第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第21期

第22期

決算年月

2017年9月

2018年9月

売上高

(千円)

2,225,762

2,834,900

経常利益

(千円)

155,384

219,258

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

172,421

123,331

包括利益

(千円)

170,360

122,921

純資産額

(千円)

450,604

583,525

総資産額

(千円)

1,761,770

2,315,415

1株当たり純資産額

(円)

29.47

37.92

1株当たり当期純利益金額

(円)

11.28

8.07

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

25.58

25.20

自己資本利益率

(%)

38.26

23.85

株価収益率

(倍)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

516,780

536,031

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

97,907

53,291

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

10,000

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,311,008

1,804,065

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(人)

125

134

(9)

(12)

 

(注) 1.当社は、第21期より連結財務諸表を作成しております。

2.売上高には、消費税等は含まれておりません。

 3.千円単位で表示している金額については、千円未満の端数を四捨五入して表示しております。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

5.第21期の自己資本利益率は、連結初年度のため、期末自己資本額に基づいて計算しております。

6.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

7.第21期及び第22期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。

8.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の年間の平均人員を外数で記載しております。

9.当社は、2019年7月19日開催の取締役会決議により、2019年8月14日付で普通株式1株につき、2,000株の株式分割を行いましたが、第21期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を記載しております。

10.第21期の財務活動によるキャッシュ・フローは発生していないため、記載しておりません。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第18期

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2014年9月

2015年9月

2016年9月

2017年9月

2018年9月

売上高

(千円)

1,108,868

1,337,819

1,723,683

2,225,646

2,833,067

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

26,294

15,936

82,527

175,133

248,661

当期純利益又は
当期純損失(△)

(千円)

21,973

16,328

66,602

192,170

73,713

資本金

(千円)

325,800

325,800

325,800

325,800

330,800

発行済株式総数

(株)

7,644

7,644

7,644

7,644

7,694

純資産額

(千円)

229,984

213,676

280,244

472,459

556,196

総資産額

(千円)

868,632

1,014,609

1,239,961

1,781,083

2,283,911

1株当たり純資産額

(円)

30,086.92

27,953.55

36,661.98

30.90

36.14

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益金額
又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

2,896.55

2,136.08

8,712.93

12.57

4.82

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

26.48

21.06

22.60

26.53

24.35

自己資本利益率

(%)

10.13

26.97

51.06

14.33

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(人)

78

89

107

122

131

(8)

(7)

(8)

(9)

(12)

 

(注) 1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

 3.千円単位で表示している金額については、千円未満の端数を四捨五入して表示しております。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

5.第19期の自己資本利益率は、当期純損失であるため記載しておりません。

6.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

7.第21期及び第22期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。

なお、第18期、第19期及び第20期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しておりますが、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

8.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の年間の平均人員を外数で記載しております。

9.当社は、2019年7月19日開催の取締役会決議により、2019年8月14日付で普通株式1株につき、2,000株の株式分割を行っており、発行済株式総数は15,388,000株となっております。

10.当社は、2019年7月19日開催の取締役会決議により、2019年8月14日付で普通株式1株につき、2,000株の株式分割を行いましたが、第21期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を記載しております。

11. 第19期は、プロフェッショナル・サービス及びその他事業での売上の減少と、広告宣伝や大阪ブランチオフィス設立などHENNGE One事業の拡販に向けた施策に伴う経費の発生により、経常損失及び当期純損失を計上しております。

 

12. 当社は、2019年7月19日開催の取締役会決議により、2019年8月14日付で普通株式1株につき2,000株の株式分割を行っております。そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第18期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第18期、第19期及び第20

  期の数値(1株当たり配当額についてはすべての期の数値)については、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

回次

第18期

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2014年9月

2015年9月

2016年9月

2017年9月

2018年9月

1株当たり純資産額

(円)

15.04

13.98

18.33

30.90

36.14

1株当たり当期純利益金額
又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

1.45

△1.07

4.36

12.57

4.82

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

 

 

 

2 【沿革】

当社は、代表取締役社長の小椋一宏が「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンのもと、私たちの技術や時代の先端をいく技術を法人企業がその恩恵を受けやすい形に整え新しい価値として提供することを目的とする会社として、「有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズ」の商号で創業いたしました。

会社設立後の事業の沿革は以下のとおりであります。

 

1996年11月

東京都三鷹市において、有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズを設立

1997年11月

株式会社ホライズン・デジタル・エンタープライズに組織変更

2007年5月

商号を株式会社HDEに変更

本店所在地を東京都渋谷区南平台町16番28号へ移転

2007年12月

ISMSの国際規格ISO27001認証取得

2011年3月

HDEメールサービスの販売開始

2014年1月

HDEメールサービスの名称を「HDE One」に変更

2015年6月

大阪市北区に大阪ブランチオフィスを開設

2016年8月

名古屋市中村区に名古屋ブランチオフィスを開設

2016年10月

台湾に台灣惠頂益股份有限公司を設立

2018年8月

福岡市博多区に福岡ブランチオフィスを開設

2019年2月

商号をHENNGE株式会社に変更

「HDE One」の名称を「HENNGE One」に変更

HENNGE Workstyleの販売開始

 

 

 

3 【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンを掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を法人企業がその恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。

 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態がこの使命遂行のための最も効率的な手段と位置づけております。

 汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。これをクラウドサービスの形態で提供することにより、追加開発等による価値向上を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのためサービス利用者の拡大に伴い、お客様には常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループには安定的な収益が確保されると考えております。

 


 

 また、2010年頃から、クラウド技術の普及によりパッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせないと利用できない性質をもつ売り切り型のソフトウエア製品ではなく、期間課金のクラウドサービスとして提供することが可能となりました。これにより、お客様はタイムリーで継続的な機能追加・性能強化を享受できるようになり、当社グループは継続的で安定的な売上を得ることができるようになったと考えております。

 当社グループの特徴は、幅広いユーザ基盤を背景にお客様共通のニーズ・課題の抽出、解決するための技術開発、お客様への販売と提供まで、企画から販売までの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。

 

『変わらない志、変わり続ける事業領域』

 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。

 インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期には大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。当社グループは、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。

 


 当社グループのサービスにかかわらず、昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上の解決に資するとの期待があると考えております。

 クラウドサービスの普及により、クラウドサービスを導入して業務効率化をはかる企業が増加しています。これらのクラウドサービスの導入は、場所や環境、端末を問わずにサービスを利用することを可能とし、業務に幅広い柔軟性をもたらします。一方で、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特に中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。

 このように、クラウドサービスには利点がある一方で、これまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた企業がクラウドサービスに移行しようとすると、多様化するお客様の使用状況に対応するセキュリティ対策などの困難に直面することになります。

 また、クラウドサービスを社内で複数利用しようとすると、従業員はクラウドサービス毎にIDとパスワードを用いてログインする煩雑さ、会社は従業員毎に複数保有するクラウドサービスのID管理への煩雑さに直面することになります。

 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループでは現在取り組んでいる「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」であると位置づけております。

 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行なっておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加の契約金額が解約金額を下回らない限りは収益が前年度を上回るという安定性を有しつつ、その収益基盤をもって安定的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。

 

 なお、当社グループの2018年9月期の売上高のうち93.6%が、解約されない限り翌期も継続的に売上高となる性質の売上(リカーリングの性質の売上)で構成されており、当社グループの安定的な収益基盤を構築しております。

 

売上高に占めるリカーリングの性質の売上高の比率

決算年月

売上高に占めるリカーリングの

性質の売上高の比率(%)

売上高に占めるリカーリングの

性質の売上高(千円)

売上高(千円)

2017年9月期

91.3

2,032,208

2,225,762

2018年9月期

93.6

2,654,258

2,834,900

 

 

 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりであります。

 

(1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司)

 HENNGE One事業では、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的に、セキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「IDaaS (Identity as a Service)(注6)」である「HENNGE One」を展開しております。

 

 「HENNGE One」


 「HENNGE One」は、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするID統合機能のほか、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制限機能、メール暗号化や保管、大容量ファイルの送受信といった情報漏洩対策機能等を備えることで、企業に対し利便性と安全性のバランスのとれた現実解を提供する企業向けSaaSです。そのため、業種、業態を問わず、様々なクラウドサービスを導入する企業でご利用いただけるサービスです。また、部署、勤務形態を問わず、全社でご利用いただける性質のサービスです。

 

 


 

 「HENNGE One」を活用いただくことでお客様は利便性と安全性のバランスのとれた業務環境を実現することができると考えております。これを実現するのは、下記の5つの機能です。

 

 i. HENNGE Access Control

 HENNGE Access Controlとは、クラウドサービスにアクセスする際のアクセス制御を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。

 「HENNGE One」は、シングルサインオン機能によりユーザ認証を代行することによって、ユーザがSAML2.0(注7)によるシングルサインオンに対応するクラウドサービスに同一アカウントでログインすることが可能になります。

 またHENNGE One経由で、連携するクラウドサービスにログインすることで、IPアドレス制限(注8)、Cookie制御、デバイス証明書(注9)、二要素認証機能(注10)などのアクセス制御機能を付加することが可能となり、不正アクセスのリスクから企業が利用するクラウドサービスを守ることができます。

 


 

 ii. HENNGE Secure Browser

 HENNGE Secure Browserとは、データを端末に残すことなく、クラウドサービスにアクセスすることができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。

 スマートデバイスやPCからセキュアにクラウドサービスにアクセス可能な専用Webブラウザを提供します。文書ファイル、メール添付ファイルなどを端末に保存させない事で、デバイスの紛失やウイルス感染などによる情報漏洩を防いだり、ブラウザに表示されているテキストのコピーを禁止し、情報漏洩の可能性を低減させることができます。

 

 


 iii. HENNGE Email DLP

 HENNGE Email DLPとは、メールの誤送信の抑止を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。

 クラウド型メールサービスと連携し、メールフィルタリング、メール監査、添付ファイルのZIP暗号化などのメールセキュリティ機能をクラウド上で提供します。

 送信メールを一時保留した上で送信者以外が承認することで送信プロセスを完了させたり、添付ファイルの自動ZIP暗号化を行いパスワードを自動的に別送することで手間をかけずに安全に添付ファイルを送付することができます。

 


 iv. HENNGE Email Archive

 HENNGE Email Archiveとは、送受信メールの保管や検索などを行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。

 ユーザによって送受信された全てのメールデータを保管し、システム管理者はメール及び添付ファイルなどの日本語検索や、必要に応じて全てのアーカイブされたメールを閲覧、転送及びダウンロードすることができます。

 

 v. HENNGE Secure Transfer

 HENNGE Secure Transferとは、大容量のファイルをセキュアに組織内外に対して送受信することができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。

 ファイル送信者はダウンロード用パスワードを生成、ダウンロード有効期間を指定することで組織の内外の個人へのファイル送信をセキュアに行うことができます。また、ファイルをアップロードできるリンクを生成することで、組織内外から大容量ファイルを送信してもらうことができます。

 

 当社グループは20年以上にわたり企業や自治体向けにIT製品やサービスを提供してまいりました。「HENNGE One」には、銀行のような比較的保守的な企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や種類の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培われた当社グループのナレッジが活かされております。具体的には、これまでの経験と信頼に支えられた直販力、同時に培ってきたパートナー(販売代理店)とのネットワークや、導入支援や導入後のサポート体制などです。

 その結果、「HENNGE One」は様々な業種、幅広い企業規模のお客様にご利用いただいております。具体的には、日本における上場企業の約10%(2019年7月末日現在:企業数ベース)に「HENNGE One」をご利用いただいており、1契約企業あたりの平均契約ユーザ数は1,000を超えております。企業全体で導入していただくことでその効果をより感じていただける性質のサービスであるため、「HENNGE One」の契約企業数、契約ユーザ数の増加に伴いARR(注11)は年々積み上がっており、当社グループの安定的な収益基盤となっております。

 

HENNGE Oneにおける契約企業数、契約ユーザ数とARRの推移

決算年月

HENNGE Oneにおける

契約企業数(社)

HENNGE Oneにおける

契約ユーザ数(人)

HENNGE Oneにおける

ARR(千円)

2014年9月期末

232

275,490

562,557

2015年9月期末

399

436,763

880,173

2016年9月期末

642

653,653

1,287,671

2017年9月期末

928

1,027,066

1,898,405

2018年9月期末

1,176

1,371,131

2,551,737

 

 

 「HENNGE One」はその利便性が評価され継続的に利用されるサービスとなっており、直近12か月の平均月次解約率(注12)は契約金額ベースで0.2%以下に留まっております。また、サービス稼働率(注13)は直近3か年連続で99.9%以上(2019年7月末日現在)となっております。

 


 

(2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社)

 プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メールをセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエア等を展開しております。主な取り扱い商材は以下の通りであります。

 

 1. 「Customers Mail Cloud」

 「Customers Mail Cloud」は、メールを携帯・PC・スマートフォンに大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。

 企業が開発するシステムには、電子メールをユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、メール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。

 

 


(注14)API連携

(注15)コンバージョン

 

 2. 「HDE Mail Application Server #Delivery」/ 「HDE Mobile MTA」

 「HDE Mail Application Server #Delivery」及び「HDE Mobile MTA」はメールを携帯・PC・スマートフォンにセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエアです。

 「HDE Mail Application Server #Delivery」は、ATMの引き出し通知など、送信を絶対に止める事ができないようなメールの配信を実現するシステム基盤です。

 また「HDE Mobile MTA」は、携帯電話キャリア向けに特化した高速メール配信サーバであり、送信元の身元を明らかにする技術等により確実なメール配信を実現します。

 前述のクラウドベースの「Customers Mail Cloud」と異なり、独自にシステムを保有する企業向けに、導入支援と合わせて販売しており、特に、銀行からの入金通知、自治体の防災情報通知などセキュア且つ確実に大量のメール配信を希望するお客様に利用されています

 

(注)

1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。

2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。

3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。

4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。

5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。

6.IDaaS (Identity as a Service) : IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。

7.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。

8.IPアドレス制限 : サービスにログインできるIPアドレスをあらかじめ指定したIPアドレスに限定することでサービスに対する接続元を限定する機能です。

9.デバイス証明書 : あらかじめクライアントにインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPCまたはスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPCまたはスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。

10.二要素認証機能 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。

11.ARR (Annual Recurring Revenue):サブスクリプションで提供することで獲得する年間契約金額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。

 期末ARR = 期末月のMRR(注16) × 12

12.解約率:既存の契約金額に占める、解約や減アカウント・減機能に伴い減少した契約金額の割合です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。

13.サービス稼働率:当社グループでは、稼働率を月単位で算出しており、その計算式は以下の通りです。

 稼働率 = [{(その月の日数 × 24 × 60) - その月のサービス停止時間(分)} ÷ (その月の日数 × 24 × 60)] × 100

 なお、上記「その月のサービス停止時間(分)」は、断続的に10分以上サービスが停止した時間を積み上げ算出しております。

14.API連携:API(アプリケーションプログラムインターフェイス)を利用して自社のシステムと他社のシステムとを連携したり、外部サービスから一部機能を呼び出したりすることです。

15.コンバージョン:Webサイト上で獲得できる最終的な成果のことです。

16.MRR (Monthly Recurring Revenue):サブスクリプションで提供することで獲得する月額契約金額です。売上高のうちリカーリングの性質の売上高を月額で表した金額です。

 

 

[事業系統図]

 


 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
 

主要な事業
の内容

議決権の
所有割合又は
被所有割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

台灣惠頂益股份有限公司

(注)3

台湾 台北市

21,000千
台湾ドル

HENNGE One 事業

100.0

当社のクラウドサービスを販売している。

資金援助あり。

役員の兼任3名。

 

(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、「主要な事業の内容」には、売上区分を記載しております。

   2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

   3.特定子会社に該当しております。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2019年7月31日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

営業部門

50(2)

研究開発部門

31(1)

全社(共通)

72(12)

合計

153(15)

 

(注) 1.当社グループは単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

2.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の最近1年間の平均人員を外数で記載しております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、営業部門及び研究開発部門以外に所属しているものであります。

4.従業員数が最近1年間において、21名増加しましたのは、主として業容拡大に伴う採用によるものです。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2019年7月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

149(15)

35.5

5.13

7,044

 

 

事業部門の名称

従業員数(人)

営業部門

46(2)

研究開発部門

31(1)

全社(共通)

72(12)

合計

149(15)

 

(注) 1.当社は単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

2.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の最近1年間の平均人員を外数で記載しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、営業部門及び研究開発部門以外に所属しているものであります。

5.従業員数が最近1年間において、21名増加しましたのは、主として業容拡大に伴う採用によるものです。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。