(はじめに)
1.株式の非公開化に至った経緯とその目的
当社グループは、1978年9月に石材業を目的に設立された株式会社やすらぎ(2013年7月に商号を株式会社カチタスに変更)を前身としております。当社は、1988年12月に宅地建物取引業の免許を取得して、不動産の売買、代理業を開始し、1998年の民事執行法改正以降に中古住宅を自ら調査・仕入れて、リフォーム、販売までを一気通貫で行う「中古住宅再生事業」のビジネスモデルを確立しております。また、2004年2月には株式会社名古屋証券取引所セントレックス市場へ上場しております。
上場前後においては、不動産競売市場及び不動産買取市場から収益物件を仕入れ、当該収益物件の入居率を上昇させ投資物件として販売する「収益物件運営事業」を営む株式会社プロパティー、各種債権(主に住宅ローン債権)の管理・回収を行うサービサー事業を主たる事業として営む株式会社YUTORI債権回収、当社が中古住宅を販売するにあたり購入者に対して購入代金の融資を行う株式会社バリュー・ローンなどを設立し、業容拡大を行ってきました。
しかしながら、2007年頃からの世界金融危機とそれに続く日本国内における不動産不況の影響を受け、株式会社プロパティーを中心に運営をしてきた収益物件運営事業における収益性の大幅な悪化等を主因として業績が落ち込み、2008年1月期には当期純損失を計上するに至りました。当社グループは、本業である中古住宅再生事業に経営資源を集中し、経営健全化を図る過程で、(ⅰ)株式会社YUTORI債権回収については2008年3月に株式売却を実施し、(ⅱ)株式会社プロパティーについては損失物件の処理後に2009年10月に当社を存続会社とする吸収合併を実施し、また(ⅲ)株式会社バリュー・ローンについては、2011年7月に廃業の届出に基づく貸金業者登録の抹消を受け、貸出債権の回収業務に専念する体制に移行するとともに、状況に応じて同社そのものの売却も含めて検討を行う等の経営再建策を実施しておりました。他方、本業である中古住宅再生事業においては、2009年12月に施行された中小企業金融円滑化法により競売不動産の公示件数が徐々に減少する影響等もあり、2011年度には仕入れ・販売ともに前年同月比で昨年を割り込む月が継続する等、厳しい経営環境が続いておりました。
このような中で、中古住宅再生事業の中期的な成長を推進するためには、経営資源に対する積極的な投資を行うことが必要不可欠であり、短期的には利益の減少等が起こることも予想されたことから、一般株主への悪影響が及ぶ可能性を斟酌し、また、一般株主の意思を尊重した上で本非公開化を進めることが最良と判断し、2012年7月に上場を廃止いたしました。
上場廃止後には、地域カバレッジの再構築、ブランド力の強化やネットワーク及びチャネルの拡大による不動産流通市場からの仕入れの拡大、リフォームノウハウの蓄積及び人材育成、内部管理体制の更なる強化を行うことで、事業構造の転換に成功しております。現在の当社グループを形成するに至る株式の非公開化以後の取り組みの詳細は以下の通りです。
(1) 日本住宅再生株式会社による公開買付と非公開会社化
上述の通り、世界金融危機とそれに続く日本国内における不動産不況、中小企業金融円滑化法による競売不動産の公示数の減少の影響等により厳しい経営環境に直面する中、当社グループは経営健全化のための経営戦略を検討・模索しておりました。一方で、株式会社アドバンテッジパートナーズ(以下、「アドバンテッジパートナーズ」という。)は、当社グループが主力事業である中古住宅再生事業の各プロセスにおいて強みを有していると評価した上で、これらの強みを活かすことで更なる事業拡大が見込めるとの考えを有しており、2011年8月頃に、アドバンテッジパートナーズより当社グループに対して株式の公開買付及び非公開会社化に関する提案が行われ、協議を開始しました。
その後、2012年1月26日に、日本住宅再生株式会社(アドバンテッジパートナーズが投資助言を行うファンドが間接的にその株式を保有する株式会社)より当社株式の公開買付が公表されました。当社グループとしても当時直面していた経営環境へ迅速に対応し、新たな成長戦略を推進し企業価値の更なる向上を図るためには、アドバンテッジパートナーズの有する経営ノウハウをもとに、短期的な業績変動に左右されることのない、先行投資実行に向けた環境・体制を整備することが最善の選択であると判断し、アドバンテッジパートナーズによる公開買付に賛同いたしました。公開買付の終了後、2012年3月に当社は日本住宅再生株式会社の子会社となり、2012年7月に上場を廃止しました。
(2) 株式会社やすらぎによる日本住宅再生株式会社の吸収合併
日本住宅再生株式会社による当社株式に対する公開買付及び完全子会社化の実施後、2013年1月に当社(旧株式会社やすらぎ)を存続会社、日本住宅再生株式会社を消滅会社とする吸収合併を行い、2013年7月1日に株式会社カチタスに商号変更いたしました。
(3) 株式会社カチタスによる株式会社リプライスの完全子会社化
当社は、2016年3月30日に、当社と同様に中古住宅再生事業を営む株式会社リプライス(以下、「リプライス」という。)の全株式を取得し、完全子会社化いたしました。リプライスの完全子会社化に伴い、同社の子会社である総合都市開発株式会社(以下、「総合都市開発」という。)及び株式会社アークティブ(以下、「アークティブ」という。)を連結子会社化しております。リプライスは、当社にて取扱いが少ない都市郊外部や地方都市部における比較的築年数の浅い戸建やマンションを中心に仕入・販売活動を行っており、競合が多い中で年間569件(2015年6月から2016年3月までの10ヶ月決算実績で、うち2016年9月に売却した総合都市開発の販売件数は11件。)の中古住宅を販売しておりました。同社の完全子会社化により、当社グループは比較的築年数の浅い物件から古い物件、都市郊外から地方都市及び郊外、戸建からマンションと、より広いエリアで、より多くの中古住宅の仕入・販売が可能となりました。
(4) 総合都市開発及びアークティブの売却
総合都市開発は中古住宅をはじめとする事業用不動産等の販売、不動産賃貸等を、アークティブは新卒採用の支援サービスを提供しており、中古住宅再生事業とは異なった事業領域で事業を行っていたことから、2016年9月、当社グループの事業内容及び組織の簡素化を目的として、両社の全株式を第三者へ譲渡いたしました。
<当社グループの変遷>
2.株式の非公開化以降の経営改革
当社は株式の非公開化における目的を達成するため、中古住宅再生事業の再強化を行う経営改革を行いました。
(1) 地域カバレッジの再構築
① 各店舗のカバレッジエリア適正化と営業人員の強化に伴う既存エリアのカバレッジ深耕
株式の非公開化以前の2012年1月20日時点において、当社は3事業所、全国120店舗を構えており、既に全国展開がなされておりましたが、店舗に属する営業人員445名のうち正社員は196名であり、残りの249名は臨時従業員となっておりました。
非公開化以降は、店舗のカバレッジエリアの見直し及び適正化を図り、2017年9月末時点では株式の非公開化以前より少ない3事業所108店舗となっているものの、店舗に属する営業員数は2017年9月末時点で480名となっており、店舗のカバレッジエリアの見直し及び適正化を図ったことによりカバレッジエリアを維持しつつ、臨時従業員の正社員化に取り組んだことで生産性を向上させております。
また、臨時従業員の正社員化に取り組んだ結果、2017年9月末時点において、店舗に属する営業人員480名の内訳は、正社員・契約社員460名、パート社員20名となっております。正社員とすることで会社に対するロイヤリティは高まり、当社の推進する戦略の浸透速度は早まり、また日常的に当社に蓄積される知見が伝承されるようになることで、下記「(5)人材育成、内部管理体制の更なる強化」で記載している人材の育成と相まって、社員の生産性が向上しております。その結果、カバレッジエリア内でのカバレッジの深耕が進んで、仕入れ・販売は順調に推移しており、当社の販売件数は2012年1月期の2,484件から、2017年3月期には3,451件にまで増加しております。
② 「コア仲介」戦略の推進
流通する不動産情報の多くは、最初に不動産仲介会社へ集まる傾向にあり、良質な不動産情報を他社よりも早く入手するためには、不動産仲介会社に対する認知度の向上と、優先して情報を提供してもらえる関係の構築が重要となっております。また、地方の不動産仲介会社と緊密な関係を築くことにより、当社が日常的にカバーしている範囲外のエリアにおける物件情報の獲得が可能になることから、取引する不動産仲介会社の増加は既存カバレッジエリアの深耕だけではなく、カバレッジエリアの新規拡大に繋がっております。当社にて年間で1回以上の取引を行った不動産仲介会社数は、2013年3月末の248社から、2017年3月末には1,644社へ増加しております。なお、当社では不動産仲介会社の中でも「定期的に仕入れの契約が締結されている」、「定期的に仕入物件の情報を提供してくれる」及び「相場や人気に関する情報の提供や相談に乗ってくれる」といった良好な関係を構築できている不動産仲介会社を「コア仲介」と定義し、「コア仲介」の増加を重要戦略として、対象不動産仲介会社数を重要業績評価指標(KPI)に設定しモニタリングしております。
③ リプライスの子会社化によるカバレッジエリアの拡大
2016年3月に、東海エリアをはじめとして全国1事業所14店舗(営業エリアは細分化して運営し22エリア運営)で事業展開し、特に都市郊外部や地方都市部での販売に強みを持つリプライスを買収したことによって、当社グループのカバレッジエリアは一層拡大しております。加えて、当社が築年数の比較的古い物件を仕入れ、企画力を駆使してリフォームを実施し販売していくことに対し、リプライスは販売効率を重視し比較的築年数の浅い物件を仕入れ、必要最低限のリフォームを実施し販売することから、取扱物件の多様性も生まれております。
リプライスを買収したことにより、当社グループ全体では2017年3月期末で4事業所122店舗、店舗にて従事する従業員数は546名、2017年3月期の販売件数は4,402件となっております(うち2016年9月に売却した総合都市開発の販売件数は4件。)。
なお、リプライスの主要な経営指標等の推移については以下の通りです。
回次 |
第20期 |
第21期 |
|
決算年月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
|
売上高 |
(百万円) |
9,295 |
16,524 |
営業利益 |
(百万円) |
657 |
1,292 |
経常利益 |
(百万円) |
494 |
1,221 |
当期純利益 |
(百万円) |
669 |
1,020 |
資本金 |
(百万円) |
75 |
75 |
純資産額 |
(百万円) |
1,683 |
2,703 |
総資産額 |
(百万円) |
8,692 |
8,694 |
従業員数 |
(名) |
88 |
102 |
〔外、平均臨時従業員〕 |
〔9〕 |
〔10〕 |
(注)1.リプライスは、2016年3月期に決算期変更を行っております。そのため、2016年3月期は、2015年6月1日から2016年3月31日までの10ヶ月の数値となっております。
2.上記の金額は、リプライスの単体の数値となっております。そのため、2016年9月2日に株式を売却した総合都市開発及び2016年9月30日に株式を売却したアークティブの数値については含まれておりません。
(2) 不動産流通市場からの仕入れの拡大を実現するための仕入れネットワークの拡大
不動産流通市場からの仕入れ(以下、「買取仕入」という。)を強化するため、店舗を選抜し、買取仕入を短期間に重点的に実施させ、週次で報告を受けることにより、ノウハウ及びナレッジをマネジメントにて把握し、それをタイムリーに全店舗へ展開するプロジェクトを実施致しました。プロジェクトの実施対象を全国展開する過程では、一定程度の買取仕入実績が出た店舗は選抜対象から除外し、対象店舗を入れ替えることにより全店舗に買取仕入の出来る体制を構築して参りました。並行して2013年7月の社名変更を機に、同年10月から三大都市圏を除く31道県で「おうち買い取りのカチタス」を訴求するテレビCMを定期的に継続実施しており、当該エリアでの「家を売る先」としての当社の純粋想起度は順調に高まっています。
上記取組の結果、買取仕入件数は、2013年3月期の810件から、2017年3月期には3,611件へ増加しております(当社は、2013年3月期に決算期変更を行っております。そのため、2013年3月期は、2012年1月21日から2013年3月31日までの14ヶ月と11日の数値となっております。)。
競売物件は、裁判所からの入札情報だけで仕入れを行うのに対して、買取物件は、仕入前に内覧を行うことができます。更に当社は、買取内覧時に自社だけでなく、リフォーム協力会社及び白蟻調査会社の三者による立会検査を行うことで中古住宅の隠れた瑕疵を発見し、リフォーム中の想定外の追加リフォームを未然に防ぐことが可能となり、収益構造も改革され、利益水準は上昇しております。
2013年3月期から2017年3月期までの仕入方法別の仕入件数、販売件数、売上高及び売上総利益の推移は以下の通りであります。
件数 |
仕入れ方法 |
2013年3月期 |
2014年3月期 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
仕入件数 (件) |
買取仕入 |
810 |
1,900 |
2,144 |
2,979 |
3,611 |
競売仕入 |
1,816 |
1,385 |
475 |
239 |
88 |
|
販売件数 (件) |
買取仕入 |
681 |
1,332 |
2,028 |
2,609 |
3,265 |
競売仕入 |
2,281 |
1,764 |
973 |
425 |
186 |
|
売上高(百万円) |
34,858 |
39,716 |
38,638 |
39,337 |
45,206 |
|
売上総利益(百万円) |
7,379 |
8,238 |
8,075 |
10,133 |
11,594 |
(注)1.当社は、2013年3月期に決算期変更を行っております。そのため、2013年3月期は、2012年1月21日から2013年3月31日までの14ヶ月と11日の数値となっております。
2.上記の件数及び金額は、当社の単体の数値となっております。
(3) リフォーム施工力及びネットワークの強化
これまで事業の中で培ってきたリフォームノウハウの蓄積と企画力を活かし、物件を販売する際に顧客の潜在的ニーズを汲み取り、住宅購入後に必要となるであろう付加的なリフォームを提案する「プラスワンサービス」を展開し、1件当たりの売上高及び売上総利益の向上を行い、1顧客当たりの売上及び利益を最大化していく施策を推進しております。
また、当社の目利力、企画力の前提となる施工力を強化するため、リフォームに関しては、リフォーム協力会社同士の横の繋がりを強化し、他事例を学ぶ機会を提供するため、リフォーム協力会社同士の親睦を深める「カチタスリフォームパートナー会」の開催や、「カチタスリフォーム通信」といった会報誌の作成・配付を行っております。当社が年間で1回以上の取引を行ったリフォーム協力会社数は2017年3月末に745社(防蟻会社を除く)となりましたが、これを一層増加させるべく、リフォーム協力会社のネットワーク強化を通じた更なる施工力の強化を図っております。
(4) リフォーム中契約の促進
当社の物件は、新築分譲販売のように一様に仕様が決まっている訳ではなく、一品物となっております。しかし、設立以来累計4万件をリフォームし販売したノウハウを基にリフォーム品質の統一化を進めるとともに、自社HPにリフォーム過程の写真を着手時から継続的に掲載し、リフォーム完了時には物件紹介写真を30枚以上掲載することを推奨して物件が再生される様子を購入検討段階から見える化することにより、当社のリフォーム品質に対する信頼度の向上に努めております。リフォーム品質への信頼度が向上することにより、リフォーム後の物件を想起させることが容易になり、リフォーム完了前に立地や間取りの確認を行うだけで契約が成立する「リフォーム中契約」を促進しております。
当該リフォーム中契約が促進されることにより、値下げをせずに販売し利益率を高く維持しながら、仕入れから販売までの期間を短縮化することができ、営業人員生産性の向上と在庫回転率の向上に寄与しております。
その結果、当社の平均在庫期間(当社の仕入代金支払日から販売代金受領日までの期間)は、2013年3月期の312日から2017年3月期には186日に短縮したことで全社的に効率化され、2017年3月期のROA(注1)は16.60%となっております。
(注1:ROAは、営業利益を期首及び期末時点の総資産の平均で除しております。)
なお、2013年3月期から2017年3月期及び2018年3月期第2四半期累計期間までの当社営業人員生産性と同在庫回転率の推移は以下の通りであります。
|
2013年 3月期 |
2014年 3月期 |
2015年 3月期 |
2016年 3月期 |
2017年 3月期 |
2018年 3月期 第2四半期 累計期間 |
営業人員生産性(件) |
8.9 |
11.6 |
11.3 |
13.6 |
16.0 |
8.4 |
在庫回転率(回) |
1.72 |
1.94 |
2.01 |
2.18 |
2.17 |
2.10 |
(注)1.営業人員生産性:(販売物件数+買取仕入件数)/((期首営業人員数+期末営業人員数)/2)
2.営業人員は「中古住宅再生事業」に従事する従業員であり、総務及び経理等の管理部門の従業員は含んでおりません。
3.在庫回転率:売上原価/((期首棚卸資産+期末棚卸資産)/2)
4.当社は、2013年3月期に決算期変更を行っております。そのため、2013年3月期は、2012年1月21日から2013年3月31日までの14ヶ月と11日の数値となっております。
5.上記の件数及び回数は、当社の単体の数値となっております。
(5) 人材育成、内部管理体制の更なる強化
当社が持続的な成長を可能とするためには人材採用と社員教育、及び内部管理体制の更なる強化が必要であるという認識のもと、以下の施策を実施しております。
① 新卒採用
優秀な人材を当社の事業内容と経営方針が浸透しやすい新卒のうちから教育し、会社に対するロイヤリティと責任感を高めることが業績の向上と継続的な企業成長に寄与するものと判断しております。このため、2013年4月採用以降、定期採用による新卒採用に注力しており、2017年3月末時点では在籍する新卒入社の従業員数は88名であり、従業員数518名のうち17.0%が新卒定期採用により入社した従業員となっております。
② 週次全社TV朝会
全国展開により幅広い市場をカバーし、競合優位性を築くことができる一方、経営陣の方針が伝わりにくいという状況が生じておりました。そのため、全店舗をオンラインで繋げて経営方針や重要な連絡、全国の店舗から吸い上げられた成功事例、失敗事例等を、経営陣から直接伝える場として毎週全社TV朝会を開催しております。なお、経営陣から一方的に発信するのではなく、全社TV朝会実施後に毎回アンケートを取り、経営方針の理解度の確認を行い現場からの要望を吸い上げ、タイムリーかつ直接フィードバックを行うことで全従業員への経営方針の浸透を図っております。
③ 月次課長会議
店舗マネジメント人材を束ねるエリアマネジメント人材(課長)向けに経営陣が戦略や新しい施策などの浸透を図るため、各エリアを統括する課長全員が東京本部に集まって月次の定例会議を行っております。経営陣と営業現場のマネジメント層がこの場で目線合わせを行った上で、経営方針や新しい施策を現場に浸透させております。また、課長同士のグループワークや事例紹介を通じてマネジメントレベルの底上げを行っております。
④ 基幹システムの導入による迅速なデータ集計と業務フローの整理
2014年4月に新基幹システムの利用を開始しております。ワークフロー・会計システムと連動させることにより、処理工程が増えた場合でも物件別収益管理に係る精度が担保され、従前より堅牢なシステムが構築出来ております。また、新基幹システムにより業務フローが整理されることにより、現場運営の統一化を図ると共に、効率性の向上に寄与しております。
(6) 事業戦略に対する外部からの評価
① 先進的なリフォーム事業者表彰経済産業大臣賞
当社は、経済産業省より、平成27年度の「先進的なリフォーム事業者表彰経済産業大臣賞」を受賞いたしました。「先進的なリフォーム事業者表彰経済産業大臣賞」は、消費者の住まいに関する多様なニーズなどに対応し、独自のビジネスモデルで差別化された強みを有する事業者を表彰する賞であります。
② ポーター賞
当社は、一橋大学大学院国際企業戦略研究科 ポーター賞運営委員会より、平成29年度の「ポーター賞」を受賞しました。「ポーター賞」は、「優れた競争戦略の実践」に焦点を当てた賞であり、製品、プロセス、経営手法にイノベーションを起こし、独自性がある戦略を実行した結果、高い収益性を達成・維持している企業を表彰します。「ポーター賞」は平成13年に創設され、今回で17回目となります。
3.再上場の目的
当社は非公開化の目的を達成するために、中古住宅再生事業の再強化を行う経営改革を中心に様々な経営改革を推進した結果、事業構造の転換に成功いたしました。一方で、中古住宅再生事業を更に拡大するためには、より一層の社会的信用・知名度の向上、優秀な人材の確保及び資金調達の多様化が重要であります。そのためにも、再上場し上場企業として高い透明性を維持してステークホルダーから信頼される企業になることが重要であると認識しております。
回次 |
第38期 |
第39期 |
|
決算年月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
|
売上高 |
(百万円) |
|
|
経常利益 |
(百万円) |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
(百万円) |
|
|
包括利益 |
(百万円) |
|
|
純資産額 |
(百万円) |
|
|
総資産額 |
(百万円) |
|
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
|
|
1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
|
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
|
|
自己資本比率 |
(%) |
|
|
自己資本利益率 |
(%) |
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△ |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
|
△ |
現金及び現金同等物の期末残高 |
(百万円) |
|
|
従業員数 |
(名) |
|
|
〔外、平均臨時従業員〕 |
〔 |
〔 |
(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので、記載しておりません。
3.自己資本利益率は、親会社株主に帰属する当期純利益を自己資本(期首及び期末における連結純資産(新株予約権及び非支配株主持分控除後))の平均で除した数値です。
なお、当社は第38期より、リプライスを連結子会社としております。なお、みなし取得日を第38期連結会計年度末日としているため、第38期の期首の純資産額は当社単体の純資産額を、期末の純資産額は連結純資産額を用いて自己資本利益率を算定しております。
4.株価収益率は、当社株式が非上場であるため、記載しておりません。
5.第38期及び第39期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、前連結会計年度(2015年4月1日から2016年3月31日まで)及び当連結会計年度(2016年4月1日から2017年3月31日まで)の連結財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。
6.2017年8月22日開催の取締役会決議により、2017年9月22日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っておりますが、第38期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
7.第38期より、リプライスを連結子会社としております。なお、みなし取得日を第38期連結会計年度末日としているため、第38期は貸借対照表のみ連結しております。
回次 |
第35期 |
第36期 |
第37期 |
第38期 |
第39期 |
|
決算年月 |
2013年3月 |
2014年3月 |
2015年3月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
|
売上高 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
経常利益 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
(百万円) |
△ |
|
|
|
|
資本金 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
発行済株式総数 |
|
|
|
|
|
|
普通株式 |
(株) |
|
|
|
|
|
A種種類株式 |
|
|
|
|
|
|
純資産額 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
総資産額 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
|
|
|
|
|
1株当たり配当額 |
(円) |
|
|
|
|
|
(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△) |
(円) |
△ |
|
|
|
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
|
|
|
|
|
自己資本比率 |
(%) |
|
|
|
|
|
自己資本利益率 |
(%) |
|
|
|
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
|
|
|
配当性向 |
(%) |
|
|
|
|
|
従業員数 |
(名) |
|
|
|
|
|
〔外、平均臨時従業員〕 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.2017年4月27日付でA種種類株式を消却しております。なお、当社は2017年6月20日開催の定時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。
3.1株当たり配当額及び配当性向については、第35期、第36期及び第37期は配当をしていないため、記載しておりません。
4.2017年8月22日開催の取締役会決議により、2017年9月22日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っておりますが、第38期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
5.第36期から第39期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できませんので、記載しておりません。第35期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握出来ないため、また、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
6.第35期は当期純損失が計上されているため、自己資本利益率を記載しておりません。
7.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
8.当社は、2013年3月期に決算期変更を行っております。そのため、2013年3月期は、2012年1月21日から2013年3月31日までの14ヶ月と11日の数値となっております。
9.第38期及び第39期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、前事業年度(2015年4月1日から2016年3月31日まで)及び当事業年度(2016年4月1日から2017年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。なお、第35期、第36期及び第37期については、「会社計算規則」(2006年法務省令第13号)に基づき算出しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
10.当社は、2017年9月22日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(2012年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第35期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。なお、第35期、第36期及び第37期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
回次 |
第35期 |
第36期 |
第37期 |
第38期 |
第39期 |
|
決算年月 |
2013年3月 |
2014年3月 |
2015年3月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
345.08 |
356.25 |
374.58 |
262.49 |
314.43 |
1株当たり当期純利益金額又は 1株当たり当期純損失金額(△) |
(円) |
△27.58 |
12.98 |
18.33 |
53.52 |
98.51 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
156.60 |
27.37 |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(109.90) |
(-) |
年月 |
概要 |
1978年9月 |
群馬県桐生市に資本金1,000万円で石材業を目的に株式会社やすらぎを設立 |
1988年12月 |
宅地建物取引業の免許を取得し、不動産の売買、代理業を開始 |
1989年1月 |
建築部及び不動産部を開設し、戸建住宅の販売業を開始 事業領域の拡大のため不動産事業を開始 |
1990年2月 |
賃貸部を開設し、不動産の賃貸業を開始 |
1998年8月 |
民事執行法改正に伴い、不動産競売物件を落札し、リフォーム後に販売する事業形態(中古住宅再生事業)を確立 営業店舗を群馬県桐生市に開設 |
1999年3月 |
高崎支店を開設(その後、各地に展開し2017年9月30日現在108店) |
2001年7月 |
東京本部を中央区八丁堀に開設 |
2003年6月 |
事務処理能力の拡充のため群馬県みどり市笠懸町にマネジメントセンターを開設 |
2003年10月 |
株式会社プロパティーを設立 |
2004年2月 |
株式会社名古屋証券取引所セントレックス市場に上場 |
2004年8月 |
株式会社YUTORI債権回収を設立 |
2004年9月 |
株式会社バリュー・ローンを設立 |
2005年4月 |
業容拡大に伴う事務処理能力の更なる拡充のため群馬県桐生市琴平町にマネジメントセンターを移転 |
2006年2月 |
株式会社バンカー及びやすらぎ共済株式会社を設立 |
2006年11月 |
やすらぎ共済株式会社を解散 |
2008年3月 |
株式会社YUTORI債権回収を売却 |
2008年8月 |
株式会社バンカーを解散 |
2009年7月 |
東京本部を中央区新川に移転 |
2009年10月 |
株式会社プロパティーを吸収合併 |
2012年3月 |
日本住宅再生株式会社による当社株式に対する公開買付の実施により当社は日本住宅再生株式会社の子会社となる |
2012年7月 |
株式会社名古屋証券取引所セントレックス市場上場廃止 |
2012年10月 |
株式会社バリュー・ローンを売却 |
2013年1月 |
日本住宅再生株式会社を吸収合併 |
2013年7月 |
社名を株式会社カチタスへ商号変更 |
2016年2月 |
経済産業省により「先進的なリフォーム事業者表彰経済産業大臣賞」を受賞 |
2016年3月 |
株式会社リプライス(現・連結子会社)の株式を全部取得 同社子会社である総合都市開発株式会社及び株式会社アークティブも連結子会社化 |
2016年9月 |
総合都市開発株式会社及び株式会社アークティブを売却 |
2017年4月 |
株式会社ニトリホールディングスと資本・業務提携契約を締結 |
2017年10月 |
第17回「ポーター賞(一橋大学大学院国際企業戦略研究科主催)」を受賞 |
当社グループは、当社(株式会社カチタス)及び連結子会社1社(リプライス)の計2社で構成されております。
当社グループは、「未来への扉を。『家に価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。」という経営理念のもと、「安心・清潔・実用的」な中古住宅を提供すべく、地域に根差した全国123(2017年9月30日時点)の店舗において中古住宅を自ら調査して仕入れ、リフォームし、さらに販売までを一気通貫で行っております。設立以来累計販売件数4万件以上の販売実績によって蓄積した中古住宅再生のノウハウを基に、当社グループとして2017年3月期4,402件(うち2016年9月に売却した総合都市開発株式会社の販売件数は4件(以下、「3 事業の内容」での数字について同じ)。)の物件を販売できるスケールメリットを活かしたリフォームを施すことにより、付加価値の高い中古再生住宅をお客様のお求めやすい価格で販売しております。
これにより、「新築」でも「現況の中古」でも「賃貸」でもない、「リフォーム済みの中古再生住宅」という「住まい選びの第4の選択肢」を社会に提供・提唱しております。
以上のように当社グループは中古の戸建又はマンションを仕入れ、リフォームを行った上で販売する「中古住宅再生事業」を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(1) 仕入れ
当社グループの物件の仕入方法には、「買取仕入」による方法及び「競売仕入」による方法があります。当社グル-プでは仕入の安定化と同時に在庫回転率の向上を図るためにも特に買取仕入に注力しておりますが、以下の通り「買取仕入」及び「競売仕入」に分類して仕入について記載します。
① 買取仕入
買取仕入は、主に個人が所有する物件を、住み替えや相続等の売却事由に起因して発生する売主本人から当社グループへの問合せ又は不動産仲介会社から当社グループへの紹介によって買い取る仕入れを言います。買取仕入では、事前に物件の内覧を行い、物件を適切に評価した上で仕入価格が決定できる利点と、競売仕入の様に法定の手続きや公告期間をはじめとする法定の期間がないことから、早期に商品化することができるという利点があります。
当社は、買取内覧時に自社だけでなく、リフォーム協力会社及び白蟻調査会社の三者による立会検査を推奨しております。これは、仕入後にリフォ-ムを行う過程で想定外の追加工事が発生する事態を未然に防ぎ、さらにリフォーム業者が第三者的な立場から建物の劣化に対する意見を伝えることで売主と当社間での査定価格の公平性を保つことを目的としております。2014年1月からこの三者による立会検査を開始した結果、導入前に比して仕入物件の品質が改善され、在庫回転率は向上し、売上総利益率も上昇しております。
リプライスは、競合他社に比して査定金額を早期に提示することが仕入れにおける競争力になっています。具体的には物件に関する情報を分析する専門部署(分析課)が物件情報を元に迅速に簡易査定を行い、それによって他社より早く内覧の約束を取り付けることで、買取仕入の機会を増やしております。
当社グループの2017年3月期における中古住宅の仕入件数4,678件のうち4,196件(仕入件数に対する割合89.7%)が買取仕入となっております。当社グループでは、安定した中古住宅の仕入れと、リフォーム費用の平準化、安定化のためにも買取仕入の増加を仕入れにおける主たる方針としております。
② 競売仕入
競売仕入は、各地方裁判所より、競売物件として公告された物件に入札し、落札することによる仕入れを言います。競売物件は、前所有者が金融機関等からの住宅ローン等の返済遅滞等に起因して、債権者が債権回収のために裁判所に申立てを行い、受理されることで公告されます。各地方裁判所により若干の期間の相違はあるものの、民事執行法に基づいて、「競売情報の公告」、「入札」、「開札」、「代金納付」、「所有権移転登記」の順番に行われ、入札は入札書を郵送する方法で行っております。
競売仕入は買取仕入と比較し、売主への認知向上のための宣伝広告や、仲介訪問による物件情報の取得を行わずとも裁判所の公告によって売りに出される物件情報が入手できます。そのため近年では中古住宅再生事業に新規参入する業者が物件仕入のために入札に参加するケースが増え、競落価格は上昇傾向を辿っております。
当社は、築古物件を内覧しない状態で仕入れると、当初想定していない瑕疵が発見されるリスクが高いことから、2017年3月期の競売仕入件数は88件にとどめて買取仕入にシフトしております。
リプライスは、上述の通り築浅物件を対象としデータベースに基づいた入札を行うことで、中古住宅が有する瑕疵のリスクの低い物件を適正価格で仕入れており、2017年3月期の競売仕入件数は394件となっております。
当社グループの仕入物件数の推移は以下のとおりであります。
仕入方法 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 第2四半期累計期間 |
|||||
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
||
買取 仕入 |
不動産仲介会社経由 |
1,381 |
42.2 |
2,203 |
55.1 |
2,886 |
61.7 |
1,754 |
70.5 |
お客様 |
935 |
28.6 |
1,157 |
28.9 |
1,310 |
28.0 |
712 |
19.5 |
|
合計 |
2,316 |
70.8 |
3,360 |
84.0 |
4,196 |
89.7 |
2,466 |
90.1 |
|
競売仕入 |
954 |
29.2 |
641 |
16.0 |
482 |
10.3 |
164 |
9.9 |
|
仕入合計 |
3,270 |
100.0 |
4,001 |
100.0 |
4,678 |
100.0 |
2,630 |
100.0 |
当社
仕入方法 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 第2四半期累計期間 |
|||||
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
||
買取 仕入 |
不動産仲介会社経由 |
1,224 |
46.7 |
1,848 |
57.4 |
2,332 |
63.0 |
1,319 |
69.7 |
お客様 |
920 |
35.1 |
1,131 |
35.1 |
1,279 |
34.6 |
691 |
29.2 |
|
合計 |
2,144 |
81.9 |
2,979 |
92.6 |
3,611 |
97.6 |
2,010 |
99.0 |
|
競売仕入 |
475 |
18.1 |
239 |
7.4 |
88 |
2.4 |
26 |
1.0 |
|
仕入合計 |
2,619 |
100.0 |
3,218 |
100.0 |
3,699 |
100.0 |
2,036 |
100.0 |
リプライス
リプライス 仕入物件件数 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 第2四半期累計期間 |
|||||
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
||
買取 仕入 |
不動産仲介会社経由 |
157 |
24.1 |
355 |
45.3 |
554 |
56.6 |
435 |
71.9 |
お客様 |
15 |
2.3 |
26 |
3.3 |
31 |
3.2 |
21 |
2.9 |
|
合計 |
172 |
26.4 |
381 |
48.7 |
585 |
59.8 |
456 |
74.8 |
|
競売仕入 |
479 |
73.6 |
402 |
51.3 |
394 |
40.2 |
1,388 |
25.2 |
|
仕入合計 |
651 |
100.0 |
783 |
100.0 |
979 |
100.0 |
594 |
100.0 |
(注)1.上記のグループ合計の件数は、当社及びリプライスの数値を合算しております。
2.「お客様」の中には、法人名義で保有している中古住宅を仕入れている場合も含まれていますが、反復継続して取引を行うのではなく単発的な取引であり、ただ不動産登記の名義が法人名義であるとの認識に基づき、「お客様」として集計を行っております。
3.リプライスは、2016年3月期に決算期変更を行っております。そのため、2015年3月期は2014年4月1日から2015年3月31日まで、2016年3月期は2015年4月1日から2016年3月31日までの12ヶ月にて集計しております。
4.上記のリプライスの件数には、2016年9月2日に株式を売却した総合都市開発の数値が含まれております。
(2) 商品化
当社グループでは、仕入れた中古住宅を、清潔で快適なリフォーム済み中古再生住宅とするために、キッチン・トイレ・洗面台・ユニットバス等の水周り交換や、壁紙や床の張替え、間取り変更、外壁塗装、駐車場拡張等の外構工事までを企画・施工しています。仕入れた中古住宅は、前所有者の退去後に改めて営業担当者が物件の調査を行い、個々の物件の特徴を把握した上で一件毎にリフォーム商品企画を立ててリフォーム協力会社に工事を発注しています。リフォーム完了時には当社グループの営業担当者が工事内容を確認し、社内で定めた基準に基づく品質チェックを行った上で商品化完了としております。
当社グループでは、リフォーム工事に係る担当部署を設け、当社グループで使用する設備・資材の選定、リフォーム業者の調査及び選定、リフォーム内容への相談、過去のクレーム事案を題材とした研修会の実施等を行っております。リフォーム工事担当部署を設置し、工事管理の体制を整備することで、当社グループの中古再生住宅の付加価値向上及び安定的な品質確保に努めています。商品化のコスト削減が当社グループの売上総利益率の改善に寄与することから、リフォームにおける資材コスト及び施工コストの削減にも取り組んでおります。資材コストに関しては、使用する資材を定期的に見直し、当社グループ全体での資材共通化で実現する大量発注によって、市場価格よりも安い価格で調達することを実現しています。施工コスト削減に関しては、リフォーム協力会社へ安定的かつ継続的に発注を行うことにより、お客様が個別に住宅リフォームを発注するよりも安価な価格でリフォーム工事を発注しています。また、リフォーム協力会社は当社グループから資材が提供されることで、通常であれば自社で調達すべき資材購入のための資金が不要となり、資金繰りが安定します。このため、リフォーム協力会社は多少受注金額が低くても積極的に当社グループの工事を受注し、当社グループのコスト削減にも繋がっております。
当社グループのリフォーム協力会社の選定では、リフォーム工事の外注価格のみならず、リフォーム工事の品質及び施工のスピード等を総合的に判断しております。
当社は、設立以来累計販売戸数4万件以上の中古住宅の再生販売を行ってきたリフォームのノウハウを「標準仕様書」として明文化し、リフォーム協力会社に開示することで、工事会社や担当者に因らずリフォーム工事の品質を確保し、過去にクレームになってしまった事例等の再発防止に努めています。さらに、当社とリフォーム協力会社との勉強会を兼ねた会議、「カチタスリフォームパートナー会」も全国で定期的に開催し、質の高い施工を実施したリフォーム協力会社への表彰を制度化し、工事事例を「カチタスリフォーム通信」という会報誌にて配付する等の取り組みによって、当社のビジョンを共有し、リフォーム協力会社のスキル向上とともに関係性の強化に注力しております。
リプライスでは、比較的築浅物件を取り扱うため、水周り交換や壁紙交換というクリーニングリフォームを中心に施工しています。そのためリフォーム内容をパターン化して、企画~発注~施工の期間を短縮化することで早期商品化を図り、在庫回転率の向上を図っております。
(3) 販売
当社グループは全国に店舗を開設し事業展開を行っていることから、各地域において当社グループの中古再生住宅の販売が可能となっております。
当社グループが展開する2017年9月30日時点のエリア別の店舗数及び2017年3月期の対応するエリアでの販売件数は以下のとおりであります。
|
店舗数(店) |
販売件数(件) |
|||||||
戸建 |
マンション |
合計 |
|||||||
当社 |
リプライス |
グループ 合計 |
当社 |
リプライス |
当社 |
リプライス |
当社 |
リプライス |
|
東京圏 |
5 |
1 |
6 |
169 |
118 |
22 |
92 |
191 |
210 |
名古屋圏 |
7 |
2 |
9 |
142 |
107 |
22 |
104 |
164 |
211 |
大阪圏 |
3 |
1 |
4 |
69 |
48 |
18 |
45 |
87 |
93 |
北海道 |
9 |
1 |
10 |
283 |
19 |
5 |
11 |
288 |
30 |
東北 |
17 |
1 |
18 |
596 |
43 |
23 |
18 |
619 |
61 |
関東 |
11 |
1 |
12 |
395 |
49 |
5 |
2 |
400 |
51 |
中部 |
15 |
3 |
18 |
550 |
94 |
22 |
28 |
572 |
122 |
近畿 |
2 |
0 |
2 |
47 |
25 |
7 |
1 |
54 |
26 |
中国 |
12 |
2 |
14 |
259 |
29 |
12 |
16 |
271 |
45 |
四国 |
7 |
1 |
8 |
193 |
11 |
12 |
12 |
205 |
23 |
九州 |
20 |
2 |
22 |
515 |
29 |
85 |
50 |
600 |
79 |
合計 |
108 |
15 |
123 |
3,218 |
572 |
233 |
379 |
3,451 |
951 |
(注)1.総務省で定める地域区分の三大都市圏、都道府県毎に集計を行っております。
2.上記のリプライスの件数には、2016年9月2日に株式を売却した総合都市開発の数値が含まれております。
また、当社グループの中古再生住宅の販売は「自社販売」と「仲介販売」により行っており、その販売方法は、以下のとおりであります。
① 自社販売
自社販売は、当社及びリプライスの自社HP及び不動産ポータルサイトによるWEB販売活動やチラシの配布(ポスティング及び新聞折込)、オープンハウスの実施等により買主へ直接アプローチする販売活動を言います。
当社グループのうち、当社は、自社販売に強みを有しており、2017年3月期の販売件数3,451件のうち、2,549件(販売件数に対する割合73.9%。当社単体)が自社販売となっております。築年数の古い中古再生住宅を安心してお客様にご購入いただくために、自社HPや出広(掲載)している不動産ポータルサイトにて物件のリフォーム進捗を週一回のペースで更新するよう努めており、お客様に常に最新の情報を提供するよう心掛けております。WEBサイトへ提供する情報量を増やし、リフォーム内容を含めた物件詳細情報の充実化を図ることで当社の中古再生住宅が細部に渡りリフォームされていることをお客様にご納得いただき、購入いただくことが可能となっています。さらに当社はオープンハウス等に来場されたお客様にアンケートを配付し同日に回収しております。アンケートにご回答頂いたお客様が物件購入に至らないとしても、今後購入いただける見込のお客様としてリスト化し管理しております。かかるリスト上の見込のお客様に対して、2017年3月期の当社グループにおける販売件数4,402件のうち、339件(販売件数に対する割合7.7%)を販売できております。2017年9月末時点で7,000人以上のお客様をリストに登録できております。この様な取り組みによりお客様からの問い合わせが増加した結果などにより、当社の2017年3月期販売物件のうち、27.7%がリフォーム中に成約しており、この割合は継続的に上昇基調を辿っており、広告費用の抑制及び在庫回転率の向上に寄与しております。
② 仲介販売
仲介販売は、各地域の不動産仲介会社が買主に当社グループの物件を紹介して販売することを言います。全国に宅地建物取引業者は、約12万社あります(出典 国土交通省 平成27年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果 - 国土交通省)。全国展開する当社グループは不動産仲介会社に販売協力を依頼することで、潜在顧客に対して幅広く当社の中古再生住宅の販売が可能となっております。
特にリプライスは、三大都市圏の郊外や地方都市の中心部という不動産仲介会社が多い地域の物件の取り扱いが多いことから、2017年3月期の販売件数951件のうち、767件(販売件数に対する割合80.7%)が不動産仲介会社を介した販売となっています。
当社グループの販売物件数の推移は以下のとおりであります。
販売方法 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 第2四半期累計期間 |
||||
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
|
不動産仲介会社経由 |
1,041 |
29.2 |
1,151 |
30.6 |
1,669 |
37.9 |
937 |
45.0 |
お客様 |
2,522 |
70.8 |
2,609 |
69.4 |
2,733 |
62.1 |
1,391 |
55.0 |
合計 |
3,563 |
100.0 |
3,760 |
100.0 |
4,402 |
100.0 |
2,328 |
100.0 |
当社
販売方法 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 第2四半期累計期間 |
||||
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
|
不動産仲介会社経由 |
707 |
23.6 |
701 |
23.1 |
902 |
26.1 |
513 |
30.1 |
お客様 |
2,294 |
76.4 |
2,333 |
76.9 |
2,549 |
73.9 |
1,328 |
69.9 |
合計 |
3,001 |
100.0 |
3,034 |
100.0 |
3,451 |
100.0 |
1,841 |
100.0 |
リプライス
販売方法 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 第2四半期累計期間 |
||||
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
件数 (件) |
比率 (%) |
|
不動産仲介会社経由 |
334 |
59.4 |
450 |
62 |
767 |
80.7 |
424 |
89.2 |
お客様 |
228 |
40.6 |
276 |
38 |
184 |
19.3 |
63 |
10.8 |
合計 |
562 |
100.0 |
726 |
100.0 |
951 |
100.0 |
487 |
100.0 |
(注)1.上記のグループ合計の件数は、当社及びリプライスの数値を合算しております。
2.「お客様」の中には、法人に対して販売している場合も含まれていますが、反復継続して取引を行うのではなく単発的な取引であり、ただ不動産登記の名義が法人名義であるとの認識のため、個人のお客様に併せて集計を行っております。
3.リプライスは、2016年3月期に決算期変更を行っております。そのため、2015年3月期は2014年4月1日から2015年3月31日まで、2016年3月期は2015年4月1日から2016年3月31日までの12ヶ月にて集計しております。
4.上記のリプライスの件数には、2016年9月2日に株式を売却した総合都市開発の数値が含まれております。
なお、当社とリプライスでは、事業展開するエリア及び取り扱い物件等によりビジネスモデルが異なるため、各社で独立して事業運営を行っております。それぞれの事業内容の特徴は、以下の通りであります。
(当社)
当社の中古住宅再生事業の特徴は、郊外の築20年~築40年という築年数の古い戸建の住宅を中心に安価に取得した上で、耐久性の確保と見栄えを良くすることを目的に外壁の塗り直し等の外装の修繕を行い、間取り変更や設備類の交換等で居室内を住みやすくし、さらに駐車スペースの拡大や庭木の伐採、門扉の刷新などまで含めて現代的な生活スタイルに合うリフォームを実施することで、そのままでは買い手が付かないような中古住宅を魅力ある住宅に蘇らせて販売することであります。各々の物件によって異なるものの、当社の物件購入時から販売までの流れとして、物件を600万円程度で仕入れ、60万円程度のその他費用(注1)が発生し、340万円程度のリフォーム費用をかけた上で販売価格を1,300万円程度とするケースが標準的であり、その際には粗利益が300万円程度確保できる想定となっております。
当社にてスクリーニング(注2)した地方(注3)の新築物件の平均価格が2,842万円である一方、当社の販売物件の平均売価が税込1,340万円(注4)であり、新築物件の市場価格の半額程度と手の届きやすい価格で販売しております。当社の物件購入後に負担する月々のローン支払い額は37,826円(注5)となっており、これは、地方の賃貸物件(単身世帯を除く)の月々の賃料48,396円(出所:総務省「平成25年住宅・土地統計調査 確報集計」)よりも安い金額でマイホームを所有できる価格設定となっております。
2017年3月期における年間販売件数3,451件のうち地方(注3)が3,009件と87.2%を占め、また、世帯年収200万円以上500万円未満の所得層のお客様が2,385件と69.1%となっております。
(注1:その他費用:不動産取得税、登録免許税、登記料、仲介手数料等の費用となっております。)
(注2:国土交通省「土地総合情報システム」より、当社にて取引時期2016年4月~2017年3月、建築時期:2016年以降、宅地(土地と建物)、延床面積50㎡以上200㎡以下、建物の用途を住宅としてスクリーニングしております。)
(注3:総務省の定義による三大都市圏(東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、名古屋圏(岐阜県、愛知県、三重県)、大阪圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県))以外であります。)
(注4:当社の2016年4月から2017年3月に販売した物件の平均売価となっております。)
(注5:当社の平均売価1,340万円を自己資金0円、固定金利1.0%、35年返済、ボーナス払い無しで計算した場合の金額であります。)
また、ターゲットエリアを人口5万人から30万人規模の地方都市としております。当該エリアは人口流動性が低いことに起因して、築年の浅い良質な中古住宅の流通量が少なく、また新築住宅の供給も少ないことから、リフォーム済み中古住宅の顧客ニーズが高いエリアと言えます。一方、競合他社にとっては、築古の中古住宅、特に戸建住宅に潜む特有のリスク(隣地との境界不明瞭や蟻害の発生等)が大きいこと、取引事例が少なく参考情報が少ないこと等からビジネスリスクが大きく、進出が難しい市場であります。当社はこのブルーオーシャンの市場で一定の販売価格を維持しながら事業を展開できているものと認識しております。
このような一般的には事業展開が難しいエリアでも当社が継続的にビジネスを拡大できている理由としては、全国を網羅する108店舗による物件仕入ルートの確保、及び地域に密着した現地従業員によるお客様ニーズの把握、1998年から約20年に渡り中古住宅再生事業を営んできたことによる住宅再生ノウハウの蓄積、設立以来累計販売件数4万件以上の実績、テレビCMを中心としたプロモーション活動による認知度の向上等が挙げられ、いち早く中古住宅再生事業に取り組んだ企業としての先行者利益を最大限に享受してきた結果と考えております。
当社の物件の仕入方法には「買取仕入」及び「競売仕入」がありますが、買取仕入の強化により安定的な仕入ルートが構築されてきたことから、外的要因により価格と物件数に変動が生じやすかった従来の主要仕入ルートである競売仕入の仕入件数に対する割合は2017年3月期では2.4%にまで逓減してきています。2017年3月期の仕入件数3,699件のうち3,611件(仕入件数に対する割合97.6%)が買取仕入であり、さらに買取仕入のうち1,279件が不動産仲介会社を介さない個人売主からの直接買取りになっております。このように、当社が地方部において中古住宅を流通させる選択肢として認知されることでさらに個人売主からの直接買取りによる仕入れが増える好循環ができつつあります。
なお、当社が全国に展開して高度なノウハウが必要な築古物件のリフォームを行い、清潔で快適な付加価値を付けた中古住宅として販売できているのは、時間をかけて全国各地のリフォーム協力会社と信頼関係を築き、強固なネットワークを構築してきたからでもあります。
(リプライス)
リプライスの中古住宅再生事業の特徴は、当社と異なり、都市圏の比較的築年数の浅い中古住宅を取り扱い、設備類を全面交換したり住宅の構造部分までリフォームを行うのではなく、壁紙や床材交換、水周り設備の一部交換等といったパッケージ化された簡易的なリフォームを行い、清潔で快適なリフォーム済み中古再生住宅として販売することにあります。各々の物件によって異なるものの、当社の物件購入時から販売までの流れとして、物件を1,200万円程度で仕入れ、70万円程度のその他費用が発生し、160万円程度のリフォーム費用をかけた上で販売価格を1,730万円程度とするケースが標準的であり、その際には粗利益が300万円程度確保できる想定となっております。具体的には、1989年以降に建築された築5年~30年の住宅を多く取り扱っているため、比較的築浅ゆえにリフォーム工事の期間を短縮化して在庫回転率を向上させるというビジネスモデルが確立されております。なお、2017年3月期の販売件数951件における戸建とマンションの割合は、戸建572件、マンション379件でおよそ6:4となっております。
また、ターゲットエリアを人口30万人から50万人の三大都市圏の郊外や地方都市の中心部としております。リプライスの取扱物件は築浅中心で、かつエリアが都市部であることから、競合他社は多く存在するものの、物件に関する情報を分析する部署(以下、「分析担当部署」という。)を設け、当該部署が独自の不動産売買のデータベースを基に中古住宅再生事業において重要な知見である「仕入・販売における適正な価格の算出」を行うことで、競争優位性を確保しております。当該データベースには、過去の自社取引事例及び競売入札・落札情報だけではなく、他社の競売入札・落札金額、その後の実販売価格など、一般には流通しない追跡情報も独自に取り込んで蓄積されております。仕入物件の情報が出た際には、当該データベースから近隣の取引事例や同様の築年数・間取り等の物件との比較を行い、さらに不動産販売ポータルからのマーケット情報、不動産仲介会社へのヒアリング結果等を勘案して、利益確保に直結する仕入価格を精緻に算定しております。リプライスの2017年3月期仕入件数979件のうち、394件(仕入件数に対する割合40.2%)は競売仕入と当社に比して仕入件数に対する競売仕入の件数の割合が高いのは、当該データベースに基づいた競合他社の入札事例等も参考にして入札価格を算出しているためであります。
リプライスは、上述の様に比較的人口密度が高く住宅流通量(取引事例)が多いエリアで、データベースに基づいた仕入価格の算出ノウハウがあるため、競合他社に比して競争優位性を確保しております。
当社グループの「中古住宅再生事業」の事業系統図は以下のとおりであります。
<事業系統図>
名称 |
住所 |
資本金 (百万円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
(連結子会社) |
|
|
|
|
|
株式会社リプライス |
愛知県名古屋市中区 |
75 |
中古住宅再生事業 |
100.0 |
資金の貸付あり 債務保証あり 役員の兼任あり |
(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.株式会社リプライスについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 16,524百万円
② 経常利益 1,221百万円
③ 当期純利益 1,020百万円
④ 純資産額 2,703百万円
⑤ 総資産額 8,694百万円
3.2017年5月31日付で、当社は、株式会社ニトリホールディングスの持分法適用会社となりました。詳細は、以下のとおりであります。
名称 |
住所 |
資本金 (百万円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
(その他の関係会社) |
|
|
|
|
|
株式会社ニトリホールディングス |
北海道札幌市北区 |
13,370 |
グループ会社の経営管理、並びにそれに付帯する業務 (家具・インテリア用品の販売) |
被所有 36.6 |
役員の兼任あり |
(注)有価証券報告書を提出しております。
(1)連結会社の状況
2017年9月30日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
中古住宅再生事業 |
595 |
(37) |
全社(共通) |
73 |
(29) |
合計 |
668 |
(66) |
(注)1.従業員数は、就業人員数であります。
2.従業員数の(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人員数であります。
3.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員数であります。
(2)提出会社の状況
2017年9月30日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
556 |
38.6 |
5.6 |
4,050 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
中古住宅再生事業 |
497 |
(28) |
全社(共通) |
59 |
(28) |
合計 |
556 |
(56) |
(注)1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
2.従業員数の(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人員数であります。
3.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員数であります。
(3)労働組合の状況
当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。