(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社が存在しないため記載しておりません。
4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。
5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
6.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
7.当社は第29期からキャッシュ・フロー計算書を作成しておりますので、第26期、第27期及び第28期のキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については、記載しておりません。
8.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、アルバイトを含む。)は、( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
9.主要な経営指標等の推移のうち、第26期、第27期及び第28期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
10.第29期及び第30期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
11.当社は、2021年10月14日開催の取締役会決議により、2021年11月2日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っておりますが、第29期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
12.上記11.のとおり、当社は2021年11月2日付で普通株式1株につき普通株式100株の割合で株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第26期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。
なお、第26期、第27期及び第28期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
当社の前身である株式会社オフィス・キャスターは1991年5月に設立され、1999年5月に株式会社デジタルウェアの破産管財人から新築マンション業界向けに不動産データ提供サービスを行っていたコアネット事業を取得したことを機に、不動産マーケティングシステム事業に参入いたしました。
株式会社デジタルウェアの元社員(現当社代表取締役社長 陣隆浩を含む)を中心に設立された株式会社エクスでも同様の事業を開始したことから、株式会社オフィス・キャスターと株式会社エクスの両社により顧客を分け合う状態が続いておりましたが、2003年3月に両社が合併し株式会社マーキュリーへと商号変更いたしました。
その後、当社は2003年4月の「サマリネット」リリース以降、関連サービスを積極的にリリースし、三大都市圏の新築マンション業界を中心に取り扱いを増やして参りました。
2018年1月には伸長が見込まれる中古マンション流通業界(不動産仲介業者)向けの「データダウンロードサービス」を開始し、新築分譲マンション販売時に配布されたパンフレットの画像や新築時の販売価格情報などサービスの拡張を続けて参りました。
当社は、「不動産ビッグデータ×Technology」を事業コンセプトとし様々なサービスを展開しております。当社は不動産マーケティングソリューションの単一セグメントですが、その中で「プラットフォーム事業」「デジタルマーケティング事業」の2つの事業とその他サービスを運営しております。
「プラットフォーム事業」はこれまで自社でマンションデベロッパー様より販売が行われるモデルルームやデベロッパー企業様のご担当を通じ物件のパンフレット等の情報収集し、新築分譲マンションのデータベース構築を続けて参りました。
こうした環境下において新築分譲マンションの物件概要情報、新築分譲当時の販売価格情報、物件パンフレット情報などの不動産ビッグデータを活用したSaaS型(注1)マーケティングシステムの提供を行っており、新築マンション業界においてはマンションデベロッパーやマンション販売会社などに向け、マンション相場集計や販売事例一覧表示機能等が搭載された「サマリネット」、「リアナビ」というサブスク型(注2)収益モデルの不動産マーケティングシステムを提供しております。
中古マンション業界では創業以来新築業界向けに蓄積してきた不動産ビッグデータを活用し、新築販売時の物件パンフレット(注3)の画像データや新築時の販売価格などの情報が取得できる「データダウンロードサービス」という従量課金型収益モデルのデータサービスを展開しております。
「デジタルマーケティング事業」は主にマンション販売の集客に係る周辺マンション相場の把握や人気物件の分析ノウハウ等を活用してリスティング広告(注4)のキーワード選定や広告配信エリアの提案など行い、インターネット広告の運用やアクセス解析、Webサイト制作等を行っております。
その他サービスでは、不動産データベースより間取りや販売価格などから世帯属性を想定し広告配布を行うダイレクトメールの配送サービス、システムの受託、リフォームなどのサービスを提供しております。
(注)1.SaaSとはSoftware as a Serviceの略でインターネットを介して提供されるソフトウエアのことを指す。
2.サブスク型とはサブスクリプションの略で月額定額料金の収益モデルを指す。
3.パンフレットとはマンションの新築分譲時に購入検討者に対して配布されるコンセプトブックや間取り図面集を指す。
4.リスティング広告とはGoogleやYahoo!が提供する検索エンジンの検索結果で、検索エンジン利用者が検索したキーワードに対し、関連した広告を表示させる広告手法を指す。
(1)プラットフォーム事業
「プラットフォーム事業」では、「不動産ビッグデータ×Technology」を事業コンセプトとし、各種のサービスを展開しております。
新築マンション業界向けには「サマリネット」、「リアナビ」など不動産に関連するデータベースを活用したSaaS型マーケティングシステムを提供しております。(現時点でSaaS型で提供しているサービスは、サマリネットのうちマンションサマリとリアナビであります。)
当社の提供する「サマリネット」「リアナビ」は継続課金型の収益モデルとなっており、「サマリネット」及び「リアナビ」のARR(注)は全体の47.1%(2022年2月期第3四半期累計期間)となっております。解約率は0.3%(2021年11月30日現在)と継続率が高く安定的な収益確保が可能である点が当サービスの強みとなっております。
また、当社が保有する新築分譲マンションのデータについては、不動産ポータルサイト運営会社等にデータ提供をおこなっており、これらは不動産ポータルサイト内で過去販売物件の物件概要の掲載や行政区や駅別などエリアごとのマンション相場情報の掲載の為に活用頂いており、データの使用料を月額にて徴収する継続課金型の収益モデルとなっております。
中古マンション流通業界向けには、新築マンション販売当時に配布されたマンションのコンセプトブック、間取り図面集及び価格表からなるパンフレットの画像データなどの情報が取得できる「データダウンロードサービス」を提供しております。
これらデータは中古マンションの売却査定時や売買商談時に物件の特徴を把握するための情報源としてご活用頂いております。
(注)Annual Recurring Revenueの略で、毎年決まって得られる売上高を表します。
① サマリネット
「プラットフォーム事業」における「サマリネット」は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県)・関西圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)・東海圏(愛知県、岐阜県、三重県)の三大都市圏を対象とし、マンションデベロッパーやマンション販売会社等の新築分譲マンション事業に関わるユーザーがマンション市場の調査等を行う際に必要な過去の販売事例のデータ閲覧やマンション相場集計グラフの出力等が行えるマーケティングシステムです。
現在最も利用者の多いマンションサマリは従来のクライアントサーバ型システムからのSaaS型システムへの移行が終了しており、今後賃貸サマリ、売買サマリ、統計サマリ、開発サマリ、用地サマリ、地質サマリについても2023年2月期中にSaaS型システムへの移行を進める計画となっております。
収益モデルは以前のクライアントサーバ型システム同様に月額課金制が主な報酬形態となっており、一部集計レポート等の出力に応じて課金する従量課金も行っております。
各サービスについての特徴は以下の通りです。
(注)ポリゴンとは多角形の面のことで、ここでは「町」や「丁目」などの行政界エリアデータを指す。
なお、賃貸サマリ及び売買サマリはアットホーム株式会社(本店所在地:東京都大田区、代表者名:鶴森康史)、統計サマリはマップマーケティング株式会社(本店所在地:東京都渋谷区、代表者名:新田正則)、地質サマリは応用地質株式会社よりそれぞれデータ提供を受けております。その他は当社顧客より入手したデータであります。
② リアナビ
「プラットフォーム事業」における「リアナビ」は、SaaS型(リリース当時はASP型と表現)の不動産マーケティングシステムです。
新築分譲マンションの営業担当者をターゲットにリアルタイム性を追求したサービスで、相場情報のほか新規販売情報や完売情報、値引き情報等の販売動向などを即時にユーザーに情報配信することで、新築マンションの販売時に近隣の競合分析や販売戦略の立案等に活用いただいております。
リアナビはユーザーが必要なサービスを選択し、システム利用ライセンス料として月額課金制による収益モデルとなっており、マンションカタログ等の一部従量課金サービスも行っております。
各サービスについての特徴は以下の通りです。
なお、エリアポテンシャルはマップマーケティング株式会社、不動産市況の賃貸データ及びリセールプライスはアットホーム株式会社よりそれぞれデータ提供を受けており、その他は当社顧客より入手したデータとなっております。
③ データダウンロードサービス
「プラットフォーム事業」における「データダウンロードサービス」は不動産仲介事業者に向けたコンテンツ提供サービスであり、マンション売買仲介業務における物件査定業務時やマンション購入検討者との商談時に必要な情報としてマンションの間取り図や物件の特徴を記載しているコンセプトブック等のデータが取得可能となっており、ご活用頂いております。
当サービスは、株式会社ワンノブアカインド(本店所在地:東京都港区、代表者名:川島直也)との共同運営事業であります。当社はコンテンツの提供及び既存顧客に対するサービスの利用促進営業や今後予定している新たなサービスの提案を行い、株式会社ワンノブアカインドは新規顧客の開拓営業活動及びデータダウンロードサービスのサービス提供サイトのシステム開発及び保守を行っております。
収益モデルはダウンロード数に応じた従量課金となっており、株式会社ワンノブアカインドとレベニューシェアを行っております。
各サービスについての特徴は以下の通りです。
なお、中古販売履歴情報は共同運営事業者の株式会社ワンノブアカインドより提供を受けており、その他は当社顧客より入手したデータであります。
④ データ提供
「プラットフォーム事業」における「データ提供」は主に大手不動産ポータルサイトに対し、物件概要情報や相場情報などをAPI(注)にて提供しております。
(注)Application Programming Interfacenの略で、具体的には当社のデータを他社が使える仕組みを作ること。
以上のプラットフォーム事業の概念図は、次の通りです。
プラットフォーム事業概念図
(注)簡易GISとは、Googleマップなどの電子地図とデータ連携して、マンション情報等を地図上にて一覧、集計表示するシステムのこと。
(2)デジタルマーケティング事業
分譲マンション事業向けのマーケティングノウハウや当社保有の不動産データベースを活用して、インターネット広告の運用、アクセス解析及びバナー(注1)やランディングページ(注2)などクリエイティブ素材の提供、物件サイトの制作等を行っております。
当社が取り扱うインターネット広告はクリック数に応じた課金形式が主流となっており、顧客より月額の運用費用を予算として預かり広告運用を行っております。
① リスティング広告運用
分譲マンション及び分譲戸建て販売の集客に特化したインターネット広告の運用を行っており、広告運用実績やアクセス解析をもとにモデルルームや販売中物件等への集客促進を担っております。当社の強みとしては、不動産業界及びマンション販売についての知識があり、分譲マンションに関する豊富なデータを保有していることから、特にリスティング広告のキーワード、エリアの選定などを得意としています。Yahoo!プロモーション広告におけるスポンサードサーチ、YDA広告(注3)、GoogleAdwordsにおける検索ネットワーク、GDN広告(注4)だけでなく、Facebook広告、YouTube広告などのSNS広告や位置情報広告も扱っており、物件の完売までをサポートする広告運用代行としてサービス提供を行っております。
② サイト制作
分譲マンション及び分譲戸建て販売に特化したサイト制作を行っております。広告の対象となる物件の訴求ポイントなどの抽出や販売好調だった物件のクリエイティブ戦略など、当社が長年にわたって蓄積した不動産に関するデータやノウハウを活用し、Webサイト制作やバナー制作などクリエイティブ素材を主に当社のリスティング広告運用の顧客向けに提供しております。
(注)1.ウェブページ上で他のウェブサイトを紹介する役割を持つ画像のこと。
2.ウェブページ上で検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページのこと。
3.Yahoo!ディスプレイアドネットワークの略称で、Yahooで出稿できるディスプレイ広告(注5)のこと。
4.Googleディスプレイネットワークの略称で、Googleで出稿できるディスプレイ広告のこと。
5.ウェブページの広告枠に利用者の興味関心に基づき表示される画像広告、動画広告、テキスト広告のこと。バナーで表示されることが多いため、バナー広告と同義で使われることが多い。
(3)その他
当社所有の不動産データベース及び顧客の社内システムやWebサービスとデータベースとの連携システムの開発経験等に基づき、以下のサービスを展開しております。
① タウンマンションプラス
ターゲットを絞り込んでダイレクトメールの配送を行う当社独自のダイレクトメールの配送サービスです。他社のダイレクトメールとの最大の違いは、配布対象のセグメントの方法にあります。タウンマンションプラスでは、当社所有の不動産データベースより築年数や物件価格、間取りなどの物件特性から「世帯属性」や「生活志向」を導き出し、きめ細かく世帯をセグメントすることで、より高い確率で広告主が求めるターゲット顧客に訴求することが可能となり、取り扱う商品やサービスとターゲット顧客とのミスマッチが起こりづらくなる効率的なダイレクトメールの配送が可能となっております。
② システム開発
サマリネットやリアナビ等の開発・運用実績やデータベース構築ノウハウ等を活かし、システムの受託開発を行っております。
③ リフォーム
主に戸建ての外壁塗装のリフォームを行っております。営業の方法は、ホームセンターとの連携によりホームセンター内にて営業ブースを設け、来店される顧客に対して当社営業担当が直接商談を行っております。案件受注後は協力会社にリフォーム工事を発注して、当社では主に施工監理を行っております。
④ マンションバリュー
マンションオーナー(注)に向けた情報提供サービスです。現在は当社が所有する不動産データを元にしたマンションの相場情報を軸としながら、マンションオーナーに対し所有物件の間取り図、売却時や賃貸時のシミュレーション及びお役立ちコラムなど、マンションオーナーにとって有益な情報を提供しております。3年後を見据えマンションバリューで獲得したマンションオーナー、不動産仲介業者及び購入検討者等が自由にコミュニケーションできるプラットフォーム構築の実現に向けサービスの拡張を行って参ります。
(注)マンションバリューにおけるマンションオーナーは、分譲マンションの購入者を指します。
[事業系統図]
(1)プラットフォーム事業
(2)デジタルマーケティング事業
該当事項はありません。
(注)1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、アルバイトを含む。)は、( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
3.当社は不動産マーケティングソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の従業員数の記載は省略しております。
(2)労働組合の状況
当社では労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。