回次 |
第15期 |
第16期 |
第17期 |
第18期 |
第19期 |
第20期 |
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決算年月 |
2015年9月 |
2016年9月 |
2017年9月 |
2018年2月 |
2019年2月 |
2020年2月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
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△ |
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当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
|
△ |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
△ |
|
△ |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
投資活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
財務活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(名) |
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(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。
4.2020年11月9日開催の取締役会決議に基づき、2020年11月27日付で普通株式1株につき500株の株式分割を行っており、発行済株式総数は3,781,500株となっております。
5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を行っていないため記載しておりません。
6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、第15期、第16期及び第18期については、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
7.第15期、第16期及び第18期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
8.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。
9.第15期から第18期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。
10.従業員数は、正社員、パート社員、短時間労働者契約社員及び他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。なお、臨時従業員の総数は、従業員数の100分の10未満である為、記載を省略しております。
11.第18期は、決算期変更により2017年10月1日から2018年2月28日までの5ヶ月間となっております。
12.第19期及び第20期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。
13.主要な経営指標等のうち、第15期から第18期については「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。
14.第15期は、新規事業立ち上げによるコスト先行支出と、顧客との共同プロジェクトの中断及び在庫評価減導入・賞与等引当金導入により経常損失、当期純損失を計上しております。第16期は、主にヘルスケア事業の製造設備に対する修繕引当金の計上により経常損失、当期純損失を計上しております。また第18期は、決算期変更に伴う5ヶ月の変則決算による月間売上高の高水準月である9月、3月が含まれなかったことにより経常損失、当期純損失を計上しております。
15.第18期に、欠損填補等を目的に減資を行っております。
16.2020年11月9日開催の取締役会決議に基づき、2020年11月27日付で普通株式1株につき500株の株式分割を行っております。第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純投資額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
17.2020年11月27日付で普通株式1株につき500株の分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第15期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。なお、第15期、第16期、第17期及び第18期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。
回次 |
第15期 |
第16期 |
第17期 |
第18期 |
第19期 |
第20期 |
|
決算年月 |
2015年9月 |
2016年9月 |
2017年9月 |
2018年2月 |
2019年2月 |
2020年2月 |
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
174.03 |
193.78 |
216.90 |
163.98 |
279.99 |
315.46 |
1株当たり当期純利益又は 1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△121.13 |
△72.35 |
23.12 |
△52.73 |
40.04 |
20.46 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
|
- |
- |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
年月 |
概要 |
2000年10月 |
山梨県北巨摩郡小淵沢町(現 山梨県北杜市小淵沢町)に創業者の研究成果を世の中に還元することを目的として株式会社オキサイドを設立 |
2001年5月 |
Super LN/LT新製品開発に成功 国際展示会で販売開始 |
2003年9月 |
東芝セラミックス株式会社(現 クアーズテック株式会社)と資本・業務提携 |
2005年6月 |
本社及び第1工場を山梨県北杜市武川町(現所在地)に移転 |
2005年12月 |
三菱電線工業株式会社より光デバイス事業買収 |
2006年6月 |
株式会社ニコンと資本・業務提携 |
2006年8月 |
米国KLA-Tencor Corporation(現 KLA Corporation)と資本・業務提携 |
2007年10月 |
エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社と資本・業務提携 |
2008年3月 |
山梨県北杜市に第2工場竣工 |
2008年10月 |
第1・2工場が、ISO9001認証取得 |
2008年12月 |
レーザーテック株式会社と資本提携 |
2010年9月 |
株式会社マグネスケールよりレーザ事業買収 |
2010年10月 |
神奈川県横浜市港北区に横浜事業所を設置 |
2012年4月 |
久保田研究所を設立 |
2013年2月 |
266nmCWレーザ、ニューラインナップ発売開始 |
2013年4月 |
光学的ノイズ(スペックルノイズ)測定器であるDr.SPECKLE、ニューラインナップ発売開始 |
2015年3月 |
日立化成株式会社(現 昭和電工マテリアルズ株式会社)よりシンチレータ単結晶事業買収、 山梨県北杜市に第3工場取得 |
2016年6月 |
横浜事業所を神奈川県横浜市保土ヶ谷区(現所在地)に移転 |
2016年6月 |
国際電気標準会議より、スペックル測定方法の国際標準取得 (発行No.IEC 62906-5-2:2016 Laser display devices -Part 5-2) |
2016年8月 |
株式会社日立ハイテクノロジーズ(現 株式会社日立ハイテク)と資本・業務提携 |
2018年8月 |
米国Lumeras LLCから真空紫外レーザ事業買収 |
2019年6月 |
デンマークNKT Photonics A/Sとフェムト秒レーザの開発・製造で業務提携 |
2020年2月 |
LASEA S.A.とレーザ微細加工機の販売で業務提携 |
2020年4月 |
久保田研究所をレーザ事業部に統合 |
光の時代といわれる21世紀。光技術の可能性を追求し、その成果を少しでも早く少しでも多く社会に還元したい。それが創業以来変わらない私たちの願いです。当社は、ミッションとして、「豊かな未来を光の技術で実現する」を掲げております。
当社は、単結晶(*1)、光部品(光デバイス)、レーザ光源、光計測装置などの光学関連製品を、主に光を使った計測分野の装置メーカーや光学製品メーカー向けに開発・製造・販売しております。例えば、当社が製造・販売する放射線を検出するシンチレータ(*2)単結晶は、がんの診断用のPET検査装置に使用されており、当社のレーザ光源は、半導体製造に使用されるシリコンウエハの品質検査装置に使用されております。
2000年の創業以来、当社は単結晶・レーザのグローバルニッチトップカンパニー(*3)を目指し、「研究成果を社会に還元し、キーマテリアル(*4)を世界に向けて発信する」、「顧客へマテリアルソリューション(*5)を提供し、社会の発展に貢献する」、「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」という経営理念の下、光学分野のバリューチェーン(*6)の川上に位置する単結晶の開発・製造から事業を開始し、単結晶開発技術を生かしつつ、光学分野での川下の製品群(光部品、レーザ光源、光計測装置)へと展開してまいりました。
これまで光学分野での先端技術を継続的に蓄積、保有し、その独創性及び競争優位性の確立を目指してまいりました。単結晶分野において、当社は、FZ法(Floating Zone Method)、CZ法(Czochralski Method)、VB法(Vertical Bridgeman Method)、TSSG法(Top Seeded Solution Growth Method)、DCCZ法(Double Crucible CZ Method)、KY法(Kyropulos Method)、EFG法(Edge-defined Film-fed Growth Method)など、多くの単結晶育成技術及び装置を保有しております。国内外の企業、大学、研究所などから技術、製品への問い合わせ、引き合いをいただいており、第20期では顧客数が160社を超えております。2014年には経済産業省の「グローバルニッチトップ100選」(*3)にも選定されております。今後も、当社の光学技術は、その応用範囲及び新たな用途の拡張を目指して参ります。
当社は光学事業の単一セグメントでありますが、製品の用途から「光計測・新領域事業」、「半導体事業」、「ヘルスケア事業」の3つの事業に区分しております。
「光計測・新領域事業」において単結晶技術、光学分野でのコア技術の新用途・新製品を立案・開発し、試作・開発ベースでの小規模案件を中心にビジネスを進めています。「光計測・新領域事業」での開発技術であり成果が事業化し、量産化が確立したのが「半導体事業」と「ヘルスケア事業」です。
こうした展開は、当社がこれまでに国内外の企業や大学等から埋れた技術や事業を買収し、製品化・事業化して蓄積したノウハウにより、可能となったと考えております。
また、(1)単結晶・光学関連の博士号を保有する技術者25名(本書提出日現在)が在籍し、研究開発型の事業会社として成長していること、(2)国内外の企業4社から光学関連技術を買収し、製品化・事業化するノウハウを有していることなどが当社の特徴であり、独創性及び競争優位性の源泉と考えております。
各事業の概要は次のとおりです。
光計測・新領域事業
当事業は、国内外の光計測機器/光学製品メーカー及び大学等研究機関に単結晶、光部品、レーザ光源及び光学測定装置を開発、製造、販売しております。第20期における当事業の売上高は、576,659千円です。同時に、当社のコア技術である単結晶技術/光学技術を活用し、様々な顧客ニーズへの対応、光学分野での問題解決策の提供及びそうしたプロセスの中で有望な新用途/新製品をインキュベートしています。
国内外の展示会、学会への出展、当社ホームページへのアクセスなどを通じて、研究開発/試作の受託を重ねております。当社のコア技術である単結晶技術や光学技術を活用し、様々な顧客ニーズへの対応や問題解決策を提供しております。これらの活動が、新用途/新領域のビジネスに繋がり、当社の将来ビジネスへのアンテナ、種まきの機能を担っています。当事業においてすでに商品化段階に至った主な製品は、以下のとおりです。
製品 |
製品の説明 |
主な用途 |
光学的ノイズ(スペックルノイズ)測定器 |
スペックルノイズは、レーザを利用したディスプレイ(レーザ光を投影した画面)において発生する、画質の劣化要因のひとつです。例えば、レーザ光を投影した画面に移る画像が、荒い画像に見えること等が挙げられます。当社は、スペックルノイズを定量的に表すことができる測定器を開発し、製造・販売しております。この装置は、国際標準に認定されたスペックルノイズ測定器であり、ディスプレイメーカーは画質の評価に使用しています。 |
プロジェクター、照明 |
波長変換(*7)部品(デバイス) |
波長変換部品(デバイス)は、光学単結晶を用いてレーザ光の波長を他の波長へ変換する(例えば、赤外光を可視光や紫外光に変換することが挙げられます。)製品です。 |
医療、理化学、情報家電、工業用加工、セキュリティ、娯楽 |
光アイソレータ用単結晶 |
一方向のみ光が透過する光学部品である光アイソレータに搭載される単結晶です。レーザ機器のレーザ光出射口は、外部からレーザ機器に光が入ると損傷したり、不安定になります。レーザ光出射口に光アイソレータを設置することにより、外部からの光を遮断し、不具合を防ぐことが可能となります。 |
光通信(5G、データセンタ、基幹通信) |
光電子分光装置向けレーザ |
光電子分光装置とは、物に光を照射することによって発生する電子(光電子と呼ばれます。)の特性(エネルギー量)を測定することにより、その物の特徴や性質を調べる装置です。新しい機能を持つ材料や部品の開発に利用されます。 |
物性基礎研究 |
IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)のさらなる活用により、クラウドを通じた工作機器の連携と自動化/無人化がさらに進むと考えられます。その中で、加工の条件をデジタル制御しやすい「レーザ加工」に注目が集まっています。特に現在の市場規模300~400億円程度(「Focus NEDO 2018 No.68」より)とみられるマイクロ加工(半導体、電子部品、ディスプレイ製造)装置に搭載するレーザは、深紫外光のレーザ光を、短いパルスで照射することによる非熱加工(アブレーション加工)が有効とされ、有機ELの加工応用から市場拡大が見込まれると考えております。深紫外波長に強みをもつ当社の単結晶等の技術を搭載したレーザを開発し、新領域への参入を計画しております。
半導体事業
当事業は、半導体ウエハ(*8)の検査装置メーカー向けの単結晶・レーザの開発・製造・販売を行っております。第20期における当事業の売上高は、1,282,276千円です。当社の単結晶のうち、非線形光学効果(*9)の強い単結晶及びその単結晶を搭載したレーザは、波長や出力をはじめとする各種性能・品質の観点から、販売先の最新機種に搭載されております。
半導体製造工程の「前工程」と呼ばれるウエハ処理工程では、投入するシリコンウエハの品質検査が半導体チップの歩留まり管理上不可欠であり、専用のウエハ検査装置が利用されております。当社の単結晶と単結晶を搭載したレーザは、そのウエハ検査装置に搭載されております。半導体の微細化に伴い、検査装置に搭載する単結晶及びレーザも、次世代製品の開発が常に求められております。当社は、こうした市場の要求に対し、材料工学、光学などの観点から常に開発・提案を行い、あるいは、一部製品に関しては特許権者からのライセンスを受け、次世代製品への取り組みを継続しております。
拡大する半導体市場の微細化への要求については、光学分野では短波長化と高出力化が重要となります。当社の単結晶、レーザ光源は、波長変換による短波長化(266nm)と2W以上の高出力化の特徴を有しております。その結果、単結晶については、2006年に開発を受託、その成功を受けて、2011年から量産へ、またレーザは、2010年に株式会社マグネスケールより事業を買収し生産を開始しました。その後、2011年に開発を受託、その成功を受けて2016年から量産に移行しております。顧客の新製品投入に合わせてこうした「開発」→「量産」のプロセスが繰り返されております。
一方、顧客が製造販売する検査装置においては、エンドユーザーである世界の半導体工場にて昼夜連続での稼働が要求事項となっております。その結果、搭載された単結晶、レーザはその使用に応じて定期的なメンテナンス需要が発生します。メンテナンスの内容は、概ね1〜2年の一定期間ごとに使用に伴って劣化した単結晶や光学ユニットを交換するものです。これらのメンテナンス需要は、ほぼ事前予想が可能なため、景況の山と谷のギャップの激しいと言われる半導体分野での事業としては収益安定要素と言えます。加えて、10年以上の長期間稼働が求められるレーザの新規出荷売上に従い、累積的に増えることが見込まれるリカーリングの性質を持つ売上収益となります。第20期におけるメンテナンス売上高は、当事業売上の2割強を占めております。
ヘルスケア事業
当事業は、がんの診断に使用されるPET検査(*10)装置に搭載されるシンチレータ単結晶の開発、製造、販売を行っております。具体的には、製造したシンチレータ単結晶を加工した数mm角×約25mm長の直方体(PET用素子と呼びます。その素子を数万本、PET検査装置内に配列して使用します。)として国内外のPET検査装置メーカーに販売しております。第20期における当事業の売上高は、1,206,331千円です。当社のシンチレータ単結晶は、継続的な品質向上とコスト低減の実績及び品質管理体制の構築により、既に主流となっている全身検査用PET検査装置に採用されています。当社の単結晶は、全身検査用PET検査装置におけるシンチレータ単結晶の世界市場の約20%シェアを獲得しています。(国立研究開発法人 日本研究開発機構 産学連携部 2017年12月20日(71ページより推定〜(出所)平成28年度 日本企業のモノとサービス・ソフトウェアの国際競争ポジションに関する情報収集(NEDO)(平成29年3月)))
また、当社のシンチレータ単結晶は、乳房検査専用PET検査装置や、重粒子線を用いたがん治療中の粒子線位置をリアルタイムで確認することができるOpen-PET検査装置に採用されています。Open-PET検査装置は、従来のがん診断だけでなく、治療にも使われる装置として、国内においては放射線医学総合研究所を中心として研究が進んでいるものです。
加えてPET検査装置は、将来、がんの診断以外にアルツハイマー型認知症(*11)診断への適用範囲拡大が見込まれており、当社でも用途拡大に対応すべく研究開発活動を進めています。認知症は、国内外の高齢化により増加傾向が顕著で、診断への潜在的な需要が高まっているものと考えられます。(出所:World Alzheimer Report 2018)
[事業系統図]
光計測・新領域事業
① 単結晶材料の提供(商社経由の場合あり)
② 代金の支払い(商社経由の場合あり)
③ 単結晶・光部品(デバイス)・レーザ・計測器の販売(商社経由の場合あり)
④ 代金の支払い(商社経由の場合あり)
半導体事業
① 電気・光学部品の提供
② 代金の支払い
③ 単結晶・レーザの販売/メンテナンスサービスの提供
④ 代金の支払い
⑤ 特許使用の許諾
⑥ 特許許諾料の支払い
ヘルスケア事業
① 単結晶材料の提供(商社経由の場合あり)
② 代金の支払い(商社経由の場合あり)
③ 単結晶の販売(商社経由の場合あり)
④ 代金の支払い(商社経由の場合あり)
<用語解説>
(*1)単結晶
・原子、分子が規則正しく配列している固体を結晶と総称します。その結晶の中でも、物質内のどの部分においても原子、分子配列の向きがまったく同一である物質を単結晶と呼びます。
・結晶に、電気信号を加えたり、圧力をかけたり、光を当てることにより、各結晶の持つ特性が現れますが、単結晶の場合は、その特性(例えば、光を当てることにより光の波長を変換したり、電気信号を加えることにより光の強度を調整すること。)が強く現れます。この特性を活用して、産業分野で単結晶応用製品が実用化されています。
(*2)シンチレータ
放射線が当たると微弱な光を出す物質をいいます。
(*3)グローバルニッチトップカンパニー
「グローバルニッチトップ100選」は経済産業省が2013年度より継続している事業。「グルーバルニッチトップ企業」の定義は、「昨今の産業構造の変化や、求められるニーズに迅速に対応するため、大企業や主要業界団体だけでなく、ニッチ分野(比較的小規模な市場や潜在的ニーズはあるが、まだ事業の対象として考えられていないような分野)において高い世界シェア(占有率)を有し、優れた経営を行っている中堅・中小企業」です。経済産業省として、認定と顕彰を通じて、対象企業の知名度向上や海外展開を支援するとともに、新たにグローバルニッチトップを目指す企業が経営上の羅針盤として活用することが目的となっております。
(*4)キーマテリアル
世の中の役に立つ材料を意味します。
(*5)マテリアルソリューション
材料と光に関する問題解決を意味します。
(*6)バリューチェーン
単結晶、ウエハ、チップ、光部品、レーザ光源、計測装置の光学分野における川上から川下に至る一連の製品供給プロセスを意味します。
(*7)波長変換
波長(周波数や色とも表現されます)は光の重要な性質を表すものであり、波長変換はレーザ光を元々の波長から紫外線や赤外線の領域に拡げる技術です。波長を変換する手法は数多くありますが、原理はレーザ光という強い光と物質の相互作用による非線形光学効果(*9)を用いています。
(*8)半導体ウエハ
半導体素子の製造材料。一般的にはシリコンを素材とするインゴット(円柱形の塊)を、0.5mm~1mm程度の厚さにスライスした円盤状の板を指します。半導体の主要な応用例は、スマートフォン等です。
(*9)非線形光学効果
光を受けた物質の内部では、通常の弱い光の場合、光の吸収や散乱などの現象が光の強度に比例して現れますが、レーザ光のような強い光の場合、比例関係から外れた新たな現象が発現します。その効果を非線形光学効果と呼びます。
(*10)PET検査
被検者に、がん患部に集まる薬剤を注射し、薬剤が放つ放射線を検出器でとらえて病巣を探るがんの検査方法です。従来のX線検診、CT検診よりもずっと小さな、早期のがん細胞まで発見することが可能で、全身を一度に診断できることも特長です。
(*11)アルツハイマー型認知症
脳が少しずつ萎縮していき、認知機能が低下していく病気で、認知症のおよそ半分はアルツハイマー型認知症です。
該当事項はありません。
(1)提出会社の状況
|
|
|
2021年1月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
|
|
|
|
事業部門の名称 |
従業員数(名) |
レーザ事業部 |
63 |
コアテクノロジ事業部 |
33 |
シンチレータ事業部 |
40 |
全社(共通) |
19 |
合計 |
|
(注)1.従業員数は、正社員、パート社員、短時間労働者契約社員及び他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。なお、臨時従業員の総数は、従業員数の100分の10未満である為、記載を省略しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)は、営業部門、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。
4.当社は光学事業の単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
5.最近日までの1年間において従業員数が36名増加しております。主な理由は、全社における業務の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであり、その内訳は、レーザ事業部18名、コアテクノロジ事業部7名、シンチレータ事業部5名、全社(共通)6名となっております。
(2)労働組合の状況
当社において労働組合はありませんが、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。