第二部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第27期

第28期

第29期

第30期

第31期

決算年月

2013年12月

2014年12月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

売上高

(千円)

360,355

423,659

515,535

738,202

838,397

経常利益

(千円)

1,874

18,462

22,038

109,750

150,348

当期純利益

(千円)

3,302

12,968

8,019

70,681

108,201

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

35,000

35,000

35,000

69,305

70,885

発行済株式総数

(株)

584

584

446

4,942

4,962

純資産額

(千円)

39,733

52,702

60,722

198,972

319,225

総資産額

(千円)

215,409

308,572

260,818

480,832

602,111

1株当たり純資産額

(円)

89,087.94

118,166.38

136,148.27

196.34

307.76

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

()

()

()

()

()

1株当たり当期純利益金額

(円)

7,405.14

29,078.43

17,981.89

74.65

109.22

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

18.45

17.08

23.28

40.36

50.73

自己資本利益率

(%)

6.95

28.06

14.14

55.48

43.33

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

111,458

92,909

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

19,243

54,108

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

47,890

17,008

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

154,895

210,704

従業員数

(人)

24

30

36

42

50

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.売上高には、消費税等は含まれておりません。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有していないため記載しておりません。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、第27期、第28期及び第29期は潜在株式が存在しないため、第30期及び第31期は、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

5.2018年4月1日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行いましたが、第30期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。

6.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

7.第27期、第28期及び第29期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

8.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は従業員の100分の10未満であるため、記載しておりません。

9.第30期及び第31期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。なお、第27期、第28期及び第29期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく太陽有限責任監査法人による監査を受けておりません。

10.当社は、2016年1月1日付で普通株式1株につき10株の株式分割を、2018年4月1日付で普通株式1株につき200株の株式分割を行っております。

そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申

請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133

号)に基づき、第27期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を

参考までに掲げると、以下のとおりとなります。

なお、第27期、第28期及び第29期の数値(1株当たり配当額については全ての数値)については、太陽有限

責任監査法人の監査を受けておりません。

 

第27期

第28期

第29期

第30期

第31期

 

2013年12月

2014年12月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

1株当たり純資産額

(円)

44.54

59.08

68.07

196.34

307.76

1株当たり当期純利益金額

(円)

3.70

14.54

8.99

74.65

109.22

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

2【沿革】

 

年月

変遷

1987年10月

 画像処理装置の生産・販売を目的として、大阪府大阪市淀川区に株式会社リンク設立

1995年10月

 本社を大阪府大阪市中央区谷町に移転

1996年10月

 物流最適化システム「S-PLAN21」、販売開始

1997年10月

 卸売業向け在庫最適化システム「Zaiko-21」、販売開始

1998年10月

 物流センター内ロケーション最適化システム「棚ロケ-21」、販売開始

2001年4月

 本社を大阪府大阪市中央区南新町に移転

2004年4月

 通販業向け自動発注支援システム「Zaiko-WEB」、販売開始

2006年3月

 小売業向け自動発注システム「sinops-R4」、販売開始

2006年12月

 卸売業向けキャッシュ・フロー最適化システム「sinops-W4」、販売開始

2009年10月

 日配品に対応した自動発注システム「sinops-R5」、販売開始

2010年11月

 「sinops(シノプス)」商標登録

2011年10月

 棚割メンテナンスアプリ「sinops-Pad」、販売開始

2012年12月

 本社を大阪府大阪市北区梅田に移転

2013年10月

 発注端末アプリ「sinops-GOT」、販売開始

2013年10月

 品揃最適化システム「sinops-MD」、販売開始

2016年5月

 賞味期限チェックアプリ「sinops-Dcont」、販売開始

2017年4月

 需要予測型自動発注システム「sinops-R6」、販売開始

2017年7月

 「sinopsロゴ」商標登録

2017年10月

 東京都千代田区に東京営業所開設

2018年1月

コンビニ向け発注数自動追加システム「EO1」の特許取得

 

3【事業の内容】

 当社は「われわれは在庫に関わる"人"、"もの"、"金"、"時間"、"情報"を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献するために存在している。」を基本理念とし、在庫を抱える流通業の発展と活性化に貢献するサービスを提供する事業運営を行っております。その実現のために「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、小売業・卸売業・製造業の流通三層の在庫を最適化するためのソフトウェアパッケージ群「sinops(シノプス)シリーズ」を展開しております。

 

■「sinopsシリーズ」の事業領域

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 なお、当社の事業は「sinops事業」の単一セグメントであり、①「sinopsシリーズ」を一括販売型で提供するパッケージ販売、②「sinopsシリーズ」を利用料型で提供するレンタル販売、③「sinops」の導入効果を最大化するためのシステム構築及び運用構築を支援する導入支援サービス、④「sinops」の日常運用を支援するサポートサービスの4つのサービスを軸に事業を展開しております。また、当社には、エンドユーザーに対する直接販売及び販売パートナーによる販売の2種類の販売形態があります。

 

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(1)パッケージ販売

 当社のパッケージ販売は、小売業向け需要予測型自動発注システム「sinops-R6」を中心に、品揃え計画・棚割計画・棚割メンテナンス・発注端末・本部送り込み支援・賞味期限管理等の機能が統合されたソフトウェアパッケージ群を一括販売型で提供しております。また、卸売業向けキャッシュ・フロー最適化システム「sinops-W」、製造業向け中長期需要予測システム「sinops-M」といったように、流通三層それぞれに適したパッケージ製品を展開しております。当社のパッケージ販売の特徴は、他社事例を参考にした費用対効果の提示ではなく、顧客の実データを利用したシミュレーション結果に基づきsinops導入の費用対効果を具体的な金額で提示することにあります。

 

■需要予測型自動発注システム「sinops-R6」

 「sinops-R6」はエキスパート法によるAI機能(※1)を搭載した小売業向け需要予測型自動発注システムです。特に牛乳・卵・豆腐・袋麺などの日配品や、惣菜、パンなど、賞味期限が短く、かつ、週に何度かのチラシ特売により価格も頻繁に変わるカテゴリへの自動発注における実績が多くあります。例えば、ある牛乳を50円引きで特売すると何割販売数が増えるのかの予測はもちろん、代わりに日頃最もよく売れている牛乳がその影響を受け何割販売数が減るのかというカニバリゼーション(共食い状態)を正確に予測する必要があります。カニバリゼーションを考慮しなければ、商品の賞味期限が複数の日付になる前に、余った商品に値引きシールを貼って販売せざるをえなくなり、その作業の無駄と値引きによる損失が発生してしまいます。さらに悪化し、廃棄するとその損失は収益に大きな影響を与えることになります。

 「sinops-R6」は過去のデータから商品ごとに販売価格別に数量PI(1,000人あたりの販売数)を自動計算するのみならず、影響を受けるライバル商品の数量PIも合わせて計算し必要に応じて発注数を抑制しますので、欠品による機会ロスのみならず、値引きロスや廃棄ロスをも合わせて改善することができます。

 

 

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■店舗での発注業務をタブレット1つで完結「sinops-Pad/GOT」

 「sinops-Pad」は、iPad/Windowsタブレット上で棚割(※2)を修正できるシステムであり、従来の棚割システムでは非常に面倒だった棚割修正をタブレット上で直感的に操作できるシステムです。その結果、棚割データが現場と一致しやすくなり、最適発注を継続するための重要な要素である棚割情報を正確に把握できるようになります。

 また、「sinops-GOT」はiPad/Windowsタブレットを発注端末として利用できるシステムであり、「sinops-Pad」とセットで利用することで店舗の発注関連業務をワンストップで解決できます。

 

 

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「sinops-Pad画面」

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「sinops-GOT画面」

 

 

■「sinopsシリーズ」について

対象

製品名

概要

内容

提供価値

sinops-R

(※3)

自動発注システム

グロサリ(※4)だけでなく、日配・パン・惣菜にまで対応した自動発注システム。AI機能を搭載し、従来は人が考えて設定していたパラメータを自動設定できるようになっております。

・自動化による人手不足解消

・ロス削減による利益向上

・欠品削減による売上向上

・在庫削減による

 キャッシュ・フロー改善

sinops-Pad

棚割メンテナンスアプリ

iPad/Windowsタブレット上で棚割を修正でき、従来の棚割システムでは非常に面倒だった棚割修正をタブレット上で直感的に操作できるシステム。

その結果、現場の棚割情報が本部でも正確に把握できるようになります。

・棚割修正作業の効率化

・店舗の棚割情報を本部でも

 正確に把握

sinops-GOT

発注端末アプリ

iPad/Windowsタブレットを発注端末として利用できるシステムであり、

「sinops-Pad」とセットで利用することで店舗の発注関連業務をワンストップで解決できます。

・発注作業の効率化

sinops-Plg

棚割管理システム

小売業のワークフローを最優先に考えた棚割システム。

店舗・売場ごとの棚割管理はもちろん、棚割パターンの採用店舗管理や様々な分析機能も搭載しております。

・棚割計画作成の効率化

sinops-DM

本部送り込み支援システム

本部送り込み(※5)を支援し、企画商品をどの店舗にいくつ配荷したら特売残が最小になるかを自動算出するシステム。

・特売残(※6)の削減

sinops-MD

品揃最適化

システム

店舗ごとの販売実績から最適な品揃え・最適陳列数を提案するシステム。sinops-Rと連携することで、収益を最大化する品揃え計画の立案が可能になります。

・個店採算性の向上

sinops-Dcont

賞味期限チェックアプリ

賞味期限チェック作業を効率化するシステム。

・賞味期限チェック作業の削減

・賞味期限切れ販売の削減

sinops-W

キャッシュ・フロー最適化システム

毎日需要予測を行い、発注点を自動更新することで最適在庫を維持し続ける自動発注システム。

仕入条件・賞味期限・商品受け入れ作業時間といった様々なことを考慮し、キャッシュ・フローを最適化できます。

・在庫削減による

 キャッシュ・フロー改善

・自動化による人手不足解消

・欠品削減による売上向上

sinops-IM

移送指示最適化

システム

sinops-Wと連携することで過剰在庫を算出し、拠点間の在庫偏在を解消するように移送指示を行うシステム。在庫の有無を拠点間で確認する必要がなくなり、自動で出てくる移送指示を承認するだけで作業が完了します。

・在庫削減による

 キャッシュ・フロー改善

・無駄な発注の削減

sinops-M

中長期需要予測

システム

エリア別の製品需要を予測し、製造業の生産計画の精度向上に貢献するシステム。シリーズのsinops-R/Wと連携することでデマンド・チェーン・マネジメント(※7)を確立でき、大幅な在庫削減を実現します。

・在庫削減による

 キャッシュ・フロー改善

 

(2)レンタル販売

 レンタル販売は、パッケージ販売の一括販売型と異なり、利用料型で提供しております。顧客にとっては、ライセンス費用やサーバ費用といった初期導入コストを抑えられることがメリットとなります。

 

(3)導入支援サービス

 導入支援サービスは、「sinopsシリーズ」を導入する企業に対して、基幹システムとのデータ連携、本部・店舗・拠点での運用構築支援及びインターフェイスなどのカスタマイズ開発のサービスを提供しております。当社の導入支援サービスの特徴としては、ただシステムを連携するのではなく、導入企業が「sinops」の導入効果を高めるための支援を行うことにあります。また、パッケージ販売もしくはレンタル販売した企業には、必ず導入支援サービスを提供し、導入企業が「sinopsシリーズ」の導入効果を出すことを最重要視しております。

 

(4)サポートサービス

 サポートサービスは、「sinopsシリーズ」の導入支援サービスが完了した企業に対して、日々の問い合わせ対応、稼働・運用状況の監視、障害発生時のリカバリ作業及びKPIの維持・向上サービスを提供しております。

 

 

■用語の説明

※1 エキスパート法によるAI機能

 エキスパート法とは、専門知識のない素人あるいは初心者でも専門家と同じレベルの問題解決が可能となるよう、その領域の専門知識をもとに動作するコンピュータシステムのことです。システムは専門家のかわりに特定の分野に特化した知識をもとに推論を行い、専門家のようにアドバイスや診断を行います。

 

※2 棚割

 棚割とは、商品を陳列棚のどこに、いくつ陳列するかを計画することをいいます。

 

※3 sinops-R

 「sinops-R」は「sinops-Rシリーズ」の総称で、旧バージョンである「sinops-R4」「sinops-R5」及び最新バージョンである「sinops-R6」を含んでおります。

 

※4 グロサリ

 グロサリとは、一般的に冷蔵を要しない食品や雑貨を指します。例えば、調味料、飲料、お菓子や缶詰があげられます。

 

※5 本部送り込み

 本部送り込みとは、小売業において、本部のバイヤーが企画・仕入れた商品を本部主導で各店舗へ送り込むことをいいます。

 

※6 特売残

 特売残とは、企画商品や本部送り込み商品の売れ残りのことです。

 

※7 デマンド・チェーン・マネジメント

 需要側(消費者等)から得られる情報を基点として商品開発、生産・供給計画、流通、販売体制等を統合的に編成する情報管理システムのことです。具体的には、POSデータ等の情報をもとに需要予測を行い、生産管理や在庫管理を最適化することを目指すシステムです。

 

■事業系統図

 

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4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

2018年10月31日現在

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

58

34.8

3.9

6,240

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、使用人兼務役員は含んでおりません。なお、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は「sinops事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(2)労働組合の状況

当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。