第二部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第4期

第5期

決算年月

平成26年3月

平成27年3月

売上高

(千円)

2,136,797

4,344,948

経常利益

(千円)

554,599

593,851

当期純利益

(千円)

346,124

368,676

包括利益

(千円)

346,124

373,975

純資産額

(千円)

410,447

2,189,082

総資産額

(千円)

1,611,530

3,438,391

1株当たり純資産額

(円)

41.04

122.85

1株当たり当期純利益金額

(円)

34.61

33.05

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

25.5

63.5

自己資本利益率

(%)

84.3

28.4

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

524,865

463,831

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

229,542

427,820

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

449,941

1,154,927

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

840,417

2,060,396

従業員数

(人)

22

66

(外、平均臨時雇用者数)

(14)

(28)

 (注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.第4期及び第5期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

3.第4期の自己資本利益率は連結初年度のため、期末自己資本に基づいて算定しております。

4.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

5.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

6.第4期及び第5期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。

7.平成27年10月21日開催の取締役会決議により、平成27年10月30日付で普通株式1株及びA種優先株式1株につき100株の株式分割を行っております。第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。なお、1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎のうち、A種優先株式は剰余金の配当請求権について普通株式と同等の権利を有しているため、普通株式と同等の株式としております。

8.当社は、平成27年11月12日付をもって、株主の請求に基づきA種優先株式の全て(818,100株)を自己株式として取得し、対価として普通株式818,100株を交付しております。その結果、発行済株式総数は普通株式のみの11,272,600株となっております。なお、当社が取得したA種優先株式については平成27年11月30日開催の取締役会決議に基づき同日付をもって全て消却しております。

(2)提出会社の経営指標等

回次

第1期

第2期

第3期

第4期

第5期

決算年月

平成23年5月

平成24年3月

平成25年3月

平成26年3月

平成27年3月

売上高

(千円)

86,354

182,560

760,880

2,136,797

4,344,948

経常利益

(千円)

316

53,385

37,513

520,137

601,397

当期純利益

(千円)

141

29,713

22,645

323,513

409,656

資本金

(千円)

1,000

1,000

1,000

1,000

700,930

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

100,000

100,000

100,000

100,000

104,545

A種優先株式

8,181

純資産額

(千円)

1,141

30,855

53,500

377,014

2,191,329

総資産額

(千円)

25,930

81,516

239,131

1,605,809

3,442,618

1株当たり純資産額

(円)

11.42

308.55

535.01

37.70

123.07

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

)

)

)

)

)

1株当たり当期純利益金額

(円)

1.42

297.14

226.46

32.35

36.72

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

4.4

37.9

22.4

23.5

63.5

自己資本利益率

(%)

12.4

185.7

53.7

150.3

32.0

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(人)

5

15

18

22

50

(外、平均臨時雇用者数)

(1)

(3)

(6)

(14)

(26)

 (注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.第1期から第3期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。第4期及び第5期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

3.第1期の自己資本利益率は、期末自己資本に基づいて算定しております。

4.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

5.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

6.第4期及び第5期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりますが、第1期、第2期及び第3期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)に基づき算出しており、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。

7.第2期は、決算期変更により平成23年6月1日から平成24年3月31日までの10ヵ月となります。

8.平成27年10月21日開催の取締役会決議により、平成27年10月30日付で普通株式1株及びA種優先株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが、第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。なお、1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎のうち、A種優先株式は剰余金の配当請求権について普通株式と同等の権利を有しているため、普通株式と同等の株式としております。

そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第1期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。

なお、第1期、第2期及び第3期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。

 

 

第1期

第2期

第3期

 

第4期

第5期

 

平成23年5月

平成24年3月

平成25年3月

 

平成26年3月

平成27年3月

1株当たり純資産額

(円)

0.11

3.09

5.35

 

37.70

123.07

1株当たり当期純利益金額

(円)

0.01

2.97

2.26

 

32.35

36.72

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

 

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

 

 

(-)

(-)

 

9.当社は、平成27年11月12日付をもって、株主の請求に基づきA種優先株式の全て(818,100株)を自己株式として取得し、対価として普通株式818,100株を交付しております。その結果、発行済株式総数は普通株式のみの11,272,600株となっております。なお、当社が取得したA種優先株式については平成27年11月30日開催の取締役会決議に基づき同日付をもって全て消却しております。

 

 

2【沿革】

当社は、感情を報酬に発展する社会を目指し、サービスやプロダクトで世の中に貢献したいと考えております。また、Akatsukiらしい価値観に基づく働き方や組織の在り方を世の中に示し、全ての人が笑顔で明るい社会を実現することで、Akatsukiが新しい時代の新しい価値観のシンボルでありたいという想いが込められています。当社の社名であるAkatsukiの由来はそうした想いのもと、「世界に夜明けを」という意味で、日本語の「暁」から取っております。なお、当社の変遷は次のとおりであります。

年月

概要

平成22年6月

東京都渋谷区において、ソーシャルゲーム(注1)の企画、開発及び運営を目的として株式会社アカツキを設立

平成22年9月

平成23年2月

平成24年7月

平成24年9月

 

 

平成25年7月

平成25年11月

平成26年3月

 

平成26年7月

平成27年1月

 

平成27年7月

 

株式会社ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」へソーシャルゲームの提供を開始

ブラウザゲーム(注2)「シンデレラナイン」をリリース

本社を東京都目黒区に移転

ブラウザゲーム「シンデレライレブン」をリリース

グリー株式会社が運営する「GREE」へソーシャルゲームの提供を開始

株式会社ミクシィが運営する「mixi」へソーシャルゲームの提供を開始

ネイティブアプリ(注3)「シンデレライレブン」をリリース

ネイティブアプリ「サウザンドメモリーズ」をリリース

株式会社バンダイナムコスタジオとの共同開発案件であるネイティブアプリ「テイルズ オブ リンク」(株式会社バンダイナムコエンターテインメント提供)iOS版をリリース(注4)

台湾に子会社Akatsuki Taiwan Inc.(現連結子会社)を設立

株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業により、ネイティブアプリ「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」Android版をリリース(注5)

株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業により、ネイティブアプリ「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」海外版をリリース

  (注)1.ソーシャルネットワーキングサービス(「SNS」)をプラットフォームとし、利用者同士の繋がり

や交流関係を活かしたゲームの総称

     2.ウェブブラウザ上にて操作可能なゲームの総称

     3.Apple Inc.が運営する「App Store」やGoogle Inc.が運営する「Google Play」等のアプリマーケットよ

りプログラムをダウンロードして利用するアプリケーション

4.Android版は平成26年4月にリリース

5.iOS版は平成27年2月にリリース

 

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、連結子会社1社(Akatsuki Taiwan Inc.)、非連結子会社2社(Akatsuki Limited.・株式会社DAWN)及び持分法適用関連会社1社(クリームフィールド株式会社)の合計5社により構成されております。

 当社グループは、社会ビジョンを「感情を報酬に発展する社会」、ミッションを「ゲームの力で世界に幸せを」と掲げており、人の心を動かすエンターテインメント領域においてソーシャルゲーム事業を行っております。

 「感情を報酬に発展する社会」については、お金などの目に見える報酬だけではなく、心やつながりといった目に見えない感情も報酬とする社会と定義しており、お金のような外から与えられる快楽ではなく自分の心の満足をもとに動いている社会、一人一人が本気でワクワクして、笑顔で楽しそうで、その活動自体が社会をよりよくしていく新しい形のボランタリーな社会を未来の社会として考えております。

 「ゲームの力で世界に幸せを」とは、「ゲームの力=人の心を動かす力」と考え、ゲームの力を使って世界をより幸せな場所に変えていけると定義しております。

 当社グループは、ソーシャルゲーム事業に加え、「ゲームの力」を活用して第三次産業(医療、教育、人材領域、地方創生など、以下「リアルライフ領域」という。)の多くで新たな価値を生み出していくために、リアルライフ領域における新しいサービスの企画・開発を現在行っております。

 なお、当社グループはソーシャルゲーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(1) ソーシャルゲーム事業について

 当社グループは、国内SNS運営事業者が提供するプラットフォーム(注1)やApple Inc.及びGoogle Inc.などのプラットフォーム運営事業者が運営する各アプリマーケットにおいて、ソーシャルゲームを提供するソーシャルゲーム事業を行っております。

 ソーシャルゲームは、これまでの家庭用ゲーム専用機のタイトルとは異なり、ユーザーが気軽に楽しめるゲームであり、月額基本料無料、一部アイテム課金制(注2)を採用するタイトルが主流となっており、当社グループが提供しているソーシャルゲームにつきましても同様の仕組みでサービスを提供しております。また、ソーシャルゲームの開発においては、「オリジナルタイトル」の制作だけではなく、アニメや漫画等の、ユーザー認知度の高いキャラクター等のIP(注3)を有する他社(IP使用会社)との協業により、IPを利用したソーシャルゲーム(以下、「他社IP利用タイトル」という。)の制作を行っております。

(注)1.ソーシャルゲーム等を提供する際の土台・基盤として利用されるSNSのこと

   2.無料で入手することが可能であるアイテムやカード等をゲームを有利に進めるために有料で提供すること

   3.Intellectual Property:著作権等の知的財産権

 

① オリジナルタイトルの制作

 オリジナルタイトルにつきましては、企画、開発、運用及びマーケティングまでのソーシャルゲームを提供する一連の過程を自社で実施しております。現在、当社グループの主要なタイトルである「サウザンドメモリーズ」を含め、オリジナルタイトルは合計で5タイトルをユーザーへ提供しております。

 

② 他社IP利用タイトルの制作

 他社IP利用タイトルにつきましては、IPを利用して他社との協業によりユーザーへソーシャルゲームを提供し、その収益についてはIP使用会社から当社グループへ配分されております。現在提供している他社IP利用タイトルは合計で2タイトルとなります。

<主な提供タイトル>

 当社グループでは、各プロダクト毎にターゲットユーザーを定め、それぞれ独自の世界観と体験を通じてユーザーに貢献するべく、サービス提供を行っております。

 

タイトル名

プラットフォーム

オリジナル/他社IP

ゲーム内容等

シンデレラナイン

Mobage

オリジナル

高校の女子野球部を舞台に全国大会で優勝を目指す育成型ゲーム

シンデレライレブン

App Store

Google Play

Mobage

オリジナル

新設の女子サッカークラブを舞台に女子校生のキャラクターを育成し、全国大会で優勝を目指す育成型ゲーム

サウザンドメモリーズ

App Store

Google Play

オリジナル

かわいいちびキャラを指でつなげて戦うアクションロールプレイングゲーム

テイルズ オブ リンク

App Store

Google Play

他社IP

「テイルズ オブ シリーズ」を題材としたロールプレイングゲーム

ドラゴンボールZ ドッカンバトル

App Store

Google Play

他社IP

「ドラゴンボールZ」を題材としたソーシャルゲーム

ソウル オブ クリスタル

Mobage

オリジナル

ストーリー型ダンジョンロールプレイングゲーム

 

[事業系統図]

0201010_001.png

(注)1. ユーザーからの課金アイテム等利用代金から決済手数料及びプラットフォーム手数料(プラットフォー

ム運営事業者による代金回収代行業務及び売上管理業務に対する手数料)を差し引いた金額が、プラット

フォーム運営事業者から当社グループへ支払われます。

 

2. ユーザーからの課金アイテム等利用代金から決済手数料及びプラットフォーム手数料を差し引いた金額が

プラットフォーム運営事業者からIP使用会社へ支払われ、当社グループへの配分額はIP使用会社より支払われます。

 

(2) 当社グループの特徴及び強み

当社グループの主な特徴及び強みは以下のとおりです。

 

① 企画力・プロデュース力

(a) オリジナルタイトルの企画力

 当社グループは、これまでブラウザゲーム及びネイティブアプリで合計16本の自社によるオリジナルタイトルをゼロから企画・開発しております。ソーシャルゲーム市場については、ユーザーがおもしろいと感じて楽しめるタイトルを提供することが重要と考えており、当社グループはソーシャルゲームを自社によるオリジナルタイトルでゼロから企画・開発を行っている強みがあると考えております。

 

(b) ノウハウの蓄積・企画立案プロセスの整備

 当社グループは、企画、開発及び運営に至る主要なプロセスを自社で一貫して行うことにより、ソーシャルゲームの開発及び運営のノウハウを蓄積してまいりました。また、既存タイトルにおける過去の施策とそのユーザー分析結果を開発・運営部門全体で共有することにより、新規タイトルの企画、開発や既存タイトルの運営にも応用しており、組織としてノウハウを蓄積・活用できる体制を構築していると考えております。

 なお、企画立案のプロセスからマーケティング部門が関わり、社内レビューやユーザーテストなどを繰り返し実施し、「世界観」と「面白さ」とを備えたゲームを分析的・継続的に再現できるプロセスを導入しております。

 

② 開発スピード

(a) 開発力

 当社グループは、専門能力を有する人材を確保し、ゲームの企画から開発・運営までを少人数で実現する体制を築くことで、ユーザーのニーズに沿った企画や機能を適時に取り込んだゲームを、開発費用を抑制しつつ市場に提供することが可能な体制となるよう努めております。

 

(b) 技術力

 当社グループは、ネイティブアプリ市場の立ち上がり当初から、複数の開発領域に対応できるエンジニアを採用・確保してまいりました。加えて、個々のゲームタイトルの開発時に、今後の新規タイトルにも流用できる技術資産を意識的に開発・蓄積しております。これにより、ネイティブアプリの開発において組織として高い技術的知見を保有するだけでなく、自社のゲームエンジン等の技術資産を応用することにより、新規タイトルの開発期間を1年以内に短縮できる技術力を実現していると考えております。

 

③ 運用力

(a) オリジナルタイトル及び他社IP利用タイトルの展開

 当社グループはオリジナルタイトルの開発と他社IP利用タイトルの開発を行っております。オリジナルタイトルはゲーム内で使用するイラスト費やプロモーションコストを当社グループで負担する必要がありますが、当社グループに対する収益分配率は高くなります。一方、アニメや漫画等の有力なIPは、IP使用会社等への収益分配があるため、収益分配率がオリジナルタイトルと比べ低くなりますが、ゲーム内で使用するイラスト費やプロモーションコストを抑えることが可能であることに加えて、ユーザーの認知度が高いため、サービス開始直後から一定のユーザーの獲得を見込むことができると考えております。そのため、ターゲットユーザーや収益構造が異なるオリジナルタイトルと他社IP利用タイトルのゲームコンテンツを共に提供することによりリスクをヘッジすることが可能と考えております。

 

(b) 複数タイトルの運営体制

 当社グループは、継続的に安定的な収益を確保するために、ノウハウの共有やツール等の自動化を行い、複数の既存タイトルの運営と新規タイトルの開発を同時並行で行う体制を構築しております。また、国内外において優秀な人材の採用を積極的に進めることにより、一人当たりの効果的な生産性を実現し、少ない人員数でそれぞれのタイトルを運用する体制を実現していると考えております。

 

(c) データ分析及びPDCAサイクルの実行

 ソーシャルゲームは、これまでの家庭用ゲーム専用機向けタイトルとは異なり、サービスの開始後もユーザーの動向に合わせてゲーム内容の改良を常に行っていくことが必要となっております。当社グループは、DAU、課金率、ARPPU(注)等の基礎的なデータを初めとして、ユーザーの行動履歴を示す各種指標を取得することによりユーザーの動向を把握し、各種施策を適時に実施することにより収益向上に取り組んでおります。また、ユーザーから寄せられたクレームやコンテンツの問題点を認識し、それを改善するための計画の立案、実行及び修正というPDCAサイクルを繰り返し実行することにより、ユーザー基盤の維持・拡大とさらなる収益の拡大を図っております。

 

   (注)DAU(Daily Active Users):1日においてサービスを利用したユーザー数

      課金率:サービスを利用しているユーザーのうち課金アイテムを購入したユーザーの割合

      ARPPU(Average Revenue Per Payed User):課金ユーザー1人当たりの平均売上高

 

(d) マーケティング力

 当社グループでは、ウェブだけでなくテレビCMを含めた効率的なマーケティングを意識して実践しております。具体的には、マーケティング部門が各ゲームタイトルの企画・開発段階から関わることにより、プロダクトを理解した上でマーケティング施策を立案できる体制を構築していると考えております。また、各マーケティング施策に対して詳細なデータ分析を行い、PDCAを実施することにより、ユーザー獲得単価を適切な水準にコントロールできております。

 また、マルチメディア展開、他社とのコラボレーションやリアルイベントなどにより、ユーザーを長期的にファン化する取り組みも積極的に行っております。

 これらの結果、広告宣伝費を効率的に活用し、収益性の確保に努めております。

 

④ 海外オペレーション力

 当社グループは、国内だけでなく今後成長が見込まれる海外市場においても、当社グループのソーシャルゲームを提供していく必要があると考えており、台湾にある海外子会社(Akatsuki Taiwan Inc.)が運用主体となって、日本のノウハウを展開することで、日本と同水準のユーザーエンゲージメントでのサービスをグローバルに展開するオペレーション体制を構築しております。具体的には、当社グループで実績のあるタイトルにつきましては、台湾子会社にて海外向けにローカライズ(注)することにより提供し、国内での運用ノウハウを展開することにより、効率的な運用を目指しております。

 また、新規タイトルにつきましては、当社グループ内で密に連携することにより、国内・海外において各国の市場の状況に応じて適時にソーシャルゲームを提供できる体制を構築していると考えております。

 

   (注)ローカライズとは、ソフトウェアの多言語対応の段階の一つで、国際化されたソフトウェアをある特定の言語へ調整し、各国に対応させることをいいます。

 

⑤ 組織力・企業文化

 当社グループは、メンバー一人ひとりがモチベーション高く、それぞれの才能を最大限活用でき、さらにチームとしても最高のパフォーマンスを発揮できる組織作りや、新しいサービスを生み出すという「ものづくり」としての企業文化構築を重視しています。そのために企業理念やカルチャーに適合する人材を採用するとともに、人材育成のための研修や人事施策、企業文化の醸成やオフィス環境の整備に対して積極的に投資しております。

 

⑥ ゲーム企画・開発経験の豊富な経営陣

 当社グループの経営陣は、自らが複数のソーシャルゲームの企画・開発に携わっており、サービスへの理解と経験があります。そのような経営陣及びプロデューサー陣の目利き・クオリティチェックにより、ゲームのクオリティを担保し、ヒットタイトルを継続的に生み出す体制構築を図っております。

 

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 Akatsuki Taiwan Inc.

 

台湾

台北市

 

3,000

万台湾ドル

ソーシャルゲーム事業

100.0

海外用アプリの開発委託

役員の兼務2名

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

クリームフィールド株式会社

 

東京都

渋谷区

100,510

千円

ソーシャルゲーム事業

40.1

アプリの開発委託

 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

    2.上記以外に非連結子会社が2社あります。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4.特定子会社に該当する会社はありません。

 

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

平成28年1月31日現在

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ソーシャルゲーム事業

 

101

   (52)

合計

 

101

   (52)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイトを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.従業員数が最近1年間において38名増加しましたのは、主として業容拡大に伴う定期及び期中採用によるものであります。

3.当社グループは、ソーシャルゲーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています

 

(2) 提出会社の状況

 

平成28年1月31日現在

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

  59

  (52)

29.7

1.8

6,067

 

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイトを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数が最近1年間において8名増加しましたのは、主として業容拡大に伴う定期及び期中採用によるものであります。

4.当社は、ソーシャルゲーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(3) 労働組合の状況

  労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。