第二部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第5期

第6期

第7期

第8期

第9期

決算年月

2017年1月

2018年1月

2019年1月

2020年1月

2021年1月

売上高

(千円)

563,415

776,000

1,264,319

2,359,209

5,479,467

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

22,892

7,331

12,144

190,230

136,237

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

25,827

2,462

34,209

193,828

146,616

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

444,000

444,000

444,000

769,800

769,800

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

5,520

5,520

5,520

5,520

5,520

A種優先株式

543

543

純資産額

(千円)

420,511

422,973

388,764

846,535

699,919

総資産額

(千円)

441,548

436,937

742,475

1,331,009

2,093,692

1株当たり純資産額

(円)

76,179.58

76,625.67

70,428.31

17.66

4.38

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

4,678.97

446.09

6,197.36

16.10

12.09

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

95.2

96.8

52.4

63.6

33.4

自己資本利益率

(%)

0.5

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

105,067

114,160

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

32,813

90,890

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

651,579

110

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

969,962

989,180

従業員数

(人)

16

23

24

33

35

(外、平均臨時雇用者数)

(3)

(3)

(4)

(4)

(6)

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.売上高には、消費税等は含まれておりません。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。

4.2021年9月29日付で、A種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、全てのA種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、2021年9月30日付で当該A種優先株式の全てを消却しております。

5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

7.自己資本利益率については、第5期、第7期、第8期及び第9期は当期純損失を計上しているため記載して おりません。 

8.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

9.第5期、第6期及び第7期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・ フローに係る各項目については記載しておりません。

10.主要な経営指標等のうち、第5期から第7期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくPwC京都監査法人の監査を受けておりません。

11.第8期及び第9期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38 年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC京都監査法人により監査を受けております。

12.第9期については、広告プロモーションやキャンペーン等の施策実施により、ポイント販売額及び使用額が大幅に伸長いたしましたが、比例して配信者への還元金額、各決済代行業者への支払手数料も増加するとともに、施策実施に伴う広告宣伝費及び販売促進費も大幅に増加したため、経常損失及び当期純損失を計上しておりますが、配信者への報酬及び預り金残高が第8期と比較し大きく増加したこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっております。

13.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員(アルバイト及び人材会社からの派遣社員)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

14.当社は、2021年10月1日付で普通株式1株につき2,000株の株式分割を行っておりますが、第8期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産及び1株当たり当期純損失(△)を算定しております。

15.2021年10月1日付で普通株式1株につき2,000株の株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申 請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133 号)に基づき、第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を 参考までに掲げると以下のとおりとなります。なお、第5期、第6期及び第7期の数値(1株当たり配当額 についてはすべての数値)については、PwC京都監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第5期

第6期

第7期

第8期

第9期

決算年月

2017年1月

2018年1月

2019年1月

2020年1月

2021年1月

1株当たり純資産額

(円)

38.09

38.31

35.21

17.66

4.38

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

△2.34

0.22

△3.10

△16.10

△12.09

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

 -

 -

 -

 -

 -

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

 -

(-)

 -

(-)

 -

(-)

 -

(-)

 -

(-)

 

2【沿革】

 当社創業者の赤松洋介は、2005年8月に当社の前身となるサイドフィード株式会社(現 Moi Labs 株式会社)を東京都千代田区内神田にて資本金20百万円で設立し、各種Webサービスの提供を開始しました。その後、2009年8月に、映像を見ながらラジコンカーをインターネット経由で遠隔操作できるサービス「Joker Racer」をリリースしました。2010年2月にはiPhoneが普及し始め、Joker Racerで培ったライブ配信の技術をiOSに移植することで、iPhoneのみで手軽にライブ配信を実現できる環境が整ったと判断し、ライブ配信コミュニケーションプラットフォームサービス「TwitCasting」(通称「ツイキャス」)をリリースしました。その後、事業を「ツイキャス」に集中するため、資本金10百万円でサイドフィード株式会社からの会社分割にて当社を設立しました。

 以下は当社設立以降の沿革となります。

 

年月

概要

2012年2月

 

2012年5月

2013年11月

2014年9月

2015年4月

2015年4月

2017年8月

2018年6月

2019年2月

2019年3月

2019年8月

2020年3月

2020年7月

2020年10月

 

2020年11月

2021年3月

 

2021年4月

2021年5月

2021年8月

東京都千代田区において資本金10百万円でサイドフィード株式会社からの会社分割にて
モイ株式会社を設立

当社の完全子会社として、Moi Corporation(米国子会社)を設立

本社を東京都千代田区神田小川町に移転

本社を東京都千代田区神田司町に移転

CtoCチケット販売サービス「キャスマーケット」をリリース

「ツイキャス」の累積登録ユーザー数が1,000万人を突破

「ツイキャス」の累積登録ユーザー数が2,000万人を突破

ユーザーが「ツイキャス」を通じて収益化できる「ツイキャス・マネタイズ」機能をリリース

CtoCデジタルコンテンツ販売機能を「キャスマーケット」にてリリース

国内事業に集中するため、Moi Corporation(米国子会社)を清算

ゲーム実況アプリ「ツイキャスゲームズ」をリリース

ユーザーが自身の配信を有料販売できる「プレミア配信」を「キャスマーケット」にてリリース

「ツイキャス」の累積登録ユーザー数が3,000万人を突破

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク(Pマーク)」の付与認定

配信者を月額で支援できる「メンバーシップ」機能をリリース

ユーザーが同時にアニメを視聴しながらコミュニケーションを楽しむことができる「ツイキャスアニメ」を開始

配信者バーチャル化支援プロジェクト「ツイキャス100V」を開始

「ツイキャス」の音声SNS機能として「ツイキャス・コール」機能をリリース

「ツイキャス」の日本語版サービス正式名称を「TwitCasting」からカタカナの「ツイキャス」に変更

 

3【事業の内容】

 当社は、「人と人をつなげて世界中の人々の生活を豊かに変えます」というミッションのもと、あらゆる人の集まりをオンライン化し、快適に双方向のコミュニケーションを行える場の提供、及びその利用者が様々なコミュニケーション活動をすることにより経済が発生する仕組みの実現を目指して、ライブ配信(*1)サービス「ツイキャス」のサービス企画、開発、運営を主たる業務としております。当社は、「ツイキャス」をライブ配信コミュニケーションプラットフォームと位置づけており、また、ライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであります。

 

(補足)*1「ライブ配信」とは、PCやスマートフォンから、映像と音声をリアルタイムに他者へ届けることです。「動画」と比較し、ライブ配信をする側と視聴する側の間でよりリアルタイム性に特化したやりとりをすることが可能となっています。

 

(1) 当社の事業内容

 当社が運営する「ツイキャス」は、ユーザーが、PC、スマートフォン、タブレット等からウェブブラウザや専用のアプリを使って、動画や静止画・音声をライブ配信することができるサービスです。ユーザーは自ら実際にライブ配信を行う配信者とそのライブ配信された動画や音声を視聴する視聴者に大別されます。ユーザーはライブ配信及びライブ配信の視聴を原則として無料で行うことができます。配信者によるライブ配信は、原則として「ツイキャス」内で全てのユーザーが自由に視聴することができます。視聴者は、ライブ配信画面内に設置されているコメント機能やアイテム機能を用いて、配信者や他の視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能です。また、配信者は、「ライブ収益」機能を通して、ライブ配信を収益化することも可能です。「ライブ収益」とは、自身のライブ配信において使用されたアイテム数や配信の録画が閲覧された回数など一定の条件に従って当社から報酬を支払う仕組みを指します。

 当社では「ツイキャス」を構成するアプリ・ウェブサイトとして、主に以下を運営しております。

 

名称

概要

ツイキャス・ライブ

 

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種別:アプリ(iOS版)

 

「ツイキャス」で、ライブ配信できるアプリです。誰でも手軽に配信できるようにアプリを立ち上げてからボタン一つで配信の開始ができるように設計されています。

ツイキャス・ビュワー

 

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種別:アプリ(iOS版)

 

「ツイキャス」で配信されているライブ配信を見るためのアプリです。

アプリを開くと、初めのページに現在配信中のライブ配信の一覧が表示されていて、視聴者は見たい配信をタップすると映像や音声が流れてきて視聴を開始できます。

いわゆる「お気に入り」機能もあり、視聴者は好きな配信者をお気に入り登録(「ツイキャス」では「サポーター登録」と呼称しています)することにより、登録した配信者が配信中の場合は、アプリのトップページに表示させる、ライブ配信を開始すると、自分の端末に通知が届くといった利点があります。

 

ツイキャス

 

0201010_003.png

 

種別:アプリ(Android版)

 

「ツイキャス」でライブ配信・視聴の両方ができるアプリです。Android版があります。

 

※上に記載の「ツイキャス・ライブ」アプリ及び「ツイキャス・ビュワー」アプリの統合版です。

 

twitcasting.tv

 

0201010_004.png

 

「ツイキャス」をウェブブラウザで利用するためのサイトです。

PC、スマートフォン、タブレット等からアクセスしてライブ配信やライブ配信の視聴ができます。

 

ツイキャスゲームズ

 

0201010_005.png

 

種別:アプリ(iOS版・Android版)

 

「ツイキャス」でゲーム実況(*1)を行うことに特化したアプリです。

配信者は、スマートフォンで提供されるゲームアプリをプレイしながら、自身のスマートフォンの画面をライブ配信することができ、ゲームの解説をしたり、視聴者のコメントを参考にしながらゲームの攻略を考えたりすることができます。

 

※1「ゲーム実況」とは、ゲームをプレイしている配信者が、そのゲーム画面をライブ配信サイト等で配信しながらゲーム内容について話す、またその配信に対して視聴者が実況コメントや感想コメントを投稿することを指します。

 

 

 

0201010_006.png   0201010_007.png

ツイキャス・ビュワー       ツイキャス・ライブ

 

 

 「ツイキャス」は、2010年のサービス開始以来、10代・20代前半の男女を中心に、ユーザーを獲得しており、2021年7月末時点の累積登録ユーザー数は3,360万に達しております。

 

0201010_008.png

 

 

 (注) 1.累積登録ユーザー数は、サービス開始以降、「ツイキャス」にログインしてサービスを利用した

      ユニークユーザー数を集計しており、2021年7月末時点の数値を記載しております。

    2.ユーザーの性別分布及び年齢分布は、2021年1月20日から2021年4月19日までの90日間を対象とした

      実績を集計しております。集計データは全て、Google LLCが提供するFirebaseから入手したものを

      利用しております。

 

 また、「ツイキャス」は、主要ライブ配信アプリ11タイトルのMAU比較(2020年6月時点)において、229万MAUで1位を獲得しております(出典:Business Insider「ツイキャス・ニコ生・SHOWROOM…コロナ禍の「ライブ配信アプリ」戦国時代。主要11タイトル徹底比較」2020年7月27日)。なお、MAUとは、Monthly Active Users(月間アクティブユーザー数)の略で、特定の月に1回以上の利用や活動(活動例:「ツイキャス」でログインや配信、コメント、視聴など)があったユーザーの数を指します。

 

 さらに当社では、「ツイキャス」に付随する様々なサービスを提供しております。

 2015年4月には、「ツイキャス」を利用する一般ユーザーが、コンサート、オフ会(*1)などのオフラインで行われる各種イベントの電子チケットや自作のイラスト及び音楽等のデジタルデータを売買できるオンラインストア「キャスマーケット」を開設し、その後、2020年3月には、「ツイキャス」上で有料でライブ配信を行える「プレミア配信」機能を公開しました。「プレミア配信」では、単に有料コンテンツを一方的に見るだけではなく、ライブ主催者や参加者が一体となってコミュニケーションを楽しむという新しい価値を提供しており、ライブ配信の録画をアーカイブとして再販可能なユニークな特徴もあると当社は考えており、常時2,000件以上の開催予定が登録されています。また、登録される有料ライブ配信は、音楽にとどまらず、落語や演劇まで幅広い範囲に広がっており、30代後半以上のユーザー層が新たに「ツイキャス」を利用いただくきっかけとなっていると当社では分析しております。

 2020年11月には、一定条件を満たした配信者を、その配信者のファンである視聴者がサブスクリプション(月額課金)で継続的に応援することができる「メンバーシップ」機能の提供を開始しました。

 

(補足)*1「オフ会」とは、「ツイキャス」や各種SNSなどを通じてオンライン(仮想世界)で知り合った人と、現実世界(オフライン)で会うことを意味します。 実際に会ってメンバー間の親交を深めることが主な目的で、共通の趣味を持つ人と友達になれるといったメリットがあると当社では分析しております。

 

 

(2) 当社の事業の特徴

 「ツイキャス」では、SNS(*1)連携機能を活かし、ユーザー自身が「ツイキャス」上で展開されるライブ配信をSNS上で拡散することで、新たなユーザーの獲得につながるという特徴があります。また、ライブ配信においては、配信者が一方的にコンテンツを提供するのではなく、視聴者がコメント機能やアイテム機能を使用してライブ配信に積極的に参加することで、配信者、視聴者ともにリアルタイムなコミュニケーションを楽しむことができます。これらのコミュニケーションを通して、視聴者は「もっと応援したい」等の思いからアイテム機能等を利用して課金を行うことで配信者を応援し、配信者は「もっと応援してもらいたい」等の思いからより良い配信を行うサイクルが発生するという特長があると当社では分析しております。なお、視聴者がライブ配信を視聴中に利用できるアイテムは、以下のとおりであります。

 

(補足)*1 「SNS」とは、Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略で、インターネット上でコミュニケーションを行える場を提供するサービスのことです。例えば、短文投稿がメインのTwitter(ツイッター)、動画がメインのYouTube(ユーチューブ)、画像(写真)投稿がメインのInstagram(インスタグラム)や短時間動画がメインのTikTok(ティックトック)などがあります。「ツイキャス」では、TwitterやInstagramにて配信を宣伝(拡散)することが可能です。

 

アイテム名

説明

拍手

 

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クラッカー

 

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主に、配信を盛り上げるために使用されるアイテムです。

特にお茶は最も多く利用されるアイテムの1つであり、人気の理由は、配信へのねぎらいの意味を込めて 「ツイキャス」の文化として根付いていること、使用に必要なポイント数も少ないため気軽に使用できるためではないかと分析しております。

お茶

 

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花火

 

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お茶x10

 

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ケーキ

 

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コンティニューコイン

 

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配信ライブを延長するためのアイテムです。5枚集めると、ライブが30分間延長できます。まとめて使用可能な、コインの5枚セットも提供しています。

お茶爆50

 

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お茶爆100

 

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配信者の特別収益対象アイテムです。視聴者は、有料ポイントを1pt以上所持していると、無料ポイント分と合算し、アイテム使用に必要なポイントを充足することで使用可能です。

 

 

 

キャスくんスタンプ

 

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各スタンプには、平均して14ほどの種類があり、視聴者が使用するとその個数に応じて、使えるスタンプの種類が増えます。

 

「キャスくん」は「ツイキャス」のマスコットキャラクターです。キャスくんの他、他社のキャラクター等を利用したスタンプもあります。

 

スタンプには、表情豊かなキャラクターが使用されており、視聴者の感情(面白い、笑っている、悲しい、怒っているなど)の表現が可能となっています。

フレーム

 

0201010_019.png

 

配信者は、フレームを受け取ると、任意で画面上に表示させることができ、配信画面を彩ることができます。

なお、一部フレームには、春は桜の花びらを散らしたりといった画面上の演出(エフェクトの表示)が可能です。

こちらについても、他社のキャラクターを利用したフレームがあります。

 

 また、「ツイキャス」では、雑談、音楽、ゲーム配信など多様なジャンルでユーザー主導による独自文化が自発的に多数発生していると当社は分析しており、ユーザー同士が容易に自分の興味・関心に関するトピックを通じたコミュニケーションができる空間=ライブ配信を見つけることが可能になるように、100以上の配信カテゴリーを提供しています。配信者自身が、自身の配信ライブの内容を踏まえて配信カテゴリーを選択しており、同じような興味を持ったユーザー同士がお互いを見つけやすくなっています。主な配信カテゴリーは以下となります。

 

主なカテゴリー

顔出し

シニア

声真似(二次)

音楽:弾き語り

おえかき

パパ

学生

地声似

音楽:楽器演奏

コスプレ

ママ

お兄さん・
お姉さん

朗読

音楽:トーク

ハンドメイド

誰かかまって

イケボ

カップル・夫婦

ペット

料理・ごはん

雑談

癒し声

ゲーム

セクマイ
LGBTQ

作業枠

一般

低音ボイス

時事・ニュース・政治

男装

海外

JCJK

アニメ声

お悩み相談

 

 

 

 なお、ユーザー規模が大きい配信カテゴリー分野においては、「ツイキャスアニメ」(アニメの共有視聴体験をオンライン化)、「VTuber専用プログラム」(「ツイキャス」上でバーチャルキャラクターを使用してライブ配信を行うユーザーに対し各種優遇条件、機能等を提供する認証プログラム)、「ツイキャス100V」(配信者の魅力や個性を引き出してバーチャル化する支援プロジェクト)などを通して、当社としても積極的にサポートを行っております。

 

 また、「ツイキャス」は、快適なライブ配信コミュニケーションプラットフォームを実現するうえで、当社が重要であると考えるコミュニティ運営とインフラシステムに特徴を有しております。

 コミュニティ運営においては、10年間の運営ノウハウとそれらのシステム化を通した効率的かつ効果的なコミュニティ運営によりユーザーが安心して利用できるコミュニティの運営を推進しております。

 

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※サービス健全性の維持・改善について

 当社は、不特定多数のユーザーによるオンライン上のコミュニケーションの場として「ツイキャス」が活用されていることの重要性とリスクを十分理解した上で、配信者、視聴者が共に安心してコミュニケーションを楽しめるよう、プラットフォームの健全性維持・改善を常に最重要視しております。具体的には、ユーザーに対する啓蒙活動推進、ユーザーへのNG機能提供等を含めた配信者保護の仕組み、児童・未成年ユーザー保護対応、著作権違反が生じないための取り組み、24時間対応における社内外のモニタリング体制の強化、ユーザーや外部(警察や著作権者等)への通報・報告機能の提供等の施策を行っており、主な取組内容としては、以下となります。

 

トピック

主な取組内容

児童・未成年ユーザー保護対応

・ユーザー登録時に年齢確認を行い、未成年ユーザーに対して月間のポイント購入金額に上限を設定し未成年による多額のポイント購入を未然に防止

・児童ユーザーに対する出会い系コメントや露出を誘導するコメントをシステムで自動検知し、アカウントの自動規制や注意喚起を行うことで、児童被害の発生・拡大を防ぐ

・「ツイキャス」の収益化機能を通じて報酬を受け取ることができる対象を法人または18歳以上の個人に限定することで、児童ユーザーが金銭トラブルに巻き込まれるリスクを最小化

・15歳未満のユーザーに対してセンシティブ・コンテンツ(児童の視聴にふさわしくないコンテンツ)の表示制限を実施

配信者保護対応

・ライブ配信中のユーザー間トラブル発生を事前に防止する仕組みとして、特定のユーザーや単語をブロックできるNG機能を提供

・ライブ配信中の迷惑コメントをシステムで自動検知し、アカウントの自動規制を実施

・配信者が指定したユーザーが、その配信者のライブ配信内で投稿された迷惑コメントをリアルタイムで削除できる機能(モデレーター機能)を提供

ユーザー啓蒙活動推進

・利用規約やサービスを利用する上でのルールや注意事項を記載したコミュニティ・ガイドラインをはじめとする様々なガイドラインを設け禁止行為を明確にし、ユーザーに周知徹底するための啓蒙活動を継続的に実施

著作権保護対応

・著作権に関するガイドライン、楽曲利用に関する注意喚起ページ、ゲーム実況配信に関するガイドライン等を公開し、ユーザーに注意啓発を実施

・著作権者専用の通報フォームを設置し、著作権侵害行為に対して迅速に対応できる体制を構築

・著作権を有する権利団体や個別の会社との間で、サービス上の利用に関する包括契約を締結(包括契約締結の相手先、内容は、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 (1) 当社が締結している重要な契約」を参照ください)

サービス監視体制

・アウトソーシング(外部委託)の活用による24時間365日監視対応

・ユーザー等からの報告による違反行為の早期発見と早期対応

・無作為サンプリングによるリアルタイムでの配信監視の実施

・無作為サンプリング監視における音声のテキスト化の活用とテキスト監視体制

・アカウント規制判断基準の定期評価及び更新

ユーザー主導監視促進

・ユーザーが違反行為を報告しやすくするためユーザー通報機能の提供および継続的な改善

・コミュニティ・ガイドライン等において違反行為に対するユーザー報告を啓発

・ユーザー通報に対して適切かつ速やかに対応することにより、ユーザーコミュニティ間で「違反行為を報告すれは適切に対応される」という意識を醸成

 

 以上の通り、当社では、継続的にサービスの健全性維持・改善に努めており、サービス開始以来10年におよぶ経験・ノウハウが融合されたコミュニティ運営力こそが、サービスに対する安心感・信頼感を高める一因であり、「ツイキャス」の強みを構成する重要な要因であると自負しております。

 

 インフラシステムにおいては、低遅延かつ大規模配信に耐えるコミュニケーションインフラを実現するために、スマートフォン及び遅延対策に特化した独自の配信システムを構築しており、今後、5G(第5世代移動通信システム)の普及により、当社システムの有用性はさらに高まると考えております。

 

0201010_021.png

 

 

(3) 当社の収益構造

 当社が運営する「ツイキャス」の収益構造は、以下の3種類の売上から成り立っています。

 

項目

内容

売上構成比

(2021年1月期)

①ポイント販売売上

「ツイキャス」では、配信を賑やかにするためや配信を延長するためのアイテム(お茶や拍手・スタンプ、コイン等)をユーザーが保有するポイントで使用できる仕組みとなっております。ポイントは当社が付与する無料ポイントとユーザーが当社から購入する有料ポイントに分けられ、ユーザーは付与された無料ポイント及び購入した有料ポイントを利用し各種アイテムを使用します。当社は、ユーザーが購入した有料ポイントのうち、ユーザーがアイテムに利用した部分を当社の売上高として計上しております。

 また、当社は、配信者のライブにおいて使用されたアイテム数や録画が閲覧された回数などに応じて、一定の条件の元、報酬をお支払いする仕組みである「ライブ収益」を配信者へ提供しております。「ライブ収益」により、配信者へ支払った報酬は、アイテム報酬として売上原価に計上しております。

96.38%

②メンバーシップ販売手数料売上

 

「ツイキャス」では、一定条件を満たした配信者を、その配信者のファンである視聴者が毎月定額の会員費で応援することができる「メンバーシップ」機能を提供しています。

 配信者は、自身の月額支払いプランを特典別に最大3つまで作成することができ、ファンである視聴者は、任意の配信者のプランに入会して、毎月一定額を支払います。当社は、サービスプラットフォームの提供者として、購入者から会員費を受領し、一部手数料を控除した額を配信者へ支払っており、手数料部分を当社の売上高として計上しております。

0.06%

③「キャスマーケット」におけるチケット・コンテンツ販売手数料売上

「キャスマーケット」は、「ツイキャス」を利用するユーザーが商品等を売買できるオンラインストアです。配信者は自身が主催するライブ等のチケットや「ツイキャス」上の有料配信のチケット、制作物(デジタルコンテンツ)を「キャスマーケット」上で出品することができます。当社はマーケットプレイスの提供者として、購入者から売買代金を受領し、一部手数料を控除した額を配信者へ支払っており、手数料部分を当社の売上高として計上しております。

2.64%

 

以上を踏まえた当社の事業系統図は、以下のとおりであります。

 

0201010_022.png

 

 

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

 

2022年2月28日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

34

5

32.6

4.3

7,000

 

 当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、部門別に記載しております。

部門の名称

従業員数(人)

技術開発部門

 

25(2)

サービス運用部門

 

6(1)

管理部門

 

3(2)

合計

34

5

(注) 1.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数(アルバイト及び人材会社からの派遣社員)は、最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。

 

(2) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。