第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

 

回次

第47期

第48期

第49期

第50期

第51期

決算年月

2016年9月

2017年9月

2018年9月

2019年9月

2020年9月

営業収益

(千円)

12,201,400

14,009,395

14,944,061

5,782,673

5,165,967

経常利益

(千円)

291,099

73,306

182,400

144,152

391,728

当期純利益及び当期純損失(△)

(千円)

1,614,382

50,362

67,685

144,974

284,381

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

50,000

50,000

50,000

50,000

50,000

発行済株式総数

(株)

430,000

430,000

430,000

430,000

430,000

純資産額

(千円)

932,415

918,723

985,742

844,897

559,495

総資産額

(千円)

4,604,722

5,334,107

5,198,343

4,190,230

4,295,177

1株当たり純資産額

(円)

2,168.41

2,136.57

2,292.42

196.49

130.12

1株当たり配当額

(円)

(1株当たり中間配当額)

―)

―)

―)

―)

―)

1株当たり当期純利益及び
1株当たり当期純損失(△)

(円)

3,754.38

117.12

157.40

33.72

66.14

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

20.2

17.2

18.9

20.2

13.0

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

387,800

791,403

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

544,419

244,960

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

860,576

404,244

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

815,140

957,339

従業員数 

(名)

81

84

86

88

86

〔ほか、平均臨時雇用者数〕

393

533

604

587

587

 

(注) 1.当社は、連結財務諸表を作成していないため、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.第47期及び第49期における当期純損失の計上は、固定資産の減損損失及び売却損並びに貸倒損失等を計上したことによるものであります。

3.営業収益には、消費税等は含まれておりません。

4.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため、記載しておりません。

5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

6.第47期、第48期及び第49期における潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。第50期及び第51期については、新株予約権の残高がありますが、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

7.第47期から第51期における自己資本利益率については、債務超過であるため記載しておりません。

8.株価収益率については、当社株式が非上場であるためを記載しておりません。

9.第47期から第49期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

10.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

11. 臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

12.主要な経営指標等のうち、第47期から第49期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査を受けておりません。

13.第50期及び第51期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC京都監査法人により監査を受けております。

14.第50期より、生産者の商品に係る営業収益は、お客様から受領した販売代金から生産者へ支払う仕入代金を控除した純額で表示する方式に変更しております。

15.当社は、2021年8月13日開催の取締役会の決議により、2021年9月9日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。第50期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

16.2021年8月13日開催の取締役会の決議により、2021年9月9日付で普通株式1株につき10株の株式分割を行いました。

東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第47期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。

なお、第47期、第48期及び第49期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、PwC京都監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第47期

第48期

第49期

第50期

第51期

決算年月

2016年9月

2017年9月

2018年9月

2019年9月

2020年9月

1株当たり純資産額

(円)

△216.84

△213.66

△229.24

△196.49

△130.12

1株当たり当期純利益及び1株当たり当期純損失(△)

(円)

△375.44

11.71

△15.74

33.72

66.14

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

― 

― 

― 

― 

― 

1株当たり配当額

(円)

― 

― 

― 

― 

― 

 

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

1970年12月

千葉県木更津市において事務機器販売を行うため、有限会社髙芳商事(現当社)を設立

資本金100万円

1979年11月

株式会社に改組し、株式会社タカヨシへ商号変更

1980年9月

ホームセンター業界に進出。千葉県夷隅郡大原に初出店

1984年12月

本社事務所を千葉県木更津市から千葉市稲毛区小中台町へ移転

2000年9月

ホームセンター清見台店(現わくわく広場清見台店 千葉県木更津市)の一角で農産物直売所を開始

2001年7月

「わくわく広場」の1号店として八街店(千葉県八街市)を開店

2002年11月

本部事務所を千葉市稲毛区小中台町から千葉市緑区古市場町へ移転

2009年4月

初のモール店の出店として、複合商業施設「ピアシティ荒川本郷」に

わくわく広場 荒川本郷店(茨城県稲敷郡阿見町)を開店

2011年5月

近畿地方初出店となる わくわく広場 イオンタウン鈴鹿店(三重県鈴鹿市)を開店

2011年6月

わくわく広場 イオン野洲店(滋賀県野洲市)に和シュラン(注1)を初めて導入

2011年10月

中部地方初出店となる わくわく広場 ららぽーと磐田店(静岡県磐田市)を開店

2011年10月

本部事務所を幕張テクノガーデン(千葉市美浜区)へ移転

2012年4月

九州地方初出店となる わくわく広場 イオン上峰店(佐賀県三養基郡上峰町)を開店

2014年4月

わくわく広場の50店舗目(注2)となる わくわく広場 フォレオ大津一里山店(滋賀県大津市)を開店

2014年6月

中国・四国地方初出店となる わくわく広場 エミフルMASAKI店(愛媛県伊予郡松前町)を開店

2017年6月

わくわく広場の100店舗目(注2)となる わくわく広場 イーアス高尾店(東京都八王子市)を開店

2019年4月

東北地方初出店となる わくわく広場 イオンタウン仙台泉大沢店(フランチャイズ、仙台市泉区)を開店

2021年4月

北海道地方初出店となる わくわく広場 アリオ札幌店(札幌市東区)を開店

 

(注)1.国内メーカーにより国産原料を基準に製造された調味料等の加工食品を「和シュラン」と名付け、当社商品のブランディングに使用するため、商標権を取得しております。

2.現在閉店している店舗を含めた累計の出店数となります。

 

3 【事業の内容】

当社は社是として「わが社は常に、お客様に支持され愛される企業でありたい」「わが社は常に、従業員、取引先、株主が共に繁栄できる企業でありたい」「わが社は常に、時代のニーズに対応できる企業でありたい」を掲げ、変化に挑み続けるDNAを活かし、世の中から必要とされる企業を目指します。

 

(事業モデル)

当社は「安心と笑顔が広がる世界をつくる」をビジョンに掲げ、地域の生産者・食品メーカー等に対して、自社での設備投資を必要としない新たな販路を提供する「シェアショップ事業」を全国100以上の「わくわく広場」の店舗を通じて展開しており、野菜・果実、パン、お弁当・お惣菜、加工食品(佃煮、豆腐等)、和洋菓子、日本各地の調味料、花などの商品を販売しております。

そのうち約8割の店舗はショッピングモール内にテナント(モール店)として出店し、残りはロードサイド型の路面店として出店しております。また、一部の店舗では当社がフランチャイザーとなり、フランチャイジーからロイヤリティ収入を得ておりますが、直営での出店を基本としております。

なお、当社事業は「シェアショップ事業」の単一セグメントであります。

 

店舗数の内訳(2021年10月31日時点)

7地方区分

直営店

フランチャイズ店

モール店

路面店

モール店

北海道地方

東北地方

関東地方

60

22

82

中部地方

18

19

近畿地方

11

11

中国・四国地方

九州地方

98

22

122

 

 

当社は、自社物件にて、または、ショッピングモールや物件オーナーから売場を賃借し、シェアショップ事業を体現する場としての「わくわく広場」を展開しております。
「わくわく広場」では、店舗周辺地域の農家やパン屋、和洋菓子屋、飲食店、惣菜店などといった生産者から登録を募り、登録した生産者(以下、生産者)に対して当社の売り場を販売場所として共有するシェアリングサービスを提供しております。当社は生産者のためのプラットフォーマーとしての役割に徹することを原則としており、生産者は、自らの商品を「わくわく広場」の店頭に直接納品・陳列し、当社は売り場管理やレジ業務をはじめとした店舗運営を行い、当社は店舗に出品された商品についての在庫リスクを負わない仕組みとなっております。

当社では店頭に陳列された商品のうち、お客様にお買い上げいただいた商品について、お客様への販売価格を「流通総額」として集計し、当社事業の伸長を図る重要な経営指標として注視しております。

また、当社は生産者自身で決定した消費者への販売価格に対して、当社が定める一定の料率をもとに算出した仕入金額で生産者から販売商品を仕入れる消化仕入方式を採用しており、当社は流通総額から当該仕入金額を差し引いた金額を財務諸表上の「営業収益」として計上しております。消化仕入方式に係る一定の料率については、当社の営業収益や利益に重要な影響を及ぼすものでありますので、社内で慎重な議論を重ね、生産者の利益、商品が納品される頻度や市場動向等を勘案して、野菜・果実、弁当・惣菜・パン類、加工品といった商品分類毎に50%から80%の範囲で当社が決定しております。

商品販売に関する資金の流れとしては、当社がお客様のお買い上げ代金(販売代金)を一度預かり、販売された商品についてのみ、仕入代金分を販売の翌月に生産者へ支払っております。

また、ロードサイド型の路面店は地域の生活インフラとしての役割も担っておりますので、上記に加え生活必需品を中心とした商品(定番商品等)を、メーカー等から仕入れ、当社の在庫とした上で販売を行っております。なお、当該形態での販売額は、2021年9月期において店頭でお客様に販売される金額のうち約3%です。

 

上記の事業モデルを図示すると以下のとおりとなります。
 

[事業系統図] 

 


 

(事業の特徴)

当社は「シェアショップ事業」を通じて、地域の中小規模の生産者に販売機会を提供するシェアリングサービスのプラットフォーム運営者として、生産者とお客様をつなぎ、①生産者の収入の極大化、②お客様にとって新鮮な地元の一次産品及び加工品の購入、③当社の収益の極大化、という3要素の鼎立を可能とする事業モデルを確立しております。

 

A 単なる小売業ではなく、プラットフォーム型の店舗スペースのシェアリングサービス

「わくわく広場」は、一見通常の小売店の外観を有しているものの、店頭に並ぶ商品は当社が発注・仕入を行った商品ではなく、原則として多数の生産者が自らの意思で出品している商品により構成されており、委託販売スタイルの食のプラットフォームとなっております。

店舗を構えた小売業の場合、商品を仕入れて販売者が在庫として抱えた上で販売を行う形式が一般的ですが、当社のビジネスモデルは、インターネット上のフリーマーケットのようなプラットフォーム型のシェアリングサービスでありながら、実店舗でのリアルな販売スペース(平台やテーブルの一部)を地域の生産者と共有しているという特徴を有しております。生産者にとっては、在庫リスクは負うものの、販売力のある当社の売り場を自らの売り場として利用することが出来る仕組みとなっています。

こうした特徴から、店頭商品の大部分は生産者が所有権を有したままの商品であり、当社の棚卸資産としては計上されないため在庫回転日数が短くなっている上、お客様のお買い上げ代金を一旦当社が預かり、翌月に生産者にお支払いしていることから、当社では資金流入が資金流出よりも先行するビジネスモデルとなっております。

 

 

B 生産者にとっての使い勝手が良い「第2の販路」

「わくわく広場」へ出品を希望する生産者は、「わくわく広場直売所会」への登録を条件としておりますが、登録に際しては、各種営業許可や免許等の審査はあるものの、登録料・保証金を徴収しておりません。また、出品にあたっては特段の設備投資や人材投資は必要なく、生産者自身で新たに店舗を構える場合と比較して低いコストで新店舗をオープンさせたり、新たな販路を開拓したりするのと同様の効果を得ることが可能となります。

また、生産者は、自身の商品を「わくわく広場」の店頭に直接納品・陳列する以外にも、宅配便や一部地域では当社運営の物流センターを通しての出品ルートも活用することで、1店舗だけではなく、当社が運営する全ての店舗を自らの売り場として利用することが出来る仕組みとなっています。

さらに、契約制ではなく登録制であることから、「いつ・何を・いくつ・いくらで」出品するかを生産者が自由に決定することが出来るため、出品の頻度や時間帯、出品商品の種類や量・値段を自らの都合でコントロールすることが可能であり、出品に伴うメリット・デメリットを検証しやすく、出品を継続するにあたっての負担も少なくなります。そのため、生産者自身の資本力、人員及び信用力だけでは出店・出品が難しいようなショッピングモールを中心とした集客力のある売り場での販売機会を得るための障壁が、生産者にとって低いものとなっております。

 

C 「農産物直売所」ではなく、シェアショップ事業を通じた「地域を結ぶ直売広場」

2000年に当社が直売事業を開始した当初、「わくわく広場」は、農産物を中心とした農産物直売所としてスタートしました。現在も農産物は依然として主力商品の一つではありますが、野菜・果実以外に店舗周辺地域のパン屋、和洋菓子屋、飲食店などの商品や、日本各地の中小規模の食品メーカー等が作る各種加工食品や調味料といった、農産物以外の商品を取り扱う生産者の出品もあり、2021年9月期の流通総額(店舗におけるレジ通過額のほか、値札シールの販売代金や不動産賃貸収入等を含む総額の全体売上高)における商品の種類別割合は野菜・果実が約30%、弁当・惣菜・パン類が約31%、加工品等が約23%、その他が約16%といった構成になっております。このように、現在では「わくわく広場」は、地元の新鮮な産地直送(産直)の野菜以外にも、様々な地域の商品をまとめて手に入れることが出来る「地域の食のセレクトショップ」となっております。

当初は農産物直売所からスタートしたシェアショップ事業ですが、現在では「地域を結ぶ直売広場」をコンセプトに掲げ、地域にあるおいしい商品を集め、地域の生産者とお客様をマッチングさせ結びつけることにより、地域経済の活性化に貢献するという社会的使命を果たしております。

 

 

D ローカルサプライチェーンの漸次形成とローコストな店舗オペレーション

「わくわく広場」では、商品供給網は地元の生産者を中心に形成しており、出品する生産者の増減を繰り返しながら、地元の生産者による地元の供給網(ローカルサプライチェーン)が徐々に形成されるという特徴があります。そのため、生産者の増加、お客様への認知、集客の向上というスパイラルを繰り返すことで、店舗の売上が逓増していく傾向があります。

また、ローカルサプライチェーンを前提とすることで、流通コストの発生が抑えられるとともに、値付けや陳列などの通常の店舗業務の一部は生産者自らが行うほか、チラシを中心とした販促は商品の特性上難しく、店舗設備も平台、冷蔵ケース及びレジなどとなっており特別な販売設備が必要ではないため、店舗運営はシンプルかつローコストになっております。

 

(主要な経営指標)

 当社の主な経営指標は以下の通りです。

 

第47期

第48期

第49期

第50期

第51期

第52期

2016年

9月期

2017年

9月期

2018年

9月期

2019年

9月期

2020年

9月期

2021年

9月期

流通総額(百万円)

12,201

14,009

14,944

14,783

16,089

19,109

期末店舗数(合計、店)

73

103

108

106

111

117

 うち 直営店

72

102

107

104

109

115

うち モール店

47

77

82

80

87

93

うち 路面店

25

25

25

24

22

22

登録生産者数

14,307

15,779

16,821

18,402

20,667

23,516

 

(注)1.流通総額:店舗におけるレジ通過額のほか、値札シールの販売代金や不動産賃貸収入等を含む総額の全体売上高です。

2.第50期より、お客様から受領した販売代金から生産者へ支払う仕入代金を流通総額より控除した金額を営業収益として財務諸表上の表示としております。

3.流通総額については、PwC京都監査法人の監査対象外です。

4.登録生産者数:「わくわく広場直売所会」へ登録されている生産者の各期末時点の件数

5.記載値は表示単位未満を切り捨てています。

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

2021年9月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

91

37.8

10.9

4,561

645

 

(注) 1.シェアショップ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

2.従業員数は就業人員であり、従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の最近1年間の平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

3.臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(2)労働組合の状況

当社には、1996年に結成された労働組合があり、UAゼンセン専門店ユニオン連合会に加盟しております。2021年9月30日現在、同連合会に入会している従業員数は53名であります。

なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。