回次 |
第10期 |
第11期 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
第15期 |
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決算年月 |
平成22年11月 |
平成23年7月 |
平成24年7月 |
平成25年7月 |
平成26年7月 |
平成27年7月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
財務活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
( |
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、子会社1社(Hatena Inc.)を有しておりますが、持分法非適用の非連結会社であるため、記載しておりません。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
5.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
6.第10期、第11期、第12期及び第13期はキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。
7.第11期は、決算期変更により平成22年12月1日から平成23年7月31日までの8ヶ月間となっております。
8.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は年間平均人員を( )内にて外数で記載しております。
9.第14期、第15期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりますが、第10期、第11期、第12期及び第13期の財務諸表につきましては、当該監査を受けておりません。
10. 当社は平成27年11月26日開催の取締役会決議に基づき、平成27年12月11日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが、第14期の期首に株式分割が行われたものと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
11.当社は、平成27年12月11日付で株式1株につき100株の株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現 日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第10期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりとなります。
なお、第10期、第11期、第12期及び第13期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。
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第10期 |
第11期 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
第15期 |
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平成22年11月 |
平成23年7月 |
平成24年7月 |
平成25年7月 |
平成26年7月 |
平成27年7月 |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
106.29 |
118.49 |
150.23 |
181.01 |
209.40 |
231.20 |
1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
27.69 |
12.15 |
30.20 |
24.59 |
28.39 |
24.36 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
1株当たり配当額 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
(うち1株当たり中間配当額) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
(-) |
年月 |
事項 |
平成13年7月 |
インターネットによる情報提供サービスを事業目的として、京都府京都市下京区にて有限会社はてな(資本金3,000千円)設立。 |
平成13年7月 |
質問やアンケートを投稿して疑問や悩みを解決するQ&Aサイト「人力検索サイトはてな」 サービス開始。 |
平成15年3月 |
ブログサービス「はてなダイアリー」 サービス開始。 |
平成16年2月 |
株式会社はてなに改組。 |
平成16年4月 |
東京都渋谷区に本店移転。 |
平成17年1月 |
写真・動画共有サービス「はてなフォトライフ」 サービス開始。 |
平成17年2月 |
リスティング広告((注)1.) 営業開始。 |
平成17年8月 |
新しい情報体験を提供する、ソーシャルブックマークサービス((注)2.) 「はてなブックマーク」 サービス開始。 |
平成17年12月 |
タイアップ広告を販売開始。 |
平成18年7月 |
Google Ireland LTDとのアフィリエイト広告におけるプレミアム契約((注)3.)開始。 |
平成19年7月 |
ブログにワンクリックで☆((注)4.)が付けられるサービス「はてなスター」 サービス開始。 |
平成19年12月 |
ミニブログサービス((注)5.)「はてなハイク」 サービス開始。 |
平成20年5月 |
東京都目黒区に本店移転。 |
平成21年3月 |
カラースターショップ((注)6.)にて販売されている、はてなスターの色違いバージョン「カラースター」 サービス開始。 |
平成24年10月 |
東京都港区に本店移転。 |
平成24年11月 |
当社で企画・構築支援を行った任天堂株式会社のネットワークサービス「Miiverse(ミーバース)((注)7.)」が公開・運用開始。 |
平成25年1月 |
「はてなダイアリー」をフルリニューアルしたブログサービス「はてなブログ」 サービス開始。 |
平成25年1月 |
はてなユーザーとTwitterユーザーが利用できるコミュニティサービス「はてなスペース」 サービス開始。 |
平成26年3月 |
企業向けオウンドメディア((注)8.)支援サービス「はてなブログ Media」 サービス開始。 |
平成26年8月 |
アドベリフィケーション((注)9.)機能「BrandSafe はてな」 サービス開始。 |
平成26年9月 |
クラウド支援サービス((注)10.)「Mackerel」 サービス開始。 |
(注)1.ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力し、検索した結果に連動して表示される広告。
2.インターネット上にブックマークを保存し、複数のパソコン等からブックマークを共有する仕組み。
3.Google Ireland LTDが一律に提供する約款に基づく契約ではなく、当社との個別契約を締結したこと。
4.「ちょっといいな」と思った気持ちを既存のブログにワンクリックで☆がつけられる仕組み。
5.まとまった文章を投稿するのではなく、数十から百文字程度の短文を投稿するようにデザインされているブログサービス。
6.はてなポイントやクレジットカード等の決済方法でカラースターを購入できるインターネット上のショップ。
7.任天堂のゲーム機「Wii U」と「ニンテンドー3DS」に内蔵されているネットワークサービス。
8.ユーザーとの深い関係性を目的として企業やメディアが自ら構築・運営するサイトのこと。
9.広告主が意図していない不適切なサイトへの広告配信を防ぐ仕組み。
10.クラウドとはクラウドコンピューティングの略語で、ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュータ資源の利用形態。当社のクラウド支援管理サービスは、クラウドサービスにて稼働するサーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を監視することができるサービスのこと。
当社は『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションに掲げ、「技術で支えられているサービスを提供する会社」として技術を磨き、インターネット領域において様々なサービス提供を行っております。
21世紀に入り、インターネットによって人々の生活や企業の行動は大きく変化してまいりました。そしてこの進化はますますそのスピードを上げ、社会に大きな影響を与え続けるものと考えられます。当社はこうした変化を積極的に捉え、提供サービスの創造・進化を通じて、生活者の利便性や豊かさの向上、企業の付加価値創造活動の支援に貢献していくことを目指しております。
当社は利用者同士で質問・回答を寄せ合うウェブサイト「人力検索サイトはてな」を皮切りに、「はてなブログ」や「はてなブックマーク」といったUGC(User Generated Content)サービス(注1)を自社開発し運営しております。
当社の事業の中核となるUGCサービス「はてな」は、当社の運営するインターネットサービス上で会員登録を行ったユーザーとなる個人(以下「登録ユーザー」といいます。)が投稿した文章や画像、映像などのコンテンツを登録ユーザー以外のユーザーも閲覧することができるサービス群です。興味・関心を共にするユーザーが集まるコミュニティを形成することで、他のSNS(注2)との差別化が図られております。
主要なUGCサービス一覧は下記のとおりであります。
サービス名称 |
サービス機能 |
機能の概要 |
はてなブックマーク |
総務省「情報通信白書 平成27年版」で代表例に挙げられた、ソーシャルブックマークサービス |
任意のウェブページを登録できるオンラインブックマークサービス。他の登録ユーザーとブックマークを共有することで有益な情報源とすることができる。
|
はてなブログ |
無料で開設可能、有料で広告を非表示にできるブログサービス |
ブラウザやスマートフォンアプリから投稿・編集ができるブログサービス。平成15年に提供開始した国産ブログサービス「はてなダイアリー」の後継。
|
はてなフォトライフ |
写真・動画共有サービス |
一定容量まで無料で利用可能な写真・動画共有サービス。はてなブログの記事に利用する画像のストックとしてもスムーズに連携して使用できる。
|
人力検索はてな |
利用者同士で質問・回答を寄せ合うQ&Aサービス |
登録ユーザーが投稿した質問に対して他の登録ユーザーが回答を投稿できるサービス。回答は全てのユーザーが閲覧できる。
|
当社は投稿や閲覧のための便利な機能の提供や、登録ユーザー間で交流が促進するようなコミュニティ機能の提供等により、サイトの活性化、登録ユーザー数及びユニークユーザー数(注3)の増加を図っております。
直近3年間の、UGCサービスの登録ユーザー数並びに主要サービスの月間ユニークユーザー数推移は下記のとおりです。
年月 |
平成25年7月 |
平成26年7月 |
平成27年7月 |
登録ユーザー数 [万人] |
363 |
400 |
450 |
月間ユニークユーザー数 [万人] |
2,200 |
3,500 |
5,400 |
当社の事業は「UGCサービス事業」の単一セグメントでありますが、狭義のUGCである「コンテンツプラットフォームサービス」の他に、企業向けに「コンテンツマーケティングサービス」及び「テクノロジーソリューションサービス」を展開しています。当社はコンテンツプラットフォームサービスのシステムや利用ユーザー、保有技術や10年以上に渡る運営ノウハウなどを他のサービスに活用することで、シナジー効果を得ています。
各サービスの内容は以下のとおりであります。
(1)コンテンツマーケティングサービス
コンテンツマーケティングとは、顧客の新規獲得や関係性維持のために、メディアやコンテンツを作成したり共有したりするマーケティング手法のことです。インターネット上におけるコンテンツマーケティングは主に、動画・画像・テキストなどのコンテンツを提供したり活用したりするマーケティング手法のことを指します。インターネット及びソーシャルメディア(注4)の普及によって、テレビCMや新聞・雑誌広告を通じて情報を得る時代から、ソーシャルメディアやUGCサービスでの話題に注目したり、気になったモノを検索したりして情報を得ることも並行して行われる時代に変化しています。広告主にとっては「見つけて貰う」ためのマーケティング活動が非常に重要になってきております。具体的には、顧客との関係を構築するために企業が自らウェブサイトを所有し(「オウンドメディア」と呼ばれます)、コンテンツを発信し、検索で発見されたりソーシャルメディアで拡散されたりするための活動です。
当社は、UGCサービス開発・運用及びユーザー行動に関する深い知見を活かし、コンテンツマーケティングサービスとして、クライアント企業がオウンドメディアを構築・運用する際に、コンテンツを管理するシステムの提供やコンテンツ自体の企画・制作、読者の誘導を支援しております。サービス内容としては、下記のとおりであります。
a. 「はてなブログMedia」サービス
「はてなブログMedia」サービスとは、オウンドメディアを所有したい企業向けに記事コンテンツの管理やSEO対策(検索エンジン最適化対策)が手軽にできるCMS(Content Management System:コンテンツ管理システム)です。具体的には、当社の「はてなブログ」や写真共有サービス「はてなフォトライフ」のシステムを利用して、当社にてクライアント企業のコンテンツデータをホスティング(注5)して管理するものであります。「はてなブログ」システムを利用したSaaS(注6)型提供であるため、アクセス負荷対策や脆弱性対策といったシステム管理に頭を悩ませることなく、コンテンツ作りに専念できると好評です。当社は、ホスティングする各クライアントのオウンドメディアに対してコンテンツ企画・編成支援なども実施しており、「はてなブログ」を利用するブロガーに寄稿を斡旋するなど、独自性の高いサービスも提供しております。当社は、「はてなブログMedia」ライセンスフィー・運用料、カスタマイズ開発料及びコンテンツ企画・支援料等を受け取っております。
b. 広告サービス
当社は、「はてなブログMedia」サービス利用顧客や他のクライアント企業(広告主)のコンテンツや商品等を当社UGCサービスのユーザー向けに告知するための、広告サービスを提供しております。広告代理店やメディアレップ(注7)による間接販売にて提供することもあります。広告サービスは以下のような構成で売上高に計上しております。
① ネイティブ広告
クライアント企業(広告主)が自社サイトのコンテンツや記事を持っておりその読者を増やしたい場合、当社UGCサービスと親和性の高いページから、ページ内コンテンツと同じデザインの誘導枠を利用して告知することができる広告商品です。広告であることを明示しながらも、媒体になじんだ適切な情報配置を行うことができる(“ネイティブ”)ことが特徴で、ネイティブ広告と分類されております。当社は、広告掲載期間やインプレッション数(注8)、広告掲載サイズなどに応じて、広告掲載料を受け取っております。
② タイアップ広告
クライアント企業(広告主)が告知したい商品やサービスを取材して記事コンテンツを制作します。登録ユーザーに効果的に伝達しUGCサービスを介して適切にソーシャルメディアに情報拡散されるよう、独自企画を用意するプレミアムな商品であります。当社は、広告掲載期間や制作費用等に応じて、広告掲載料を受け取っております。
③ 純広告
バナー広告・テキスト広告を中心とした広告商品です。ウェブサイト上の画像やテキストにリンクを張ることにより、画像やテキストをクリックするとクライアント企業(広告主)のウェブサイト等を表示するものであります。当社は、広告掲載場所、インプレッション数、広告掲載サイズ等に応じて、広告掲載料を受け取っております。
(2)コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスとは、当社が企画・開発・運営するUGCサービスであり、ユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・拡散することができるプラットフォームとして見立てたものであります。当社は、スマートフォンなどのデバイスの普及や進化に対応して、より便利で使いやすくコンテンツを発信しやすいような機能を開発して提供していくことで、登録ユーザーがより魅力的なコンテンツを発信・拡散することでより多くの読者を惹きつけ、それがさらに登録ユーザーにとってコンテンツ発信のモチベーションとなるように努めております。
当社は機能開発を進めて、登録ユーザーに、UGCサービス内で無料で使える機能の他に、利便性の高い機能を備えたサービス利用プランを有料で提供しております。また、クライアント企業(広告主)がUGCサービスの読者に商品やサービスを告知することができるようにしております。当社は以下のような構成で収入として売上高に計上しております。
a. 課金収入
当社で提供するUGCサービスは全て無料で利用できますが、各サービスにおいて登録ユーザー向けに、より利便性の高い上位プランを有料で提供しております。例えば、はてなブログでは有料プランのはてなブログPro(月額1,008円(税込))に加入すると、独自ドメインを利用したり当社指定のヘッダ・フッタ表示を外してページデザインの自由度を上げたりすることができます。
b. アフィリエイト広告収入
当社はUGCサービスを広告媒体として、アフィリエイト広告を提供しております。具体的には、読者がUGCサービス上に掲載するバナーをクリックすることで、ECサイト(注9)等に誘導し、商品購入に至った場合に当該ECサイト等より手数料収入を得る、成果報酬型の広告商品であります。
(3)テクノロジーソリューションサービス
当社は、テクノロジーソリューションサービスとして、UGCサービス企画・開発・運営にて培ってきたサービス開発力やITインフラ構築力、保有する大規模データとその分析力を活かして、クライアント企業のビジネスを支援するためにユーザーによるコンテンツ投稿を促すネットサービスの企画・開発・運用を受託したり、UGCサービスに蓄積してきた膨大なコンテンツに関する分析データを用いたりして、クライアント企業にソリューションを提供しております。サービス内容としては、下記のとおりであります。
a. 受託サービス
クライアント企業の要望に応じて、オウンドメディア構築のためのコンテンツマーケティングサービスとは別に、独自のネットサービスの企画・開発・運用を受託するサービスであります。当社は主にゲーム業界、出版業界などコンテンツ産業に属する企業にそのユーザー同士が文章や画像を投稿してゲームについてコミュニケーションしたり、自作の小説やマンガを投稿して他のユーザーや読者に見て貰ったりするようなネットサービスを企画・開発・運用するサービスを提供しております。
当社は、ユーザーによる投稿や閲覧行動をクライアント企業のビジネスに活かすサービスを構想し、実装に落とし込めるものとする企画力、拡張性のある設計を素早く実装できる開発力を有しております。また、サービスの規模が拡大しても表示速度を低下させず、かつ設備を無駄に使わずローコストな状態を保てるITインフラの設計・構築・運営力に強みを持っております。当社は、クライアント企業より受託開発料及び保守・運用料等を受け取っております。
b. ビッグデータサービス
ビッグデータサービスとは、当社が保有する大量のデータ、所謂ビッグデータを処理・分析し、クライアント企業に有用な情報を提供したり、データ量の推移を可視化できるツールを提供したりすることで、クライアント企業へソリューションをもたらすSaaS型のサービスです。当社が保有する大量のデータとは、UGCサービスに投稿されるコンテンツやその閲覧データ、またそれらUGCサービスを提供する中で収集する、サーバーなどの各種ハードウエア機器やアプリケーションソフトウエアの性能(パフォーマンス)データです。
現状では利用するデータと活用用途が異なる2種類のサービスを提供しております。
① アドテクノロジーサービス
アドテクノロジーとは、インターネット広告配信における配信技術や広告流通の技術のことを指します。アドテクノロジーによって、主に配信を請け負う事業者が、ウェブサイトやアプリの閲覧者の興味関心や行動情報を適切に統計処理し、閲覧者毎に最適なタイミングで最適な広告を配信することを担っています。
当社が行うアドテクノロジーサービスとは、UGCサービスに投稿されるコンテンツやその閲覧データを分析して広告配信に活用するサービスです。具体的には平成26年より、DSP(注10)と呼ばれる事業者を始めとするアドテクノロジー事業者に「BrandSafe はてな」というサービスの提供を開始しております。国内だけでも数千万を超える広告配信先サイトの中には、広告を掲載することで逆に企業のブランド毀損が発生するような違法サイト等が含まれていることがあります。これらのサイトを全て事前チェックすることは不可能ですが、当社は、UGCサービスの「はてなブックマーク」のスパム対策の運営経験から、ウェブサイトを分類して広告配信に不適切なサイトを高精度に判定できるアドベリフィケーションという技術を開発しました。(サービス名:「BrandSafe はてな」)。広告主は広告出稿時に「BrandSafe はてな」を付加利用することで、不適切なサイトでの広告買付を抑制でき、ブランドを毀損する可能性を低減することができます。
当社は、アドテクノロジー事業者より「BrandSafe はてな」の導入料、利用料等を受け取っております。
② クラウド支援サービス
ウェブサイトを運用するインフラとして、従来のデータセンターサービスに加えて、Amazon Web Servicesなどのクラウドサービスがこの数年で急速に普及しております。初期費用を抑えられ、またアクセスの負荷状況にあわせて容量を短期間で増設できることを利点と捉え、特にウェブ業界においてクラウドサービスを採用する会社が増えてきています。当社は、このクラウドサービスにて稼働するサーバーやアプリケーションサービスをSaaS型で監視する「Mackerel(マカレル)」をクラウド支援サービスとして、平成26年より提供しております。「Mackerel(マカレル)」では、サーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を、異なるクラウドサービスやデータセンターサービスであっても統一的に監視することができます。また、大規模サービスであるUGCサービスの監視・運用経験を踏まえ、監視専用に多機能かつ洗練された見やすい管理画面を備えており、監視業務品質の向上に役立てることができます。一定の条件下(例えば、対象とするサーバー数の制限)では無料で利用可能なようにしてあり、ウェブサイト管理者が試しやすく使い始めやすいようなサービス形態としております。
当社は、ウェブサイト管理者より、主にサーバー数に応じた利用料、カスタマイズ導入料等を受け取っております。
以上より、当社の収入についてまとめると下記のとおりとなります。
事業 |
サービス |
収入 |
対象 |
収入概要 |
UGCサービス事業 |
コンテンツマーケティングサービス |
受託収入 |
法人 |
「はてなブログMedia」ライセンスフィー・運用料、カスタマイズ開発料及びコンテンツ企画・支援料等
|
広告収入 |
法人 (広告主) |
広告商品(ネイティブ広告、タイアップ広告、純広告)の広告掲載料
|
||
コンテンツプラットフォームサービス |
課金収入 |
個人 (ユーザー) |
有料プラン(利便性の高い上位プラン)の月額利用料
|
|
アフィリエイト広告収入 |
法人 (広告主) |
アフィリエイト広告商品の広告掲載料等
|
||
テクノロジーソリューションサービス |
受託収入 |
法人 |
受託開発料及び保守・運用料等
|
|
ビッグデータサービス収入 |
法人 (アドテクノロジー事業者) |
アドベリフィケーションサービス「BrandSafe はてな」の導入料、利用料等 |
||
法人 (ウェブサイト管理者) |
サーバーやアプリケーションサービスを監視・管理できるサービス「Mackerel」の利用料(サーバー数に応じた利用料、カスタマイズ導入料等)
|
文中における用語の説明は(注)1~10のとおりであります。
(注)1. UGC(User Generated Content)サービス
インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツを発信することができる場を提供するサービスであります。ブログサービスの他、クチコミサイトやSNS、動画共有サービスなどがあります。
2. SNS
ソーシャルネットワーキングサービスの略称であり、インターネット上において、人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のウェブサイトのことであります。
3. ユニークユーザー数
ウェブサイトを一定期間内に訪問した人の数で、延べ訪問数から重複を除いたものであります。
4. ソーシャルメディア
インターネット上において誰もが参加でき、情報発信が出来るメディアであります。UGCサービスの中でも他の人との交流に重きを置いており、交流を通じて広がっていくように設計されています。
5. ホスティング
インターネットサービス提供者が、自社で管理する設備に設置された情報発信用のコンピュータ(サーバー)及びそのアプリケーションソフトウエアの機能を、遠隔から顧客に利用させるサービスのことであります。
6. SaaS
Software as a Serviceの略称で、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウエア(主にアプリケーションソフトウエア)もしくはその提供形態のことであります。
7. メディアレップ
インターネット広告の一次代理店。広告代理店を二次代理店として媒体社の広告商品を販売する事業者であります。
8. インプレッション数
ウェブサイト等に掲載された広告が表示された回数のことであります。
9. ECサイト
電子商取引(eコマース)を行うウェブサイトのことであります。
10. DSP
Demand Side Platformの略称で、広告主側から見た広告効率の最大化を支援するシステムです。広告主や広告代理店がSSP等を対象に、ユーザーの1視聴毎に広告枠に関してリアルタイムに最適な自動入札取引・広告配信を行うシステムを提供するプラットフォームであります。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
子会社1社(Hatena Inc.)を有しておりますが、持分法非適用の非連結会社であるため、記載しておりません。なお、同社は現在清算手続中であります。
(1)提出会社の状況
平成27年12月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
89(23) |
31.9 |
3.2 |
5,075,416 |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.当社は、UGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.最近日までの1年間において従業員が24名増加しております。主な理由は業容の拡大に伴い、期中採用が増加したことによるものであります。
(2)労働組合の状況
当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は安定しております。