第二部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第10期

第11期

決算年月

2019年2月

2020年2月

売上高

(千円)

1,150,296

1,517,668

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

372,886

45,914

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

373,402

28,035

包括利益

(千円)

371,177

30,952

純資産額

(千円)

130,069

39,068

総資産額

(千円)

1,650,659

1,943,793

1株当たり純資産額

(円)

422.01

430.37

1株当たり当期純損失(△)

(円)

100.92

7.58

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

8.0

1.9

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

262,904

164,590

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

90,124

29,195

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

515,267

422,732

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,179,436

1,403,426

従業員数

(名)

48

61

〔外、平均臨時雇用者数〕

7

16

 (注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

3.第10期及び第11期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載しておりません。

4.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

5.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。臨時雇用者数(アルバイト、パートタイマーを含み、派遣社員は除く)は、年間の平均人員を外数で〔  〕内に記載しております。

6.前連結会計年度(第10期)及び当連結会計年度(第11期)の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。

7.当社は、2020年8月17日開催の取締役会決議により、2020年9月3日付で普通株式1株につき1,000株の割合で株式分割を行っておりますが、第10期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2016年2月

2017年2月

2018年2月

2019年2月

2020年2月

売上高

(千円)

442,025

812,886

890,539

1,133,081

1,492,619

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

410,063

453,328

346,390

433,322

70,557

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

410,513

461,632

347,750

433,838

25,389

資本金

(千円)

297,462

487,350

662,310

100,000

100,000

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

3,700

3,700

3,700

3,700

3,700

A種優先株式

828

828

828

828

828

B種優先株式

516

516

516

516

C種優先株式

432

432

432

D種優先株式

300

500

純資産額

(千円)

20,319

61,591

59,050

192,730

32,750

総資産額

(千円)

880,925

1,344,136

1,365,256

1,570,089

1,879,043

1株当たり純資産額

(円)

102,938.47

227,704.12

321,690.88

438.94

432.08

1株当たり配当額

(円)

(うち、1株当たり中間配当額)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

110,949.61

124,765.65

93,986.76

117.25

6.86

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

2.2

4.7

4.4

12.4

1.6

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(名)

21

30

35

48

61

〔外、平均臨時雇用者数〕

3

2

4

7

16

 (注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第10期以前は潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第11期は潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

3.自己資本利益率については、第7期、第8期、第9期及び第10期の自己資本利益率は、当期純損失であるため、第11期は期首及び期末の自己資本の合計がマイナスであるため記載しておりません。

4.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

5.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。臨時雇用者数(アルバイト、パートタイマーを含み、派遣社員は除く)は、年間の平均人員を外数で〔 〕内に記載しております。

6.前事業年度(第10期)及び当事業年度(第11期)の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。

7.第7期から第9期については「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。

8.2020年8月17日付で、A種優先株主、B種優先株主、C種優先株主及びD種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、全ての優先株式を自己株式として取得し、当該優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、2020年8月17日開催の取締役会決議により、当該種類株式を消却しております。なお、当社は2020年8月31日開催の臨時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。

9.当社は、2020年8月17日開催の取締役会決議により、2020年9月3日付で普通株式1株につき1,000株の割合で株式分割を行っておりますが、第10期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

10.上記9.のとおり、当社は2020年9月3日付で普通株式1株につき1,000株の割合で株式分割を行っております。

   そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。

   なお、第7期、第8期及び第9期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2016年2月

2017年2月

2018年2月

2019年2月

2020年2月

1株当たり純資産額

(円)

△102.94

△227.70

△321.69

△438.94

△432.08

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

△110.95

△124.77

△93.99

△117.25

6.86

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

 

 

2【沿革】

当社の創業者である丸林耕太郎は、プロとして音楽活動に取り組んでいた慶應義塾大学在学中、ある企業経営者との出会いから、一人の音楽家として社会を変えていくよりも、自ら事業を興し、その事業を通じて社会を変革していくことの方が、より幸せな世界づくりに貢献できると確信し、2009年3月、「赤丸ホールディングス株式会社(現当社)」を創業いたしました。

 

年 月

変    遷    の    内    容

2009年3月

東京都渋谷区渋谷にて多世代型コミュニティマンション事業を行う赤丸ホールディングス株式会社(現当社)〔資本金9,000千円〕を設立

2010年5月

ハンドメイドマーケットプレイス「Creema」をリリースし販売を開始

2010年12月

初のリアルイベントとなる「HandMade In Japan AWARD by Creema」をドイツのベルリンにて開催

2013年7月

日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes'」をスタート(以降本書提出日までに、東京で9回開催)

2014年3月

ルミネ新宿2に常設エディトリアルショップである「Creema Store 新宿」をオープン(本書提出日現在、3店舗まで拡大)

2014年6月

株式会社クリーマに商号変更

2014年12月

西日本最大級のハンドメイドイベント「Creema Craft Party」をスタート(以降本書提出日までに、大阪、台北で計7回の開催)

2016年5月

台湾台北市に子会社 可利瑪股份有限公司を設立

2016年7月

「Creema」中国語版の提供開始により香港・台湾事業をスタート

2016年10月

「全国いいもの発見プロジェクト」を皮切りに、外部広告サービスの提供を開始

2017年8月

新潟県糸魚川市「匠の里創生事業」とクリエイター支援における連携を皮切りに、地方創生領域にも進出

2017年9月

地方創生を目的として全国各地で市を開く「Creema Craft Caravan」をスタート

2017年11月

クリエイター向けに「スピード振込サービス」の提供を開始し、会員サービスをスタート

2018年9月

クリエイター向けに「作品プロモーション」機能をリリースし、内部広告サービスの提供を開始

2019年5月

東京都港区に本社移転

2020年6月

クリエイターの創造的な活動を支援する「Creema SPRINGS」をリリースし、クラウドファンディングサービスの提供を開始

2020年8月

タレントの千秋さんが創業したハンドメイド関連サービス「ハローサーカス」をM&Aにより事業譲受

 

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び海外子会社1社で構成されており、クリエイターエンパワーメント事業の単一セグメントでの事業運営を行っております。

 本事業は、「本当にいいものが埋もれてしまうことのない、フェアで新しい巨大経済圏を確立する」をコンセプトに、創作活動に取り組む全国のクリエイターと生活者(ユーザー)が、オンライン上で直接オリジナル作品を売買できるCtoCのハンドメイドマーケットプレイス「Creema」の運営を2010年より行ってまいりました。

 また2013年以降は、来場者数5万人を誇る、日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes’(東京ビッグサイト)」等の大型イベント開催や、常設ショップ「Creema Store(新宿・札幌)」「暮らしとクリーマ(二子玉川)」の運営等、「Creema」に出店するクリエイターにさらなる活躍の場を提供すると同時に、生活者(ユーザー)がリアルの場で作品に触れられる機会を数多く創出することで、日本のクラフト文化を創造・牽引しながら、クリエイターの活動支援に長年注力して参りました。

 上述のとおり、当社グループの事業活動はクリエイターの活動支援に注力してきた関係から、本業として作家活動を行うクリエイターや、これから本格的に作家としての活動を志望しているクリエイター等、プロ志向のクリエイターから支持を頂いております。品質の高いプロ志向のクリエイターの作品が多く集まるため、当社グループのマーケットプレイスでは高品質の作品を求める生活者(ユーザー)の安定的な集客が可能となっており、これが感度の高い良質なコミュニティの構築につながり、当社グループのサービスの明確な独自性・競争優位性のひとつとなっています。

 当社グループの収益は、マーケットプレイスサービスにおける「Creema」 上での販売手数料収入に加え、プラットフォームサービスにおける各種広告収入、イベント・ストアサービスにおける出店料・入場料、及び販売手数料収入、そして、クラウドファンディングサービスの成約手数料等から構成されています。

 

 

 以下に当社グループの事業系統図を記載いたします。

 

(事業系統図)

 

 

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<具体的な製・商品またはサービスの特徴>

(1)マーケットプレイスサービス

「Creema」はオンライン上で個人が直接、オリジナルのハンドメイド作品を売買できるCtoCマーケットプレイスであり、当社の中心的なサービスです。「Creema」は日本国内におけるハンドメイドマーケットプレイスの先駆的サービスでもあり、2010年5月のリリース以降、多くのクリエイターの支持を獲得してきました。

「Creema」では、クリエイターが自身の作品を当社のマーケットプレイスに出品し、ユーザーがその作品を購入する際、当社が決済の仲介を行い、購入代金から一定の販売手数料を当社が差し引き、その残金を売上金としてクリエイターに入金するというビジネスモデルとなっています。

「Creema」では、各クリエイターのページに掲示板を設けており、掲示板を使ってユーザーがクリエイターに直接連絡を取ることができます。作品に関する質問をしたり、オーダーメイドや発注数の相談をしたりといったコミュニケーションも可能となっており、オンラインでの購買でありながら「つながる楽しさ」も提供しております。また、クリエイターはこうしたコミュニケーション機能を通じて、クリエイター自身のファン構築をすることもでき、本業としての活動を広げることが可能となっています。

 

<「Creema」画面イメージ>

 

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2016年7月には、海外展開の第一歩として、中国語版「Creema」をリリースするとともに、海外子会社「可利瑪股份有限公司」を台湾(台北市)に設立いたしました。中国語版「Creema」のリリースにより、日本国内で活動するプロ・セミプロのクリエイターが、台湾・香港のユーザーに向けて自身の作品を簡単に出品することが可能となりました。また、日本にいるユーザーも、台湾・香港のクリエイター作品を手軽に購入できるようになっております。国境を越えての出店はすべて事前審査制としているため、作品品質を維持しつつ、越境取引でもユーザーに安心してお買い物を楽しんでいただける仕組みとなっています。サイト、出品、取引メッセージまで、中国語版「Creema」はすべて中国語(繁体字)化しており、出品やメッセージのやりとりには自動翻訳機能が対応しているため、安心でスムーズな取引が可能です。さらに、日本語・中国語が堪能かつ、台湾・香港のECに精通したスタッフが、出品や取引に関するコミュニケーションに対して全面的なサポートを行っております。そのため、クリエイター・ユーザーともに、利用しやすい環境が実現されていると言えます。

設立当初より「本当にいいものが埋もれてしまうことのない、フェアで新しい巨大経済圏を確立する」をコンセプトに、クリエイター支援を主軸として「Creema」を運営してきました。そうした企業姿勢・各種取り組みの結果、業界内でもプロ及びプロを目指すクリエイターの出品が出品作品の中心となっており、品質の高い作品が集まるハンドメイドマーケットプレイスとしての地位を確立、現在まで次表のとおり急成長を遂げております。

 

 

 

<「Creema」重要指標推移表>

 

2017年

2月期末

実績

2018年2月期末

2019年2月期末

2020年2月期末

2021年2月期第2四半期末

実績

実績

前期比

実績

前期比

実績

前期比

登録作品数(万点)

358

529

147.9%

695

131.3%

866

124.7%

1,019

アプリダウンロード数(万回)

468

654

139.9%

838

128.0%

974

116.2%

1,049

流通総額(百万円)

6,537

7,375

112.8%

7,875

106.8%

8,998

114.3%

7,997

※登録作品数はサービス開始時点から当該期末までの累積数、アプリダウンロード数はアプリリリース時点から当該期末までの累積数、流通総額は当該期間の合計。

 

(2)プラットフォームサービス

 「Creema」のプラットフォームを活用し、出店クリエイター・企業・地方公共団体のマーケティング支援等を行うプラットフォームサービスも提供しております。その一環として、作品プロモーションと呼ばれる広告機能を2018年9月にリリースし、内部広告サービスの提供を開始しました。これにより、クリエイターは自身の作品の広告を「Creema」上にある所定の広告枠に表示することができるようになりました。本サービスにより、クリエイターは、自身の作品を効果的に多くのユーザーに認知させることが可能となり、「Creema」出店クリエイターの売上増に貢献しています。なお、本広告機能はクリック課金型の収益モデルとなっており、表示された広告作品をユーザーがクリックするごとに、設定されたクリック単価をクリエイターが当社に支払う仕組みとなっています。

 また、「Creema」のプラットフォーム上で蓄積された、巨大なユーザー基盤を活用し、企業や地方公共団体をクライアントとする広告サービスである外部広告サービスも提供しております。地方創生を目的として全国各地で市を開く「Creema Craft Caravan」や、Creemaプラットフォームを活用した伝統工芸士団体のデジタルシフト支援、また、玩具、ジュエリー、日用品等の様々な業種のメーカーとコラボレーションして当社のクリエイターが作品を制作する広告企画など、当社でしかできない独自性のある広告商品を多数提供しております。

 上記のほか、会員向けのサービスとして、「Creema」での売上金の受け取りを、通常の振込日である月末まで待たずに早期に行いたいというクリエイターのニーズに対応するスピード振込サービスを提供しております。本サービスは、振込対象金額に所定の料率を乗じた手数料をいただいております。また、クリエイターに対し、販売やプロモーションに留まらず、商品企画等創作活動全般に関するコンサルティングを行うプレミアムコンサルサービスも提供しております。なお、プレミアムコンサルサービスでは「Creema」での通常の販売手数料率に加え、サービス分を上乗せした料率での契約を、対象クリエイターと個別に締結しております。

 

(3)イベント・ストアサービス

 当社は、クリエイター作品の販路として、ハンドメイドマーケットプレイス(オンライン)の提供だけでなく、直接クリエイターとユーザーとをリアルの世界で結びつけるクラフトイベントやエディトリアルショップ(常設店舗)も積極的に展開しております。これらの展開は、当社サービスの認知度向上はもちろんのこと、クリエイターやユーザーとのエンゲージメント強化にも意味を持つと同時に、ハンドメイド市場やハンドメイドカルチャーの拡大にも貢献していると認識しています。そのため、イベント・ストアサービスは、クリエイターの支援、当社の収益源としての位置づけにとどまらず、PR活動のひとつとしても取り組んでおります。

 以下に当社が毎年定期的に開催している主要な2つのクラフトイベントを記載いたします。

(a) 「HandMade In Japan Fes'」

 2013年から「クラフトの市場/カルチャーを日本に確立するために、ミュージシャンにとっての音楽フェスと同様に、クリエイターにも祭典とよべるステージをつくりたい」という想いから、東京ビッグサイトにて「HandMade In Japan Fes'」を開催しております。イベント名称には「日本発のクリエイティブカルチャーを国内外に大きく 発信していこう」という想いが込められています。

 全国のクリエイターによる作品販売ブースやワークショップがあつまる「クリエイターエリア」、人気バンドのステージ等を楽しめる「ミュージック&プレイエリア」、手作りにこだわった「フードエリア」等で構成され、イベント出店者と来場者の感性が直接触れ合い、うねりを起こす、クリエイティブな2日間のフェスティバルとなっており、普段はオンライン上で作品の売買を行っているクリエイターとユーザーのリアルでの接点の場にもなっています。

 2013年の開催以降、動員数を着実に伸ばし続けており、2013年開催時点では出店数約1,960店、来場者数約26,000人でしたが、2019年夏の開催時には出店数で約3,000店、来場者数は約50,000人を記録しました。現在では日本最大級のクラフトイベントと呼べる規模にまで成長しております。

<「HandMade in Japan Fes'」の開催風景>

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(b) 「Creema Craft Party」

 「Creema Craft Party」は、丁寧であたたかなクラフトの世界が感じられる空間で、ものづくりの魅力を体感できる大規模クラフトイベントであり、大阪・台北(台湾)の2箇所で継続的に開催しています。クリエイターがオリジナル作品を販売する「マーケットエリア」、手作りにこだわった焼き菓子やパン等を販売する「フードエリア」、人気クリエイターによる「ワークショップエリア」、実力派アーティストのライブパフォーマンスを楽しめる「ミュージック&プレイエリア」等を設けております。

 「Creema Craft Party」は、「HandMade In Japan Fes'」に続いて2014年冬に大阪で始まり、2018年は過去最大規模となる約3,000名の出店と約18,000人の来場となりました。今後も出店者・来場者ともに増加を見込んでおり、こちらも関西最大級のクラフトイベントとしての地位を確立しています。

 また、2017年と2019年には台湾でも同様のイベントを開催しており、日本のクラフト文化を世界に発信する象徴的なイベントとなっています。

 

<「Creema Craft Party」の開催風景>

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 また、当社は「Creema」出店クリエイターの作品を展示販売する常設エディトリアルショップの企画、運営を行っております。クリエイターの作品出品料は無料とし、販売手数料を設定のうえ、当社にて販売受託を行っております。出店期間とテーマを決め、クリエイターからの出店の募集を実施。クリエイターの作品の世界観やクオリティ、価格等を重点的に評価した上で、出店の可否を決定しております。そのため、エディトリアルショップのテーマに沿った高品質な作品が常時ショップに並ぶ仕組みとなっています。

 エディトリアルショップでの作品の販売は当社スタッフがクリエイターに代わり行っておりますが、クリエイターからの要望がある場合には、クリエイターがエディトリアルショップのブースに立合い、接客を行うことも可能としております。

 2014年にアクセサリーを主軸とした「Creema Store 新宿」をオープン後、2018年9月には二子玉川ライズにて「暮らしとクリーマ」をオープンしました。「Creema Store 新宿」が女性向けのアクセサリーを中心に扱っているのに対し、「暮らしとクリーマ」では『物語と暮らす、世界にひとつのおうち時間』をコンセプトに、器や生活雑貨、インテリア、フード等、毎日を彩るハンドメイド作品がずらりと並ぶ当社グループ初のライフスタイル特化型エディトリアルショップとなっています。

 2019年3月には北海道にCreema Storeの2号店となる「Creema Store 札幌」をオープン。今後も、「Creema」で構築した豊富な作品基盤・ユーザー基盤を活用し、より一層リアルの世界での展開を強化してまいります。

<エディトリアルショップの外観>

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(4)クラウドファンディングサービス

 当社では、2020年6月に、ハンドメイドに限定することなく、あらゆるジャンルのクリエイターの創造的な活動を応援することに特化した、購入型クラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」も開始しております。「Creema」にご登録いただいているクリエイターをはじめ、クリエイターが「新しいブランドをつくりたい」「工房・アトリエを作りたい」「海外で個展を開催したい」など様々なアイディアや夢、想いをかたちにするプロジェクトを発信し、その想いに共感する支援者(ユーザー)からプロジェクト実現のための資金を募ることができる場を提供しております。支援者は、自身が応援したいクリエイター・プロジェクトを見つけて資金提供を行い、そのリターンとして、複数のプランから任意に選択した作品・商品またはサービスの提供を受けることができます。

 本サービスは、目標金額に到達した場合のみプロジェクトの実施及び商品の提供が決定する「目標達成型」のプロジェクトと、目標金額に到達しない場合でもプロジェクトの実施及び商品の提供が行われる「実行確約型」プロジェクトの2つが存在しており、クリエイターは任意の方法で必要資金の調達が可能です。

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(千台湾ドル)

主要な事業の内容

議決権の所有(又は被所有)割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

可利瑪股份有限公司

台湾

台北市

2,000

クリエイターエンパワーメント事業

100

役員の兼任あり

 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

    2.有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2020年9月30日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

クリエイターエンパワーメント事業

70

〔16〕

合計

70

16

 (注)1.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、臨時雇用者数(アルバイト、パートタイマーを含み、派遣社員は除く)は、最近1年間の平均人員を外数で〔 〕内に記載しております。

2.当社グループはクリエイターエンパワーメント事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

3.従業員数が最近1年間において12名増加しておりますが、これは業務拡大に伴う人員の増加によるものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2020年9月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

70

30.7

2.3

4,026

16

 

 (注)1.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、臨時雇用者数(アルバイト、パートタイマーを含み、派遣社員は除く)は、最近1年間の平均人員を外数で〔 〕内に記載しております。

2.当社はクリエイターエンパワーメント事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

3.従業員数が最近1年間において12名増加しておりますが、これは業務拡大に伴う人員の増加によるものであります。

 

(3)労働組合の状況

 当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。