回次 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
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決算年月 |
2015年2月 |
2016年2月 |
2017年2月 |
2018年2月 |
2019年2月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
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|
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.当社は、2019年8月21日付で普通株式1株につき60株の株式分割を行っており、発行済株式総数は1,952,400株となっております。
4.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。
5.当社は2017年10月18日付で普通株式1株につき100株、2019年8月21日付で普通株式1株につき60株の株式分割を行っておりますが、第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
6.当社は配当を行っておりませんので、1株当たり配当額及び配当性向につきましては、それぞれ記載しておりません。
7.第2期、第3期及び第4期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、また、第5期、第6期は、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。
8.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
9.当社は、第5期よりキャッシュ・フロー計算書を作成しておりますので、第2期から第4期までのキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。
10.従業員数は就業人員であります。なお、臨時従業員は雇用しておりません。
11.第5期及び第6期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けております。
なお、第2期、第3期及び第4期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
12.当社は2017年10月18日付で普通株式1株につき100株、2019年8月21日付で普通株式1株につき60株の株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第2期、第3期及び第4期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
回次 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
第6期 |
|
決算年月 |
2015年2月 |
2016年2月 |
2017年2月 |
2018年2月 |
2019年2月 |
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
91.51 |
129.04 |
218.74 |
291.76 |
423.13 |
1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
53.89 |
37.53 |
89.70 |
72.33 |
120.00 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
当社は、インターネット事業を目的として2013年3月に設立され、主要な事業として天気予報専門サイトである「tenki.jp(てんきじぇーぴー)」の運営を一般財団法人日本気象協会(以下、日本気象協会)との共同で行っております。当社設立以降の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。
2013年3月 |
株式会社ALiNKインターネットを東京都渋谷区に設立。 |
2013年4月 |
日本気象協会と業務提携契約を締結。 |
2015年7月 |
本社を東京都新宿区へ移転。 |
2015年9月 |
天気予報専門メディア「tenki.jp」のAndroid版アプリをリリース。 |
2017年4月 |
iOS、Android版の課金アプリ「tenki.jp 登山天気」をリリース。 |
2018年1月 |
アドネットワーク事業を行う株式会社アトモスを吸収合併。 |
2018年12月 |
傘シェアリングサービス「アイカサ」を運営する株式会社Nature Innovation Groupへ出資。 |
当社主要事業であるtenki.jp事業に係る経緯は次のとおりであります。なお、当社創業者は当社設立以前から日本気象協会とtenki.jpを運営しております。
1997年9月 |
日本気象協会が中心となって公益事業であるWebサイト「防災気象情報サービス」(現在のtenki.jpの原形)を開始。 |
2002年6月 |
「防災気象情報サービス」をtenki.jpとしてリニューアル。公益事業から収益事業に転換。 |
2005年4月 |
現当社代表取締役CEOの池田洋人が取締役を務める株式会社ありんくが、日本気象協会と営業支援契約を締結。 |
2008年4月 |
株式会社ありんくが、日本気象協会と業務委託契約を締結。営業支援に加えて、tenki.jpに係る事業計画の作成、サイトの企画設計等への関与を開始。 |
2008年9月 |
株式会社ありんくと日本気象協会で、tenki.jpの大幅リニューアルを実施。 |
2009年6月 |
Twitterの公式アカウント「@tenkijp」を開設。Twitterにおいて天気関係の情報発信を開始。 |
2011年4月 |
Facebookの公式アカウントを開設。 |
2011年5月 |
iOS版アプリをリリース。 |
2011年10月 |
株式会社ありんくが、日本気象協会と業務提携契約を締結。現在の共同事業の形態でのtenki.jpの運営を開始。 |
2013年3月 |
日本気象協会との業務提携契約で定められた、株式会社ありんくが保有する一切の権利義務を、当社へ譲渡。 |
当社は、“未来の予定を晴れにする”を経営理念として、「天気情報」を社会インフラ化することを目的として事業を営んでおります。
当社創業メンバーは2008年から天気予報専門メディア「tenki.jp」の運営を行ってまいりました。当社は、メディア運営及びマネタイズ手法の確立を経て培ったGrowth Hack(注1)やトレーディングデスク(注2)業務のノウハウを蓄積していると考えております。また、設立当初より「気象業界×インターネット」の領域で事業推進を行い、今後も経営理念や現在の当社の対処すべき課題(「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください)に基づいて「天気情報」の社会インフラ化を目的として事業を進めてまいります。
注1:「Growth Hack」とは、ユーザーから得たサービスについてのデータを分析・改善し、マーケティング上の課題を解決する手法を指します。
注2:「トレーディングデスク」とは、アドネットワーク業者(Webサイトやソーシャルメディア等の複数の広告媒体を集めて広告配信ネットワークを作り、それらの媒体に広告をまとめて配信する仕組みを行う業者)とのやり取りを通じ、広告主が求める最適なデジタル広告の運用・設計・分析等を一貫して行うことを指します。
現在は主な事業として、日本気象協会との共同事業である天気予報専門メディア「tenki.jp」、「tenki.jp 登山天気」の運営を行っております。なお、当社はtenki.jp事業の単一セグメントであるため、以下、tenki.jp事業に関する記載としております。
(1)運営メディアについて
tenki.jpは、生活にかかせない天気予報と気象予報士が日替わりで季節の話題を提供する等のコンテンツに加え、観測データ、地震・津波等の防災情報の提供を行い、気象情報を多種多様な形態で提供しております。PCのWebページ、スマートフォンアプリ、スマートフォンサイトを合わせて年間約40億PV(注3)(2019年2月期実績)、Twitterのフォロワー数が約280万人(2019年2月末時点)に達する天気予報専門メディアです。
注3:「PV(ページビュー)」とは、ウェブサイト内の特定のページが開かれた回数を表し、ウェブサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための一般的な指標です。
tenki.jp及びtenki.jp 登山天気は週末のレジャー計画をする人、出張先の服装を選びたい人、花粉で困っている人、有感地震で不安を感じている人等、多種多様なシーンの方が未来の行動の判断材料を探すために利用していると考えております。情報社会の進化の恩恵で、必要な情報を簡単に手に入れられる世の中になり、私たちのライフスタイルは多様化しました。
「今日、雨ならこれをしよう」
「明日、晴れたらここに行こう」
天気を変えることはできませんが、未来の予定を晴れにすることはできるという想いでtenki.jpを運営しております。どんなに世界が便利になっても、どこにいても、どんな人でも、天気情報は欠かせないため、老若男女問わず使いやすいメディア、どんなときでも繋がるメディアを目指しております。
<tenki.jpのページ> |
<tenki.jp及びtenki.jp 登山天気のロゴマーク> |
|
|
(tenki.jp) |
(tenki.jp 登山天気) |
|
|
① 運営メディアの提供情報
ⅰ.tenki.jp
10日間天気や1時間ごとの天気、今いる場所の雨の様子(豪雨レーダー)等、ユーザーの志向やユーザーが必要な場所・時間に合わせた天気予報を無料で提供しております。天気予報だけでなく、一般的な気象情報として、観測データや天気図、防災情報もリアルタイムで提供しております。
また、ユーザーの未来の行動の判断材料を提供するために、気象予報士による天気解説記事(日直予報士)や洗濯指数、お出かけ指数等の指数情報、天候と関係のある主要レジャーの天気情報を提供するレジャー天気、花粉飛散情報、紅葉見ごろ情報等の季節に応じた季節情報等の各ユーザーの志向に応じた多種多様な情報を提供しております。
<提供情報一覧>
ⅱ.tenki.jp 登山天気
登山準備に使用できる指数情報や山々の山頂・登山口・ふもと別の天気、雨雲の動き・雷危険度・台風情報等のリアルタイム情報をチェックできます。なお、日本の三百名山全てを網羅しております。
※なお、「tenki.jp 登山天気」は、山のふもとから山頂までのルート沿いのピンポイント予報等、気象業務法の観点から不特定多数に公開できない情報も含まれているため、スマートフォンアプリの有料会員サービスとして提供しております。
② tenki.jpのPV数の推移
サービス開始当初はPCのWebページのみでしたが、スマートフォンの普及に伴い、iOS、Androidのそれぞれに対応したアプリケーションを提供しております。
日本では、災害をもたらす気象事例が度々発生していることや、年平均気温が様々な変動を繰り返しながら上昇していること、全国の1時間降水量80mm以上の年間発生回数が増加していることから、人々の天気及び防災情報への関心が高まり、tenki.jpのPV数が増加していると考えております。
日本の年平均気温偏差 アメダス(1時間降水量80㎜以上の年間発生回数)
日本の年平均気温偏差
細線:各年の平均気温の基準値からの偏差、太線:偏差の5年移動平均値、直線:長期変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。
アメダス
棒グラフは各年の年間発生回数を示す(全国のアメダスによる観測値を1,300地点あたりに換算した)。直線は長期変化傾向(この期間の平均的な変化傾向)を示す。
なお、過年度のtenki.jp全体のPV数は以下のとおりとなります。
|
PV数 |
PCのWebページの割合 |
その他媒体の割合 |
2015年2月期 |
14.4億PV |
48.9% |
51.1% |
2016年2月期 |
16.1億PV |
48.6% |
51.4% |
2017年2月期 |
26.4億PV |
33.6% |
66.4% |
2018年2月期 |
31.4億PV |
29.5% |
70.5% |
2019年2月期 |
41.3億PV |
26.1% |
73.9% |
③ マネタイズ方法
当社運営メディアであるtenki.jpの主な収益は各ページに掲載される広告収入となります。アドネットワークを駆使した運用型広告の収入と枠売りやタイアップ広告等の純広告の収入が大半を占めますが、2019年2月期の実績では運用型広告の収入が全体の90%以上を占めております。
当社は、収益の拡大を図るべく、日々アドネットワーク業者とやり取りを重ね、自社で広告運用を担っております。当該業界は日進月歩で最新のテクノロジーが開発されていますが、当社は常に最先端のアドテクノロジーを追い求め、既存の業者だけでなく、海外の新興系のプロダクトも活用して0.01円単位の広告チューニング(注4)を行い、最適な運用を行うよう心掛けております。
また、広告単価や広告配信比率を「気象データ」を加味した独自のアルゴリズムで運用できる体制を構築し、天候変化に連動して広告を調整すること(以下、天気マッチング広告)で収益性の向上を目指しております。
天気マッチング広告の具体例は、以下の通りとなります。
注4:「広告チューニング」とは、広告の効果を最適化することを指します。例えば、入札制を採用している広告では、入札金額の高い広告を上位表示し、入札単価の低い広告を下位表示します。
(2)当社の特徴
① システム構築・運用
当社は少人数(2019年9月末現在、従業員9名)であるものの、年間で40億PV(2019年2月期実績)を超える規模のサービスを運用できる体制を構築しております。
過年度に発生している大災害時のユーザーの行動傾向等を蓄積しており、過去の異常気象時や災害時等の突発的なユーザー増加状況を踏まえ、さくらインターネット株式会社と連携を取り、緊急時の対応に備えております。tenki.jpに係るプログラム・システムは社内でマニュアル化されており、また、オープンソースのプログラム言語で運用しているため、どのエンジニアが入社してもすぐに対応できるよう社内体制を整えることで、少人数で対応できる組織となっております。
② Growth Hack
当社はtenki.jpのユーザーの行動等を分析し、世の中のトレンドに合わせて改善活動を行っております。上述の「(1)運営メディアについて ① 運営メディアの提供情報」に記載のとおり、気象情報のみならず、周辺情報も提供しておりますが、各ページへの改善活動・施策を毎回、効果測定し、日々PDCAを回すことで当社内にナレッジを蓄積しております。
また、気象情報を提供している他の大手メディアは「Yahoo!天気・災害」「ウェザーニュース」等がありますが、tenki.jpのPV数は年間で約40億PV(2019年2月期実績)あることから、当社はインターネットプラットフォーマー(注5)と日頃から直接、コミュニケーションを取ることができており、当該プラットフォーマーの動きにフレキシブルに対応しております。
上記から、気象情報はもとより、気象情報が関わらないと思われる周辺のキーワードでもtenki.jpへアクセスされるような取組みを担うことでアクセス数の増加を企図しております。
注5:「インターネットプラットフォーマー」とは、企業や個人等が、特定のインターネットサイトの利用者を対象に、販売、広告、情報発信を行う際のサービスやシステムといった基盤(プラットフォーム)を提供する事業者を指します。
③ トレーディングデスク
当社は国内のみならず、海外でも最新のアドテクノロジーを導入すべく、アドネットワーク業者と情報交換を行っております。当社は自社で年間40億(2019年2月期実績)を超えるPVのメディアを運営しているため、アドネットワーク業者を選ぶ立場として最適な価格設定や配信比率(同一の広告枠に複数の素材を配信する際に設定する表示頻度)を実現するよう日々の業務を行っております。また、tenki.jpの運営を開始してから、天候によるPVの上下と価格の連動・相関関係を把握しているため、独自のツール等を利用して、天候連動(注6)によった広告配信を一部行うことにより、広告主の細かな配信条件に対応できることで単価の向上に努めております。
注6:「天候連動」とは、市区町村単位(全国約2,000カ所)の狭域に対して、「雨が降っているエリア」等、広告主が指定した天気条件にマッチングし、一般広告よりも優先的に広告を掲載するものです。
(3)日本気象協会との共同運営について
当社は設立以来、気象情報等をメディア上で提供し、メディア運営ノウハウ及びメディアマネタイズノウハウを蓄積しながら、気象業界に関連したインターネット事業を営んでまいりました。一方で、気象予報士を抱え、予報業務をリアルタイムで行うだけのリソースは保有しておりませんでしたので、気象予報士を200名以上抱え、予報業務や気象に係るコンテンツの制作・設計に長けている日本気象協会と互いのリソースを活かした共同事業(天気予報専門メディアの運営)を行うことで、現在の当社の経営理念を達成することを意図しております。
『「tenki.jp」の運営に関する業務提携契約書』に基づき、当該事業の事業方針及び事業計画は、両者の協議によって合意・決定しておりますが、当該事業における両者の主な役割については、以下のとおりとなっております。なお、契約の詳細は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。
項目 |
分担 |
サイト、アプリの企画制作・設計 |
主担当:当社、副担当:日本気象協会 |
「tenki.jp」は天気予報専門メディアとしてWebサイト・アプリ上で気象情報等(データ元は日本気象協会)を提供しております。気象情報等は広く一般ユーザーが目にする情報であり、どのメディアも基本的に気象庁のデータを一次情報として使用している(特に防災情報は一次情報を変更せずに使用する必要があります)ため、同業他社との差別化のためにはユーザー目線に立ったWebサイト・アプリ設計が重要となります。当社は当該役割を担い、日々、ユーザー目線に立ったWebサイト、アプリ上での企画立案や課題への対応を行っております。 |
|
気象コンテンツの企画制作・設計 |
主担当:日本気象協会、副担当:当社 |
「tenki.jp」に掲載される気象関係のコンテンツについて、日本気象協会は日々、予報業務等を行い、気象に係るデータを制作しております。Webサイト、アプリ上での新たな企画案(指数情報やレジャー天気等)が発案された場合は、その実現可能性を調査、考察します。実現可能性があると判断された場合はデータ設計を行います。 |
|
各種データの提供 |
主担当:日本気象協会 |
日々の予報業務を通じて制作される天気予報等の各種データ提供は日本気象協会が行っております。なお、各種データには、他の業者等から購入した情報も含まれております。 |
|
システムの運用保守管理、システム設計・開発 |
主担当:当社 |
日本気象協会から提供された気象情報等の各種データをWebサイト・アプリ上に提供するためのシステム設計・開発や当該システムの運用保守管理は当社が一括して担っております。 |
|
運用型広告業務(トレーディングデスク業務) |
主担当:当社 |
収入の大半を占める運用型広告に関する業務は当社が担っております。日々の広告チューニングやアドネットワーク業者選定、アドテクノロジーの導入可否の検討等、tenki.jpのサービス特性を勘案した最適な広告運用を行い、収益の最大化に取り組んでおります。 |
|
純広告業務(営業活動等) |
主担当:当社・日本気象協会 |
広告主・代理店・アライアンス先への営業は両者で担っております。既存の広告主や代理店からの問い合わせ対応が中心となります。 |
|
広告商品企画 |
主担当:当社、副担当:日本気象協会 |
広告商品の企画については、Webサイト、アプリに表示される広告枠の調整やユーザー目線のUI、UXへの影響や、システムを活用して売買するプログラマティック広告及び代理店を通じて売買する天気マッチング広告(注7)等、システムや運用型広告の販売に直結するため、基本的には当社が担っております。一方で、広告商品の企画として気象コンテンツとの連携のために当社だけでなく、日本気象協会も一部関与しております。 注7:「天気マッチング広告」とは、天気と連動したWeb広告配信サービスを指します。市区町村単位(全国約2,000カ所)に個別ページが存在するtenki.jpにおいて、「雨が降っているエリア」等、広告主が指定した天気条件にマッチングし、一般広告よりも優先的に広告を掲載することが可能になります。 |
|
業務に必要な契約手続き等 |
主担当:日本気象協会 |
契約の内容確認等は両者で担いますが、業務に必要な契約の手続きは日本気象協会で対応しております。また、日々のWebサイト・アプリへの問い合わせ対応は日本気象協会で対応しており、特殊な対応が必要な場合は両者協議の上、対応を検討することしております。 |
項目 |
分担 |
市場調査及び分析 |
主担当:当社・日本気象協会 |
日々のtenki.jpのユーザー行動をアクセスログの分析等を通じて、中長期的なスパンにおけるtenki.jpユーザーのデモグラフィック(注8)や、tenki.jpを取り巻く市場環境の調査分析等を実施しております。当該業務はtenki.jp全般に関わることから両者で担当しております。 注8:「デモグラフィック」とは、性別、年齢、居住地域、所得、職業、家族構成等人口統計学的な属性の総称のことであり、これらの属性をもとに市場を分類し、マーケティングのターゲットを明確にするための指標となります。 |
|
Growth Hack(マーケティング) |
主担当:当社 |
サイト利便性の向上のため、ユーザー行動データや市場動向等を分析し、仮説検証・施策実行を行い、PV向上につなげるためのPDCAサイクルを回しております。当社専門部署で日々、対応を重ねております。 |
|
ブランディングやプロモーションの企画、実施 |
主担当:当社・日本気象協会 |
広告媒体やイベントでのtenki.jpのブランディングやプロモーションを両者で協議して進めております。 |
主担当:当該当事者がその裁量により役割を全うする。
副担当:当該当事者は他の当事者と必要に応じて協議し、一部役割を担う。
※双方が主担当とする役割については、双方協議により合意・決定し、実施するものとする。
※当社と共同事業を行う日本気象協会の概要
日本気象協会は、「安全・安心・快適な社会づくり」のために、気象・環境・防災・情報サービスを通じて社会に貢献する使命を担い、1950年に財団法人日本気象協会として設立されております。日本における気象会社として、日本で初めて気象情報をオンライン提供する等、気象業務法に基づいた気象データの提供を気象業界の創生期より継続的に行っております。2009年より一般財団法人へ移行し、民間の気象会社として、現在は、気象・環境・防災等に関わる調査解析や気象に関わるリアルタイムの情報提供等、気象コンサルティングのプロフェッショナルファームとして活動しております。
日本気象協会の基本情報 |
|
名称 |
一般財団法人日本気象協会(Japan Weather Association) |
代表者名 |
会長 春田 謙 |
設立 |
1950年5月10日(2009年10月より一般財団法人へ移行) |
従業員数 |
777名(2019年7月1日現在) |
主要な事業区分 |
防災ソリューション事業 環境・エネルギー事業 メディア・コンシューマ事業(tenki.jp事業等) |
※気象産業の構造
気象データ等は気象庁から一般財団法人気象業務支援センターを通して、民間気象事業者へ気象データ等が配信されております。民間気象事業者は気象庁から提供された気象データ等を天気予報等に活用しておりますが、気象庁以外の事業者が天気や波浪等の予報業務を独自に行う場合は、気象庁から予報業務許可を受ける必要があります。下記は、一般的な情報の流れを図示したものになります。なお、tenki.jpに掲載する予報業務が必要な情報については、日本気象協会が制作・提供しているため、当社は予報業務許可を受ける必要がありません。なお、日本気象協会は下図の民間気象事業者に該当します。
[事業系統図]
当社の事業系統図は以下のとおりであります。当社の売上の大半をtenki.jp事業が占めることから、下記はtenki.jpに係る事業系統図を示しております。なお、実線は役務提供と対価の流れ、点線は事業上の役割等を示しております。
※tenki.jpは業務提携契約書に基づき、互いのリソースを提供し、共同事業を行っております。収入について、「主要な契約手続き」を日本気象協会が担っていることから、広告収入は一旦、日本気象協会に入金され、当社は定められたレベニューシェア(注9)の割合に応じて日本気象協会から配分されております。
注9:「レベニューシェア」とは、パートナーと提携し、相互の協力で生み出した事業収益をあらかじめ決めておいた配分率で分配することを指します。
該当事項はありません。
(1)提出会社の状況
2019年9月30日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
9 |
38.7 |
2.8 |
4,673 |
(注)1.従業員数は就業人員であります。なお、臨時従業員は雇用しておりません。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社は、tenki.jp事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)労働組合の状況
当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。