第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2014年7月

2015年7月

2016年7月

2017年7月

2018年7月

売上高

(千円)

99,172

217,608

223,348

346,851

531,013

経常利益又は
経常損失(△)

(千円)

9,217

4,797

29,862

91,201

486,813

当期純利益又は
当期純損失(△)

(千円)

7,127

3,830

33,507

27,435

401,721

持分法を適用した場合
の投資利益又は
投資損失(△)

(千円)

13,788

資本金

(千円)

6,000

56,250

111,000

95,400

90,000

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

600

750

75,600

759,170

813,170

A種優先株式

5,400

54,000

B種優先株式

19,000

C種優先株式

47,500

純資産額

(千円)

16,213

120,543

191,496

221,055

446,646

総資産額

(千円)

26,996

158,615

432,877

498,150

975,812

1株当たり純資産額

(円)

27,021.86

160,725.19

1,204.45

15.89

31.80

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益
又は1株当たり当期
純損失(△)

(円)

11,879.01

5,639.18

444.06

3.62

52.19

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

60.1

76.0

44.2

44.4

45.6

自己資本利益率

(%)

56.3

5.6

13.3

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

81,457

618,340

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

77,454

135,110

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

28,254

753,149

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

304,603

304,302

従業員数
[ほか、平均臨時
雇用人員]

(名)

8

13

32

48

99

―]

0

0

3

19

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

 

2.第3期及び第4期の売上高には、消費税等は含まれておりますが、第5期以降の売上高には消費税等は含まれておりません。

3.第3期、第4期、第5期及び第7期の持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。

4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

5.第3期及び第4期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新株予約権の残高がないため記載しておりません。

6.第5期及び第7期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

7.第6期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

8.第5期及び第7期の自己資本利益率は、当期純損失であるため記載しておりません。

9.株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

10.従業員数は就業人員(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイトを含む。)は、1年間の平均人員を[ ]外数で記載しております。

11.第6期及び第7期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けておりますが、第3期から第5期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)に基づき算出しており、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。

12.第3期、第4期及び第5期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

13.2015年9月9日開催の臨時株主総会決議により、2015年9月25日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが、第5期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しており、2017年7月14日開催の臨時株主総会決議により、2017年7月24日付で普通株式1株及びA種優先株式1株につき10株の株式分割及び2019年4月12日開催の取締役会決議により、2019年5月8日付で普通株式1株につき10株の株式分割を行っておりますが、第6期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。なお、第3期、第4期及び第5期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。

 

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2014年7月

2015年7月

2016年7月

2017年7月

2018年7月

1株当たり純資産額

(円)

2.70

16.07

12.04

15.89

△31.80

1株当たり当期純利益
又は1株当たり当期
純損失(△)

(円)

1.18

0.56

△4.44

3.62

△52.19

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

 

 

14.当社は、2017年9月14日付で、A種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、A種優先株式の全て(54,000株)を自己株式として取得しております。なお、当社が取得したA種優先株式については2017年10月23日開催の定時株主総会の定款変更決議に基づき同日付をもって普通株式に転換しております。

15. 2019年4月1日付で、B種優先株主及びC種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、B種優先株式及びC種優先株式の全て(66,500株)を自己株式として取得し、対価として当該B種優先株主及びC種優先株主にB種優先株式及びC種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、2019年4月3日付で当該B種優先株式及びC種優先株式の全てを消却しております。

 

 

2 【沿革】

当社の共同創業者である村上浩輝と中村真広は、「「場の発明」を通じて欲しい未来をつくる。」という企業理念のもと当社を設立いたしました。

設立以降の経緯は以下のとおりであります。

 

年月

概要

2011年8月

東京都渋谷区において、株式会社ツクルバを設立

2011年12月

東京都渋谷区にコワーキングスペース「co-ba shibuya」を開業

2012年6月

空間デザイン・ プロデュース事業(現・シェアードワークプレイス事業)を開始

2012年10月

株式会社マチニワ(現非連結子会社)を東京都渋谷区に設立

2015年1月

ITを活用したリノベーション・中古住宅の流通プラットフォーム「cowcamo」ベータ版を公開

2015年3月

空間活用事業などを展開する株式会社アプトを100%子会社化

2015年6月

「cowcamo」正式版を公開、オンラインメディア「cowcamo magazine」の提供を開始

2016年3月

一級建築士事務所登録

2016年9月

「cowcamo」がソフトウエア・サービス・システム部門にてグッドデザイン賞を受賞

2016年10月

事業拡大のため本社を東京都目黒区に移転

2017年11月

株式会社アプトの全株式を譲渡

 

「cowcamo」にて事業者向けデータ提供サービスを開始

 

「cowcamo」のiOSアプリを正式公開

2018年2月

エンジニアリングカンパニーの株式会社Hanoi Advanced Labと合弁の株式会社KOUを設立

2018年3月

「cowcamo」にてパートナー仲介事業者との連携開始

2018年5月

ISO/IEC27001:2013/JIS Q 27001:2014認証取得(認証機関 BSIグループジャパン株式会社)(認証登録番号IS689552)

2018年7月

「cowcamo」のAndroidアプリを正式公開

2018年12月

「cowcamo」のAndroidアプリが「Google Play ベスト オブ 2018」隠れた名作部門にて優秀賞を受賞

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、非連結子会社1社(株式会社マチニワ)の計2社により構成されております。

当社は、「「場の発明」を通じて欲しい未来をつくる。」をミッションに掲げ、情報通信技術、デザインを高次に融合させることで、従来の事業展開においては実現し得なかった価値を提供すべく事業活動を行っております。

当社は、cowcamo(カウカモ)事業及び、シェアードワークプレイス事業を展開しております。なお、当該2事業は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1) cowcamo(カウカモ)事業

当事業では、ITを活用したリノベーション・中古住宅流通プラットフォーム「cowcamo」において、オンラインメディアを通じた物件情報流通サービス及び自社エージェント(※1)による仲介サービス、顧客ニーズや物件のデータを活用した売主・事業者向け支援サービスを主なサービスとして提供しております。

当事業の特徴は、中古住宅流通のバリューチェーン(※2)を、テクノロジーを用いて統合している点にあります。具体的には、リノベーション・中古マンション購入における一連の顧客体験の統合・刷新(特徴①-1)、住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化(特徴①-2)、顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用(特徴②)にあります。

当事業では、リノベーションマンションに特化した住宅情報メディアサービスおよび自社エージェントによる仲介サービスを提供しております。主な収益源は、リノベーション・中古マンションの売買に関して売手及び買手から受領する売買仲介手数料、その他付随する手数料等、住宅取引の流通総額に対して課される手数料であり、広告掲載料等は受領しておりません。また、買主の要望等により、一部取引においては、在庫リスクをコントロールできる場合に限定して、当社が一時的に物件を仕入・販売する取引が発生するケースがありますが(再販取引)、取引は仲介取引の割合が多数を占める状況にあります。

 

特徴①-1:リノベーション・中古マンション購入における一連の顧客体験の統合・刷新

当事業では、オンラインの住宅情報流通メディアを中心に、リノベーション・中古マンションの購入体験の統合・刷新を図っております。具体的には、従来の店舗やチラシ、物件情報検索サイトを通じた画一的な物件情報流通に対して、ソーシャルメディア等のチャネルに特化し、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアとしての物件情報流通モデルを確立しております。また、会員向けに、当社独自の物件情報データベースからユーザーの嗜好にあった物件を選定・提案するネイティブアプリ(※3)や、住宅購入検討プロセスにおける当社エージェントとのコミュニケーションをオンラインチャット上で行うことができるネイティブアプリを相次いで開発し、多数の会員を有する住宅購入サービスへと成長いたしました。

なお、「cowcamo」における2019年4月時点での会員数は9.0万人に達しております。

 

特徴①-2:住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化

一連の業務フローにおいて自社開発したシステムを活用することにより、高い生産性と顧客満足の両立を図っております。具体的には、顧客の個別的な嗜好性や住まい探しの状況を一元的に把握・管理することが可能な顧客管理システム、エージェントによる顧客への提案支援、顧客とのアポイントメント管理、業務の優先度管理等を支援する業務支援システム、顧客とのコミュニケーションを円滑化・効率化するチャットアプリなど、一連の業務フローが全て自社開発によりシステム化されております。これにより、各々の業務プロセスにおいて高い生産性を実現するとともに、非熟練者でもオペレーションを遂行できることから事業拡大に柔軟に対応可能な組織の拡張性を実現していると考えております。当社の組織的な能力である特徴①-2により当社サービスの価値である特徴①-1の提供が実現していると考えております。

 

なお、仲介サービスだけでなく、顧客ニーズや物件のデータを活用した売主・事業者向け支援サービスの提供も行っております。主な収益源は、データに基づくリノベーションマンションの企画提案、情報技術を用いた不動産流通の高度化等に関する助言・支援等に対する対価を業務委託手数料として受領しております。

 

 

特徴②:顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用

売主・事業者向け支援サービスでは、前述したメディアサービス、エージェントサービスを通じて、顧客ニーズやリノベーションのデザイン、物件、取引情報等の多数のデータを蓄積しております。これらのデータを解析・活用することで、ユーザーのニーズの分析や、最適なリノベーション企画の立案、販売価格の推計等が可能となります。当事業ではこれらを応用し、当サービスを利用する売主・事業者に対してリノベーション物件の商品企画や販売支援などの業務支援サービスを提供しております。これにより、本サービスを利用する売主・事業主からの収益機会が拡大するとともに、cowcamoのユーザー・会員に適した物件の供給が増大し、サービス全体の価値向上に寄与するものと考えております。

 

(2) シェアードワークプレイス事業

当事業においては、リノベーションしたオフィス空間に様々なサービスを組み合わせた「働く場」をサブスクリプション型(※4)のサービスとして提供するワークスペースのシェアリングサービスを中心とした事業展開を行っております。同事業では、スタートアップ、個人事業主、クリエイターなどの"チャレンジする人・組織"を主要な顧客としたコワーキングスペース「co-ba(コーバ)」、成長中のスタートアップ向けに企業の成長や変化に合わせて柔軟にオフィススペースをレンタルすることができる「HEYSHA(ヘイシャ)」の2つのサービスを提供するほか、ワークスペースの仲介・設計等の受託サービスも展開しております。

シェアードワークプレイス事業の特徴は以下の通りです。

 

① サブスクリプション型のビジネスモデル

オフィスの床のみを貸し出して賃料を得る従来のオフィス賃貸と異なり、既に内装や家具が施された空間に様々なソフトサービスを統合した「働く場」を一定期間単位で利用可能としたサブスクリプション型のモデルを採用しております。なお、「co-ba(コーバ)」は月単位または一日単位でのサービス利用料、「HEYSHA(ヘイシャ)」は月額のサービス利用料という形で収益を得ております。

 

② コミュニティプラットフォーム

「co-ba(コーバ)」「HEYSHA(ヘイシャ)」のメンバーは、オフィススペースの利用に加え、当社が運営する様々なイベントやメンバー向けオンラインサイトにて相互に交流することが可能となっております。

 

③ ネットワーク展開

自社開発のみならず各地において他事業者と連携することにより、早期のネットワーク拡大を図っております。

 

〔用語説明〕

(※1)

自社エージェント

 

自社エージェントとは、顧客の住まい探しから物件購入における仲介業務を行う当社所属の不動産仲介者のこと。

 

 

(※2)

バリューチェーン

 

バリューチェーンとは、一連の事業活動を、個々の工程の集合体ではなく価値の連鎖として捉えること。

 

 

(※3)

ネイティブアプリ

 

Apple Inc.が運営する「App Store」やGoogle Inc.が運営する「Google Play」等のアプリマーケットよりプログラムをダウンロードして利用するアプリケーションのこと。

 

 

(※4)

サブスクリプション型

 

製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式のこと。

 

 

 

 

 

[事業系統図]

 


 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2019年5月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

117

(35)

30.1

1.7

4,605

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

cowcamo(カウカモ)事業

68

(27)

シェアードワークプレイス事業

10

(3)

報告セグメント計

78

(30)

全社(共通)

39

(5)

合計

117

(35)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイトを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)は、管理部門等に所属しているものであります。

4.直近1年間において、従業員数が24名増加しております。これは主に事業の拡大に伴う期中採用者が増加したことによるものです。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。