(注) 1.当社は、連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.第18期、第19期及び第20期における業績については、事業規模拡大に伴う先行投資や人件費の増加等により経常損失及び当期純損失を計上しております。
4.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。
5.第18期、第19期及び第20期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。
6.第18期は、決算期変更により2016年10月1日から2016年12月31日の3か月決算になっております。
7.株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
8.第16期及び第17期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。第18期、第19期及び第20期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。
9.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
10.第16期、第17期、第18期及び第19期については、キャッシュ・フロー計算書を作成していないため記載しておりません。
11.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
12.第20期及び第21期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けております。第16期から第19期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査を受けておりません。
13. 2017年4月27日付で普通株式1株につき912株の株式分割を行っており、第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純損失を算定しております。2020年12月8日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っており、第20期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。
14.2017年4月27日付で普通株式1株につき912株の株式分割を行っており、また2020年12月8日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っており、発行済株式総数は28,808,100株となっております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第16期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。なお、第16期、第17期、第18期及び第19期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
当社は、創業者である伊藤謙自(現当社代表取締役社長)が、1997年9月に埼玉県戸田市において、個人事業として熱絶縁工事を営む、伊藤工業を創業いたしました。創業以降の経緯は次のとおりであります。
当社は、「私たちは、“働く”にもっと「楽しい」を創造します。」をミッションとし、お客様の課題を解決していく喜びや楽しさを通じて仕事にもっと夢中になれる世の中を作り続けていくことを目標にしています。
私たちは、“働く”を心底楽しいと思えることが最も生産性を向上させると信じています。「楽しい」を創造していくことが、私たちの壮大なるミッションです。
当社は、熱絶縁工事を提供するエンジニアリング事業にて創業し、自社の生産性改善に真摯に向き合った結果、ITを活用する必要性を感じ、自社のみならず建設業全体の生産性改善に貢献すべくICT事業を開始いたしました。その結果、当社はICT事業及びエンジニアリング事業の2つのセグメントを下記のとおり構成するに至っております。
ICT事業では、建設業の現場業務をDX(デジタルトランスフォーメーション)によって生産性向上に寄与するSaaS(注1)を開発・販売しております。
具体的には、主に総合建設業及び電気・空調設備業に対して、建築図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS」を中心としたサービスの提供を行っております。「SPIDERPLUS」は、タブレット/スマートフォンで建設現場の図面のペーパーレス化を図るとともに、検査機器と連携してアプリの中で計測値を取り込むことで業務の効率化ができるサービスです。建設業界は人手不足と働き方改革の喫緊の課題を抱えており、厚生労働省「毎月勤労統計調査(令和2年9月確報版)」によると、2020年の建設業の年間労働時間は2,005時間と、調査対象全産業の年間労働時間1,630時間に比べ高い水準にあり、また年間出勤日数は247日と、調査対象全産業213日に比べ多くなっております。また、国土交通省「令和2年度(2020年度)建設投資見通し」によると、国内の建設投資額は2017年の61兆円(実績)から2020年の63兆円(見通し)で横ばいに推移しておりますが、日経BP「建設テック未来戦略(2020年3月16日発行)」によると、建設業界における人手不足と高齢化の影響により、建設需要に対して今後100万人の労働者が不足すると言われております。これらを背景として、(社)日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書2015」及び「企業IT動向調査報告書2020」によると、2014年から2019年にかけて建設業界のIT投資額は3.7倍に増加しております。
その中で、当社の「SPIDERPLUS」は、現場のペーパーレス化と情報共有の促進を図っていくことから、労働時間の短縮化、ひいては年間出勤日数の短縮など、建設業界の生産性向上に一定の寄与ができると考えております。
また、建設業の生産体制を将来にわたって維持していくためには、若年層の入職促進と定着による円滑な世代交代が不可欠であり、当社の「SPIDERPLUS」により、建設業のIT化を推し進めることで一定の貢献ができると考えております。
ICT事業の各指標は、上記のような建設業界の環境下で、営業力及び開発力の強化を行った結果、以下のとおり順調に推移しております。
「SPIDERPLUS」は1ID毎に月額利用料をお支払いいただくサブスクリプションモデルとなっており、利用開始後は継続的な売上高となります。
また、当社は、建設業出身だからこそ、充実したフォローアップが必要と考えております。営業が直接建設現場に赴いて現場説明会を実施、更に建設現場のニーズをヒアリングし、開発チームと連携して「SPIDERPLUS」の機能に反映するとともに、カスタマーサポートが顧客の困りごとをメール並びに電話で対応するなど、フォローアップ体制も強化しているため、契約社数に対する2020年12月期の月次平均解約率(注4)は0.6%と低い水準であるように、導入初期及び日々の問合せ対応について顧客満足度が高く、2020年12月期における既存顧客のNRR(注5)は145%となっております。
今後も建設業界のプラットフォームとなるべく、IoT(様々な機器との連携)やAIの活用によって、音声入力や検査記録の自動入力といった新機能開発を行うことで、建設業界の業務効率最大化を図っていきます。
(注) 1.SaaS:Software as a Serviceの略称。IDを発行されたユーザー側のコンピュータにソフトウエアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウエアを利用する形態のサービス。
2.MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における顧客との契約において定められたID単位で毎月課金される月額利用料の合計額(一時収益は含まない)。
3.ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各年12月のMRRを12倍して算出。
4.月次平均解約率:「(n月の解約社数)÷(n-1月末時点の契約社数)」により算出した月次解約率の年平均。
5.NRR:Net Retention Rateの略称。既存顧客の売上高継続率を表しICT事業の「(2020年12月期売上高)÷(2019年12月期売上高)」により算出。既存顧客からの売上高のみから算出(新規顧客からの売上高を含まない)。
当社が提供する「SPIDERPLUS」は、建設現場で「SPIDERPLUS」があれば完結できるオールインワンソリューションを目指したサービスを提供しており、下記の特徴がユーザーに支持されています。
これまで、紙ベースで行っていた図面を用いた施工管理並びに検査は、「SPIDERPLUS」の図面管理機能を使うことで、便利に、かつ効率的に行うことができるようになります。タブレットに図面を取り込み、「SPIDERPLUS」を用いて閲覧することで、今まで紙で持ち運んだり、ファイルで管理していた大量のデータがタブレット1つで持ち運びできるという最大のメリットがあります。更に、図面管理機能自体の特徴として図面の拡大、縮小が簡単に行え、図面自体に直接書き込みや、検査が必要な箇所にアイコンを設置し、設置したアイコンにメモや写真を貼り付けることで検査内容の記録ができます。
② 写真管理機能
これまでは、現場管理者がデジタルカメラで各種検査箇所を撮影、保存し、作業完了後オフィスに戻り、写真の突き合わせや、検査場所への貼り付けなどを行い、作業時間としても非常に負担がかかり残業時間も増加しておりました。「SPIDERPLUS」を使うことで、タブレットに付属しているカメラから撮影した画像を直接図面に貼り付けることができます。更に、「SPIDERPLUS」は写真撮影時に黒板を添付する電子小黒板機能にも対応しており、国土交通省が推奨している電子納品の指定フォーマットにも対応しています。また、「SPIDERPLUS」は撮影した方向を矢印で表示できる点にも特徴があります。本機能により、どこから、どういう視点で撮られたのかが一目瞭然となります。写真管理機能は外部のカメラとも機能連携しており、高所での撮影や360度の写真を撮ることもできます。
③ オプション機能
「SPIDERPLUS」は、総合建設業及び電気・空調設備業の現場で検査を行う際のオプション機能が充実しています。標準機能で最低限必要な機能は網羅しておりますが、以下のオプション機能を追加することにより、更に現場の効率化、省力化が図られます。現時点では14種類のオプション機能があり、それぞれ個別での提供と各業種向けに機能をまとめたパッケージでの提供もしております。数あるオプション機能の中で、特徴的である総合建設業向けの「杭施工記録機能」「工事進捗管理機能」「指摘管理機能」を下記で紹介いたします。
杭施工は、新しく建物を建築する際に、杭を地中に打ち込むことで、安定をさせる重要な工事です。「SPIDERPLUS」では杭施工の記録が残せるだけでなく、施工前、進行中、未完了などで検査項目の進捗によって色分けされて表示されます。更に各検査項目も未完了の項目が表示されることで、紙で行っていた際に頻繁にあった検査種目漏れ、検査漏れが未然に防げるようになりました。また、本機能もエクセルで簡単に出力できるため、労働時間の削減、業務効率化に貢献できます。
ⅱ) 工事進捗管理機能
工事進捗管理機能は、現状の工事進捗状況を記録することができ、工事進捗の見える化及びリアルタイムな情報共有が可能になり、現場管理者は、工種間の調整や次工程の計画、取引先への連絡や翌日の材料手配タイミング等のマネジメントをスムーズに行うことができ、管理業務の効率化による働き方改革に貢献できます。現場で記録した進捗情報は、情報共有だけでなく簡単に帳票出力ができるので、事務所に戻ってからの事務作業の時間削減につながります。また、現場で記録した指摘コメントや写真も出力ができるので、的確に指摘事項の共有、記録が行えます。
ⅲ) 指摘管理機能
指摘管理機能は、図面上の是正工事が必要な指摘箇所をタップ、指摘内容や業者を選択するだけで、指摘事項別や業者別に指摘事項一覧の書類出力が可能です。
是正前・是正後の現場写真を複数登録できるので、是正進捗の確認や再指摘、再是正工事などの写真を指摘箇所毎に記録できます。また、是正後の現場写真撮影時に「是正前に撮影した写真」を「参考写真」として「是正後の工事写真」内に表示させて、是正前同様のアングルで写真が撮影できるので、指摘箇所の是正工事前・是正工事後の比較が容易にできます。
その他、風量測定器、絶縁抵抗器など各種検査機器との連携を進めていくことで、更なる業務の効率化を図っています。また、「SPIDERPLUS」は、利用者数の増加に伴い、顧客内や現場内での情報共有が促進されるなど、より利用価値が高まっていく特徴もあります。
エンジニアリング事業では、当社創業期より熱絶縁工事を中心に運営しています。熱絶縁工事とは、熱を使うビルや工場などでエネルギー効率を高める(省エネルギー)ために装置や配管に断熱材を取付ける工事です。当社は、従来のガラス繊維でできたグラスウールなどの断熱材の他に、「アーマフレックス」も取り扱っております。「アーマフレックス」の特徴としましては、難燃性、耐湿性、圧縮クリープ特性(注1)が高い、フロンを使用していないので環境に優しいなどが挙げられます。当社はアーマセル社(注2)の日本認定工事店として、2002年より多くの「アーマフレックス」を使用した工事を施工しております。
当社は、従来の熱絶縁工事では空調工事、配管工事を行っている企業様からの受注のみでしたが、「アーマフレックス」を使用した工事においては、17年間の施工実績から、同業他社様からの依頼も多くなっております。
エンジニアリング事業により、建設現場で直接従事しているため、建設現場の情報をタイムリーに把握することができ、かつ建設現場での困りごと(ニーズ)の発掘に貢献しています。これをICT事業と密な情報共有を図ることで、「SPIDERPLUS」の実務への落とし込みを図っております。
(注) 1. 圧縮クリープ特性とは、物体に継続的な圧縮負荷がかかったとしてもその物体が圧縮による変形に耐える事ができる性質を指します。なお、クリープとは、物体に一定の負荷が継続的にかかる事で時間の経過とともに物体の変形が進んでいく現象の事であります。
2. アーマセル社は、ルクセンブルクに本拠を置く保温・吸音用弾性断熱材メーカーであり、日本法人であるArmacell Japan株式会社にて実施される認定施工トレーニングを受けることで認定施工店となります。
事業系統図
該当事項はありません。
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に最近1年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)は、CB室、社長室、管理本部等の従業員であります。
4.最近日までの1年間において従業員が24名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。