第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

2017年9月

2018年9月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

売上高(千円)

    438,963

    567,572

    650,596

    687,669

  1,001,290

経常利益(千円)

     11,096

     51,936

     48,097

     18,675

    230,936

当期純利益(千円)

      7,721

     44,009

     34,178

     15,497

    156,416

持分法を適用した場合の投資利益(千円)

資本金(千円)

     78,400

     78,400

     78,400

     78,400

     78,400

発行済株式総数(株)

    968,000

    968,000

    968,000

    968,000

    968,000

純資産額(千円)

     63,627

    107,636

    141,815

    147,632

    300,176

総資産額(千円)

    255,820

    270,658

    320,058

    461,416

    730,274

1株当たり純資産額(円)

      65.73

     111.20

     146.50

     152.51

     310.10

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)(円)

          0

          0

       10.0

        4.0

       50.0

       (-)

       (-)

       (-)

       (-)

       (-)

1株当たり当期純利益(円)

       7.98

      45.46

      35.31

      16.01

     161.59

潜在株式調整後
 1株当たり当期純利益(円)

自己資本比率(%)

       24.9

       39.8

       44.3

       32.0

       41.1

自己資本利益率(%)

       12.9

       51.4

       27.4

       10.7

       69.9

株価収益率(倍)

配当性向(%)

       28.3

       25.0

       30.9

営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)

     46,966

    295,803

投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)

   △36,858

   △11,433

財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)

     95,837

   △49,098

現金及び現金同等物の期末残高(千円)

    228,789

    464,061

従業員数(名)
 〔外、平均臨時雇用者数〕

         16

         20

         27

         34

         40

     〔-〕

     〔-〕

     〔-〕

     〔-〕

     〔-〕

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.売上高には、消費税等は含まれておりません。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、新株予約権の残高がありますが、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

4.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。

5.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

6.第13期、第14期は配当を実施しておりませんので、1株当たり配当額及び配当性向については記載しておりません。

7.主要な経営指標等の推移のうち、第13期から第15期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査は、受けておりません。

8.前事業年度(第16期)及び当事業年度(第17期)の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けておりますが、第13期から第15期の財務諸表については、当該監査を受けておりません。

9.第13期、第14期及び第15期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

 

2 【沿革】

 当社は、2005年4月に「より良い社会を実現するための、より良い組織創りの追求者であること」をミッションとして、法人顧客向けにコーチング・サービスを行うことを目的として設立いたしました。より良い社会を創造していくには、その構成要素となる組織の生産性を高め、より良い組織を一つでも多く創っていくことが、地道でありながら最も確実な方法と考えております。具体的には、マネジメントを実践するリーダーの皆様にさらに素晴らしいリーダーになって頂くため、そして、リーダーの皆様に組織開発の実践的な考え方やノウハウを駆使していただき、組織の生産性をより高めて頂くためのサービスを開発・提供する事業を展開しております。

 設立以後の当社に係る経緯は、次のとおりであります。

 

年月

概要

2005年4月

東京都千代田区麹町三丁目にコーチング・サービスを事業目的としたビジネスコーチ株式会社(資本金29百万円)を設立して、法人顧客向けに1対n型コーチングを販売開始。

2005年8月

第三者割当増資を実施、資本金42.4百万円

2006年7月

「ビジネスコーチスクール」を開講し、個人向けにビジネスコーチングスキルの教授を開始。

2009年4月

「エグゼクティブコーチング」法人顧客の経営幹部を対象としたコーチングサービスの提供を開始。

2013年5月

現在地に本社を移転

2015年1月

「人事コンサルティング」として、法人顧客向けに人事制度コンサルティング及び評価者研修サービスの提供を開始。

2016年4月

株式分割(1:1,000)を実施

第三者割当増資を実施、資本金78.4百万円

2016年11月

「クラウドコーチング」システムによる、テキストベースのオンラインコーチングサービスの提供を開始。

2017年4月

日経ビジネススクール「ビジネスコーチ養成講座」を開講し、個人顧客向けにコーチング実践スキルの教授を開始。

2018年1月

アセスメントツール「DiSC」(HRD株式会社)の販売開始

2018年2月

アセスメントツール「ProfileXT」(プロファイルズ株式会社)の販売開始

2019年11月

1on1導入支援ツールとして1on1動画を製作、販売開始

2019年12月

アセスメントツール「wevox」(株式会社アトラエ)の販売開始

2020年8月

WEB会議システムを活用した「オンラインコーチング」サービス開始

 

 

 

3 【事業の内容】

 当社は2021年9月に、創業時のミッションを時代の変化に対応して見直し、「一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする」ことをパーパス(当社の存在意義)とし、下記のビジョンとミッションを掲げて事業を展開しております。

 

 ビジョン :一人ひとりにビジネスコーチがついている社会を実現する

 ミッション:プロフェッショナルチームとテクノロジーの力で、一人ひとりに最適なビジネスコーチングを提供する

 

また、これらを端的に現わす言葉として「あなたに、一人の、ビジネスコーチ」をコーポレートスローガンにしております。

 

ビジネスコーチングとは、「ビジネス目標を達成するために、クライアント(人と組織)の行動変容を支援する行為」です。ビジネスコーチとは、「ビジネスコーチングを提供できる実践知とスキルを有する人」です。

                                             (出典:橋場 剛著「ビジネスコーチング大全」株式会社日経BP)

 

ビジネスコーチングは、特定の業種・事業分野のスキル向上を目的としたものではなく、ビジネス全般のあらゆるシーンにおいて、経営層から新入社員まで、ビジネスパーソンの一人ひとりの力を最大限に引き出すアプローチで実施するサービスです。

 

ビジネスコーチングは、コーチング対象者(クライアント)がビジネス目標を達成するために、

(フェーズ1)自己の行動変容を実現する必要があることに気付く

(フェーズ2)目標として定めた行動変容を実践して効果があることを確認する

(フェーズ3)行動変容を継続し、定着させて成果に繋げる

というプロセスをコーチが意図的に実現させる行為です。

 

ビジネスコーチングは、①観察、②承認、③傾聴、④質問の4つのコミュニケーションスキルを活用して信頼関係を醸成し、心理的安全性を確保しながら、コーチ個人が有するヒューマンスキル、テクニカルスキル及び実践知を活用してクライアントの行動変容を支援します。

 

コーチによる質問とクライアントの回答でステップは進んでいきますが、コーチは、クライアントの回答が適切である場合、クライアントが実は真の課題を認識していない場合、クライアントとクライアントのステークホルダーとの関係の質がギャップの原因である場合等を想定しながら、クライアントの「思考の枠を外す」質問をして適切な解決策を考え、実行可能な行動計画を立てる支援を行います。

 

「思考の枠を外す」とは、課題の視野、視座、視点という3次元の変化を質問することで明確にし、一人では、あるいは同一組織内では思考が及ばなかった領域から課題を考え直すことです。

優れたコーチは、学びと経験から思考の枠を外す質問を数多く持ち、クライアントに合わせて瞬時に適切な質問を選択して問うことでクライアントに気付きをもたらし、成果に繋げることができます。

 

当社は、ビジネスコーチングを中心とした人材開発事業を主な事業として取り組み、人と組織の生産性向上支援に向けた最適なビジネスコーチングを提供しています。

一人ひとりのビジネス目標達成のための行動変容を支援し、きめ細かなフォローアップで研修とは一線を画すサービスを提供しています。

 

「ビジネスコーチング」と「研修」、「コンサルティング」はその目的が明確に異なるため、改題解決のためのアプローチも異なります。研修は、講師が受講者の求める知識を「インプット」するアプローチであり、コンサルティングは、コンサルタントが顧客に対して専門的な情報提供を行い「診断」や「処方」するアプローチですが、コーチングは、コーチが承認・傾聴・質問等のプロセスによりコーチング対象者(クライアント)に「気づき」をもたらし、クライアントの「行動変容」のアイデアを引き出し、「自発的な行動」を促すアプローチを取ります。

 

ビジネスコーチングには、一人のコーチが一人のクライアントに対してコーチングを実施する1対1型が基本的なサービス提供形態で、クライアント個人の業務上の課題解決に関する質問等のコーチングプロセスを実施し、コーチがクライアントの中にある意思やアイデア、能力、魅力等に気づかせ引き出すことでクライアントが必要とする行動変容が習慣化し、定着して成果を実現するまで支援することを目的とします。

 

一人のコーチがクライアントのグループに対してコーチングを実施する1対n型では、コーチはグループ共通の課題に対して質問等のコーチングプロセスを実施し、クライアントは自分自身の考えだけでなく、他者の考えも聞くことでより多様な「気づき」を引き出すコーチングの提供形態です。

 1対n型コーチングでは、1on1ミーティング(上司と部下が、部下の成長支援のために定期的に実施するミーティング)においてコーチング対象者(クライアント)である管理職が、部下または後輩との双方向の関わりを通して、部下または後輩の成長支援、目標達成、問題解決、技能向上の促進を援助するコミュニケーションを行い、部下の中にある意思やアイデア、能力、魅力等に気づかせ引き出す関わりを実践することの重要性や効果を体験的に習得することを目的とした実施が主流になっています。

ビジネスコーチングを学び、行動の内省と見直しを行い、気付きを得て行動変容し、個人の成長支援により組織力を向上することで好循環サイクルが生まれます。この継続こそが組織成長の源泉になると考えております。

 

人材開発市場においては、テレワーク環境となって組織内コミュニケーションの課題(日常的な会話機会の減少による情報不足、人間関係希薄化、業務効率の悪化等)が具現化し、その解決策としてコーチングの理論と技術を活用した1on1ミーティングが注目されております。更に、2020年9月に経済産業省が発表した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書~ 人材版伊藤レポート ~」から始まった人的資本に対する関心が、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードにおいて人的資本の情報開示が求められたことで更に高まり、人的資本の強化策を求める企業の具体的なニーズとしてビジネスコーチングに対する期待が広がることが想定されます。

 

 当社が提供するサービスは、下図1のとおり、ビジネスコーチングのフェーズ × サービス型(1対1型と1対n型)のマトリックスで構成されています。

                                                 (図1)

 


 

1.エグゼクティブコーチング

 <サービスの概要>

1対1型、主にフェーズ2のサービスです。

エグゼクティブコーチングは、企業のトップおよび経営幹部クラスの方が、より一層優れたリーダーとして周囲に肯定的な影響を及ぼせるようになるために意識変革・行動変容を行っていただくプログラムです。

組織にとってより良い行動を促し、より良い影響を生みだすことを目的とします。組織が変わるためには、トップ自身・経営幹部自身の変革が不可欠であるため、ここ数年多くのお問い合わせを受けているプログラムです。

 エグゼクティブコーチングはコーチング対象者(クライアント)とコーチの1対1の形式で実施され、下図2の通り、通常約6ヶ月間を1サイクルとして2回実施し、1年程度にわたって実施されるプログラムです。

一般的なコーチングとの大きな違いは、コーチングの事前と事後にステークホルダーに対するヒアリングを実施することです。コーチングの目的が「リーダーとして周囲に肯定的な影響力を及ぼす」ことにあるため、周囲の方々がコーチングの対象となるリーダーの言動についてどのように評価しているかが成果を測る上で重要な指標となります。

                                            (図2)


 

エグゼクティブコーチングにおける典型的な課題例は下記の通りであります。

・リーダーとしての自己変革促進、悪癖改善、行動変容の定着化・習慣化

・経営幹部の若返り(マネジメント経験がないまま経営幹部へ昇格)による環境への適応

・様々な組織的要請(部下育成力強化、イノベーション促進、女性活躍推進、ダイバーシティ・多様化)への適応

 

当社が提供するエグゼクティブコーチングの特長は主に以下の3点であると考えております。

 

特長1 大企業・外資系企業での経営・マネジメント経験豊富なパートナーコーチ陣

 エグゼクティブのコーチングのメソッドと経営理論を習得し、かつ豊富なリーダー経験と高いビジネススキルを持つ100名以上のビジネスプロフェッショナルが当社のパートナーコーチ(外部委託先)として登録されております。

パートナーコーチの過半は従業員規模1,000人超の企業出身であり、1/3以上は経営者、役員、部長職以上のバックグラウンドを持つコーチであります。

人と組織の生産性向上について、豊富な実践経験を有する人材が中心で、単なる質問に終始せず、必要に応じてアドバイスも行います。クライアント企業様の課題状況に合わせて柔軟にコーチングスタイルをカスタマイズさせていただき、実行や成果の実現にこだわります。

 

特長2 マーシャル・ゴールドスミス氏 × ビジネスコーチ

  エグゼクティブコーチングの第一人者であるマーシャル・ゴールドスミス氏にビジネスコーチングの教えを受け、当社のビジネスコーチングの実践経験から獲得した知見を体系化した、独自の行動変容プログラムを提供しています。

 

マーシャル・ゴールドスミス博士

 インディアナ大学MBA、UCLA博士号。エグゼクティブコーチングの第一人者。1976年から大学で教鞭をとるかたわら、専門とする「360度フィードバック」の手法を駆使してリーダーシップ能力開発プログラムに従事。米国における「エグゼクティブコーチングの先導者」と呼ばれる。1993年にはウォールストリート・ジャーナル紙から「エグゼクティブ教育のトップ10人」に、2004年には全米経営者協会から「過去80年間、マネジメント分野で最も影響を与えた50人の偉大な思想家・リーダー」に選ばれた。

 

 

特長3 クラウドコーチングを活用した行動変容の定着化支援

コーチング実施時のみならず、コーチング実施期間中は行動変容の定着化を促進するためのツールを活用したコーチングを継続的に提供しています。コーチングの日々の取組み状況がクラウド上にデータ保管され、効果測定にも有効です。

エグゼクティブコーチングの料金は、1クール(2ヶ月間に3回のコーチングセッション、及びセッション間のクラウドコーチングを利用したフォローアップ)を基本単位として、クール数と対応するコーチによって価格を定めています。また、コーチングの成果を得る確度を高めるため、基本的に2クール以上でご提案しています。

 

<サービスの効果>

役職や地位が上がれば上がるほど、部下からフィードバックを受ける機会は少なくなります。エグゼクティブコーチングでは、ステークホルダーからコーチング対象者の強み・課題を聞き、当該対象者固有の強化ポイントを特定し、その部分について焦点を当ててコーチングを行います。完全なオーダーメイドのプログラムであり、管理職研修では解決できない固有の課題について扱うことで、当該リーダーのパフォーマンスを向上させることが可能になります。

 

2.ビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチング

<サービスの概要>

1対1型、主にフェーズ2で提供するサービスですが、フェーズ3において、フォローアップのために提供する場合もあります。

ビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチングとは、コーチング対象者(クライアント)1名に対して当社のパートナーコーチが、オンラインで月1回のビジネスコーチングを提供するサービスです(下図3参照)。

コーチングで決定したアクションプランの実行状況はクラウドコーチングを利用して管理し、クライアントがリーダー(部下がいる、チームを率いる役目を負っているクライアント)であるか、ビジネスパーソン(自己の目標達成を課題とするクライアント)であるかにより求める行動変容の内容が異なるため、各クライアントの状況に応じて、コーチのバックグランドと経験を基準に担当するコーチを決定しています。

 

                                             (図3)


 

ビジネスリーダー/パーソンコーチングでは、クライアントの目標達成に特化したコーチングを提供します。目標には、達成のために最適な行動プロセスあるいは行動様式が必ず存在します。つまり、目標を達成するためには、常に自らの状況を俯瞰して、どのような行動をとるべきか、どのように行動すべきかの次の一手を打ち続ける必要があります。

次の一手を打ち続けるには、このような「自己への問いかけ」を臨機応変に繰り出すことが効果的です。

しかし、日々の業務に取組みながらこれを実行するのは容易ではありません。そこで、コーチングを受けることで、目標達成のための最適な自己への問いかけによる効果を、負担を感じることなく得ることができます。

 

ビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチングの料金は、3ヶ月間(毎月1回のコーチングセッション)が基本単位で、役職(部長職、課長職、非管理職)別の単価を設定しています。

 

<サービスの効果>

クライアントのキャリア・個性に合ったビジネス経験豊富なコーチが、ときにアドバイスを交えながら、課題を解決して目標達成につながる行動変容を継続的にサポートすることで、下記のような効果が期待できます。

 

 

① ビジネスリーダーコーチング

リーダーとして、コーチングと日々の振り返り機能による内省を通じて自己変革のための習慣が身に付き、無自覚であったリーダーとしての悪癖がメタ認知力(自分の認知活動を客観的にとらえる力)の向上により改善され、コーチングセッションと内省を繰り返すことにより物事を客観的に分析してその本質から最適解を見出す能力が向上するといった効果が期待できます。また、コーチに具体的な部下への接し方の相談ができるとともに、コーチングセッションの経験を自身の手法に反映させることで部下育成力の向上が期待できます。

 

② ビジネスパーソンコーチング

コーチによるコーチングと日々のふりかえり機能による内省を通じて自己変革のための習慣が身に付き、コーチングによる「気づき」や内省によって業務の意義を理解して、より主体性をもって業務に臨むことが期待できます。コーチがユーザーの抱えている悩みなど相談を受けることで心身の状態が記録され、メンタル不調予防の早期の対応や離職に繋がる原因を明らかにでき、組織対応で改善策を導き出すことができます。

 

3.ビジネスコーチングプログラム

<サービスの概要>

1対n型、主にフェーズ2のサービスですが、既に1on1ミーティングを導入している企業の1on1ミーティングの運用課題の解決を目的としている場合はフェーズ1として実施されることもあります。

ビジネスコーチングプログラムでは、マネジメント層・管理職・リーダーが短期間で“Good Coach”として機能し、企業における1on1ミーティングが効果的に実施できるように、組織への1on1導入のポイントを学び、実践的スキルの修得機会を提供いたします。

マネジメント層・管理職・リーダーが企業において“Good Coach”として「対話の質向上」に効果的に取り組んでいただくため、1on1導入の目的・狙い・哲学(フィロソフィー)に合わせて、完全オーダーメイドで企画し、展開いたします。カスタマイズの代表的な事例は下図4のとおりです。

 

ビジネスコーチングプログラムは、コーチと受講者の対話や受講者同士の対話を中心に進めることから1回30名を上限としてサービス提供しています。そのため、料金はプログラム単価×実施回数により決定いたします。

また、顧客がビジネスコーチングプログラムを特定の組織課題解決を意図して実施する場合は、基本となる行動変容コーチングにカスタマイズ項目を組み込むご提案も致します。カスタマイズに関しては、カスタマイズ作業のボリュームに応じて追加で料金を頂いております。

 

                                               (図4)


 

 

プログラムは、主に以下の4つのプログラムの一部または全部から構成されます。

・プログラム1:「1on1実践スキル研修」による1on1の進め方の修得(最短1日~最大5日程度)

・プログラム2:「1on1コーチング」による個別に設定されたテーマに関する課題解決や気づきの獲得

・プログラム3:「社内コーチ育成研修」による社内コーチ認定制度・資格制度のご提供

・プログラム4:「クラウドコーチング」を用いた1on1ミーティング実践の定着と浸透

 

<サービスの効果>

 得られる効果は1on1ミーティングの導入の目的によって異なってきますが、これまでに導入された企業においては、自律型社員の増加、退職率の低減、1on1ミーティングの対話の質の向上、クラウドコーチングによる目標・自己変革項目の「見える化」による成果に繋がる変革の確認、職場の活性化といった効果を実現しています。

 

4.クラウドコーチング

<サービスの概要>

1対1型、フェーズ2のインフラとして、フェーズ3のフォローアップツールとして提供しています。

クラウドコーチングシステムは、行動変容の目標を立て、目標行動の実行を記録することで、日次・週次の振り返りを行い、コーチ等のコミュニケーションにより目標実現の確度を高めるためのシステムです。エグゼクティブコーチングやビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチングで利用しています。

クラウドコーチングは、当社が企画・立案し、ITベンダーにシステムの設計・開発・運用・保守を委託しているクラウドシステムです。クラウドシステムのため、毎年、機能追加・改善のためのシステム投資を行っており、今後も継続的に投資していく予定です。

販売料金は、エグゼクティブコーチングやビジネスリーダー/パーソンコーチングの料金に含まれています。

 

5.マイクロラーニング

<サービスの概要>

1対n型、主にフェーズ2のサービスですが、フェーズ1で事前学習用として、フェーズ3で復習用として利用する場合もあります。

当社のマイクロラーニングは、ビジネスコーチングプログラムの一部である「1on1実践スキル研修」でご提供している内容のエッセンスをまとめた動画、及び1on1を実践する中で頻度高く発生する問題や困りごとの対応を解説した動画で構成された1on1動画が中心となっています。

なお、1on1動画の内容は第1部 1on1ミーティングの意義、第2部 1on1ミーティングの進め方、第3部 ケーススタディ、第4部 テレワーク中の1on1ミーティング、の4部構成になっています。

 

動画本数は70本で、毎月1本以上の動画を追加しており、今後3年でコンテンツ数を倍増する予定であります。

本サービスは、当社が管理する動画配信システムに顧客従業員がアクセスして視聴する権利をサブスクリプション契約で提供しており、1年契約で顧客企業の従業員数に応じた年間利用料金を定めて販売しています。

なお、顧客が自社のLMS(学習管理システム)を活用されており、新たな動画配信システムの利用を希望されない場合は、顧客のLMS上で利用できるように動画データの販売も行っております。

 

 

6.個人アセスメント(事前・事後)

 <サービスの概要>

1対1型、フェーズ1(事前)とフェーズ3(事後)に提供するサービスです。

個人特性を測定するサービスとしてCP360, ProfileXT(いずれもプロファイルズ株式会社)、DiSC(HRD株式会社)を提供しています。社員等の能力発揮や組織フィットの検討材料が不十分な場合に、能力特性、コミュニケーション特性、ステークホルダーの認識といった情報を体系的に取得することで、コーチングにより実現すべき行動変容項目の検討を効果的に実施することができます。

 

サービス名

アセスメント項目

料金体系

CP360

リーダーシップコンピテンシ―

1回単価×回数

ProfileXT

個人の行動特性や思考スタイル、仕事への興味等

1回単価×回数

DiSC

コミュニケーションスタイル

1回単価×回数

 

 

7.組織アセスメント(事前・事後)

<サービスの概要>

1対n型、フェーズ1(事前)とフェーズ3(事後)に提供するサービスです。

組織のエンゲージメントを測定するサービスとしてwevox(株式会社アトラエ)、スマレビ360(株式会社シーベース)を提供しています。組織の健康診断として、エンゲージメント向上を実現するために着目すべきポイントを明確にすることができます。

 

サービス名

サービスの効果

料金体系

wevox

組織・職場、全体の状態についての設問で職場の健康診断を実施

人数×月額料金

スマレビ360

管理職のマネジメントに関する設問を組織メンバーが回答し、組織の管理職個人に対する認知を診断

年間基本料金+  人数×単価

 

 

8.導入ガイダンス

<サービスの概要>

1対n型、フェーズ1のサービスです。

1on1ミーティングとは、管理職やリーダーがメンバーに対して目指すチーム像を示し、“Good Coach”として価値観が異なる部下一人ひとりの能力の開放や動機づけを支援するコミュニケーションを実践することです。

社員の自律化・自立化を促進するために、管理職が“Good Coach”となり、部下の個人の「力や魅力の発揮・解放」を実現し、その部下がリスクを取りチャレンジできる環境づくりを推進する必要があります。

つまり、管理職やリーダー層が“Good Coach”であることがすべての起点となります。

これにより、管理職やリーダーと部下との更なる信頼関係構築などを目標としていますが、中長期的には個人の成果から、グループやチームの成果へ遷移し、組織全体の成果創出を狙います。

1on1導入ガイダンスは、1on1を導入する企業に対して、1on1に関する考え方を解説し、やり方を見せることにより1on1導入を支援するサービスです。1on1導入に係る目的を明確にして業務進捗確認面談や評価面談等との差を明らかにしたうえで、やり方の手本を見せてロールプレイで実践して頂くことにより1on1導入に係る不明・不安を解消します。

 

 

9.コーチングダイアログレビュー

<サービスの概要>

1対n型、フェーズ3のサービスです。

ビジネスコーチングプログラムで学び、社内で1on1ミーティングを実施している管理職やリーダーが、実際に“Good Coach”として機能しているかを確認し、レベルアップに導くためのサービスです。

管理職やリーダーが、部下を相手に1on1ミーティングを実施する際に、部下の同意の上で対話を録画または録音して、事後に対話の開始から15分程度を書き起こします。更にその対話を振り返りながら、その時々にどのようなことを考えたのか、感じたのか、コメントを加えレポートにします。このレポートを提出すると、コーチが内容をレビューしてコメントを返すサービスで、料金体系は、レビュー単価にレビュー実施数を乗じて決定しています。

 

現在、オンラインでコーチングを実施する時のコーチとクライアントの様子を動画に記録し、表情を始めとする両者の感情の動きを分析するAIを活用し、コーチングの客観的評価やコーチとクライアントのマッチングの相性を分析するサービスを株式会社I’mbesideyouと共同で開発中しています。このAI分析は、上司と部下の1on1にも利用できるので、サービスが実用化された場合は一層効果的なコーチングダイアログレビューを提供できる予定です。

 

10. 人事コンサルティング

<サービスの概要>

企業にとって人は貴重で希少な財産ですが、従業員の処遇を決める人事制度は、時代や組織の変化に対応して新しい制度の整備が必要です。コーチングによって組織が変革するときも、より適した人事制度が求められる可能性が高いと考えています。

人事コンサルティングサービスでは、このようなニーズに対して豊富なコンサルティング経験を持つコンサルタントが、人事制度改革・運用の実現に向け強力に実行支援いたします。

コンサルティング料金は、コンサルティング対象範囲と課題の複雑性に応じて個別見積もりにより決定しております。

 

11. 公開セミナー

<サービスの概要>

ビジネスコーチングに関する知識習得を目的とした公開セミナーを開催し、個人顧客にサービス提供しています。

 

12. コーチング資格取得プログラム

<サービスの概要>

ビジネスコーチを職業としたい方に向けて、ビジネスコーチングプログラムとして、単なる知識の習得ではなく、コーチになるための実践的なプログラムを提供し、資格試験(筆記と実技)に合格した方に当社認定資格を発行しています。

 

 

<当社の強み>

文中の当社の強みに関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

当社のビジネスコーチングは、安定的な顧客基盤に加えて下記のような特徴があり、競合他社と比較して優位性があると考えております。

 

①    コーチ陣の品質

(1)  100名以上のパートナーコーチ(業務委託先である外部コーチ)は、過半は従業員規模1,000名以上の企業出身企業人であり、1/3以上は経営者、役員または部長経験者として豊富な実践経験を有する人材が中心であります。

(2)  顧客企業の当社コーチングスクール(2006年に開始したコーチングスキル習得のためスクール事業で、現在はプロフェッショナルコーチを養成するエグゼクティブコーチングプログラムに発展)の卒業生を中心にパートナーコーチ陣を発掘し、陣容拡大を推進しており、今後のニーズ拡大にも対応できる体制を構築しております。

(3)  パートナーコーチは一定の選抜試験を経て契約しております。その後もコンテンツの品質摺り合わせのため、定期的な研修やフィードバックの機会を設けて品質維持に取り組んでおります。

(4)  パートナーコーチは業務委託先ながら、フォーマット化された内容をベースにコーチングするため、クライアントには一定以上の品質とスキルが担保されたサービスを提供できる運用をしております。

 


 

②    サービスのカスタマイズ力

(1)  ビジネスコーチングの基本は行動変容コーチングです。

(2)  基本のカスタマイズは、6つの組織課題別に各10以上の選択肢を用意しており、カスタマイズコーチングは、6つの組織課題別に10以上の選択肢を用意しており、カスタマイズ項目を付加することでコーチング対象者毎に最適なコーチングを提供可能です。

 

③    習慣化・定着化のためのフォローアップサービスの充実

(1)  行動変容の習慣化・定着化のカギを握るのは、継続的なフォローアップの充実度です。 「フェーズ1・2・3」体系によるフォローアップによりコーチング成果の極大化を致します。

(2)  クライアントサクセス担当者が、クライアントのコーチング実施のアレンジや、各種レポートを活用したコーチング成果の習慣化・定着化をご支援しております。

 

 

 

 

 

<事業系統図>

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

2022年7月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

41

36.4

3.3

6,286

 

 

(注) 1.従業員数は、正社員数及びアルバイト社員数の合計就業人員数で、派遣社員を除いております。

2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3.当社は人材開発事業の単一セグメントとなるため、セグメント毎の従業員数の記載については、省略しております。

 

(2) 労働組合の状況

当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。