第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第16期

第17期

決算年月

2018年12月

2019年12月

売上高

(千円)

11,191,662

10,849,927

経常利益

(千円)

1,634,738

1,047,870

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

39,924

632,984

包括利益

(千円)

40,499

633,050

純資産額

(千円)

1,099,387

1,732,438

総資産額

(千円)

4,756,021

5,070,060

1株当たり純資産額

(円)

169.14

266.53

1株当たり当期純利益

(円)

6.14

97.38

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

23.1

34.2

自己資本利益率

(%)

3.7

44.7

株価収益率

(倍)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

354,878

307,361

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

250,696

317,370

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

219,153

83,527

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,176,054

1,248,407

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(名)

96

99

(2)

(3)

 

(注)1.売上高には、消費税等は含まれていません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式が非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載していません。

3.株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載していません。

4.第16期及び第17期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けています。

5.2019年12月5日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っていますが、第16期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しています。

6.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

売上高

(千円)

2,906,739

5,542,026

8,871,756

11,164,767

10,827,189

経常利益
又は経常損失(△)

(千円)

66,702

339,661

1,058,230

1,630,457

1,041,170

当期純利益
又は当期純損失(△)

(千円)

67,161

235,440

828,945

35,644

626,525

資本金

(千円)

53,000

53,000

53,000

53,000

53,000

発行済株式総数

(株)

65,000

65,000

65,000

65,000

6,500,000

純資産額

(千円)

3,379

238,819

1,067,765

1,103,409

1,729,934

総資産額

(千円)

1,182,905

2,574,087

3,910,152

4,759,025

5,066,148

1株当たり純資産額

(円)

51.99

3,674.15

16,427.16

169.76

266.14

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(─)

(─)

(─)

(─)

(─)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

1,033.25

3,622.16

12,753.02

5.48

96.39

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

0.3

9.3

27.3

23.2

34.1

自己資本利益率

(%)

194.4

126.9

3.3

44.2

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(名)

46

62

71

96

99

(2)

(2)

(3)

(2)

(3)

 

(注)1.売上高には、消費税等は含まれていません。

2.1株当たり配当額については、配当を実施していないため記載していません。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第13期は、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在していないため記載していません。第14期、第15期、第16期及び第17期は、潜在株式は存在するものの、当社株式が非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載していません。

4.第13期の自己資本利益率については、当期純損失のため記載していません。

5.株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載していません。

6.配当性向については、配当を実施していないため記載していません。

7.第16期及び第17期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けています。なお、第13期、第14期及び第15期については、「会社計算規則」(2006年法務省令第13号)の規定に基づいて算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく、太陽有限責任監査法人による監査証明を受けていません。

8.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

9.2019年12月5日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っていますが、第16期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)を算定しています。

 

10.上記9のとおり、2019年12月5日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っています。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現:日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第13期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお第13期、第14期及び第15期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けていません。

回次

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

1株当たり純資産額

(円)

0.52

36.74

164.27

169.76

266.14

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

△10.33

36.22

127.53

5.48

96.39

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(─)

(─)

(─)

(─)

(─)

 

 

 

2 【沿革】

当社代表取締役社長の寺尾玄は、高校中退後、約1年をかけて地中海沿岸の国々を1人で回ったのち、帰国後、音楽活動を開始し、10年以上にわたり音楽活動に従事しました。その後、独学で知識と技術の習得を行い、2003年3月、デザインとテクノロジーの融合による製品を通じた体験を社会に届けることを目的に、現在のバルミューダ株式会社の前身である「有限会社バルミューダデザイン」を創業しました。設立以降の沿革は、次のとおりです。

年月

概要

2003年3月

有限会社バルミューダデザインとして、東京都武蔵野市に設立

2003年5月

ノートパソコン用冷却台「X-Base」を発売

2004年12月

パワーLEDの技術を用いたデスクライト「Highwire」を発売

2006年4月

東京都小平市に本店移転

2008年5月

金型を用いた量産製品第一弾となるデスクライト「Airline」を発売

2010年4月

DCブラシレスモーターを搭載した扇風機「GreenFan」を発売

2011年3月

株式会社へ組織変更し、バルミューダ株式会社に改組

2011年11月

サーキュレーター「GreenFan Cirq」を発売

2012年7月

アジアへの製品販売を開始

2012年10月

Wファン構造による空気清浄機「JetClean」を発売

2013年2月

ドイツに連結子会社「BALMUDA Europe GmbH」を設立し、欧州への製品販売を開始

2013年9月

空気清浄機「AirEngine」を発売

2013年10月

アルミラジエーター方式による暖房機「SmartHeater」を発売

2013年10月

タンクレス構造を実現した加湿器「Rain」を発売

2015年4月

東京都武蔵野市に本店移転

2015年6月

スチームテクロノジーによるトースター「BALMUDA The Toaster」を発売

2016年10月

注ぎ心地を追求した電気ケトル「BALMUDA The Pot」を発売

2017年1月

蒸気の力で炊き上げる炊飯器「BALMUDA The Gohan」を発売

2017年12月

特徴的な操作音のオーブンレンジ「BALMUDA The Range」を発売

2018年10月

太陽光LEDを採用したデスクライト「BALMUDA The Light」を発売

2019年3月

航空機のジェットエンジン技術を応用した空気清浄機「BALMUDA The Pure」を発売

2019年7月

活性炭脱臭フィルター搭載のサーキュレーター「GreenFan C2」を発売

2019年10月

太陽光LEDを採用したランタン「BALMUDA The Lantern」を発売

2020年4月

北米への製品販売を開始

2020年6月

360°全方位に音が広がるワイヤレススピーカー「BALMUDA The Speaker」を発売

2020年10月

独自のホバーテクノロジーによるクリーナー「BALMUDA The Cleaner」を発表

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社(BALMUDA Europe GmbH)の2社で構成されています。製品の企画、デザイン、設計、開発、国内外での製品等の販売を軸に、「家電事業」の単一セグメントで事業を展開しているファブレス(自社工場を保有せず、外部の製造工場に製品の生産を委託する)メーカーです。加えて、消費者に製品のコンセプトをできるだけ的確にお伝えするために、製品のプロモーションに係る写真、動画等のコンテンツについても、社内で制作しています。なお、連結子会社BALMUDA Europe GmbHは、主に欧州を中心に当社製品の販売を行っています。

当社が取り扱う製品の特徴については以下のとおりです。

 

・空調関連

「扇風機(GreenFanシリーズ)」は、累計で50万台以上を販売する代表的な製品です。

「扇風機から自然界の風を送り出すことはできないだろうか」というアイディアを実現したのが、特徴的な二重構造の羽根です。速い風と遅い風を同時に作り出し、そしてぶつけ合わせることにより風のもつ渦をなくすことで、面で移動する空気の流れに生まれ変わります。

二重構造の羽根が作り出すのは、自然界の風と同じ、大きな面で移動する空気の流れであり、広がる風はまさに自然界の風の気持ちよさを体感することができるものです。

また、羽根面積が大きいため、通常の回転数で回すと風が出すぎてしまうことから、回転数を制御することができる「DCブラシレスモーター(※)」という、当時、それまで扇風機に使われたことのないモーターを採用しています。さらに、オプションのバッテリー&ドックを組み合わせると、自由に持ち運べるコードレス扇風機としても使用することができます。バッテリー駆動時間は最大20時間で、付属のドックの上に本体を置くだけで充電が開始されるため、持ち運びたい時にアダプターの線の抜き差しをする必要もありません。

(※)低回転で回すことができ、細かい制御も可能なうえ、消費電力が低いという特徴を持つモーター。

2010年の発売当時、数千円程度の扇風機が一般的であった市場に、3万円台の価格の製品を投入しましたが、これまでの扇風機では実現できなかった、自然界の風と同じような気持ちよさや、特徴的なデザイン(グッドデザイン賞受賞)等が高く評価され、「DC扇風機(又は高級扇風機)」というジャンルを新たに築いた製品です。

その他、水を上から注ぎ入れるだけで給水ができるタンクレス構造を実現した「加湿器(Rain)」、航空機のジェットエンジン等で使われるテクノロジーを応用した整流翼を使用し、大容量の空気を静かに循環させることができる「空気清浄機(BALMUDA The Pure)」、送風と同時に脱臭が可能な「ポータブルサーキュレーター(GreenFan C2)」を展開しています。

 


 

・キッチン関連

2015年に、キッチン関連製品第一弾として販売した「スチームトースター(BALMUDA The Toaster)」は、簡単においしいトーストを作ることができるトースターとして、累計で100万台以上を販売しています。

開発のきっかけは、会社近くの公園で行った土砂降りの中でのバーベキュー大会でした。食パンを炭火で焼き始めたところ、表面がパリッとして中に水分が残ることにより、これまでにない食感となり、この味の再現ができれば、理想のトースターを開発できる、と次の日から再現実験を繰り返す試行錯誤を続けました。土砂降りの雨の中で焼いていたことから、水分がポイントになると考え、これを実現したのが、独自のスチームテクノロジーと温度制御です。古くからある窯やヨーロッパの街並みなどから着想を得たモダンクラシックなデザインはグッドデザイン賞金賞を受賞しています。

その後、ハンドドリップでのコーヒーの淹れやすさを志向し、手になじむハンドルと湯切れの良いノズルを採用し、注ぎ心地を追求した「電気ケトル(BALMUDA The Pot)」、釜を二重にして、蒸気の力で炊き上げることで、粒立ちとほぐれの良さ、抜けるような香ばしさ、透明感のある味わいを実現する「炊飯器(BALMUDA The Gohan)」、及びこれまでの電子レンジにはないギターの音色による特徴的な操作音を採用し、シンプルなデザインで使いやすい大きさにまとめた、キッチンを楽しくする「オーブンレンジ(BALMUDA The Range)」を展開しています。


 

 

・その他

2018年10月、手術灯のテクノロジーを基にした「太陽光LEDデスクライト(BALMUDA The Light)」を発売しました。従来の白色LEDでは失われてしまっていた本来の色を照らし出し、自然界の色に非常に近いスペクトルが特徴となる太陽光LEDを採用しており、また、光源が視界に入らないよう、前方の低い位置から斜めに手元を照らすことが可能となるフォワードビームテクノロジーを搭載した製品です。
  その後、2019年10月にキャンドルのように揺らぐ暖色の灯りから、読書灯にも使える温白色の灯りまで、幅広い場面で活用できるバッテリー内蔵の「ポータブルLEDランタン(BALMUDA The Lantern)」、2020年6月に360°全方位に広がる立体的で抜けるような気持ちよいサウンドと、グルーヴを増幅させる輝きでライブステージのような臨場感を作り出す充電式でポータブルな「ワイヤレススピーカー(BALMUDA The Speaker)」を展開しています。さらに、2020年10月には操作性を追求した「ホバー式クリーナー(BALMUDA The Cleaner)」を発表しました。摩擦抵抗を低減するデュアルブラシヘッドと、それを自在に操るための360°スワイプ構造によって実現した独自のホバーテクノロジーにより、クリーナー自体が浮いているかのような驚きの操作感を実現しました。


 

 

事業の系統図は、次のとおりです。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金
(ユーロ)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

BALMUDA Europe GmbH

ドイツ
ノルトライン=ヴェストファーレン州デュッセルドルフ

25,000

家電事業

100.00

・欧州における当社製 

 品の販売及び資金の

 貸付

・役員兼務2名

 

(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。

2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

3.特定子会社に該当する会社はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2020年10月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

家電事業

109

3

合計

109

3

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

2.当社グループは、家電事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2020年10月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

109

3

41.1

3.5

7,556

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

2.当社は、家電事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。