回次 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
第7期 |
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決算年月 |
2016年12月 |
2017年12月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
持分法を適用した場合の 投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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普通株式 |
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A種優先株式 |
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B種優先株式 |
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C種優先株式 |
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C2種優先株式 |
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D種優先株式 |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
1株当たり配当額 |
(円) |
|
|
|
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
潜在株式調整後1株当たり 当期純利益 |
(円) |
|
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
投資活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
|
|
|
△ |
△ |
財務活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(名) |
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〔外、平均臨時雇用者数〕 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
(注)1.当社は、第7期までは連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については、記載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有していないため記載しておりません。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
5.自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
6.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。
7.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
8.当社は、第6期よりキャッシュ・フロー計算書を作成しておりますので、第3期、第4期及び第5期のキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。
9.第7期は広告宣伝費投資や営業体制強化による顧客獲得や、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のためのエンジニア等の人件費や研究開発費を積極的に投下したこと等により、経常損失及び当期純損失を計上しております。また、同様の理由により、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。
10.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
11.第6期及び第7期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けております。
なお、第3期から第5期については、「会社計算規則」(2006年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。
12.第6期において、製品保証引当金及び賃貸用資産等に係る過年度の会計処理の誤りが判明したため、誤謬の訂正を行いました。当該誤謬の訂正による累積的影響額は、第6期の期首の純資産の帳簿価額に反映されております。この結果、第6期の期首利益剰余金が1,271千円増加しております。なお、第6期の株主資本等変動計算書においては、累積的影響額を期首の純資産の額に反映しておりますが、上表の第3期から第5期の数値には当該金額を反映しておりません。
13.2020年3月5日開催の取締役会決議により、2020年3月28日付で普通株式、A種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、C2種優先株式及びD種優先株式のすべてについて、1株につき2株の割合で株式分割を行っており、2021年7月28日開催の取締役会決議により、2021年8月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、第6期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。
14.2020年3月28日付で株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。また、2021年8月11日付で株式1株につき200株の割合で株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下の通りとなります。
なお、第3期から第5期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。
回次 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
第7期 |
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決算年月 |
2016年12月 |
2017年12月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
△52.76 |
△99.53 |
△127.84 |
△191.96 |
△246.75 |
1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△31.55 |
△47.70 |
△63.81 |
△74.94 |
△96.24 |
潜在株式調整後1株当たり 当期純利益 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
年月 |
概要 |
2014年9月 |
東京都品川区に株式会社Photosynth(資本金100千円)を設立 |
2014年10月 |
経済産業省所管の独立行政法人(現:国立研究開発法人)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から研究開発型ベンチャー支援事業(スタートアップイノベーター支援)の委託及び助成先に採択 |
2015年1月 |
本社を東京都品川区、同区内での移転 |
2015年3月 |
家庭向けの後付け型スマートロック「Akerun Smart Lock Robot」を発表 |
2015年7月 |
Webで遠隔解錠・状態確認できる「Akerun Remote」を発表 |
2015年9月 |
「Akerun Smart Lock Robot」が公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞(2015年度)」を受賞 |
2015年12月 |
オートロック機能付の自動ドアが開く「Akerun Entrance」を発表 |
2015年12月 |
テクノロジーメディアであるCNET Japanを運営する朝日インタラクティブ株式会社などが主催する「第3回 CNET Japan Startup Award」でCNET Japan賞を受賞 |
2016年1月 |
本社を東京都品川区、同区内での移転 |
2016年7月 |
法人向けのICカードで鍵が開くスマートロック「Akerun Pro」を発表 |
2017年3月 |
経済産業省所管の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するベンチャー企業と大企業の連携支援プログラム「企業間連携支援制度」に採択 |
2017年4月 |
経済誌「Forbes」が選ぶアジア版「30アンダー30」のコンシューマーテクノロジー部門に当社代表取締役河瀬航大が選出 |
2018年3月 |
本社を東京都港区に移転 |
2018年10月 |
「Akerun入退室管理システム」が公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞(2018年度)」を受賞 |
2018年10月 |
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会が主催する「第13回ニッポン新事業創出大賞」のアントレプレナー部門で最優秀賞(副賞:経済産業大臣賞、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞)を受賞 |
2018年10月 |
日本電気株式会社の顔認証技術と技術連携 |
2019年5月 |
法人向けに既設の電気錠や自動ドアを直接制御する「Akerunコントローラー」を発表 |
2019年6月 |
大阪府大阪市に大阪オフィスを設立 |
2020年6月 |
福岡県福岡市に福岡オフィスを設立 |
2020年6月 |
新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受けて、非接触でドアが開くタッチレスエントリー・ソリューションを開発し、販売開始 |
2020年8月 |
アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」をイメージしたAkerunロゴのリニューアルを発表 |
2020年8月 |
三井不動産株式会社との資本業務提携と、ビル向けの入退館管理システムである「Akerun来訪管理システム」における実証実験の開始を発表 |
2020年10月 |
東京都港区にロジスティクス・センターを設立 |
2020年10月 |
「Akerun入退室管理システム」の新しいWeb管理ツール「Akerun Connect」をリリース |
2020年11月 |
JR東日本スタートアップ株式会社が主催する「JR東日本スタートアッププログラム2020」において総合グランプリとなる「スタートアップ大賞」を受賞 |
2021年1月 |
美和ロック株式会社との合弁会社「株式会社MIWA Akerun Technologies」を設立 |
2021年7月 |
「クラウド型入退室管理システムの国内導入社数ならびに国内シェアNO.1」、「スマートロック国内利用者数ならびに国内シェアNO.1」、「法人向けスマートロック国内導入社数ならびに国内シェアNO.1」を獲得(日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査)) |
2021年8月 |
愛知県名古屋市に名古屋オフィスを設立 |
当社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」を企業ミッションに掲げ、世の中の物理鍵とそれに伴う様々な制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできる「キーレス社会®」の実現を目指しております。具体的には、スマートロック(注)等のIoT機器及びクラウド型認証プラットフォームを活用したサービスを開発し、サブスクリプションモデルにより提供しております。
(注) スマートロックとは、電気制御により鍵を開閉することができるインターネットに接続された錠前のことであります。
現在、私たちは通過する扉やゲートの数だけ物理的な鍵及び解錠ツールを持ち歩く必要があり、扉の数と鍵の数がN:Nの関係となっております。そして、鍵が果たす役割はセキュリティや本人認証など重要なものであるため、鍵の管理に要する心理的・物理的な負荷は非常に大きいと考えております。
このような現状を受け、物理的な鍵による制約を無くし、1つのICカードや個人を特定する物理的なIDであらゆる扉やゲートにスムーズにアクセスできる、扉の数と鍵の数がN:1の世界をキーレス社会と名付け、その実現を目指しております。この社会インフラとしてのキーレス社会を実現することで、人々や社会の利便性の向上やさらなる価値の享受に資するものと考えております。
また、当社グループでは、このキーレス社会の実現に向けた決意表明として、以下のヴィジョン・ステートメントを策定し、事業に取り組んでおります。
「世界から、鍵をなくそう」
遡ること、紀元前2000年。
安心安全のために生まれた鍵は、時代とともに強固に、複雑に、そして増加した。
しかし、それは壁をつくり、世界を分断することにもつながった。
事実、私たちは、行き来する場所やコミュニティの数だけ、
常に大量の鍵やカードを持ち歩き、施錠と解錠を繰り返す。
あらゆる物事がシェアされ、世界が広くつながっていく時代だからこそ、
もっと簡単に、もっとスマートに、それでいて安全につながりたい。
世界を面白くするカギは、鍵をなくすことだ。
そのために、Akerunは存在する。
テクノロジーを駆使し、個人を見分け、自動で開閉する。
物理的な鍵をなくすことで、考える手間をなくし、ストレスのない移動を可能にする。
これまでの常識から解き放たれたとき、
人はもっと自由に行動し、世界はつながれるようになる。
21世紀、人類はキーレスソサエティへ。
(1)Akerun事業の概要
当社グループの中核事業であるAkerun®事業は、キーレス社会の実現に向けて、クラウドとインターネットでつながるスマートロック等のエッジ端末(注1)による個人認証とセキュリティを主軸とした関連サービスを法人向け、住宅向けに展開しております。
Akerun事業の特徴は主に以下の3点であります。
① サブスクリプションモデルによるHESaaSとして提供
Akerun事業の特徴の1つ目は、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたサブスクリプションモデルであるHESaaS(注2)としての提供形態であります。
Akerun事業で展開される各サービスは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、月単位/年単位などで課金されるサブスクリプションモデルによるレンタルサービスとして提供しております。
サブスクリプションモデルによるユーザーの導入障壁の低減や後述のAkerun事業における強みなどを背景に、ARR(Annual Recurring Revenue:毎年繰り返し得られる年次経常収益)は順調に拡大しております。さらに、このARRを支えるサブスクリプション収益の比率も事業収益全体の約90%を実現しております。
また、運用の手軽さや利便性により、MRR(Monthly Recurring Revenue:毎月繰り返し得られる月次経常収益)ベースのChurn Rate(サービスに関する解約率)は平常時で1%台半ばの低い水準に抑えられております。
具体的には、継続的なChurn Rateの改善を図ることで、2020年上期に1.57%だったChurn Rateが、2020年下期には1.48%に改善しております(注3)。
当社グループは、事業収益に占めるサブスクリプション収益の高い比率、低い解約率などを実現する、継続的な収益を生み出すリカーリングビジネスにより、MRR及びARRの最大化を通じた持続可能な成長を実現しております。
(注)1.エッジ端末とは、 エッジ(末端)の端末の意味であり、IoT等においてはインターネットに接続され、システム全体の末端に位置する端末のことであります。インターネットで接続されたシステム全体における末端の端末として、データの収集/処理や上位システムへのデータの送信等に加え、上位システムからの指令やデータ等を受信して稼働したり、利用者に伝達する等の機能を担うハードウェアであります。
2. HESaaSとは、Hardware Enabled Software as a Serviceの略で、アプリケーションソフトウェアをインターネット経由で提供するクラウドサービスであるSaaSと、ハードウェアのサブスクリプションモデル(レンタルモデル)を組み合わせた提供モデルのことであります。
3. 新型コロナウィルス感染症の影響による解約と回答した顧客相当額を控除して算出しております。
② 堅牢なアクセス認証基盤及びクラウドセキュリティシステム
Akerun事業の特徴の2つ目は、クラウド上に構築するアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence®」(注1)の高度な技術性であります。この認証基盤では、一般的なユーザー情報に加えてユーザーが日常的に利用するICカードなどの固有の物理ID情報を保有し、インターネットを通じて認証に活用しております。
この認証基盤における認証プロセスは、特許を取得している独自の通信方式(注2)やSSL(注3)、AES256(注4)などのセキュアな通信技術でセッションごとに暗号化することで高度なセキュリティを担保しております。また、認証や処理のロジックをエッジ端末とクラウド上のサーバーに集約することで、個人情報などの機密情報のエクスポージャーを減少させ、セキュリティ上の堅牢性をさらに高めております。
この高度なセキュリティ環境を背景としたユーザー認証方式を確立したことで、信頼性と堅牢性に優れたユーザー認証と関連サービスの展開が可能になっております。
(注)1.ユーザーの基本情報(氏名や所属など)、デジタルID情報(電話番号や電子メールなど)、物理ID情報(所有するICカードや生体認証情報など)、認証権限情報(アクセスが許可されている扉、有効な日にち、曜日、時間帯など)などの情報を保有するクラウド上のデータベースであります。
2.セキュリティを確保しながら簡便な方法で第三者に鍵を開けるための権限を一時的に付与することができる電子錠システムに関する特許(公開番号「特開2016-79644(P2016-79644A)」)
3.SSLとは、Secure Sockets Layerの略で、インターネット上でのデータ通信を暗号化し、第三者によるデータの窃取や改ざんを防ぐ通信プロトコルのことであります。
4.AES256とは、米国国立標準技術研究所(NIST)が政府の標準暗号方式として選定したAES(Advanced Encryption Standard)と呼ばれる暗号化方式のうち、256ビット長の暗号鍵を使用する方式であります。
③ アクセス認証基盤を活用した認証プラットフォームとしての価値
Akerun事業の特徴の3つ目は、企業規模を問わない広範なユーザー基盤に裏付けられた認証プラットフォームがもたらす、社会インフラとしての価値であります。これまでのサービス展開を通じて、2021年3月時点で現契約社数は3,700社、登録アカウント数は91万ユーザーを擁しております。実際に、Akerun事業を支える中核サービスである法人向けの「Akerun入退室管理システム®」は、「クラウド型入退室管理システムの導入社数/シェア」、「スマートロックの利用者数/シェア」、「法人向けスマートロックの導入社数/シェア」の3分野でそれぞれ国内No.1(注)を獲得するなど、クラウド型入退室管理システム及びスマートロックの市場をけん引する実績を有しております。
このように、Akerun事業はセキュリティ及び認証のプラットフォーム化による社会インフラとしての地位を確立しております。さらに、今後は住宅領域にも進出するなど、広範な基盤を通じたビッグデータの取得・活用により、様々な周辺サービスへの展開も可能となっております。そして将来的には、プラットフォームに蓄積されたビッグデータを活用することで、人の動静に合わせた効率的なエネルギー利用による環境負荷の低減、社会や時勢の変化に合わせた働き方の実現、既存の空間を活用した効率的な社会インフラの構築、認証/移動/決済等のソリューションの提供等を通じて、オフィス領域から住宅領域のあらゆるシーンで効率的かつ持続可能な社会の構築に貢献していけるものと考えております。
(注)日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査)
(2)オフィス領域におけるAkerun事業
① 市場機会
Ⅰ.市場環境の変化
法改正を含む日本政府による働き方改革の推進により、企業では客観的な方法による従業員の労働時間の把握(注1)や、残業時間の上限規制(注2)、勤務間インターバル制度(注3)など、従業員の勤務時間を正確に記録、管理することが求められております。また、2015年の個人情報保護法の改正により、企業では安全管理措置に基づき、個人情報に対する物理セキュリティ及び情報セキュリティの対策を強化する必要があります(注4)。
さらに現在では、企業での働き方改革の進展や直近の新型コロナウイルス感染症の影響の拡大により、勤務する場所も従来のオフィスだけでなく、自宅に加えてコワーキングスペースやシェアオフィスなどの分散型オフィスの活用が進展しております。さらに、新型コロナウイルス感染症対策として、オフィスや施設における従業員の出社や在室の状況などをモニタリングし、出社率や感染症対策としての人の動静の把握や、従業員の出社率の抑制を目的として、従業員による出社予約とそれに伴う鍵権限/入室権限の付与を連動させるホテリング(座席予約)へのニーズも高まっております。
そして、直近では新たな都市開発手法としてミクスドユース(注5)も注目を集めており、オフィス、商業施設、住宅などの様々な用途の空間をシームレスに行き来する空間利用が今後も普及していくと考えられます。
このような従業員の労働時間の適正な把握の必要性、個人情報保護のためのセキュリティ対策、働く場所の多様化と拡大、様々な用途の空間へのシームレスなアクセス、といった市場動向に対して、Akerun事業は入退室履歴の勤怠管理への活用、認証システムとしての様々なサービスへの拡張性の高さ、導入の容易さなどの特徴を生かし、今後も市場からの要請に応えていけるものと考えております。
(注)1.改正労働安全衛生法第66条の8の3(2019年4月1日施行)及び改正労働安全衛生規則第52条の7の3(2019年4月1日施行)
2.労働基準法第36条及び第139~142条(2019年4月1日施行)
3.改正労働時間等設定改善法第2条(2019年4月1日施行)
4.改正個人情報保護法第2条及び第20条(2017年5月30日施行)
5.ミクスドユース(mixed-use)とは、1つの建物、街区、地区などの中で、様々な用途の空間を混在させる都市開発コンセプトのことであります。
Ⅱ.入退室管理システムの現状
従来の入退室管理システムは、オンプレミス環境(注1)へのサーバーなどのハードウェア機器の購入・設定に加え、システム設定やネットワーク工事のためのSIer(注2)及び電気工事業者が必要になっておりました。さらに、導入後も機器の改修や保守の費用などが必要となり、加えてIT技術に習熟した担当者でなければ取得データの利活用が難しいなど、費用面及び工数面での負荷やデータ活用の困難さが企業には大きな導入障壁となっておりました。
当社グループでは、このような導入時の障壁を低減し、より少ない負担で入退室管理システムを導入・活用できる「Akerun入退室管理システム」を提供しております。特別な工事やシステム構築が不要かつ後付けで手軽に導入可能、クラウド型システムによる専用IT機器の排除とデータ利活用の支援、サブスクリプションモデルによる保守・運用に要する費用負担の軽減などにより、導入障壁の低減と継続運用のしやすさを実現することで今後も広く需要を取り込み、継続的な売上拡大を実現できるものと考えております。
(注)1.オンプレミス環境とは、ITインフラの構築や稼働に必要なサーバーやネットワーク等の機器及びソフトウェア等を利用者である企業が管理する施設等に保有し、運用するシステムの利用環境のことであります。
2. ITシステムの構築、コンサルティング、設計、開発、運用、ハードウェアの選定等を一括で請け負うITサービス事業者のことであります。
② サービス構成
Akerun事業を支える中核サービスである法人向けの「Akerun入退室管理システム」は、鍵の物理的開閉やデータ通信などを担うハードウェア機器と、認証、鍵権限の管理、履歴の閲覧などを行う、スマートデバイス(注)向けアプリケーション及びWebアプリケーション等のソフトウェアで構成されております。
(注) 対応するスマートデバイスは、Apple社が提供するiOS及びGoogle社が提供するAndroidにて稼働するスマートフォン、タブレットなどの電子デバイスとなります。
Ⅰ.ハードウェアの特徴
「Akerun入退室管理システム」で提供されるハードウェアには、サムターン錠(注1)に対応する「Akerun Pro」と、電気錠(注2)や自動ドア、フラッパーゲート等の電気制御の扉に対応する「Akerunコントローラー」があります。
Akerun Proは、工事なしで既存の扉に後付け可能なスマートロックであります。扉の既存のサムターン錠に設置するだけで、取り付け工事不要、初期費用0円で導入できるため、従来の入退室管理システムと比較して導入にかかる工数や費用を大きく低減しております。
Akerunコントローラーは、既存の自動ドアや電磁錠などの電気錠に後付けで導入でき、簡易的な工事のみで導入し、運用できるハードウェアであります。電気制御で鍵の開閉を行う電気錠に対応することで、「Akerun入退室管理システム」の適用範囲をさらに拡大し、さらに多くのオフィスや施設のニーズに対応することが可能になっております。
また、Akerun Pro及びAkerunコントローラーに共通のハードウェアとして、ICカードリーダーも付帯しております。ICカードリーダーを活用することで、ユーザーが日常的に使用している交通系ICカードや社員証、ビル入館カードなどFeliCa及びMifareの各規格に対応するICカードによる認証を通じた施錠・解錠が可能となっております。
なお、「Akerun入退室管理システム」を構成する各ハードウェアは、当社グループで開発、設計し、製造は外部に委託しております。
(注)1.サムターン錠とは、扉の室内側についている錠の開閉を行うためのツマミ式の金具で開閉を行う錠前のことであります。
2.電気錠とは、電気的に鍵を施解錠する機構を組み込んだ錠前のことであります。
Ⅱ.ソフトウェアの特徴
「Akerun入退室管理システム」は、ソフトウェアにより以下の機能を提供しております。
A.Web管理ツールによる鍵権限の柔軟な設定
Web管理ツールを通じて、ユーザーが入退室できる日時などを柔軟に設定することが可能となっております。これにより、ユーザーごとの要件に応じた入退室権限など、ニーズに合わせた柔軟な鍵権限の運用が可能になっております。また、Web管理ツールは、クラウド型サービスの特徴を生かし、労務関連の法制度の改正やオフィスに求められる要件の変化など、社会状況の変化や市場トレンドに合わせて継続的にアップデートすることが可能となっております。
B.システムから取得するデータの利活用
IoTを活用したクラウド型入退室管理システムの特徴を生かし、ユーザーの利用履歴を永続的に保持し、Web管理ツールなどでいつでも確認できる機能を備えております。さらに、この履歴のビッグデータとしての活用により、セキュリティの機能だけでなく、ユーザーの動静を把握・確認するための空間管理やサービス利用のエビデンスとしての活用など、さらなる価値提供が可能になっております。
C.API(注1)による外部システムとの柔軟な連携
サービスとしての拡張性を高めるために、外部システムとの連携が可能なAPIを公開しております。これにより、外部システムからの入退室履歴などの各種情報の取得や遠隔での解錠・施錠の操作などが可能になります。また、ユーザーのシステムやサービスと「Akerun入退室管理システム」と連携させたり、又は当社グループ及び外部のパートナー企業でAPI連携させた勤怠管理、生体認証などの認証システム、会員管理システム、決済システム、IoT監視カメラ(注2)などとの共同ソリューションを活用したりすることも可能となっております。
(注)1.APIとは、Application Programming Interfaceの略で、特定のソフトウェアの機能やデータなどを、外部の他のプログラムで利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のことであります。
2.IoT監視カメラとの連携機能は現在開発中となります。
③ サービスの強み
当社グループは、市場における優位性として要件の厳しい法人向け事業で培った広範な実績、高水準の利用体験を可能にするハードウェアの開発及び無線通信やセキュリティにおけるソフトウェアの開発に強みを有しております。
Akerun事業における強みの詳細は、以下の通りであります。
Ⅰ.法人向け事業における強固な実績とそれに支えられたアクセス認証基盤
前述の通り、当社グループはこれまでの事業活動により、広範な導入実績を通じて91万アカウントの登録ユーザー数を抱えるアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」を保持しております。この広範な認証基盤を活用することで、ユーザー認証に加えて法人向けに提供される様々なクラウド型サービスや認証シーンにも活用可能であると考えております。また、認証基盤から取得するビッグデータを活用したデータドリブンなビジネス展開も可能となっております。今後も、オフィスに導入されたAkerunのエッジ端末を起点として、入退室管理、労務管理といった従来から提供する機能に加え、API連携などを通じた外部の様々なサービスとの連携も積極的に推進してまいります。そして、扉を起点とした付加価値の向上に取り組むことで、社会インフラとしての認証基盤の利用拡大に取り組んでまいります。
Ⅱ.要件の厳しい法人利用にも応える高水準のハードウェア性能
Akerun事業で展開する各種ハードウェアは、日常的に多人数に触れるハードウェアとしての特性上、ユーザーの利用体験の向上をもたらすハードウェア品質が非常に重要であると考えております。当社グループでは、このハードウェア品質の強化に常に注力しており、実際にAkerun Proにおいては100万回の開閉試験を実施するなど、ハードウェアとしての耐久性を確保しております。さらに、サムターン錠の高速な解錠を支える高トルクモーター、1日あたり100回の開閉で電池が6ヶ月以上持続する省電力性能を追求した専用設計回路、耐久性強化のための高機能ベアリングや特許取得済みの専用設計機構など、ユーザーの利用体験を最大限に高めるためのハードウェア技術により、市場でも高水準のハードウェア品質を実現し、ユーザーの利用体験を向上しております。
Ⅲ.信頼性と堅牢性に優れた無線通信技術及びセキュリティ技術
ハードウェア品質と同様に、日々利用されるシステムとしての安定的な稼働が重要であると考えております。当社グループは、認証に使用するBLE(注)通信の制御技術、特に施錠・解錠に用いるスマートデバイスを含む複数のハードウェア機器間での安定的な通信制御技術に強みを持っており、また関連通信技術に関する多数の技術書籍の出版にも携わる優秀なエンジニア人材を擁しております。この強みを生かすことで、オフィスや施設における高速かつ安定したユーザー認証が可能になり、日々の利用体験の向上を実現しております。さらに、これまでの広範な導入実績で培われたユーザー基盤を背景に、継続的なソフトウェアの改善を通じて、さらなる利用体験と信頼性の向上を図っております。
加えて、前述の通り、クラウドや各ハードウェア機器間の通信には、特許取得済みの通信技術や高度な暗号化通信技術を採用することで、市場でも高水準の信頼性と堅牢性に優れたユーザー認証プロセス及び認証基盤を実現しております。
(注) BLEとは、Bluetooth Low Energyの略で、低電力通信を可能にする近距離無線通信技術Bluetoothの拡張仕様の1つであります。
④ 今後の成長拡大のための取り組み
Ⅰ.企業規模を問わない新規ユーザーの獲得
オフィス領域におけるさらなる成長拡大に向けて、主要導入企業である全国で約385万社(注)ある中小企業への販売促進施策を継続的に強化し、新規ユーザーのさらなる獲得を目指しております。中小企業への提供拡大にあたっては、大阪、福岡及び名古屋の地方拠点の活用に加え、販売パートナーとの関係性強化を通じて潜在ユーザーへの提案機会の増加を図る専任チームの強化・拡充と営業活動の強化も継続的に実施しております。
さらに、直近では大規模企業からの問い合わせや導入も増加しております。今後も、これまでの実績を生かして継続的に大規模企業専任の営業チームの強化や拡大を進めることで、大規模企業ユーザーの新規獲得にも注力する計画であります。
(注) 経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査」より算出。小規模企業(0〜4人、285万社)、中規模企業(5〜999人、100万社)、大企業(1,000人〜、0.4万社)における、小規模企業と中規模企業の合算。
Ⅱ.既存ユーザーへの追加導入の提案(アップセル施策)
当社グループでは、既存顧客へのさらなる売上拡大にあたって、継続的なユーザーとの関係性強化やヒアリングに加え、市場動向の調査・分析を通じて変化するオフィス環境などの市場ニーズに合わせた空間利用の提案を推進することで、1社あたりの追加導入台数の増加を目指しております。
さらに大規模企業での導入の場合、Akerunを導入可能な扉が複数あるケースがほとんどであるため、複数台の契約を獲得しやすい環境であることから、契約の新規獲得を契機に関係性の強化や継続的なヒアリングなどを通じて複数台の契約を追求してまいります。
これらのアップセル施策を促進することで、ユーザーからもたらされるLTV(注)の最大化を目指し、事業成長を加速する考えであります。
(注) LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客との取引の開始から終了までの期間にもたらされる総利益(顧客生涯価値)のことであります。
Ⅲ.複数用途での導入の促進(クロスセル施策)
現在、Akerun事業では適用領域の多様化に積極的に取り組んでおり、オフィスビルを中心としたビルの入退館管理のための「Akerun来訪管理システム」(現在ベータ版)の開発・提供に取り組んでおります。これにより、従来のオフィスや施設の扉から、ビルの入退館ゲートへと適用範囲を拡大し、ビルの入口からテナントエリアとなるオフィスまでをAkerunを共通の認証・セキュリティの基盤として活用することで、利便性のさらなる向上に資するものと考えております。「Akerun来訪管理システム」においては、三井不動産株式会社との同社本社ビルでの実証実験に加え、新たにJR東日本スタートアップ株式会社と共同で、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の本社ビルでの実証実験も開始しております。今後も、不動産ディベロッパーやビルオーナーなどへの提案を強化することで、さらなる追加導入と本格的な事業化を目指してまいります。
このような新規事業の創出を通じて、さらなる収益の拡大を目指してまいります。
(3)住宅領域におけるAkerun事業
① 市場機会
現在、日々の生活の様々な場面でデジタル化が大きく進展し、家事代行サービスや宅配サービス、空間等の不動産や自動車等の動産を有効活用するシェアリングエコノミー(注1)の台頭に代表される消費者の行動態様は大きく変化しております(注2)。さらに現在では、新型コロナウイルス感染症の影響による、非対面によるサービス利用や荷物の受け取り、人や物品のトレーサビリティなどへのニーズの高まりを受け、デジタルを活用する取り組みも拡大しております。そして、このデジタル化の流れは、消費者だけでなく、住宅関連のサービス事業者や不動産事業者にも拡大しており、物件の内覧や管理をデジタル化によって効率化する取り組みなど、不動産テックと呼ばれる市場も拡大しております(注3)。また、前述の通り、ミクスドユースといった都市開発コンセプトによる住宅を含む様々な空間へのシームレスなアクセスへの需要も高まると考えております。
加えて、これらの直近の市場動向だけでなく、日本では少子高齢化に伴う高齢者の一人暮らし世帯の増加(注4)とそのような世帯への生活支援、健康管理、安全管理などのケアの提供が課題となっております。この課題の解決に向けては、高齢者のための見守りサービスの普及や利用拡大が期待される中で、人員による定期的な対面に加えて、センサーや通信、ロボットなどのIT技術を活用して人員による見守りを支援する取り組みも今後さらに加速するものと考えております。
一方で、これらのサービス利用の課題として、宅配便の増加に伴う宅配クライシスと呼ばれる宅配事業者の業務負荷の高まり、在宅の必要性、利用時の鍵受け渡しの手間、集合住宅エントランスの入退館時のセキュリティ、ユーザーの心理的不安などがサービスの利用拡大の障壁となっております。
当社グループの住宅領域におけるAkerun事業では、スマートロック及びクラウド上の堅牢な認証基盤や管理ツールを活用することで、これらの課題を解決できるものと考えております。住宅領域のAkerun事業では、これまでに培ったオフィス領域におけるサービス開発、クラウド基盤及びスマートデバイス向けアプリケーションの開発や提供における実績・知見などを活用いたします。これにより、住宅のセキュリティを高めながらシェアリングエコノミーの拡大や社会課題の解決に向けた取り組みなどに伴い普及する住宅向けサービスをユーザーが簡便に利用できるプラットフォームを展開し、新領域でのさらなる事業成長を目指してまいります。
この住宅領域におけるAkerun事業を通じて、人々が持ち歩いていた住宅の鍵を、当社グループの合弁会社が提供する住宅向けアプリケーションやICカードなどへと置き換えることで、当社グループの目指すキーレス社会の実現に向けた取り組みを加速するとともに、関連事業者やユーザーのさらなる利便性向上に資するものと考えております。
(注)1.遊休となっている空間や人材などの資産のさらなる有効活用により、社会課題の解決や生産性の向上などを目指す経済態様のことであります。
2.株式会社矢野経済研究所「2020 シェアリングエコノミー市場の実態と展望」(2020年09月30日発刊)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2545
3.株式会社矢野経済研究所「2021年版 不動産テック市場の実態と展望」(2021年07月28日発刊)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2770
4.内閣府「令和2年版高齢社会白書」(2020年07月31日公表)
② サービス提供のスキーム
住宅領域では、サービスや製品の提供にあたり、建築用錠前の提供で国内大手の美和ロック株式会社(以下、美和ロック)との合弁会社となる株式会社MIWA Akerun Technologiesを2021年1月に設立しております。当社が51%、美和ロックが49%を出資するこの合弁会社を通じて、当社は住宅向けサービスの基盤となるクラウド上の認証基盤やスマートデバイス向けアプリケーションの開発、美和ロックはAkerunと連携する住宅向けスマートロックの開発と提供、そして合弁会社が住宅向けサービスの開発と提供をそれぞれ担います。
当社のクラウド上の認証基盤及びスマートデバイス向けアプリケーションといったソフトウェア技術における信頼性と実績、美和ロックの住宅向けスマートロック製品に関するハードウェア技術の堅牢性と実績、そして合弁会社によるスマートロックを起点とした住宅向けサービスの開発と提供という各社のそれぞれの強みを組み合わせることで、ユーザーの安全・安心の実現とともに包括的なサービスを提供し、これまで以上に利便性の高い生活の実現に貢献できるものと考えております。
③ サービスの強み
住宅領域におけるAkerun事業では、美和ロックとの合弁会社を通じて両社の強みを生かした事業を展開してまいります。具体的には、建築用錠前で国内大手である美和ロックがこれまでに培ってきた、不動産ディベロッパーや工務店などとの広範な営業チャネルを最大限活用してまいります。これにより、賃貸・分譲の集合住宅や戸建住宅の施工段階から住宅用スマートロックを提案することで、幅広い住宅への導入を目指してまいります。
また、2021年3月時点でのアカウント数91万ユーザー獲得を通じて培った実績あるクラウド上のアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」も強みとなります。要件の厳しい企業ユーザーを支えるこのクラウド基盤及び認証基盤の信頼性や堅牢性を活用することで、住宅向けにも強固なセキュリティを提供いたします。さらに、住宅領域におけるスマートデバイス向け専用アプリケーションについても、企業向けに提供するアプリケーションをベースにすることで、信頼性や堅牢性の担保と同時に、使いやすさの向上も実現できると考えております。
④ 今後の成長拡大のための取り組み
現在、住宅向けの各種サービスの興隆や新型コロナウイルス感染症による外出自粛などの影響もあり、シェアリングエコノミーの普及を背景とした家事代行や宅配などのシェアリングサービスの利用や提供事業者が拡大しております。
この市場トレンドやニーズに応えるべく、美和ロックが有する営業チャネルを活用して住宅向けスマートロック及びサービス利用のためのプラットフォームを展開することで、新たに施工される集合住宅や戸建住宅に加え既存の住宅への広範囲における提案を強化してまいります。また、合弁会社が提供する住宅向けアプリケーションから利用できる住宅向けサービスに関して、家事代行や宅配、見守りなどの様々なサービス提供事業者と提携することで、より多くの選択肢をユーザーに提供する計画であります。これらの取り組みを推進することで、鍵を起点とした魅力あるサービスプラットフォームを提案し、ユーザー基盤の拡大とともに事業成長を目指しております。
[事業系統図]
(注) 顧客紹介を受けて、当社が顧客との契約及びサービスの提供を行います。
2020年12月末時点においては、関係会社を有しておりませんが、2021年1月15日に株式会社MIWA Akerun Technologiesを新規設立したことに伴い、同社を連結子会社にしております。
名称 |
住所 |
資本金 (千円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有(又は被所有)割合 (%) |
関係内容 |
(連結子会社) |
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株式会社MIWA Akerun Technologies |
東京都港区 |
50,000 |
Akerun事業 |
51 |
役員の兼任 クラウドサービスの提供及び保守 システム開発の業務受託 管理業務の業務受託 |
(注)1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
(1)連結会社の状況
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2021年8月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(名) |
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Akerun事業 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.当社グループはAkerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。
(2)提出会社の状況
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2021年8月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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( |
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(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。
3.当社グループはAkerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。
4.従業員数が最近1年間において40名増加しておりますが、主として事業拡大に伴う期中採用によるものであります。
(3)労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。