(はじめに)
当社グループは、2005年6月に企業向けアプリケーションの部品化と再利用を可能とするプラットフォーム(※)開発を目的として設立された株式会社レジェンド・アプリケーションズ(実質的な存続会社)(以下、旧株式会社レジェンド・アプリケーションズ)を前身としております。設立後、順調に事業を拡大してまいりましたが、お互いの強みを相互補完的に統合し、より総合的なソリューションを顧客企業に提供するため、2011年9月に株式会社ワークスアプリケーションズが、株式譲渡により、当社株式の100%を保有し当社の親会社となり、同月にリソースの有効活用を目的として、株式会社ワークスアプリケーションズの子会社である株式会社ワークスソリューションズと吸収分割契約により事業統合いたしました。
その後、株式会社ワークスアプリケーションズの経営方針転換に伴い、2017年10月に創業者である久保努へ旧株式会社レジェンド・アプリケーションズの株式を譲渡することを目的として、受皿会社としてLAI HOLDING株式会社を設立しました。2017年11月に経営陣によるマネジメント・バイアウト(MBO)によりLAI HOLDING株式会社が旧株式会社レジェンド・アプリケーションズの全株式の買取を実施いたしました。
2018年3月にLAI HOLDING株式会社を存続会社として旧株式会社レジェンド・アプリケーションズを吸収合併し、商号を株式会社レジェンド・アプリケーションズに変更、その後2019年10月に商号を株式会社ラキールに変更して現在に至っております。
※ ソフトウェアを開発、運用、監視する基盤となる環境のこと。
以上の当社グループの事業運営主体の変遷を図示いたしますと、次のようになります。
回次 |
第3期 |
第4期 |
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決算年月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
(千円) |
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包括利益 |
(千円) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
3.自己資本利益率は、親会社株主に帰属する当期純利益を自己資本(期首及び期末における連結純資産(新株予約権及び非支配株主持分控除後))の平均で除した数値であります。
4.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
5.従業員数は他社からの出向者を含み他社への出向者を除く正社員及びフルタイムの契約社員の人数であり、臨時雇用者数(フルタイムではない契約社員、アルバイト、インターン及び派遣社員)は、従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。
6.第3期及び第4期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。
7.当社は、2020年12月3日付で普通株式1株につき、100株の株式分割を行っておりますが、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
回次 |
第1期 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
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決算年月 |
2017年12月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△ |
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当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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従業員数 |
(人) |
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(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は2017年10月5日設立のため、第1期の会計期間は、2017年10月5日から2017年12月31日までの2ヶ月間と27日となっております。
3.2018年3月に旧株式会社レジェンド・アプリケーションズを吸収合併し、同社の事業を継承しました。そのため、第2期の事業会社としての実質的な期間は、10ヶ月間となっております。
4.第1期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5.第2期、第3期及び第4期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
6.第1期の自己資本利益率は、当期純損失であるため記載しておりません。
7.第1期に現物配当を実施しておりますが、1株当たり配当額及び配当性向に含めておりません。
8.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
9.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
10.従業員数は他社からの出向者を含み他社への出向者を除く正社員及びフルタイムの契約社員の人数であり、臨時雇用者数(フルタイムではない契約社員、アルバイト、インターン及び派遣社員)は、従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。
11.第3期及び第4期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。なお、第1期及び第2期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
12.当社は、2020年12月3日付で普通株式1株につき、100株の株式分割を行っておりますが、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
13.当社は、2020年12月3日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第1期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。
なお、第1期及び第2期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
回次 |
第1期 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
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決算年月 |
2017年12月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
91.43 |
129.22 |
138.28 |
167.66 |
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△8.57 |
24.15 |
9.06 |
21.98 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(参考情報)
当社は2017年10月にLAI HOLDING株式会社を設立後、2017年11月にMBOにより旧株式会社レジェンド・アプリケーションズの全株式を取得し、2018年3月に同社を吸収合併、同時に株式会社レジェンド・アプリケーションズへ商号変更を行い、事業を継承しました。
そのため、参考情報として実質上の被承継会社である旧株式会社レジェンド・アプリケーションズの2016年6月期から2018年2月期に係る主要な経営指標の推移(会社計算規則に基づき算出した数値)を記載しております。
なお、発行済株式総数が異なるため、1株当たり指標の推移については記載を省略しております。
旧株式会社レジェンド・アプリケーションズの主要な経営指標等の推移
回次 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
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決算年月 |
2016年6月 |
2017年6月 |
2018年2月 |
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売上高 |
(千円) |
4,644,977 |
4,891,012 |
3,069,676 |
経常利益 |
(千円) |
226,793 |
263,374 |
347,165 |
当期純利益 |
(千円) |
133,191 |
162,865 |
224,384 |
資本金 |
(千円) |
291,650 |
291,650 |
291,650 |
純資産額 |
(千円) |
1,450,507 |
1,614,373 |
933,545 |
総資産額 |
(千円) |
2,177,588 |
2,194,614 |
1,513,824 |
(注)1.売上高には消費税等は含まれておりません。
2.各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人の監査は受けておりません。
3.2018年2月期は2017年7月1日から2018年2月28日までの8ヶ月間となっております。
当社グループは、企業向けアプリケーションの部品化とそれらの再利用を可能とするプラットフォーム開発を目的として2005年6月に設立いたしました。以下において、当社、及び当社の実質的な存続会社である旧株式会社レジェンド・アプリケーションズの沿革を記載しております。
2005年6月 |
東京都中央区に株式会社レジェンド・アプリケーションズ(旧株式会社レジェンド・アプリケーシ ョンズ)を設立(資本金12,000千円) |
2005年9月 |
子会社マネジメント・バイアウト(MBO)を目的として、株式会社イーシー・ワンよりEC-One China Holding, Inc.(現 Legend Applications China Holding, Inc.)の発行済株式を74.3%取得し、同社と同社完全子会社である北京一希望信息技術有限公司(現 北京利衆得応用技術有限公司)を子会社化 (注)EC-One China Holding, Inc.は2001年9月に、北京一希望信息技術有限公司は2002年1月に、株式会社イーシー・ワンの子会社としてそれぞれ設立されました。 |
2011年2月 |
本社を東京都港区虎ノ門へ移転 |
2011年9月 |
株式会社ワークスアプリケーションズが、株式譲渡により、旧株式会社レジェンド・アプリケーシ ョンズ株式の100%を保有し同社の親会社となる |
2011年9月 |
旧株式会社レジェンド・アプリケーションズが株式会社ワークスアプリケーションズの子会社である株式会社ワークスソリューションズと吸収分割により事業統合 |
2012年8月 |
メッセージングツールである「LaKeel Instant Messenger(現LaKeel Messenger)」リリース |
2013年9月 |
データを集約・加工し、経営戦略のための意思決定を行う製品であるBI(ビジネス・インテリジェンス)ツール「LaKeel BI」リリース |
2016年5月 |
本社を東京都港区赤坂へ移転 |
2017年10月 |
株式会社ワークスアプリケーションズからのマネジメント・バイアウト(MBO)を目的として、LAI HOLDING株式会社を設立 |
2017年11月 |
経営陣によるMBOにより旧株式会社レジェンド・アプリケーションズの全株式の買取実施 |
2018年3月 |
LAI HOLDING株式会社を存続会社として旧株式会社レジェンド・アプリケーションズを吸収合併し、商号を株式会社レジェンド・アプリケーションズに変更 |
2018年12月 |
インフラ技術の吸収とリソース強化を目的として、株式会社マーベリックの発行済株式を100%取得し、同社と同社子会社株式会社ZESTを完全子会社化 |
2019年3月 |
管理体制の強化を目的として、株式会社マーベリックを吸収合併 |
2019年5月 |
本社を東京都港区愛宕へ移転 |
2019年5月 |
デジタルビジネスプラットフォームである「LaKeel DX」リリース |
2019年5月 |
eコマース(*1)向けツールである「LaKeel Commerce」リリース |
2019年10月 |
商号を株式会社ラキールに変更 |
2020年6月 |
データ分析・再利用基盤である「LaKeel Data Insight」リリース |
本書(上表を含む)において(*)を付した用語については、「3 事業の内容」の用語集をご参照ください。
当社グループは、当社及び連結子会社3社(Legend Applications China Holding, Inc.、北京利衆得応用技術有限公司、株式会社ZEST)で構成されております。当社グループは、LaKeel事業の単一セグメントであるためセグメントごとの記載を省略しておりますが、当社グループのサービスは、プロフェッショナルサービス及びプロダクトサービスの2つに区分されます。
(1)LaKeel事業
①シェアリングエコノミー時代の到来と企業システムが直面する2つの問題点
PC・スマホ上のさまざまなサービス(動画配信サービス、音楽配信サービス、ストレージサービスなど)の例でも明らかなように、あらゆる業種・業態において資産を所有せず、利用料(サブスクリプション(*2))だけを支払ってサービスを享受するシェアリングエコノミーが2010年頃を境に出現しました。
企業システムの運用において、従来は各企業がデータセンターを所有し、その自社センター内に多くのサーバーを所有することで企業経営を支えてきました。しかし、近年のアマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの大手クラウド(*3)事業者の出現により、各企業はコンピュータの運用をこれら大手クラウド事業者のサービスに乗せ換える動き(所有から利用)が顕著になり、コンピュータを自社で所有する企業は大きく減少傾向にあります。
一方で、これら大手クラウド事業者サービスの利用を開始すると、新たな問題点が明らかになりました。1つは、その大手クラウドサービスの技術を熟知しないと、そのサービス上で思うようなシステムの開発・改変が出来ないという問題です。これは技術者の不足も相俟って大手企業といえども簡単には解決出来ない課題です。また、もう1つは、大手クラウドベンダー1社に絞ると効率的な運用を可能にするものの、1社のサービス内容の変更により経済合理性が崩れるなど、全てを依存するのは危険ではないか、との指摘もなされる様になりました。
②当社が提供する解決策
上記の問題点を解決するために、当社はLaKeel DXを開発しました。LaKeel DXはアプリケーション開発を効率的に行うための環境です。LaKeel DXを活用することで、ユーザー企業はサーバーやネットワーク機器を準備することなく、アマゾン、マイクロソフト、グーグル等の大手クラウド事業者が提供する、主にサーバー運用のためのクラウドプラットフォームの上で、アプリケーションの開発・運用を行うことができます。
LaKeel DXはさまざまなクラウド事業者のサービスに対応しているため、ユーザー企業は大手クラウド事業者のサービス(安価なコンピュータリソース、安全な環境など)を享受しつつも、他の大手クラウド事業者への乗り換えが困難になることなく、状況に応じて最適な選択肢を得ることが可能になります。
③シェアリングエコノミー時代に相応しい開発手法
デジタルトランスフォーメーション(*4)が叫ばれる時代において、各企業は新たなビジネスモデルの創出、それに伴うITシステムの構築が必須となっています。これまでの企業のシステム開発においては、『小さな機能ごとの部品を組み合わせる』という開発手法は存在しておらず、ひとつひとつのシステム全体を手作りで構築していました。また、企業のシステムは自社固有のシステムであるべき、という考え方の下で自社所有が一般的でした。
当社のLaKeel DXは、企業のシステム開発を可能とする細かな部品(ファイル管理、検索、マスタ連携といった機能)を数多く用意しており、これらを自在に組み合わせることで必要な業務機能の実現(システム開発)が可能となります。この開発技術で当社は特許を取得しました。※特許番号 第6850859号
勿論、LaKeel DX上でユーザー企業の情報システム部が機能部品を開発することも可能です。ユーザー企業は、この組み合わせ自在な機能部品を利用することで、大手クラウド事業者固有の技術に精通することなく、デジタルトランスフォーメーションに対するアプローチを採ることが可能になります。そして、これらを組み合わせることで『使えば使うほど便利になる仕組み』を実現するのがLaKeel DXです。従って、より少ない技術者によるシステムの開発・改変が可能となります。
同時に、ユーザー企業は必要な機能部品などの利用料を払うだけで必要な機能の入手が可能となり、将来ビジネスモデルが変更になり、その時点で不要となるシステムの減価償却を継続する、という必要がなくなります。
LaKeel DXは2019年5月にリリースした製品で、開発・販売の歴史が浅く現時点では主力の製品サービスではありませんが、以上のような背景から今後当社グループが最も注力していくサービスです。
(2)当社グループの事業モデル
①プロフェッショナルサービス
現在の主力サービスであるプロフェッショナルサービスは、主に大手建設会社、大手不動産会社、大手金融機関等(銀行、生損保、リース)向けの基幹システムを対象に、システム開発サービス、システム保守サービスを展開しております。なお、本サービスの一部をビジネスパートナーに委託しております。
1)システム開発サービス
・レガシーマイグレーション(古い設計や仕様、製品に基づいて構築された基幹業務システムや周辺システムを新しい技術や製品をベースとしたものに置き換えるサービス)
・クラウドマイグレーション(自社内に機器を設置して運用してきたシステムをクラウド環境に移行するサービス)
・スクラッチの開発(顧客要望に基づき、一からシステムを開発するサービス)
2)システム保守サービス
・前述のシステム開発サービスにより開発されたシステムの運用や機能拡張を図るサービス
・特定アプリケーションの導入に伴うユーザーサポートサービス
上記、システム開発サービスに加え、システム保守サービスを併せて提供することにより、売切りの収益モデルであるフロービジネスを、持続的な安定収益モデルであるストックビジネスに転換を図り、より安定した収益を実現しております。
また、LaKeel DXを導入するにあたり、専門技術を有するリソースを持たない、もしくはリソースが不足しているユーザー企業向けに開発人材を投入し、LaKeel DXを活用し、ユーザー企業の既存のIT資産の迅速なクラウド化(リフト&シフト)を実現するサービスを提供します。これによりユーザー企業はデジタルトランスフォーメーションを推進するためのIT環境を手に入れることができ、ビジネスの俊敏性とIT投資効率向上、競争力向上が可能となります。
②プロダクトサービス
1)製品サービス
LaKeel DX上で稼働する多くの製品を順次リリースしています。ユーザー企業は、これら製品を自社資産として所有することなく、必要な期間・必要な機能分の利用料を支払うことで、よりスピーディに新たな機能を活用し、自社の業務を支えるITサービスにおけるシェアリングエコノミーのメリットを受けることが可能となります。
これらの製品には、業務アプリケーションだけでなく、それを構成している機能部品群(LaKeel Components)、LaKeel DX上で自在に部品を組み合わせて開発を行う基盤(LaKeel Engine)、製品や開発された機能部品群を最適に運用する基盤(LaKeel Platform)が含まれています。
また、LaKeel DXは、デジタルトランスフォーメーションを加速する仕組みとして、LaKeel DX上で運用されているシステムで生成されたデータに加え、ユーザー企業が開発・運用しているシステムで生成されたデータ、インターネット上に存在するオープンデータ等を収集しこれらを管理・分析する基盤、ワークフローを実行する基盤、及びID管理の基盤を備えています。
なお、本サービスの一部において、仕入先より購入した製品を販売しております。
2)コンサルティングサービス
a. LaKeel DXコンサル
LaKeel DXを最大限に活用する為のコンサルティングサービスを提供することで、ユーザー企業の推進するデジタルトランスフォーメーションの実現とITを通じた経営戦略への貢献の最大化を図ります。
b. LaKeel DX Dataコンサル
LaKeel DXに上に収集された膨大なデータを分析し、これを経営判断に活かすためのサービスです。
プロダクトサービスで提供している製品・サービス
製品サービス |
製品サービスの特徴 |
LaKeel DX |
業務アプリケーションとそれを構成している機能部品群(LaKeel Components)、自在に部品を組み合わせて開発を行う基盤(LaKeel Engine)、製品や開発された機能部品群を最適に運用する基盤(LaKeel Platform)が含まれる。 デジタルトランスフォーメーションを加速する仕組みとして、LaKeel DX上で運用されているシステムで生成されたデータに加え、ユーザー企業が開発・運用しているシステムで生成されたデータ、インターネット上に存在するオープンデータ等を収集し、これらを管理・分析する基盤を備える。 |
LaKeel BI |
経営・会計・人事などの多くのデータを集約・加工し、これを判り易く可視化し、経営戦略のための意思決定を行う製品。 |
製品サービス |
製品サービスの特徴 |
LaKeel Data Insight |
様々なデータを統合的に管理する事で企業活動における全てのデータを知り、未来を導き出し、行動へ移す為のデータ分析・再利用基盤。クラウド技術を利用し超大規模のビッグデータアナリティクスに対応する他、マイクロサービス(*5)技術により可視化や分析の先にある行動に繋げる事が可能。 |
LaKeel Messenger |
企業向けのSNS(*6)ツール。大企業でのコミュニケーションをリアルタイムかつ安全に行えるように、お客様の運用方針に沿った設定に変更することが可能。 |
LaKeel Commerce |
eコマースツール。新しい決済手段が登場した場合も即座に部品を開発し、既存システムと組み合わせることが可能。 |
LaKeel Online Media Service |
マイクロ・ラーニング(*7)ツール。提供するコンテンツの分野は、労働・安全・食品・ハラスメント等。また、多言語(英語・中国語(簡体字)・ベトナム語・ネパール語・ミャンマー語・ポルトガル語(ブラジル))にも対応。 |
LaKeel My Number |
マイナンバー管理プラットフォーム。 個人番号登録から法定帳票の出力まで、従業員、およびその家族のマイナンバーを一括でセキュアに管理する事が可能。 |
LaKeel StressCheck |
企業向けストレスチェックツール。 厚生労働省「職業性ストレスチェック簡易調査票」に準拠し、ストレスチェックの回答、結果確認、企業への情報提供同意、面接指導の申出、各種分析帳票をWeb上で実施できる。 |
MONEY/HUMAN |
中堅企業を中心に1,200社以上の導入実績を持つ、IBMiシリーズ(AS400)で稼働する会計・人事給与パッケージ。 |
その他、当社以外の製品・サービスを提供する取引があります。
プロダクトサービスで提供しているソリューション構成図
また、連結子会社にて以下の事業を行っております。
・北京利衆得応用技術有限公司
主にLaKeel製品の開発拠点としての位置づけを担っており、開発人材の確保と技術面でプロダクトサービスに貢献しています。
・株式会社ZEST
コンサルティングサービス向けに開発人材供給を行っている他、金融機関向けの専門エンジニア派遣等といった一部独自のシステムエンジニアリングサービス業務を実施しております。
(3)当社グループの事業の収益モデル
①プロフェッショナルサービス
プロフェッショナルサービスは、システム開発及びシステム保守を提供するモデルです。新規顧客向けのシステム開発案件はフロービジネスです。また、既存顧客向けのシステム開発案件、及び保守案件は持続的な安定収益をもたらすリカーリング型レベニューモデル(*8)です。それらの売上の比率は以下の通りとなっており、リカーリング型レベニューモデルがサービス全体の大半を占め、安定した収益確保に貢献しております。
売上区分 |
2019年12月期 連結会計年度 |
2020年12月期 連結会計年度 |
2021年12月期第1四半期 連結累計期間 |
|||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
フロービジネス |
936,367 |
20.9 |
202,821 |
6.1 |
21,698 |
3.1 |
リカーリングレベニュー |
3,547,099 |
79.1 |
3,103,742 |
93.9 |
681,276 |
96.9 |
合計 |
4,483,467 |
100.0 |
3,306,563 |
100.0 |
702,974 |
100.0 |
②プロダクトサービス
1)製品サービス
製品サービスは、サブスクリプション型レベニューモデル(*9)であり、継続的なサービス提供により、サービス提供期間を通じた収益が積み上がるモデルです。製品ラインナップの拡充により顧客数が増加し、売上の成長につながっております。
LaKeel製品(※1)サブスクリプション売上高/ユーザー数(※2)四半期推移
|
2019年12月期 |
2020年12月期 |
2021年12月期 |
||||||
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
第1 四半期 |
|
売上高 (千円) |
67,655 |
69,209 |
76,861 |
80,072 |
93,667 |
99,611 |
107,873 |
121,530 |
129,063 |
ユーザー数 (社) |
134 |
143 |
147 |
152 |
163 |
180 |
194 |
202 |
215 |
※1 LaKeel製品には、LaKeel DX、LaKeel BI、LaKeel Commerce、LaKeel Online Media Service、LaKeel Messenger、LaKeel Data Insight、LaKeel My Number、LaKeel StressCheckが含まれます。
※2 ユーザー数は、取引社数(顧客数)ではなくエンドユーザー数です。
顧客企業の満足度向上に取り組んだ結果、LaKeel製品ユーザーが解約に至るケースは経年で減少して推移しており、カスタマーチャーンレート(グロス(※3)及びネット(※4))は以下のとおりであります。
四半期カスタマーチャーンレート(ネット)は、2019年12月期及び2020年12月期においては継続してマイナスとなっており、ユーザーの獲得が安定して解約を上回っていることを示しております。
LaKeel製品のユーザー数解約率(カスタマーチャーンレート(グロス及びネット))四半期推移
※3 カスタマーチャーンレート(グロス):対象期間中に解約により減少したLaKeel製品サブスクリプションユーザー数÷対象前期末時点でのLaKeel製品サブスクリプションユーザー数
※4 カスタマーチャーンレート(ネット):(対象期間中に解約により減少したLaKeel製品サブスクリプションユーザー数-同期間中に新規契約により増加したLaKeel製品サブスクリプションユーザー数)÷対象前期末時点でのLaKeel製品サブスクリプションユーザー数
さらに、製品ラインナップの拡充と企業のDXに対する取り組みの活発化により、販売が好調に推移し、2020年12月期のLaKeel製品長期(年間)チャーンレートは、レベニューチャーンレート(グロス)(※5)が2.1%(うち主力製品であるLaKeel DXとLaKeel BIは共に0.0%)、カスタマーチャーンレート(グロス)は4.2%(うち主力製品であるLaKeel DXとLaKeel BIは共に0.0%)となりました。更に、同期間でのレベニューチャーンレート(ネット)(※6)は△57.1%(うち主力製品であるLaKeel DXは△279.5%、LaKeel BIは△47.5%)、カスタマーチャーンレート(ネット)は△25.4%(うち主力製品であるLaKeel DXは△200.0%、LaKeel BIは△23.9%)となっており、LaKeel製品によるサブスクリプション収益が順調に推移していることを表しております。
|
2019年12月期 |
2020年12月期 |
2021年12月期 第1四半期 |
カスタマーチャーンレート(グロス) |
7.4% |
4.2% |
2.8% |
カスタマーチャーンレート(ネット) |
△17.4% |
△25.4% |
△5.1% |
レベニューチャーンレート(グロス) |
3.0% |
2.1% |
4.1% |
レベニューチャーンレート(ネット) |
△28.6% |
△57.1% |
△9.3% |
※5 レベニューチャーンレート(グロス):対象期間中に解約により減少したLaKeel製品サブスクリプション月額売上高÷対象前期末時点でのLaKeel製品サブスクリプション月額売上高
※6 レベニューチャーンレート(ネット):(対象期間中に解約により減少したLaKeel製品サブスクリプション月額売上高-同期間中に新規契約により増加した月額売上高)÷対象前期末時点でのLaKeel製品サブスクリプション月額売上高
2020年12月期のLaKeel製品全体及び主力製品の直近の解約率は以下のとおりとなっております。
カスタマーチャーンレート(グロス) |
レベニューチャーンレート(グロス) |
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LaKeel DX |
0.0% |
LaKeel DX |
0.0% |
LaKeel BI |
0.0% |
LaKeel BI |
0.0% |
LaKeel製品(全体) |
4.2% |
LaKeel製品(全体) |
2.1% |
カスタマーチャーンレート(ネット) |
レベニューチャーンレート(ネット) |
||
LaKeel DX |
△200.0% |
LaKeel DX |
△279.5% |
LaKeel BI |
△23.9% |
LaKeel BI |
△47.5% |
LaKeel製品(全体) |
△25.4% |
LaKeel製品(全体) |
△57.1% |
2)コンサルティングサービス
コンサルティングサービスは、サービスの提供によりその対価を受領するフロービジネスで、製品サービスの成長に伴い、収益が増加するモデルです。
<用語集>
用語 |
説明 |
*1 eコマース |
ネットショッピングに代表される、インターネット上での電子商取引のこと。 |
*2 サブスクリプション |
顧客に対し提供するサービスの対価を使用した期間に応じて受領する契約方式のこと。料金は定額。 |
*3 クラウド |
インターネットなどを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する形態のこと。 |
*4 デジタルトランスフォーメーション(DX) |
デジタルテクノロジーにより企業の収益構造の転換、新たな事業創造等を図ること。 |
*5 マイクロサービス |
アプリケーションを単一の機能を行う小さな単位(サービス)に分割し、それぞれを独立して開発し利用できるようにする、というソフトウェア開発の考え方のこと。 |
*6 SNS |
社会的なネットワークや、人と人とのつながりを促進・サポートする仕組み。 元々は個人利用が中心だったが、近年では各国の企業だけでなく政府機関など多くの分野において利用が進んでいる。 |
*7 マイクロ・ラーニング |
1回5分程の動画や、Webコンテンツなどの教材を使って学ぶ方法。 すき間時間での学習が可能となり反復学習がしやすくなる為、学んだ内容が記憶に定着しやすく、高い学習効果が期待できるメリットがある。 |
*8 リカーリング型レベニューモデル |
単体の製品を売って終わりではなく、販売後も顧客から継続的に収益を上げるモデル。 |
*9 サブスクリプション型レベニューモデル |
顧客に対し提供するサービスの対価を使用した期間に応じて受領し、継続的に収益を上げるモデル。 |
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(連結子会社)
名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
Legend Applications China Holding, Inc. (注)2.5 |
英国領ケイマン島 |
1,551千USドル |
LaKeel事業 |
94.8 |
役員の兼任 2名 |
北京利衆得応用技術有限公司 (注)2.3 |
中華人民共和国北京市 |
11,457千人民元 |
LaKeel事業 |
94.8 (94.8) |
役員の兼任 4名 当社製品の開発 中国及び日本における当社製品及びサービスの提供 |
株式会社ZEST |
東京都千代田区 |
10,000千円 |
LaKeel事業 |
100.0 |
役員の兼任 2名 当社サービスの受託 |
(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.特定子会社に該当しております。
3.「議決権の所有割合又は被所有割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。
4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5.Legend Applications China Holding, Inc.は、北京利衆得応用技術有限公司の発行済株式全てを取得し、統括運営する中間持株会社として設立した連結子会社であります。
(1)連結会社の状況
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2021年5月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
LaKeel事業 |
472 |
合計 |
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(注)1.従業員数は他社からの出向者を含み他社への出向者を除く正社員及びフルタイムの契約社員の人数であり、臨時雇用者数(フルタイムではない契約社員、アルバイト、インターン及び派遣社員)は、従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。
2.当社グループは、LaKeel事業のみの単一セグメントであるため、グループ全体での従業員数を記載しております。
(2)提出会社の状況
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2021年5月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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(注)1.従業員数は他社からの出向者を含み他社への出向者を除く正社員及びフルタイムの契約社員の人数であり、臨時雇用者数(フルタイムではない契約社員、アルバイト、インターン及び派遣社員)は、従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.平均勤続年数は、2005年6月の旧株式会社レジェンド・アプリケーションズ設立以後の勤続年数を記載しております。
4.当社は、LaKeel事業のみの単一セグメントであるため、当社の従業員数を記載しております。
(3)労働組合の状況
当社グループにおいて特記する事項はありません。労使関係は円満に推移しております。