of Things の略であり、あらゆるモノをインターネットと接続する技術のことで、モノ同士が相互に通信することにより実現するサービスや仕組みのこと

 

(3) スペース掲載者の特徴

「インスタベース」のスペース掲載者は、以下3タイプに大別されると考えております。

① 遊休不動産の所有者(不動産オーナー)

賃貸テナント募集をしているものの、長期間借り手が付かない物件を所有する不動産オーナーが、借り手が見つかるまで期間限定でレンタルスペースとして貸し出すことで、遊休不動産を収益化しております。簡易的なレンタルスペースであれば、机と椅子さえあれば貸し会議室として貸す出すことも可能で、コストを抑えて収益化ができます。

② 既存店舗・施設等の事業者

飲食店やサロン、宿泊施設など、営業時間外や予約の入っていない時間帯をレンタルスペースとして貸し出すことで、遊休スペースを有効活用し本業以外で収益化しております。既存の備品や設備をそのまま活用できるケースが多く、①と同様、コストを抑えて収益化ができます。またレンタルスペースは基本的に「時間貸し」のため、本業の営業時間や予約時間と調整しやすいことも特徴です。

③ レンタルスペース専業の事業者(運営代行会社含む)

不動産投資の1つとして、自身でレンタルスペース運営可能な賃貸物件を契約し、内装リフォームや備品等の初期投資をおこない、レンタルスペースとして貸し出すことで得た収益で家賃及び初期投資コストを回収し収益化しております。①遊休不動産の所有者や②既存店舗・施設等の事業者から委託を受けてレンタルスペースの運営代行をおこなっているケースもあります。

 

(4) サービスの優位性

① 日本最大級のマッチングプラットフォーム

「インスタベース」の掲載スペース数は24,500件(2022年9月末時点)を超えており、当社調べにおいてレンタルスペースのマッチングプラットフォームとして掲載スペース数が最多のサービスであります。

当社設立時からサービス提供を開始し、ゼロからスペース獲得のための営業及びマーケティングを行ってまいりました。当社では経営効率の最大化を目指し、営業人員に依存せず、自社開発した営業リストの自動作成ツールの活用やメールマーケティングツールなどの活用、Web広告などのオンライン獲得施策の実施、またワークボックス・宿泊施設・娯楽施設等を運営する企業や不動産会社とのアライアンスにより、少人数で効率的なスペースの獲得体制及び仕組みを構築しております。さらに、スペースを安心して掲載いただくため、スペース掲載者に提供する予約管理機能の充実やレンタルスペースの運営を効率化させるIoT機器とのシステム連携、万が一に備えた補償サービスなども提供しております。

2022年3月には旅行業(東京都知事登録旅行業第3−8196号)に登録し、コロナ禍において空室に悩む宿泊施設の客室をワークスペースなどの時間貸しスペースとして貸し出せるよう体制を整え、大手チェーンホテルをはじめとした宿泊施設の客室を数多く掲載いただいております。

また、集合住宅における共有施設を入居者のみに貸し出せるよう、スペース掲載者が利用者を限定してスペースを貸し出すことができる「コミュニティ機能」の提供も行っており、大手不動産会社の分譲マンションをはじめとして複数の集合住宅に導入いただいております。

 


 

② 掲載スペースに対する集客

検索エンジンからの流入を最大化するための継続的なサイト改善やSEO(※1)対策、効率的なWEBマーケティングの実施、既存のスペース利用者に対するメールマーケティングを用いた利用促進及びリピート率の向上、UI/UX(※2)の最適化による CVR(※3)改善などを実施しており、2022年3月期において実利用総額2,783百万円(CAGR(※4)78%)、実利用数686千件(CAGR 100%)と年々集客力を伸ばしております。

その結果、スペース掲載開始年別の予約スペース(※5)あたりの予約総額及び予約総数ともに右肩上がりで増加しております。継続的な掲載により、スペースの認知向上やスペース利用者のニーズに合わせた内装や備品等の充実、スペース運営面の改善によるレビュー評価の向上につながっております。また「インスタベース」においてマッチング精度を向上させるための UI/UX の改善、様々な決済方法の提供など、予約しやすい機能やサービスの提供により、年々予約スペースあたりの予約総額及び予約総数ともに増加し、各スペースへの集客に貢献しております。

 

※1 Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の略で、Google等の検索エンジンにおいて上位に表示させるための施策

※2 UI/UXとは User Interface/User Experience の略称で、UIとはユーザーとサービスの接点であり、情報をやり取りするための方法、操作、デザインといった仕組みの総称で、UXとはユーザーがサービスを通じて得られる体験やそれに伴う感情のこと

※3 Conversion Rate(コンバージョンレート)の略(予約転換率)

※4 Compound Annual Growth Rate の略(年平均成長率)

※5 当該年において「インスタベース」を通じて予約が発生したスペース

 


 


 

③ ユーザーファーストなプロダクト開発

「インスタベース」はすべて社内で企画し開発しており、柔軟かつ迅速な開発が行える体制を構築しております。マッチングプラットフォームとしてスペース利用者及びスペース掲載者の利便性向上のための機能やシステムの開発を中心に、安心かつ安定したサービスを提供するための基幹システムの構築及び運用を行っております。

また、WEBサービスと合わせてスマートフォン向けアプリケーションの提供や、法人・個人問わずより多くの方にご利用いただけるよう多種多様な決済方法の提供など、サービス利用者のニーズに合わせたインターフェース及び機能の開発を行っており、日々サービスの利便性向上に努めております。

さらに、AI(人工知能)画像判定を活用したスペースの検索結果の最適化(特許出願中)によりマッチングプラットフォームとしてのマッチング精度向上や、スペース予約と同時に飲食物をシームレスに予約できるシステム(特許取得済)によりスペース利用者に対するレンタルスペースの利用機会の創出及び利便性の向上にも取り組んでおります。

 

(5) プラットフォームサービスとしての健全性

当社ではスペース掲載者及びスペース利用者への法令及び公序良俗の遵守を促し、適切かつ健全なレンタルスペース利用の向上に努めております。スペース利用者及びスペース掲載者の双方に対する規約を整備するとともに、双方からの問い合わせに対応する部門を設置し、法令や規約の禁止事項等に抵触する恐れのある問い合わせや行為が発覚した場合には、顧問弁護士等の専門家と連携して解決に努めております。

また、反社会的勢力の排除にも努めており、反社会的勢力に対する基本方針を定めて役職員への周知徹底やコンプライアンス研修の実施により社内での理解を深めております。プラットフォームサービスとして、スペース掲載者の本人確認による実在性確認及び反社会的勢力排除への取り組みも実施しております。

さらに、スペース利用後にスペース利用者はスペース掲載者に対して、スペース掲載者はスペース利用者に対して相互にレビューができる仕組みを提供しており、適切なレビューが行われるようにチェック体制も整え、健全なプラットフォームの運営に努めております。

 

[事業系統図]

マッチングプラットフォーム事業「インスタベース」

 


 

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

 

2022年9月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

27

(3)

33.3

2.3

6,910

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイト及び人材会社からの派遣社員)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社の事業セグメントは、マッチングプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。

4.最近日までの1年間において従業員数が5名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。