第二部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第29期

第30期

第31期

第32期

第33期

決算年月

2015年2月

2016年2月

2017年2月

2018年2月

2019年2月

売上高

(千円)

3,255,779

3,739,486

4,263,414

5,254,794

6,468,296

経常利益

(千円)

15,228

223

30,776

139,563

103,944

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

12,074

2,009

25,344

55,980

78,583

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

20,000

20,000

20,000

20,000

110,750

発行済株式総数

(株)

40,000

40,000

40,000

40,000

45,500

純資産額

(千円)

183,002

185,012

130,829

202,334

466,788

総資産額

(千円)

2,314,130

2,696,574

3,713,493

3,744,532

5,327,225

1株当たり純資産額

(円)

4,575.07

4,625.31

3,270.75

101.17

205.18

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

301.87

50.24

633.62

27.99

38.88

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

7.91

6.86

3.52

5.40

8.76

自己資本利益率

(%)

6.82

1.09

33.61

23.49

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

278,024

150,031

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

99,290

1,338,633

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

194,398

1,198,364

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,527,679

1,538,305

従業員数

(人)

111

149

167

199

229

(外、平均臨時雇用者数)

(147)

(200)

(209)

(215)

(306)

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.第29期及び第30期の消費税等の会計処理は税込み方式によっております。第31期、第32期及び第33期の売上高には、消費税等は含まれておりません。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

4.1株当たり配当額、配当性向については、当社は配当を実施していないため記載しておりません。

5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第29期、第30期は潜在株式が存在しないため、第31期は1株当たり当期純損失であり、また潜在株式が存在しないため、第32期、第33期は潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため期中平均株価が把握できませんので、記載しておりません。

6.第31期の自己資本利益率は、当期純損失であるため記載しておりません。

7.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

 

8.第29期、第30期及び第31期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

9.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、年間平均雇用人員(1日1人8時間換算)を( )内に外数で記載しております。

10.第32期及び第33期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。なお、第29期、第30期及び第31期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人による監査を受けておりません。

11.当社は、2019年9月13日開催の取締役会決議により、2019年10月30日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を行っております。第32期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

12.当社は、2019年10月30日付で普通株式1株につき50株の株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第29期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。

なお、第29期、第30期及び第31期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、太陽有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

第29期

第30期

第31期

第32期

第33期

 

2015年2

2016年2

2017年2

2018年2

2019年2

1株当たり純資産額

(円)

91.50

92.51

65.41

101.17

205.18

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

6.04

1.00

△12.67

27.99

38.88

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

 

2【沿革】

 当社の前身は、現代表取締役 達城久裕が1983年7月大阪市東成区において、個人で軽トラックでの貨物運送サービスの提供を開始したことに始まります。

 その後、物流加工サービス(注)の提供、拡充にともない、一層の事業拡大を図る目的をもって、1986年4月に有限会社軽サービスに改組し、現在の物流サービス事業の基盤を築き、1996年3月に関西商業流通株式会社(資本金10百万円)に組織変更し、事業を拡大してまいりました。当社に係る経緯は、次のとおりです。

年月

概要

1983年7月

運送業軽貨物の輸送サービスの提供を目的として、軽サービスを大阪市東成区で創業

1986年4月

軽サービスを、有限会社軽サービスに改組(資本金1百万円)

1991年6月

大阪市東成区東今里に本社移転し、本社物流センター開設

1992年1月

物流加工サービスの拡大により、物流事業部を設置し、配送センター代行サービスに本格参入

1994年10月

大阪府東大阪市荒本北へ本社を移転

1996年3月

物流加工サービスを主なサービスとする目的として、株式会社へ組織変更し、関西商業流通株式会社に商号変更

2000年2月

物流加工サービスの品質向上を目指し、ISO9001を認証取得

2001年9月

本社及び本社物流センター移転(大阪府東大阪市、現本社所在地)

2002年5月

第1物流センター(現 本社物流センター北館)を開設(大阪府東大阪市)

2004年4月

倉庫業の運営を目的に、有限会社関通倉庫設立(大阪府東大阪市、現 第二物流センター)

2007年1月

首都圏進出のため、関東通商流通株式会社設立(茨城県つくば市)

2007年4月

ISO14001認証取得

 

プライバシーマーク取得(登録番号:第20001372(07)号)

2007年7月

一般貨物自動車運送事業を開始

2008年3月

事業効率化のため、有限会社関通倉庫を当社に吸収合併

 

第2物流センター・第3物流センターを開設(大阪府東大阪市)

2009年7月

関西商業流通株式会社から、株式会社関通に商号変更

2010年2月

事業効率化のため、関東通商流通株式会社を吸収合併

2010年5月

第4物流センターを開設(大阪府東大阪市)

2010年7月

物品販売事業参入のため、達磨通商株式会社設立(資本金3,000千円、大阪市東成区)

2010年12月

サービス拡充のため、受注管理業務代行サービスの提供を開始

2011年4月

EC物流センターを開設(大阪府東大阪市)

2012年2月

通販物流センターを開設(大阪府東大阪市)

2012年10月

第4物流センターを移転のため閉鎖し、移転先として主管センターを開設(大阪府東大阪市)

2013年12月

自社物流センター運営移管サービス開始

2014年3月

一般貨物自動車運送事業から撤退

2014年4月

本社にてISMS(ISO27001)認証取得(認証番号:ISA IS 0156)

2014年12月

第二通販物流センターを開設(大阪府東大阪市)

2015年8月

第三通販物流センターを開設(大阪府東大阪市)

2016年5月

TAT配送センターを開設(大阪府東大阪市)

2016年7月

EC物流センターを移転増床(大阪府東大阪市)

2017年1月

事業効率化のため、達磨通商株式会社を吸収合併

2017年5月

第三通販物流センターを閉鎖し、移転先として門真通販物流センターを開設(大阪府門真市)

2017年9月

首都圏通販物流センターを開設(千葉県柏市)

2017年10月

関西主管センターを開設(兵庫県尼崎市)

2018年9月

通販物流センターを増床移転(大阪府門真市)

2018年10月

関東主管センターを開設(埼玉県和光市)

2019年2月

楽天株式会社と資本・業務提携

2019年3月

Rakuten Fulfillment Center Amagasakiを開設(兵庫県尼崎市)

(注)物流加工サービスとは、お客様の商品を、お客様の注文に応じて、検品、ラベル貼付、丁合、セット組み、包装等を行うサービスをいいます。

3【事業の内容】

当社は、主にEコマース(注1.)及び通信販売事業を展開するお客様の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務を代行するEC・通販物流支援サービス(旧 配送センター代行サービス)を主たるサービスとして物流サービス事業を展開しております。

当該サービスを提供する中で、当社が取組んだ改善活動の結果、成果が出た活動を、そのまま新しいサービスとしてお客様にご提供することで、受注管理業務代行サービス、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System、以下「倉庫管理システム」という。)「クラウドトーマス」やチェックリストシステム「アニー」などのソフトウエア販売・利用サービス、また外国人技能実習生教育サービス等、サービス拡充を図りながら事業を展開しております。

いずれのサービスもEC・通販物流支援サービスにおける課題解決の活動から生まれており、そのEC・通販物流支援サービスは2000年頃のインターネット通販の黎明期からスタートし、センター運営のノウハウを蓄積してまいりました。

これらノウハウをセミナーの開催をとおしてお客様へご案内し、目で見て耳で聞いて実感いただくことで、更なるお客様獲得につなげております。

当社の具体的なサービスの特徴は、次のとおりです。

 

(1) 物流サービス事業

(EC・通販物流支援サービス)

 EC・通販物流支援サービスは、主にEコマース及び通信販売事業を展開するお客様の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務をお客様から受託し、お客様に代わって配送センター業務を行うサービスです。当社は2000年頃のインターネット通販の黎明期から培ってきたノウハウをもち、そのノウハウを当社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」に機能として搭載すること等により、サービス提供を行っております。

 具体的には、当社は自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」を活用することで品質維持・改善を図り、また現場の個別作業においては、チェックリストシステム「アニー」を活用して、お客様別の作業ごとに手順をチェックリスト形式で作成し、これをマニュアルとして利用することで、品質の平準化を図るとともに、作業の標準化及び効率化を図り、作業ミスの予防につなげております。

 また、主要なお客様とは定期的にミーティングを開催し、当社が提供するEC・通販物流支援サービスの現状報告、お客様の声として現状の課題等をお聞かせいただき、お客様個別の課題等に対する改善活動に取組み、KPI等の指標の推移をご提示する等、改善状況の可視化を図り、お客様にご満足いただけるサービスレベルの向上に活かしております。

 

(受注管理業務代行サービス)

 受注管理業務代行サービス(以下「受注管理サービス」という。)はEC・通販物流支援サービスの上流工程に位置し、Eコマースにおけるご購入者様の注文内容を確認し、電子メール対応や入金確認、出荷指示データ作成等の業務をお客様から受託しております。EC・通販物流支援サービスと連携することで、お客様から販売活動のバックヤード業務をワンストップでアウトソーシングいただくことが可能になっております。

 受注管理業務の改善活動の中で標準化された業務は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、注2.)の活用による自動化を推進し、またミャンマー連邦共和国(以下「ミャンマー」という。)にある外注先の事務所「ヤンゴンBPOセンター」(注3.)で業務を実施する等の効率化を推進しております。

 なお、受注管理サービスに係る業務のうち多様な判断をともなう業務に対しては、ミスが発生しやすい業務であることからチェックリストの運用を社内で推進し、継続して作業手順やチェック項目の見直しを行う等の改善活動の中で、チェックリストシステム「アニー」を開発するに至っております。

 

(ソフトウエア販売・利用サービス)

 ソフトウエア販売・利用サービスは、当社で開発して利用し、成果につながったソフトウエアをお客様にご利用いただくサービスです。

 倉庫管理システム「クラウドトーマス」は倉庫内に保管されている商品(在庫)の数を正確に把握するとともに、倉庫内業務の効率化を実現するためのソフトウエアです。入荷から出荷、庫内での棚移動を含め、在庫のすべての動きを、バーコードとそれを読み取るスキャナにより物理的に管理することで、入出庫処理やロケーション管理などを一元的に行うことができるようになります。「クラウドトーマス」導入により、お客様の販売商品の正確な在庫管理、誤出荷の防止、倉庫内業務の標準化及び効率化を実現することが可能になります。

 また、チェックリストシステム「アニー」はクラウド型のチェックリストシステムです。「クラウドトーマス」と同じく、当社がチェックリストの運用を改善し続けた結果、生み出されたソフトウエアです。チェックリストに作業の手順を登録することで、作業の抜け漏れが少なくなり、業務の品質を落とさず、作業手順やノウハウが見える化され、新人教育にもご利用いただけます。

(物流コンサルティングサービス)

 当社は、EC・通販物流支援サービスで培われたノウハウを活用し、物流現場改善による生産性の向上による効率化等を目的としたコンサルティングサービスを提供しております。

 当社の物流コンサルティングサービスは、物流業務に関するお客様の課題をヒアリングし、お客様の現場を実際にお見せいただき、実際の作業を確認させていただいた上で課題を整理し、改善手法の立案を行います。

 改善手法の立案に当たっては、ワークサンプリング(注4.)を実施して作業手順をフローチャート等として可視化し、レイアウト及び保管什器の変更、倉庫管理システムの導入、変更若しくは使用方法の改善、梱包単位に商品を仕分けするための仕分けシステムの導入等による効率的な物流業務の改善方法等を検討し、ご提案しております。

 また、改善を実行に移すための計画を策定し、その進捗管理を行うとともに、倉庫管理システムや仕分けシステムの導入支援、現場でのオペレーションにおける使用方法の説明、指導、教育等を行い、お客様の物流業務における改善効果の実現を支援しております。

 

(楽天スーパーロジスティクスサービス)

 当社は2019年2月に楽天株式会社と資本・業務提携し、同年3月に「Rakuten Fulfillment Center Amagasaki」(兵庫県尼崎市)を開設し、サービス提供を開始いたしました。楽天株式会社が主に楽天市場の出店者向けに提供する物流サービスである「楽天スーパーロジスティクス」の業務を受託し、これまでのEC・通販物流支援サービスで培ったノウハウを活用して、楽天株式会社のお客様に楽天スーパーロジスティクスサービス(以下「RSLサービス」という。)を提供しております。

 

 物流サービス事業に係る事業系統図は、次のとおりです。

 

[物流サービス事業の事業系統図]

0201010_001.png

 

(2) その他の事業

(外国人技能実習生教育サービス)

 外国人技能実習生教育サービス(以下「外国人教育サービス」という。)は、当社がミャンマーから外国人技能実習生(以下「実習生」という。)受入れを行う際に、ミャンマーで行った現地教育カリキュラムを、お客様にもご利用いただくサービスです。

 実習生の受入れを希望されているお客様に、現地ミャンマーでお客様が希望される職種にあった、就業上必要となる技能訓練のほか、会社の文化等の教育を行い、日本で就業時に即戦力の人材として採用いただける教育を行うサービスです。

 なお、当社が出資する物流ロジック協同組合(注5.)は、実習生の監理団体として、受入れ企業に対して監理業務のサービスを提供しております。

(その他教育サービス)

 障がいをお持ちのお子様向け教育事業として、放課後等デイサービスの教室を運営しております。発達障害を抱える児童の学童保育と呼ばれる放課後デイサービスを通じて発達に課題を抱えるお子さまの成長と自立をサポートしております。

 

 その他の事業に係る事業系統図は、次のとおりです。

 

[その他の事業の事業系統図]

0201010_002.png

 

(注)1.Eコマースとは、Electronic Commerceの略で、インターネットを通じた電子商取引のことをいい、ECと表記されることもあります。WEBサイト上のオンラインショップを利用した物品販売等がこれに当たります。

2.RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業をワークフロー自動化ツール等を用いて、人間に代わって自動処理する仕組みをいいます。

3.ヤンゴンBPOセンターは、当社と業務委託契約を締結する外注先企業が運営しております。

4.ワークサンプリングとは、作業者の作業の発生状況、及び設備の稼働状況等を把握する稼働分析の一つです。

5.物流ロジック協同組合は、2019年3月に当社を含む4社の共同出資で設立された協同組合(当社の議決権比率は2020年1月31日現在で7.7%)です。組合員による共同購買のほか、2019年9月から実習生の監理団体としての事業を開始しております。

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

2020年1月31日現在

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

229

30.6

4.0

3,393

 

セグメントの名称

従業員数(人)

物流サービス事業

187

(304)

その他の事業

11

(  2)

全社(共通)

31

(  3)

合計

229

(309)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、年間平均雇用人員(1日1人8時間換算)を( )内に外数で記載しております。

2.臨時雇用者数にはパート社員を含み、派遣社員を除いております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門及び内部監査部門に所属しているものであります。

 

(2)労働組合の状況

 当社の労働組合は、組成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。