(はじめに)
当社は、1989年4月に設立された給与計算業務のアウトソーシングサービスを行う旧株式会社ペイロール①を吸収合併した旧株式会社ペイロール②(以下、実質上の存続会社である旧株式会社ペイロール①と旧株式会社ペイロール②を併せて「旧株式会社ペイロール」という。)の株式取得を目的として、2017年4月にPRホールディングス株式会社として設立されたのち、同年12月を合併期日として旧株式会社ペイロール②を吸収合併、同時にPRホールディングス株式会社から株式会社ペイロールに商号変更し現在に至っております。
回次 |
国際会計基準 |
||
第2期 |
第3期 |
||
決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
|
売上収益 |
(千円) |
|
|
税引前利益 |
(千円) |
|
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
(千円) |
|
|
親会社の所有者に帰属する当期包括利益 |
(千円) |
|
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
(千円) |
|
|
総資産額 |
(千円) |
|
|
1株当たり親会社所有者帰属持分 |
(円) |
|
|
基本的1株当たり当期利益 |
(円) |
|
|
希薄化後1株当たり当期利益 |
(円) |
|
|
親会社所有者帰属持分比率 |
(%) |
|
|
親会社所有者帰属持分当期利益率 |
(%) |
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
(注)1.上記指標は、国際会計基準(以下「IFRS」という。)により作成しております。なお、当社は、第3期より
IFRSによる連結財務諸表を作成しております。また、第2期についても2018年4月1日を移行日としたIFRS
に基づく連結経営指標等をあわせて記載しております。
2.売上収益には、消費税等は含まれておりません。
3.株価収益率は、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
4.従業員数は就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、従業員数の(外書)は、1日8時間換算による臨時従業員の年間の平均人員を外数で記載しております。
5.第2期、第3期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けております。
6.当社は、2019年12月3日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っておりますが、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益については算定しております。
回次 |
日本基準 |
|||
第1期 |
第2期 |
第3期 |
||
決算年月 |
2018年3月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
|
売上高 |
(千円) |
|
|
|
経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△ |
|
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
|
|
資本金 |
(千円) |
|
|
|
発行済株式総数 |
(株) |
|
|
|
純資産額 |
(千円) |
|
|
|
総資産額 |
(千円) |
|
|
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
|
|
|
1株当たり配当額 |
(円) |
|
|
|
(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
|
1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△) |
(円) |
△ |
|
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
|
|
|
自己資本比率 |
(%) |
|
|
|
自己資本利益率 |
(%) |
|
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
|
配当性向 |
(%) |
|
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.第1期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないこと、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないこと、1株当たり当期純損失金額であることから、記載しておりません。
3.第2期、第3期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないこと、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないことから、記載しておりません。
4.第1期は、2017年4月19日から2018年3月31日までの11ヶ月と12日間が対象期間であります。なお、旧株式会社ペイロール②から事業を継承したのは、2017年12月1日であります。
5.当社は、2019年12月3日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っており、発行済株式総数は、17,478,100株となっております。
6.第1期の自己資本利益率は、当期純損失であるため、記載しておりません。
7.株価収益率は、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
8.1株当たり配当額及び配当性向は、当社は配当を実施していないため、記載しておりません。
9.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、従業員数の(外書)は、1日8時間換算による臨時従業員の年間の平均人員を外数で記載しております。
10.当社は、2019年12月3日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っておりますが、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額を算定しております。
11.第1期、第2期及び第3期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しております。第2期及び第3期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けております。
12.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第2期の期首から適用しており、第1期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
13.第1期については、2017年12月1日に旧株式会社ペイロール②と合併がなされ、実質的な営業期間は2017年12月1日から2018年3月31日までの4ヶ月間となっており、合併関連費用等が一時的に発生した影響により、経常損失及び当期純損失となりました。
14.当社は、2019年12月3日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第1期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。
なお、第1期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。
回次 |
第1期 |
第2期 |
第3期 |
|
決算年月 |
2018年3月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
453.31 |
457.76 |
462.22 |
1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△) |
(円) |
△20.61 |
4.45 |
4.46 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(参考情報)
上記「はじめに」に記載のとおり、当社(形式上の存続会社 PRホールディングス株式会社)は、2017年12月をもって旧株式会社ペイロール②(実質上の存続会社)を吸収合併しているため、参考として旧株式会社ペイロール②の経営指標を記載いたします。
回次 |
日本基準 |
|||||
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
||
決算年月 |
2014年3月 |
2015年3月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
2017年11月 |
|
売上高 |
(千円) |
- |
4,481,207 |
5,456,886 |
5,979,144 |
3,591,144 |
経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△329,931 |
201,912 |
364,341 |
700,720 |
280,680 |
当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△330,881 |
123,090 |
157,487 |
422,571 |
144,645 |
資本金 |
(千円) |
1,735,000 |
1,735,000 |
1,735,000 |
1,735,000 |
1,735,000 |
発行済株式総数 |
(株) |
69,401 |
69,401 |
69,401 |
69,401 |
69,401 |
純資産額 |
(千円) |
3,139,112 |
3,262,202 |
3,419,690 |
3,842,261 |
3,986,907 |
総資産額 |
(千円) |
6,223,991 |
6,899,408 |
7,510,237 |
7,584,140 |
7,473,364 |
1株当たり純資産額 |
(円) |
45,231.52 |
47,005.12 |
49,274.37 |
55,363.20 |
57,447.41 |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
|
1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△) |
(円) |
△4,849.22 |
1,773.61 |
2,269.24 |
6,088.84 |
2,084.21 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
回次 |
日本基準 |
|||||
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
||
決算年月 |
2014年3月 |
2015年3月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
2017年11月 |
|
自己資本比率 |
(%) |
50.4 |
47.3 |
45.5 |
50.7 |
53.3 |
自己資本利益率 |
(%) |
- |
3.8 |
4.7 |
11.6 |
3.7 |
株価収益率 |
(倍) |
- |
- |
- |
- |
- |
配当性向 |
(%) |
- |
- |
- |
- |
- |
従業員数 |
(人) |
- |
413 |
419 |
458 |
467 |
(外、平均臨時雇用者数) |
(-) |
(188) |
(269) |
(301) |
(302) |
(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.第2期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないこと、非上場株式であり期中平均株価が把握できないこと、1株当たり当期純損失であることから、記載しておりません。
3.第3期から第6期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないこと、非上場株式であるため期中平均株価が把握できないことから、記載しておりません。
4.株価収益率は、旧株式会社ペイロール②株式は非上場であるため、記載しておりません。
5.1株当たり配当額及び配当性向は、当社は配当を実施していないため、記載しておりません。
6.従業員数は就業人員数(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、従業員数の(外書)は、1日8時間換算による臨時従業員の年間の平均人員を外数で記載しております。
7.第2期の当期純損失は、旧株式会社ペイロール①の株式取得を目的として株式会社ジャフコ・エスアイジーNo.16を設立した際に株式取得コストのみ計上したためであります。
8.第6期中(2017年12月1日)に、当社と合併しているため、第6期は、2017年4月1日から2017年11月30日までの8ヶ月間の期間となります。
9.各期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値
を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。
当社は、給与計算業務のアウトソーシングサービスを行う旧株式会社ペイロール②の株式取得を目的として、2017年4月にPRホールディングス株式会社として設立されたのち、同年12月を合併期日として旧株式会社ペイロール②を吸収合併、同時にPRホールディングス株式会社から株式会社ペイロールに商号変更し現在に至っております。
そこで以下では、当社及び旧株式会社ペイロールの沿革を記載しております。
当社の沿革
年月 |
概要 |
2017年4月 |
旧株式会社ペイロール②の株式取得を目的として、当社(PRホールディングス株式会社)が東京都千代田区に設立される |
2017年6月 |
当社(PRホールディングス株式会社)が旧株式会社ペイロール②を子会社化する |
2017年12月 |
旧株式会社ペイロール②を吸収合併。存続会社である当社(PRホールディングス株式会社)を株式会社ペイロールに商号変更し、本社を東京都江東区に移転 |
2018年1月 |
当社独自のHRテクノロジーソリューションサービスを事業化することを目的として、当社100%子会社である株式会社HRテクノロジーソリューションズ(現連結子会社)を東京都江東区に設立 |
2018年7月 |
新基幹システム(P3)による給与計算業務サービスの提供を開始 |
2019年7月 |
長崎BPOセンターを開設 |
旧株式会社ペイロール(実質上の存続会社)の沿革
年月 |
概要 |
1989年4月 |
個人事業主向け記帳代行業務の受託を目的として、有限会社コンフィデンスサービスを千葉県市川市に設立 |
1993年5月 |
本社を東京都渋谷区に移転 |
1994年6月 |
有限会社を株式会社化し、商号を株式会社エコミックに変更 |
1997年7月 |
事業主体を個人事業主向け記帳代行業務から給与計算業務受託に変更 |
1999年5月 |
本社を東京都世田谷区に移転し、事業を給与計算業務のフルアウトソーシング受託に特化 株式会社インテリジェンスが筆頭株主となる |
2000年6月 |
株式会社ペイロールに商号変更 |
2001年12月 |
株式会社パソナが株式会社インテリジェンスより株式譲渡を受け、筆頭株主となる |
2002年3月 |
ADP NEDERLAND B.V.が資本参画し、株式会社パソナ・エーディーピー・ペイロールに商号変更 |
2004年10月 |
プライバシーマーク(注1)認定取得 |
2006年8月 |
本社を東京都江東区に移転 |
2007年4月 |
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)(注2)認証取得 |
2008年1月 |
Bearing Private Equity Asia Ⅲ Holdings B.V.が筆頭株主となる |
2008年8月 |
株式会社ペイロールに商号変更 |
2009年4月 |
北海道BPOセンターを開設 |
2013年2月 |
株式会社ペイロールの株式取得を目的として、株式会社ジャフコ・エスアイジーNo.16を東京都千代田区に設立 |
2013年4月 |
株式会社ジャフコ・エスアイジーNo.16が旧株式会社ペイロール①株式を全部取得し、株式会社ジャフコ・エスアイジーNo.16の完全子会社となる |
2013年12月 |
商号を株式会社ジャフコ・エスアイジーNo.16から株式会社ペイロールホールディングスへ商号変更し、本社を東京都江東区に移転 |
2014年4月 |
旧株式会社ペイロール①を吸収合併し、存続会社である株式会社ペイロールホールディングスを株式会社ペイロールに商号変更(旧株式会社ペイロール②) |
2014年9月 |
北海道プロセスセンターを開設 |
2015年10月 |
北海道BPOセンターを北海道江別市へ移転 |
2016年1月 |
マイナンバー管理サービスの提供を開始 |
2016年6月 |
北海道セットアップセンターを開設 |
(注)1.プライバシーマークとは、日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者を認定するプライバシーマーク制度において、認証されたことを示すものであります。
2.情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)とは、「ISO/IEC 27001」及び「JIS Q 27001」に基づく認証基準に適合することを認定する一般財団法人日本情報経済社会推進協会によるISMS適合性評価制度により、企業の情報管理体制が認証されたことを示す国際規格であります。
当社グループは当社及び連結子会社1社(株式会社HRテクノロジーソリューションズ)から構成されており、マネージドサービス※1と、クラウドサービス※2を用いた給与計算業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を主たる事業として行っております。当社グループは、顧客企業の人事・労務関連業務の土台を支え続けることで、企業社会を根底から支える基盤、つまり「ソフトインフラ」としての役割を担うことを理念としております。なお、当社グループはBPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループが事業を展開する給与計算業務のアウトソーシング市場は、政府の提唱する「働き方改革」により各企業が行う長時間労働是正の手段として、アウトソーシングを活用し、コア業務に注力することに対する機運が高まっていることから需要が拡大しており、今後も発展していくことが見込まれると考えております。この様な環境下、当社グループの給与計算業務のアウトソーシングサービスは、給与・定期賞与計算はもちろん、年末調整補助業務や地方税特別徴収補助などの季節性業務、身上異動等の人事関連業務、従業員及び各拠点との直接対応など、給与計算に関わる様々な周辺業務をサポートする「フルスコープ型アウトソーシング」であり、顧客企業の人事・労務関連業務の工数削減を行い、コア業務に特化するためのサービスを提供しております。
また、当社グループは、2016年1月よりマイナンバー制度の開始に伴い、フルスコープ型アウトソーシングサービスのノウハウを活かした「マイナンバー管理サービス」を提供しております。このように、給与計算のみを受託するのではなく、サポート範囲を給与計算に関わる業務とし、また、法改正等の市場の動向に合わせて業務範囲の拡大を行うことで、給与計算業務を受託するマーケットにおいて競争力を有するとともに、顧客企業の満足度の向上にも繋がっており、2020年3月期実績として、97.8%のリテンション率((当期運用売上高※3-喪失顧客の前期運用売上高)÷当期運用売上高※3)を有しております(ストック型の事業モデル)。
※1 当社グループの従業員により提供される初期導入から給与計算業務の運用に関する各種サービスを指します。
※2 当社グループのクラウドベースのシステムにより提供されるWebサービスを指します。
※3 当期運用売上高=売上高-初期導入・仕様変更売上高-マイナンバー売上高
フルスコープ型アウトソーシングの特徴とサービスの内容は、以下のとおりであります。
(1)フルスコープ型アウトソーシング
フルスコープ型アウトソーシングは、企業の人事部門に代わり、顧客企業の人事部門が担っている給与計算業務を受託することで、顧客企業に対し工数削減、コア業務への特化を実現いただくことができるサービスであります。フルスコープ型アウトソーシングの特徴である「業務範囲が給与計算のみならず、その周辺業務まで幅広く扱うこと」、「従業員に対する申請の督促や問い合わせ、従業員からの問い合わせ受付などの従業員直接対応業務を受託すること」を実現することで、顧客企業は給与計算に関する多大な業務から解放され、同時に当社グループは顧客企業の人事部門の一部として、その土台を根底から支える存在として機能することができます。
*Business to Business to Employeeの略。当社グループから顧客企業、更に顧客企業の従業員へのサービス提供を指します。
① 顧客企業の共通業務運用の標準化による精度向上、大量処理(マネージドサービス)
当社グループは、業務ごとに標準フローやオペレーションシステムを構築し、専門センター(以下、「BPOセンター」という。)を設置しております。このセンターを活用することで、大量処理や幅広い業務を効率的に実施しております。
一般的に社内にて給与計算業務を実施する場合、給与担当者の退職や季節性業務による業務負担の増加、企業の成長に合わせた担当部門の人員増加などにより、「属人化のリスク」「精度担保のリスク」が発生いたします。そこで当社グループは、細分化された業務を、顧客企業ごとの給与担当者とは別にBPOセンターが担うことで、顧客企業の共通業務を標準化し、まとめて処理できる体制を確立しております。これにより、担当者に頼った運用を回避し、かつ精度の高い大量の業務処理を実現しております。
また、BPOセンターでは、顧客企業の従業員及び各拠点の責任者からの電話・メールでのお問い合わせや、各種書類の発送・回収・督促を行う業務など、顧客企業の人事部門を介すことなく直接対応のできる体制を構築しており、「手間のかかる業務」を当社グループにて対応することで、顧客企業のさらなる業務の効率化を実現しております。現在、多店舗展開されている複数の企業にご利用いただいております。
BPOセンターの運用により、当社グループは、数多くの顧客企業の共通業務を標準化し、BPOセンターにてまとめて業務処理できる体制を確立していることから、スケールメリットの効果により効率的に、また、標準化による属人化のリスク排除により安全にサービス提供を行うことができております。このような専門センターの仕組みの整備、運用には多くの実績に基づくノウハウとシステム投資が必要であり、この整備を確立し運用を継続していることが当社グループの競争力のひとつであると認識しております。
[BPOセンターの業務詳細]
② クラウドサービスにより、顧客企業の更なる利便性の向上を図るとともに、各種サービスの品質を高める
当社グループは、パーソナルコンピューターとインターネット環境があればすぐに導入できるWebサービス(e-payサービス)を提供しており、顧客企業のシステム負担の最小化を実現しております。e-payサービスでは、各種計算結果の納品、人事関連情報の管理など、給与計算に関わるサービスを簡単に利用できる形で提供しております。また、従業員にはパーソナルコンピューターを利用いただくことにより、各種申請・承認や勤怠管理をリアルタイムで行う機能、明細情報を過去情報まで遡って閲覧できる機能等、充実したサービスを提供することで利便性の向上を図っております。
なお、当社グループは、2013年より給与計算の核となる基幹システム及びe-payサービスを統合した新基幹システム(P3)の開発を開始し、2018年7月より新規顧客を中心として本システムでの給与計算業務を提供しております。本システムはクラウドベースのシステムであり、スマートフォンやタブレットを活用したWebサービスの拡充やクラウドを利用した双方向の運用により、アウトソーシングされた業務について当社グループでの処理状況をリアルタイムで把握可能となる、ハブ機能が強化され各サービスの連携がよりスムーズになる、データベースを一つに統合し様々なデータを一元管理することが可能になる等、顧客企業のさらなる利便性の向上を図ると共に、各種サービスの品質を高めるものであります。
③ セキュリティとBCPの構築による安定したサービス提供
プライバシーマーク及びISMSの認証取得、SSAE18及びISAE3402に準拠したType2報告書(注)など外部機関による各種認証・評価を受け、顧客企業に安心・確実な業務を提供しております。また、顧客企業にとって重要度の高いサービスに対して、災害などに備えたBCP(事業継続計画)を整えており、当社グループが利用するデータセンターがシステムダウンしても、国内に設置したバックアップサイトが稼働し継続して業務を行うことのできる体制を構築しております。
(注)SSAE18及びISAE3402に準拠したType2報告書とは、内部統制の保証報告書をいい、顧客企業の財務諸表に関連する業務(信託財産運用・保管、給与計算、ITアウトソーシング等)を受託した会社(受託会社)が、受託業務に関する内部統制について、SSAE18/ISAE3402に基づき受託会社監査人が評価した結果を、委託会社に対して報告するものであります。
(2)具体的なサービス
① 給与計算業務のアウトソーシングサービス(当社、株式会社HRテクノロジーソリューションズ)
当社は、(1)に記載した給与計算業務の「フルスコープ型アウトソーシング」を提供しており、サービスラインナップは、給与・定期賞与計算、年末調整補助、地方税特別徴収補助を基本サービスとして、附随する各種オプションサービスを提供しております。なお、給与計算業務のアウトソーシングに伴い、顧客企業へ業務改善提案(BPR)を行っております。BPRによって課題解決を図り顧客企業での作業を削減することや、当社基幹システムへの標準化を企図することによって、顧客及び当社での工数削減を実現いたします。
また、株式会社HRテクノロジーソリューションズは、新サービスに伴うお客様への教育・研修のサービスを提供しております。
主なサービスの概要は、以下のとおりであります。
サービス名 |
サービス内容 |
給与計算サービス |
顧客企業ごとの給与規程に合わせた設定を行い、規程に基づく日割り額、通勤費、遡及等が可能な月次給与計算、賞与計算を実現いたします。また、顧客企業の従業員に対して直接、年末調整に必要な書類一式の発送・回収・内容チェック・問合せ対応等の業務を行っております。 |
給与計算オプションサービス |
就業計算、仕訳計算、退職金計算、引当金計算など、給与計算に関わる業務を受託いたします。 |
福利厚生窓口サービス |
生損保、財形の窓口業務など、顧客企業の福利厚生に関わる業務を受託いたします。 |
直接対応サービス |
顧客企業の従業員又は店舗(店長)・拠点(拠点長)からの各種問い合わせへの対応、書類・データの授受、給与証明書等の発行を、顧客企業の人事部門を介さず直接行います。 |
② マイナンバー管理サービス(当社)
当社が提供するマイナンバー管理サービスは、「新たな投資」「新たな業務コスト」「新たな情報漏洩リスク」という、マイナンバー対応により発生する業務負担の最小化をサービスコンセプトとしており、給与計算業務のアウトソーシングサービスで培ったノウハウを活かし、保管・管理・削除に伴う業務負担、情報漏洩リスクなどの軽減を実現できます。
本サービスにより、顧客企業は、申請書の授受、システム改修などの業務プロセスの煩雑化を回避することができます。具体的には、書類の送付・回収・督促等の全てをセキュアな環境を実現したセンターにおいて、顧客企業の従業員との直接対応をしております。
マイナンバー管理サービスにおける顧客企業の業務削減をするための主なサービス概要は、以下のとおりであります。
区分 |
サービス名 |
サービス内容 |
マイナンバー管理サービス |
運用・管理サービス |
登録されたマイナンバーを厳重に管理し、人事部門へはWebを介してマイナンバーの閲覧を可能とするサービス。 |
マイナンバー付記 サービス |
給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票など、法的に定められた書類にマイナンバーを付記して発行、発送するサービス。 |
(3)サービスの提供方法
当社では、東京本社及び各センターの活用により、お客様に対しサービスを提供しております。サービスの提供方法は、以下のとおりであります。
①当社
事業所名 |
サービス内容 |
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東京本社 北海道プロセスセンター |
顧客企業からの人事情報の提供を受け、顧客企業の給与計算に係るサービス及び、計算結果を納品しております。また、新規受注企業の初期導入に係るサービスを提供しております。 |
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北海道セットアップセンター 北海道BPOセンター 長崎BPOセンター |
北海道セットアップセンター、長崎BPOセンターでは、新規受注企業の初期導入に係るサービスを提供しております。 北海道BPOセンターでは、顧客企業の従業員及び各拠点の責任者からの電話・メールでのお問い合わせや、各種書類の発送・回収・督促を行うサービスを提供しております。 |
②株式会社HRテクノロジーソリューションズ
新サービスに伴うお客様への教育・研修のサービスを行っております。
[事業系統図]
名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 |
関係内容 |
(連結子会社) |
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株式会社HRテクノロジーソリューションズ |
東京都江東区 |
1,500千円 |
BPO事業 |
100% |
役員の兼務1名 従業員の兼務1名 業務委託取引 |
(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.クレアシオン・キャピタル株式会社が無限責任組合員である5つの投資事業有限責任組合(Pacific グロース投資事業有限責任組合、Pacific戦略投資1号投資事業有限責任組合、Pacific2号投資事業有限責任組合、Pacific グロース3号投資事業有限責任組合、Pacificプリンシパル投資事業有限責任組合)は、すべての保有持分を合計すると、当社の過半数の株式を保有しておりますが、企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」第16項(4)の規定により、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に基づく親会社には該当しません。
なお、当社グループが採用するIFRSにおいては、クレアシオン・キャピタル株式会社及びその親会社であるクレアシオン・インベストメント株式会社が当社の親会社となります。
(1)連結会社の状況
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2021年4月30日現在 |
従業員数(人) |
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( |
(注)1.従業員数は、就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む)であります。
2.従業員数の(外書)は、1日8時間換算による臨時従業員の最近1年間の平均人員数を記載しております。
3.当社グループはBPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(2)提出会社の状況
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2021年4月30日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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( |
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(注)1.従業員数は、就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であります。
2.従業員数の(外書)は、1日8時間換算による臨時従業員の最近1年間の平均人員数を記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社はBPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(3)労働組合の状況
当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。