(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。
4.第8期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
第9期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
第10期、第11期及び第12期については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。
5.株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
6.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
7.当社は第11期よりキャッシュ・フロー計算書を作成しておりますので、第8期、第9期及び第10期までのキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。
8.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パート・アルバイト、人材会社からの派遣社員を含む。)については、〔 〕内に年間の平均雇用人員数を外数で記載しております。
9.前事業年度(第11期)及び当事業年度(第12期)の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、三優監査法人により監査を受けておりますが、第8期、第9期及び第10期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
10.当社は、2018年1月26日付で株式1株につき50株の割合で株式分割を、2019年1月16日付で株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。第11期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
11. 当社は、2017年8月10日付で、A種優先株式85株を自己株式として取得し、対価として当社定款に基づく金銭を交付しております。加えて、当社は、2017年11月30日付で、株式取得請求権の行使があったA種優先株式を自己株式として取得し、対価としてA種優先株式20株につき普通株式20株を交付しております。また、2017年12月13日付で当該A種優先株式をすべて消却しております。なお、当社は、2018年1月26日開催の臨時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。
12.当社は、2018年1月26日付で株式1株につき50株、2019年1月16日付で株式1株につき100株の分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第8期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると以下のとおりとなります。
なお、第8期、第9期及び第10期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、三優監査法人の監査を受けておりません。
当社は「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を理念として掲げ、この企業理念に基づき、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会的課題の解決を革新的なテクノロジーで実現する事」を事業展開方針の軸としております。インターネットテクノロジーが急速に進化している現代社会において、インターネットテクノロジーはますます複雑化しており、これを逆手にとって悪用する犯罪や安心・安全な生活を脅かす脅威はますます大きくなっております。
当社は、スマートフォンを始めとするデジタルデバイスが普及していく中で、データベーステクノロジー(※1)を活用し、利用者が特段意識することなくこれらの脅威から守られるセキュリティ製品・サービスを提供しております。具体的には、当社は日本全国の迷惑電話番号等に関する情報を網羅的に収集(※2)し、データベースを用いた独自の迷惑電話番号抽出技術(※3)により生成された迷惑電話番号リストを日々更新しております。当社はこの迷惑電話番号リストを参照して迷惑電話への該当有無を自動的に判別し、特殊詐欺等の被害を防止するためのセキュリティ製品及びサービスを独自開発し、提供しております。
※1 デジタル技術の進化に伴い、様々な情報がデータベースにログ情報として蓄積できるようになりました。当社では、独自の調査とデータ収集活動により収集した様々なデータベースを統合・解析し、機械学習を活用した分析を行うことにより、リスク検知に有用な情報として加工する技術を有しており、このことを「データベーステクノロジー」と表現しております。
※2 2018年10月末現在において、企業や店舗、公共施設等の電話番号情報を5,200,000件以上、うち迷惑電話番号に関する情報を30,000件以上データベース化しております。また、これらの情報は日々更新され、高品質なデータベースの維持・向上に努めております。
※3 当社では、警察等の公的機関による情報提供、利用者からの着信拒否、許可といったフィードバック情報や、当社による独自の調査活動を通じて、電話番号ごとに迷惑度合いの点数化を行い、データベースに蓄積しております。このデータベースに蓄積された情報から、特殊詐欺など犯罪に利用された電話番号やしつこいセールスの電話番号など、迷惑電話をかける可能性のある番号を、統計や機械学習を用いた当社独自のアルゴリズムにより自動的に迷惑電話番号候補として抽出し、当社技術者が迷惑電話番号リストへの登録要否を最終判断することをもって、迷惑電話番号リストを作成・更新しております。
電話を用いた詐欺は特殊詐欺の1つとされ、近年、被害額が増加し、社会問題となっています。警察庁の発表した「平成29年の特殊詐欺認知・検挙状況等について(確定値版)」によれば、行政による啓蒙活動や民間の報道等により、特殊詐欺に関する被害額、被害認知件数ともに2009年に減少しましたが、その後、被害認知件数は再び増加し、2018年まで7年連続で増加しています。被害額についても2014年をピークとして減少傾向にあるものの、2017年において依然約390億円の被害が生じております。特殊詐欺の被害は、その95%が「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「還付金詐欺」の3手口によるものであり、これらの多くは電話をきっかけとした犯罪が多く、特殊詐欺対策には、詐欺電話に出ない仕組みを導入することが有効であることが警察からも認められております。
当社はこのような社会問題の一つである特殊詐欺の防止に有効な製品・サービスとして、迷惑電話番号リストを活用し、利用者にとって未知の迷惑電話番号であっても自動的に着信拒否設定がなされる「迷惑情報フィルタ事業」を主要事業として展開しております。
同事業は、自社の得意分野にリソースを集中するため、プロモーションや販売代金の回収については主に通信キャリアや通信回線事業者といった提携先により実施されており、顧客獲得コストの低い収益モデルとなっております。また、これらの通信キャリアや通信回線事業者、メーカー、自治体等との提携によるBtoBtoCの販路により、安定的な顧客基盤を構築しており、本書提出日現在における迷惑情報フィルタの月間利用者数(※4)は220万人を超えております。
※4 月間利用者数は、当社の製品・サービスを利用しているユーザーのうち、電話番号リストの自動更新またはアプリの起動等により、当月に1回以上、当社サーバへアクセスが行われたユーザー数です。なお、1ユーザーが複数の携帯端末等を所有しそれぞれで当社サービスの利用契約を行い、各端末等から当社サーバへのアクセスがなされた場合には、複数ユーザーとして重複カウントしております。
なお、当社の報告セグメントは、「迷惑情報フィルタ事業」と「その他事業」であり、各事業の具体的な内容は次のとおりです。
(1) 迷惑情報フィルタ事業
当社は、2011年6月、悪質な迷惑電話や詐欺電話を防止する「トビラフォン」を自社製品として開発し、販売を開始しました。同製品の販売以降、「トビラフォン」の電話番号データベース、迷惑電話番号解析アルゴリズムを活用して、スマートフォンやフィーチャーフォン等のモバイル端末及び固定回線向けのアプリやサービスの提供、法人向けに「トビラフォン」の機能を強化した「トビラフォンBiz 光回線用」の販売を行う等、迷惑情報フィルタの新たな製品・サービス展開を行っております。
当社では、常に最新の迷惑電話の活動状況に関する調査を行うことを目的とし、当社の迷惑情報フィルタの利用者が行う着信許可・拒否登録、利用者のアプリやサービスから得られるログ情報、警察等の公的機関による情報提供、及び当社の調査活動等、日々膨大なデータを収集・蓄積しております。これらのデータは、上述のデータベース化された電話番号情報の元になるものであり、当社の管理サーバには2019年1月末までの累計で約7億件の調査分析用データが収集・蓄積されております。
「トビラフォン」は、これらの収集・蓄積されたデータを元に当社独自の迷惑電話番号抽出技術を用いることで、利用者に着信した電話が迷惑電話かどうかの判別を行い、迷惑電話と判別された電話番号について、自動的に着信拒否や警告レベルに応じた「危険」「警告」の表示が適用される従来にはないセキュリティシステムです。また、公的機関や法人の電話番号など公開された電話番号もデータベース化されており、予め携帯電話の電話帳に登録されていなくても、自動的に発信者情報を表示する仕組みにより、安心して通話できる社会の実現に貢献しております。
なお、当社は、これらの技術開発について積極的な研究開発活動と知財戦略を行ってきており、本書提出日現在において国内外にて13件の特許を出願し、うち10件の特許を取得しております。
当社の迷惑情報フィルタ事業は、「モバイル向けフィルタサービス」、「固定電話向けフィルタサービス」、「ビジネスフォン向けフィルタサービス」の3つのサービスから構成されており、サービス別の内容は以下のとおりです。
① モバイル向けフィルタサービス
ソフトバンク株式会社、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社といった国内の主な通信キャリアと提携し、各通信キャリアが提供するオプションパックに含まれる複数のサービスの1つとして、当社の迷惑情報フィルタアプリを各通信キャリアのアプリという形で、エンドユーザーに提供しております。
オプションパックは、「iPhone基本パック」や「あんしんパック」等の名称で販売されており、他社が提供する「危険サイトの検知サービス」や、「危険Wi-Fi対策サービス」等、様々なサービスとセットで提供されております。携帯電話の利用者の多くは、携帯電話の契約を行う際に、通信キャリアの店頭でオプションパックの商品内容について対面での説明を受けることが多く、当該説明を踏まえてオプションパック加入の是非を検討しております。
各通信キャリアのオプションパックに加入した契約者は当社の迷惑情報フィルタアプリをダウンロードすることで迷惑電話フィルタ機能を利用することが出来るようになるほか、モバイル端末の電話帳等に登録をしていない電話番号であっても、当社の電話番号データベースに蓄積された情報をもとに公共施設や企業等の名称を自動的に表示する機能を利用することが可能となります。
また、一部の通信キャリアに対しては、当社独自のアルゴリズムにより収集・分析した迷惑メールデータベースを活用し、詐欺につながるテキスト情報を含むメールやSMSをフィルタする「迷惑メールフィルタ機能」の提供も行っております。迷惑メールデータベースは、利用者に届くメールやSMS情報を収集・分析し、迷惑URLとして出現頻度の高いURLや、迷惑メールとしての特徴を持つ本文情報から、独自のアルゴリズムにより危険な疑いのあるURL情報等をパタン抽出し、それらの情報について社内調査を行った上で構築されております。2019年2月現在において、月間約2,300万件のメールやSMS情報等を収集・分析し、25,000件以上の迷惑メールデータベースが構築されております。
当社は、通信キャリアと定額または従量課金、あるいはレベニューシェア(※5)による契約を締結しており、通信キャリアが提供するオプションパックの契約数または利用者数に応じた収益モデルにより、継続的かつ安定的な収益基盤を確立しております。
※5 プラットフォームを通じて利用者にスマホアプリを提供する事業者に対して、プラットフォーム提供者が定めた総額の予算が、スマホアプリ提供者間でアプリ利用比率に応じて配分される仕組みです。
上述のとおり、エンドユーザーが当社のモバイル向けフィルタサービスを検討するタイミングは、主にスマートフォンの新規および買替え契約時であり、その人数は、国内スマートフォンの年間出荷台数の数量と同程度であると推定されます。一般社団法人電子情報技術産業協会発表の「携帯電話国内出荷実績」によると、国内のスマートフォン出荷台数は、2018年において995万台となっており、当社では同数程度のスマートフォンの新規および買替え需要が発生していると見込んでおります。また、2018年9月末において、スマートフォンを含むモバイル端末の電気通信サービスの契約数のうち、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社の3社が約90%のシェアを占めております。(出典:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成30年度第2四半期(9月末))」)
当社は、これら3社と提携することで各社の顧客基盤にアプローチすることが出来ておりますが、機種変更等による買い替えや契約内容の見直し等に伴うオプションパックへの加入需要を取り込むこと等で、モバイル向けフィルタサービスの利用者数・契約者数が増加していくことを期待しております。
② 固定電話向けフィルタサービス
当社は、通信回線事業者のオプションパックとして、IP電話向けの迷惑情報フィルタサービスを提供しており、通信回線事業者のオプションサービス契約数に応じた従量課金による契約を締結しております。
IP電話を利用するためには通信回線事業者が提供するホームゲートウェイ(※6)を介して、インターネットと固定電話の接続が必要となりますが、通信回線事業者が提供するホームゲートウェイに当該サービスに係るアプリケーションが内蔵されており、利用者はオプションパックの利用申し込みを行うことで、迷惑情報フィルタサービスの利用が可能となります。利用者の固定電話に着信があった際に、着信電話番号が迷惑電話に該当するかどうか当社データベースに自動的に照会をすることで判別を行い、迷惑電話と判別された電話番号については自動的に呼び出し音を鳴らさない仕組みとなっております。
※6 ホームゲートウェイとは、光回線によるインターネットサービスにおいて、複数の機器を相互に接続する光電話対応ルータを指します。
固定電話の全体の契約数は2018年9月末時点において約5,470万件であり、2013年の約5,700万件より緩やかに減少傾向にあります。しかし、そのうちIP電話の契約数については2013年の約2,400万件から、2018年9月末時点において約3,400万件に増加しており、従来の電話回線による加入電話から、インターネット回線を使用するIP電話への移行需要が増加しております。(出典:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成30年度第2四半期(9月末))」)
2018年10月期において、当社のIP電話向け売上が全体の売上に占める割合は5%程度ですが、各通信回線事業者を通じたサービス契約数は拡大し続けております。
また、従来の電話回線向けの製品として「トビラフォン」の電話機外付け型端末を販売しており、自治体等の実証実験事業における外付け型端末の販売・レンタルを主たる商流としております。
当該実証実験は、特殊詐欺被害防止施策として自治体等が地域住民に対して「トビラフォン」を無償貸与し、その効果を検証するものであり、当社は「トビラフォン」の提供の他、パンフレットやレポートの作成、アンケートの実施等を行っております。
「トビラフォン」の電話機外付け型端末は、本体正面のLED発行色によって着信電話の安全度をお知らせする機能を搭載しており、電話を取る前に一瞬で着信電話の安全度を確認することができます。またボタンひとつで、着信拒否を行うことができ、利用者の拒否ボタンは当社の管理サーバに記録され、迷惑電話判定における調査対象データの参考となります。
なお、その他の商流としては、当社からエンドユーザーへの直接販売等もあります。
③ ビジネスフォン向けフィルタサービス
「トビラフォン」にクラウドサーバにおける通話録音システムや集中型管理システムの機能を追加した「トビラフォンBiz 光回線用」を販売しております。
モバイル向けフィルタサービス、固定電話向けフィルタサービスが一般消費者(個人)を対象としている一方、「トビラフォンBiz 光回線用」は企業を対象としており、導入により、通話情報の録音、着信履歴の管理・共有、不要なセールス電話等迷惑電話の自動拒否による業務の効率化やサービス品質の向上、コンプライアンスの強化を図ることができます。
当社は、迷惑情報フィルタ事業における法人向け市場の開拓を目指し、機器の販売代金及びサービスの利用料を収益源としていくための準備を進めており、営業活動を行っております。
上記3サービスによる月間利用者数の推移は以下のとおりです。なお、月間利用者数は、当社が事業を通じて特殊詐欺被害の撲滅に貢献する上で重要なKPIの一つとしておりますが、主要な取引先である通信キャリアとの契約条件は様々であり、必ずしも月間利用者数の増減が直接的に収益に影響を与えるものではありません。
<月間利用者数の推移>
(2) その他事業
ホームページの制作運営支援システム「HP4U」の販売及びシステムの受託開発等を行っております。
なお、今後は迷惑情報フィルタ事業に注力する方針のため、積極的に展開はしない方針であります。
<事業系統図>
○ 迷惑情報フィルタ事業
○ その他事業
該当事項はありません。
2019年2月28日現在
(注) 1.当社の報告セグメントは「迷惑情報フィルタ事業」及び「その他事業」でありますが、従業員数をセグメント毎に区分することが困難であるため、部門別の従業員数を記載しております。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パート・アルバイト、人材会社からの派遣社員を含む。)は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.最近1年間において従業員数が6名増加しております。主な理由としては、事業の拡大に伴い期中採用が増加したことによります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。