第二部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第6期

第7期

決算年月

平成26年2月

平成27年2月

売上高

(千円)

10,598,321

11,377,378

経常利益

(千円)

301,244

237,232

当期純利益

(千円)

126,411

231,624

包括利益

(千円)

126,608

232,833

純資産額

(千円)

2,116,332

2,345,400

総資産額

(千円)

5,497,728

6,123,318

1株当たり純資産額

(円)

556.47

617.71

1株当たり当期純利益金額

(円)

45.03

60.94

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

38.49

38.30

自己資本利益率

(%)

8.05

10.38

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

120,414

473,978

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

605,389

247,585

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

870,798

321,778

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,206,130

1,110,746

従業員数

(人)

236

264

(外、平均臨時雇用者数)

(208)

(225)

 (注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

3.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

4.第6期および第7期の連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。

5.平成27年5月27日開催の第7期定時株主総会により、平成27年6月12日付で10株につき1株の割合で株式併合をおこなっておりますが、第6期の期首に当該株式併合がおこなわれたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額を算出しております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

平成23年2月

平成24年2月

平成25年2月

平成26年2月

平成27年2月

売上高

(千円)

172,242

222,053

288,615

301,431

313,225

経常利益

(千円)

10,990

177,984

22,531

11,162

15,715

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

1,156

10,301

310,713

5,574

10,443

資本金

(千円)

303,727

343,609

343,609

826,859

826,859

発行済株式総数

(株)

27,312,845

28,209,315

28,209,315

38,382,999

38,382,999

純資産額

(千円)

976,490

1,066,556

724,180

1,696,254

1,702,932

総資産額

(千円)

2,611,442

2,859,062

2,366,117

3,352,386

3,497,140

1株当たり純資産額

(円)

35.75

37.80

25.99

446.01

448.50

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

()

()

()

()

()

1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

0.04

0.37

11.09

1.98

2.74

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

37.39

37.30

30.61

50.60

48.70

自己資本利益率

(%)

0.16

1.00

0.46

0.61

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(人)

7

11

11

12

15

(外、平均臨時雇用者数)

()

()

()

()

()

 (注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

4.自己資本利益率については、第5期は、当期純損失が計上されているため、記載しておりません。

5.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

6.第6期および第7期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりますが、第3期、第4期および第5期の財務諸表については、監査を受けておりません。

7.平成27年5月27日開催の第7期定時株主総会により、平成27年6月12日付で10株につき1株の割合で株式併合をおこない、発行済株式総数は3,838,299株となっております。第6期の期首に当該株式併合がおこなわれたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額を算出しております。

8.当社は、平成27年6月12日付で株式10株につき1株の株式併合をおこなっております。

そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第3期の期首に当該株式併合がおこなわれたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。

なお、第3期、第4期および第5期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

 

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

平成23年2月

平成24年2月

平成25年2月

平成26年2月

平成27年2月

1株当たり純資産額

(円)

357.52

378.08

259.96

446.01

448.50

1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

0.42

3.75

△110.95

1.98

2.74

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

 

2【沿革】

 当社は、食品の製造および販売をおこなう日本全国の中小企業の支援・活性化を目的として、平成20年3月に吉村元久(現 代表取締役CEO)により設立されました(設立時の商号は、株式会社エルパートナーズでありましたが、商号変更を経て、現 株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスとなっております。)。

 当社は、設立以来、事業承継問題を抱える企業や単独での経営に行き詰まった企業をグループ化し、相互に補完、成長する仕組み(中小企業支援プラットフォーム)を構築してまいりました。当社設立以後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。

平成20年3月

東京都港区において、中小企業の支援・活性化を目的として株式会社エルパートナーズを設立

平成20年8月

商号を株式会社レバレッジパートナーズへ変更

平成20年12月

業務用食材の企画・販売を主な事業とする株式会社ミズホ(現株式会社ヨシムラ・フード)、およびシウマイの製造・販売を主な事業とする楽陽食品株式会社の株式を株式会社篠崎屋から譲り受け

平成21年8月

商号を株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスへ変更

平成22年1月

民事再生申立てをおこなった弁当総菜の製造・販売を主な事業とする株式会社サンキフーズの事業を、当社が新設した子会社(株式会社サンキフーズ)において譲り受け

平成22年2月

株式交換により、白石温麺等乾麺の製造・販売を主な事業とする白石興産株式会社、株式会社麺寿庵(白石興産株式会社の子会社)を完全子会社化

平成22年7月

冷凍食品の企画・販売を主な事業とする株式会社ジョイ・ダイニング・プロダクツの株式を創業者から譲り受け

平成22年12月

清酒の製造・販売を主な事業とする株式会社桜顔酒造の株式をみちのくコカ・コーラボトリング株式会社から譲り受け

平成23年2月

株式交換により株式会社ミズホを完全子会社化

平成23年2月

株式会社ミズホから、株式会社サッポロ巻本舗の株式を譲り受け

平成23年2月

健康食品の通信販売を主な事業とする株式会社エイチエーシーの株式を株式会社ユニマットライフから譲り受け

平成23年6月

株式交換により株式会社エイチエーシーを完全子会社化

平成24年2月

株式交換により楽陽食品株式会社を完全子会社化

平成24年2月

株式会社サンキフーズを譲渡

平成24年10月

株式会社ヨシムラ・フードのデリカ事業部を譲渡

平成24年10月

株式会社サッポロ巻本舗の株式を譲渡

平成25年1月

民事再生申立てをおこなった、かきフライ等の製造・販売をおこなう株式会社オーブンおよび株式会社オーブン愛媛の事業を、当社が新設した子会社(現株式会社オーブン)において譲り受け

平成25年2月

株式会社エイチエーシーの株式を譲渡

平成25年9月

楽陽食品株式会社の藤枝工場が新規稼働し、全国5工場体制へ

平成25年9月

白石興産株式会社が関係会社であった白石物産商事株式会社と合併

平成26年2月

ピーナッツ加工品の製造・販売をおこなう株式会社ダイショウの株式を譲り受け

平成26年12月

楽陽食品株式会社の姫路工場に自動餃子製造設備を導入し、関西地区の餃子市場へ参入

平成27年2月

当社が新設した子会社(現株式会社雄北水産)において株式会社雄北水産からマグロ加工品の製造・販売事業を譲り受け

平成27年8月

楽陽食品株式会社の秩父工場に自動餃子製造設備を導入し、関東地区の餃子市場へ参入

 

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、連結子会社8社および非連結子会社1社により構成されております。

 当社は、食品の製造および販売をおこなう中小企業の支援・活性化を目的とし、持株会社として、グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなうとともに、子会社に対し、営業、製造、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに支援および統括をおこなっております。当社の統括により、各子会社の“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合う仕組み「中小企業支援プラットフォーム」を構築しております。

 

(1)当社設立の背景

a.中小食品企業を取り巻く状況

 日本食は世界的にも極めて高い評価を受け注目されている分野であると同時に、国内の食品産業は1990年代から一貫して事業所数、雇用者数、GDPの面から最大の業種であり、日本が誇る基幹産業であります。この産業は、その企業数の99%を中小企業が担っており、それぞれが優れた商品や技術力を持っております。

 しかしながら、少子高齢化等により国内の市場規模は縮小し続けており、一部の中小食品企業にとっては、単独での生き残りが難しい経営環境が続いております。そのため、多くの企業が事業継続をあきらめて廃業や事業停止を選択する状況となっております。

 

b.中小企業の事業承継の状況

 経営者の平均引退年齢は70歳前後(※1)となる中、経営者の平均年齢は59.0歳(※2)に達し、今後10年間で約50%の経営者が平均引退年齢を迎えることが予想されます。そうした中、国内企業の3分の2にあたる65.4%(※3)が後継者不在となっており、事業承継の準備をおこなっている企業は、社長が60歳代でも約40%(※4)にとどまるなど、事業承継の準備が進んでいない状況にあります。

(※1)中小企業庁「中小企業白書」(2013年版)、(※2)㈱帝国データバンク「2015年全国社長分析」、(※3)㈱帝国データバンク「後継者問題に関する企業の実態調査」、(※4)中小企業庁「中小企業白書」(2014年版)

 

c.中小食品企業における事業承継の受け皿の状況

 中小食品企業では、事業承継ニーズが高まる一方で、受け皿となる会社や組織が少ないのが現状です。大企業にとっては、受け皿となるには規模が小さいことが多く、投資ファンドにとっては、単独での高い成長と数年以内の売却を主な目的としていることから、成熟市場にある中小食品企業は投資対象になりにくく、事業承継の担い手が圧倒的に不足する原因となっております。

 

d.当社グループのビジネスモデルについて

 このような全国の中小食品企業が抱える事業承継問題に対応して、当社グループでは、当社が構築する「中小企業支援プラットフォーム」により事業の受け皿となることで、この問題を解決してまいります。

 また、受け入れた中小食品企業の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウ等を伸ばしつつ、人材・資金不足、販路拡大といった様々な課題を解決して、さらなる業績の拡大を図ります。

 「中小企業支援プラットフォーム」は、当社が食品の製造・販売に特化して取り組んできた実績とノウハウの蓄積により構築してきたものであります。これは、食品業界全般の企業に対し汎用的に用いることができるものと考えております。

 なお、当社は、グループ化した子会社の売却を目的としていないため、中長期的な視点から子会社の持続的な成長の実現に向けた取り組みをおこなっております。このため、事業規模が小さく成長に時間がかかる企業や、成長のための経営資源が不足しているような企業などを含め、幅広い中小企業の受け皿になっております。

 当社グループのビジネスモデルの独自性が評価され、平成26年に官民ファンドである株式会社産業革新機構から出資を受けております。

0201010_001.png

(2)当社および当社グループ各社の事業における位置づけおよびセグメント区分

a.株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスについて

 当社は持株会社として、当社グループ全体の戦略の立案・実行、経営管理をおこなうほか、機能別に配置した統括責任者がグループリソースを活用することで子会社の支援および統括をおこなっております。

 

b.事業子会社について

 子会社の事業の種別に応じて「製造事業セグメント」と「販売事業セグメント」に分かれております。

 

(a)製造事業セグメント

 それぞれの会社が独自の商品を開発、製造し、卸売業者を通じて日本全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア等へ販売をおこなっております。

名称

事業内容と特徴

販売先

楽陽食品㈱

(東京都足立区)

国内5カ所の工場において、チルドシウマイおよびチルド餃子を製造し、販売しております。チルドシウマイの生産量は国内トップシェアを誇り、主力商品である「チルドシウマイ」は年間約2,683万パック(注1)販売しております。

主に、大手スーパーとの直接取引や、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー量販店、ドラッグストア、生活協同組合等へ販売しております。

㈱オーブン

(愛媛県四国中央市)

供給量が限られた広島県産カキを調達する独自のルートをもち、かきフライを主力商品として、鶏なんこつのから揚げやささみフライ等を製造販売しております。

主に、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー量販店、生活協同組合等へ販売しております。

白石興産㈱

(宮城県白石市)

創業130年、宮城県白石市特産の白石温麺を主力商品とし、伝統的な製法により製造される乾麺等の製造販売をおこなっております。

主に、大手食品商社を経由して、東北地区、関東地区のスーパー量販店、ドラッグストア、生活協同組合等へ販売しております。

㈱ダイショウ

(埼玉県比企郡ときがわ町)

ピーナッツバターのパイオニアであり、独自の製法により作られる「ピーナッツバタークリーミー」は昭和60年の販売開始以来、30年続くロングセラー商品です。

主に、大手食品商社を経由して、主に関東地方のスーパー量販店、ドラッグストアへ販売しております。

㈱桜顔酒造

(岩手県盛岡市)

昭和48年岩手県の地場の酒蔵10社が集まり設立。岩手県卓越技能者表彰(注2)を受賞した杜氏が造る日本酒は、全国新酒鑑評会や東北清酒鑑評会等で数々の賞を受賞(注3)しております。

主に、酒卸問屋等を経由して、岩手県内のスーパー、飲食店、ドラッグストア等へ販売しております。

㈱雄北水産

(神奈川県足柄上郡大井町)

捕獲後すぐに船上で-50~60度で瞬間冷凍される船凍品のマグロのみを使用したねぎとろ、まぐろ切り落としを製造販売しております。

主に、水産卸売市場を経由して、主に関東地方と東北地方のスーパー量販店へ販売しております。

 (注)1.平成27年2月期に楽陽食品㈱において製造されたチルドシウマイの販売量となります。

2.㈱桜顔酒造の杜氏である猪川栄四郎が、岩手県がおこなう平成24年度岩手県卓越技能者表彰を受賞しております。

3.平成12年、20年、21年、23年に全国新酒鑑評会において金賞を受賞しております。また、平成12年、24年、26年、27年に東北清酒鑑評会において優等賞を受賞しております。

 

(b)販売事業セグメント

 販売機能と企画機能を強みとしており、消費者のニーズを捉えた商品を企画開発し、主に業務用チャネルへの販売をおこなっております。また、独自の調達ルートや販売ルートを活用することで、当社グループ各社への原材料の供給や当社グループ各社の商品の販売を行い、販路拡大の役割も担っております。

名称

事業内容と特徴

販売先

㈱ヨシムラ・フード

(埼玉県越谷市)

業務用食材の企画・販売を主とし、自社で物流機能を持たず、販売先へ直送するビジネスモデルを構築しております。

外食産業、スーパー惣菜、産業給食、コンビニエンスストアベンダー、医療福祉関係、学校給食など、多種多様な販路を有しております。

㈱ジョイ・ダイニング・プロダクツ

(埼玉県越谷市)

冷凍食品の企画・販売をおこなっております。日本全国の生活協同組合と直接口座を有しており、それを活用してグループ商品の販売もおこなっております。

主に、全国の生活協同組合や宅配業者に対して販売しております。

 

(3)当社グループの中小企業活性化ビジネスの特徴

a.事業承継の受け皿としての当社の強み

 当社は、支援・活性化をおこなう中小企業を原則子会社化し、短期的でなく中長期的な視野に基づきグループ一丸となって経営をおこなっているため、事業の継続を望む中小企業の株主や経営者が安心して任せられる、従業員も安心して働くことができる環境を構築しております。

 また、創業以来、中小の食品関連企業に特化し、8社の子会社化とその後の再成長への取り組みをおこなってまいりました。そのため、当社は食品業界の市場環境や商習慣、中小食品企業特有のリスク等を熟知しており、数ある中小企業の中から強みを持つ企業を選ぶ目利き力を磨き、デューデリジェンスや交渉のノウハウ、知見を蓄積してまいりました。

 さらに、都市銀行、地方銀行、信用金庫、証券会社などの金融機関、M&Aアドバイザリー業務をおこなう企業等の幅広いネットワークを構築しており、中小食品企業のM&A情報を得る体制を構築しております。

 

b.中小企業支援プラットフォーム

 「中小企業支援プラットフォーム」は、中小企業が本来持っている“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合うことを目的とし、各子会社がおこなう業務(営業、製造、商品開発、品質管理、経営管理など)を、当社の統括責任者が、会社の壁を超えて横断的に統括し、有機的に結び付ける仕組みです。

 機能別に子会社を横断的に管理するため当社内に設けた部署に所属する統括責任者のもと、各子会社が持つ販路、生産管理手法、商品開発ノウハウなどを共有し、子会社各社での相互活用や、経営管理の効率化、グループ信用力を活用した資金調達により当社グループ全体で成長を実現しております。

0201010_002.png

(a)販路の拡大

 中小食品企業の販売の現場では、魅力ある商品を製造している企業であっても、規模の制約から全国への販路の拡大が十分とは言い難い場合があります。

 当社の営業統括責任者は、グループ各社が持つ日本全国の様々なチャネルや販売先を把握し、グループ内で取引先の共有や紹介、クロスセル(既存販売先へのグループ商品の販売)および営業管理・支援をおこなうことで、各社の新規販売先の開拓を実現しております。また従来、個社では取組むことができなかった大型のプライベートブランド商品の製造も受注しております。

 

(b)製造の効率化

 中小食品企業の製造の現場では、既存の設備を使い従来の製造手法で製造を続けているため、生産効率が必ずしも高くないことが多く見られます。

 当社の製造統括責任者は、グループにある11カ所すべての製造拠点を把握し、多様な生産管理ノウハウを蓄積しているため、従来の取組みとは異なる発想で、各製造拠点の効率化・合理化をおこなっております。また、当社資金を活用した設備投資により、生産効率の向上とコストダウンを実現いたします。さらに、原価計算を正確におこなうことで、商品別、取引先別に取引の適正性を把握し、的確な意思決定をおこなえる仕組みを構築しております。

 

(c)新規商品の開発

 中小食品企業の開発の現場では、商品開発の専門的なノウハウを持った人材は費用対効果の面で採用することが難しいことがあります。

 当社の商品開発の専門者を統括責任者とし、グループ各社の商品開発を行う際に消費者調査等をもとに顧客ニーズを捉えた商品を開発しております。また、販促企画や大手量販店のプライベートブランド商品の開発もおこなっております。

 

(d)品質管理体制の強化

 中小食品企業の品質管理の現場では、昨今の異物混入等の品質関連の問題を受けて、品質管理の負担が経営の圧迫要因の1つとなっていることがあります。

 当社の品質管理統括責任者は、当社グループの品質管理に関する業務を統括し、各製造拠点や仕入先の品質管理体制を強化しております。また、食品関連の法規制に対する法令順守の体制を構築し、安心・安全な食品を提供しております。

 

(e)経営管理の充実

 中小食品企業の経営管理の現場では、経営管理に多くの人員を割くことができないため、経営状況を正確かつ迅速にとらえることができず、的確な意思決定ができないことや重大なリスクを見過していることがあります。

 当社の統括本部および経営企画室は、子会社の経営状況を迅速かつ正確に把握し、対策を検討、実行することで、経営の意思決定スピードを上げ、強固な経営管理体制を構築しております。

 

(f)資金調達および資金力

 中小食品企業の資金調達の現場では、資金調達に奔走し本来の営業活動や製造活動に注力できないことや、資金不足により設備投資や人材の採用・育成など長期的な成長に必要な投資ができなくなっていることがあります。

 当社グループは、キャッシュマネジメントシステムの導入によりグループ内の資金を効率的に活用することで、グループ各社の資金繰りに関する業務負担が無くなっております。

 また、資金不足の解消により、中長期的な成長に向けた設備投資や人材採用や育成が可能となります。

 

(g)人材の確保

 中小食品企業の人材採用の現場では、知名度や安定性に欠けるため優秀な人材を採用することが難しいことがあります。

 当社グループは、グループ全体の規模と知名度を生かすことで、業界内外から優秀な人材の採用をおこなうことができます。

 また、子会社化の中から企業経営や生産管理等の経験を持つスペシャリストを統括責任者として昇格させることで、グループ内のモチベーションを上げ、優秀な人材の確保をおこなっております。

 

(h)プラットフォームの拡張性

 現在の8社体制においても中小企業支援プラットフォームは有益な効果を上げていると考えておりますが、今後子会社が増加することにより、グループが保有する販路等の経営リソースを増加させることができるようになります。それにより、既存の子会社にとっても新たな販路拡大の機会や新たな生産効率化ノウハウの獲得などの効果が生じることとなります。子会社の増加は、新たな企業の支援という意味だけでなく、既存の子会社にとっても新たな経営リソースとして作用するものと考えております。

 

c.地域の活性化

 当社では、子会社の株式会社桜顔酒造(岩手県)、白石興産株式会社(宮城県)、株式会社オーブン(愛媛県)に代表されるように、地方の中小食品企業の事業承継を積極的に検討してまいりました。当社の中小企業支援プラットフォームを活用することで、これまで地域を限定して販売されている魅力ある商品を全国(および一部海外)に展開することや、当社の資金を活用して新たな設備投資をおこなうことができます。これにより、地方の中小食品企業の再成長と地方経済の活性化を促しております。

 

 なお、当社は、有価証券の取引等の規則に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

 事業の系統図は、次のとおりであります。

 

0201010_003.png

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

㈱ヨシムラ・フード

(注)3

埼玉県越谷市

50,000

販売事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

当社への債務保証

経営指導料の支払い

楽陽食品㈱

(注)2、3

東京都足立区

98,000

製造事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

当社による債務保証

当社への債務保証

経営指導料の支払い

白石興産㈱

宮城県白石市

80,000

製造事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

当社による債務保証

当社への債務保証

経営指導料の支払い

㈱ジョイ・ダイニング・プロダクツ

埼玉県越谷市

10,000

販売事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

当社への債務保証

経営指導料の支払い

㈱桜顔酒造

(注)2

岩手県盛岡市

90,000

製造事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

当社による債務保証

当社への債務保証

経営指導料の支払い

㈱オーブン

(注)3

愛媛県四国中央市

9,000

製造事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

当社への債務保証

経営指導料の支払い

㈱ダイショウ

埼玉県比企郡ときがわ町

9,000

製造事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

経営指導料の支払い

㈱雄北水産

神奈川県足柄上郡大井町

10,000

製造事業

所有

100.0

役員の兼任あり。

資金の貸借あり。

経営指導料の支払い

その他1社

(非連結子会社)

 

 

 

 

 

 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。

2.特定子会社に該当しております。

3.楽陽食品㈱、㈱ヨシムラ・フード、㈱オーブンについては売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

(単位:千円)

 

 

楽陽食品㈱

㈱ヨシムラ・フード

㈱オーブン

売上高

3,459,181

4,045,937

2,378,655

経常利益

82,677

35,763

18,305

当期純利益

55,355

31,849

10,486

純資産額

832,337

90,241

207,203

総資産額

1,923,405

1,127,439

1,180,574

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

平成27年12月31日現在

 

セグメントの名称

従業員数(人)

製造事業

226

(242)

販売事業

28

(-)

報告セグメント計

254

(242)

全社(共通)

15

(-)

合計

269

(242)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分されない従業員数であります。

 

(2)提出会社の状況

平成27年12月31日現在

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

15(-)

40.5

3.1

6,903

 

セグメントの名称

従業員数(人)

全社(共通)

15

(-)

合計

15

(-)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分されない従業員数であります。

 

(3)労働組合の状況

 労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は良好に推移しております。