第二部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第2期

第3期

決算年月

平成27年7月

平成28年7月

売上高

(千円)

3,704,817

3,755,019

経常利益

(千円)

62,098

173,895

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

37,373

144,263

包括利益

(千円)

35,433

151,377

純資産額

(千円)

707,841

854,607

総資産額

(千円)

1,977,583

1,893,851

1株当たり純資産額

(円)

670.71

814.65

1株当たり当期純利益
金額

(円)

35.90

138.58

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

自己資本比率

(%)

35.3

44.8

自己資本利益率

(%)

5.5

18.7

株価収益率

(倍)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

125,770

18,478

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

3,556

32,437

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

119,877

111,562

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,155,292

1,023,632

従業員数

(人)

604

617 

〔外、平均臨時
雇用者数〕

―〕

―〕

 

(注) 1.当社は第2期より連結財務諸表を作成しております。

2.売上高には、消費税等は含まれておりません。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権は存在するものの、当社株式は非上場で
あり期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

4.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

5.平均臨時雇用者数については、臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

6.第2期及び第3期の連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。

7.平成29年2月15日開催の取締役会決議により、平成29年3月10日付で普通株式1株につき200株の株式分割を行っておりますが、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第1期

第2期

第3期

決算年月

平成26年7月

平成27年7月

平成28年7月

営業収入

(千円)

232,348

243,909

360,916

経常利益

(千円)

86,310

43,842

189,881

当期純利益
又は当期純損失(△)

(千円)

20,044

43,356

154,513

資本金

(千円)

70,500

70,500

70,500

発行済株式総数

(株)

5,205

5,205

5,205

純資産額

(千円)

802,596

757,678

910,631

総資産額

(千円)

1,361,894

1,364,052

1,393,399

1株当たり純資産額

(円)

154,197.22

727.84

874.77

1株当たり配当額

(円)

300.00

300.00

300.00

(1株当たり
中間配当額)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益
金額又は当期純損失
金額(△)

(円)

3,851.06

41.65

148.43

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

自己資本比率

(%)

58.9

55.5

65.4

自己資本利益率

(%)

2.5

18.5

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

7.8

1.0

従業員数

(人)

17

22

19

〔外、平均臨時
雇用者数〕

2

2

2

 

(注) 1.営業収入には、消費税等は含まれておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

3.自己資本利益率及び配当性向については、前事業年度(第2期)においては、当期純損失を計上しているため、記載しておりません。

4.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

5.提出会社の経営指標等のうち第1期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づいた監査証明を受けておりません。

6.第2期及び第3期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。

7.平成29年2月15日開催の取締役会決議により、平成29年3月10日付で普通株式1株につき200株の株式分割を行っておりますが、第2期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額又は当期純損失金額を算定しております。

 

8.上記7.のとおり平成29年3月10日付で株式1株につき200株の株式分割を行っております。
そこで、東京証券取引所自主規制法人(現日本取引所自主規制法人)の引受担当者宛通知「『新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)』の作成上の留意点について」(平成24年8月21日付東証上審第133号)に基づき、第1期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の1株当たり指標の推移を参考までに掲げると、以下のとおりになります。
なお、第1期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

 

回次

第1期

第2期

第3期

決算年月

平成26年7月

平成27年7月

平成28年7月

1株当たり純資産額

(円)

770.99

727.84

874.77

1株当たり当期純利益
金額又は当期純損失
金額(△)

(円)

19.26

△41.65

148.43

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

1株当たり配当額

(円)

1.50

1.50

1.50

(1株当たり中間配当額)

(―)

(―)

(―)

 

 

 

※ (参考資料)

当社は平成25年8月1日の株式移転により㈱エスワイシステムの完全親会社として設立されました。参考として当社の株式移転完全子会社である㈱エスワイシステムの経営指標等は次のとおりであります。詳しくは、「2 沿革」に記載のグループの変遷を参照ください。

 

経営指標等

 

回次

第22期

第23期

決算年月

平成24年7月

平成25年7月

売上高

(千円)

2,880,153

2,581,256

経常利益

(千円)

105,456

152,110

当期純利益

(千円)

52,859

134,955

資本金

(千円)

70,500

70,500

発行済株式総数

(株)

5,205

5,205

純資産額

(千円)

647,975

782,342

総資産額

(千円)

1,483,103

1,685,089

1株当たり純資産額

(円)

124,491.06

150,305.97

1株当たり配当額

(円)

300.00

300.00

(1株当たり
中間配当額)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益
金額

(円)

10,155.45

25,928.14

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

自己資本比率

(%)

43.7

46.4

自己資本利益率

(%)

2.1

4.7

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

3.0

1.2

従業員数

(人)

266 

313 

〔外、平均臨時
雇用者数〕

〔―〕

〔―〕

 

(注) 1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

3.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

4.平均臨時雇用者数については、臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

5.経営指標等のうち第22期及び第23期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。

6.平成29年2月15日開催の当社取締役会決議により、当社は平成29年3月10日付で普通株式1株につき200株の株式分割を行っておりますが、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額は分割前の金額を記載しております。

 

2 【沿革】

当社グループの創業者である鈴木裕紀と安田鉄也は、平成3年1月名古屋市中区栄にソフトウェア開発会社として㈱エスワイシステムを設立いたしました。

その後、事業の拡大に伴い機動的な意思決定とコーポレート・ガバナンスの強化を目的として平成25年8月1日に㈱エスワイシステムの単独株式移転により、純粋持株会社として当社を設立致しました。

会社設立時から現在に至る主な変遷は、次のとおりであります。

 

年月

事項

平成25年8月

㈱エスワイシステム(連結子会社)の単独株式移転により当社設立

平成25年10月

㈱エスワイネクストを解散

平成25年11月

㈱総合システムリサーチ(連結子会社)の株式を取得し子会社化

平成26年10月

㈱アグリッド(連結子会社)を㈱グローバル・インフォメーション・テクノロジー(連結子会社)に商号変更

平成27年9月

㈱エスワイシステム(連結子会社)が運営する公共職業訓練校「エスワイ・ITカレッジ」でISO29990:2010認証取得

平成28年1月

㈱エスワイシステム(連結子会社)がハッピーネット㈱と事業譲受契約を締結し事業の一部譲受

平成28年12月

SYS Vietnam Co.,Ltd.(連結子会社)を解散決議(現在清算手続中)

平成29年3月

上海裕日軟件有限公司(連結子会社)及び西安裕日軟件有限公司(連結子会社)の全出資持分を売却

 

 

平成25年7月31日までの㈱エスワイシステムの沿革は以下のとおりであります。

 

年月

事項

平成3年1月

名古屋市中区栄に、㈱エスワイシステムを設立、ソフトウェア開発業務を開始

平成9年8月

名古屋市東区東片端に採用の多様化、顧客層拡大のために㈲エスネットワークを設立

平成10年3月

中国より技術研修社員の受け入れ開始

平成11年5月

陜西金葉西工大軟件有限公司(中国西安市)と業務提携

平成12年3月

派遣業務の開始に伴い、特定労働者派遣事業の届出

平成13年1月

派遣業務の拡大のため、一般労働者派遣事業の許可を受ける

平成14年1月

名古屋市東区東片端に、中国西安市の陜西金葉西工大軟件有限公司との関係強化のために同社と共同出資にて名西電脳㈲を設立

平成14年4月

東京都千代田区神田紺屋町に、東京事業所を開設

平成16年1月

当社との関係強化、中国国内での受注強化を目的として、中国上海市の上海裕日軟件有限公司(連結子会社)に出資し、子会社化

 

名西電脳㈲を解散

平成16年3月

大阪市北区豊崎に、大阪事業所を開設

平成16年12月

財団法人日本情報処理開発協会 プライバシーマーク認可

平成17年3月

本社を名古屋市東区代官町に移転

 

㈲エスネットワークを㈱エスワイネクストに組織変更

平成17年10月

ISO9001:2000,JIS Q 9001:2000 認証取得

平成18年3月

中国西安市に、当社グループの開発拠点として西安裕日軟件有限公司(連結子会社)を設立

平成22年4月

ISO27001:2005, JIS Q 27001:2006認証取得(㈱エスワイシステム、㈱エスワイネクスト全事業所)

平成23年2月

名古屋市東区に㈱SYI(連結子会社)を設立

平成23年8月

ベトナム・ハノイ市にSYS Vietnam Co.,Ltd.(連結子会社)を設立

平成24年4月

インドネシア・ブカシ市にPT.SYS INDONESIA(連結子会社)を設立

平成24年5月

㈱エス・ケイ(連結子会社)の株式を取得し、子会社化

平成25年7月

名古屋市東区に㈱アグリッド(連結子会社)を設立

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、純粋持株会社である当社、国内連結子会社5社、海外連結子会社1社の計7社で構成されており、システムの開発及びソリューション・サービス(注1)の提供を中核とする総合情報サービス事業を営んでおります。

純粋持株会社である当社は、グループ会社の経営管理、事務受託等を行っております。

当社グループは、「私達は、グローバルな情報技術で、情報社会に沢山の笑顔を創ります!」というグループミッションを実現するため、社会生活や企業の競争力維持に不可欠な存在となり、新しい技術とサービスにより社会に新たな体験をもたらしてきた情報技術を通じて健全な社会の発展に貢献するため、IT人材の創出・育成から顧客の企業価値を向上させるソフトウェア投資のサイクルを支える提案・コンサルティング、情報インフラ構築・情報システムの開発、保守・運用、製品販売等のサービスを単一のグループ企業内で一貫して提供する「総合情報サービス」を事業領域としております。

企業や官公庁の大規模なソフトウェア投資では、単独の企業が開発、保守等を行うことは少なく、当社グループでもエンドユーザーに直接サービスを提供するものと、ユーザー系情報子会社(注2)、大手SIer(注3)、販売代理店等を通じてサービスを提供するものがあります。

また、技術領域としては、ビジネス・システム、エンベデット・システム、ITインフラ構築(サーバーチューニング、データベース・チューニング、サーバー仮想化、セキュリティ)、クラウド、ビッグデータ処理・解析、AR(拡張現実)、VR(バーチャルリアリティ)等でのソリューション提供実績があります。

 

(1) 事業内容

当社グループは総合情報サービス事業の単一セグメントでありますが、「グローバル製造業ソリューション」、「社会情報インフラ・ソリューション」、「モバイル・ソリューション」以下の3つのソリューションに区分されます。

① グローバル製造業ソリューション

製造業においては、製品や部品へのソフトウェアの組込みによる機能の追加や性能向上による差別化と生産管理、品質管理、調達管理、物流管理等の効率化のために情報技術が活用されており、安定してソフトウェア投資が行われております。

当社グループでは、海外市場を販路として成長を遂げている製造業企業をターゲットとしており、主に、自動車、重工業、工作機械、鉄鋼、搬送機等の関連企業を主要顧客として総合情報サービスを提供しております。

自動車関連顧客については、燃費・環境保全への対応のため、需要が高まっている車載ECU(電子制御ユニット)関連の開発や検証等を行っています。

また、当社グループが中国や東南アジア等で日系企業や現地企業等と取引を行う中で得たノウハウや海外重要提携先(上海裕日軟件有限公司及び西安裕日軟件有限公司)を活かした提案を行っており、当社連結子会社のPT.SYS INDONESIAでは、オートマチック・トランスミッションの検証業務を行っております。

 

② 社会情報インフラ・ソリューション

電力、金融等の社会を支えるインフラによるサービスや近年発展したインターネットやデーターセンター等の情報インフラを利用したサービスを当社グループでは「社会情報インフラ」と呼んでおり、それらのサービスを提供する企業は、情報技術を提供するサービスの基盤としていることから、競争力維持のために継続的にソフトウェア投資が行われています。

当社グループでは、電力・ガス等のエネルギー、生命保険・クレジットカード、リース・証券等の金融、印刷帳票、鉄道、不動産関連の企業や官公庁・自治体等を主要顧客として、基幹システムの開発やITインフラの構築、運用等の総合情報サービスの提供を行っております。
 ビッグデータ処理・解析等のサービスもこのソリューションで提供しており、当社グループが中国や東南アジア等で日系企業や現地企業等と取引を行う中で得たノウハウや海外重要提携先(上海裕日軟件有限公司及び西安裕日軟件有限公司)を活かした海外への定量発注によるコストダウン提案等も行っております。

 

 

③ モバイル・ソリューション

スマートフォンやモバイル端末の普及により、モバイル・アプリケーションでのサービスは、個人の生活に不可欠な存在となっておりますが、当社グループでは、今後の成長が期待される法人向けのモバイル・アプリケーション等によるサービスを提供しており、流通グループ、訪問介護、鉄道、医療、ロードサービス等の業種をエンドユーザーにしています。

連結子会社の㈱エス・ケイでは、「価値ある便利をもっと身近に。成功へと導く、新しいビジネスソリューション。」をコーポレート・ステートメントとして、下記の製品を通信キャリア等の販売代理店や当社グループを通じて、販売しております。

イ.FieldPlus®

FieldPlus®は、専用の管理画面で登録された報告シートへの入力や撮影写真、勤怠情報をスマートデバイスから送信できる、ユーザーカスタマイズ型業務報告システムです。

スマートデバイスから入力・送信した内容は専用の管理画面でリアルタイムに一元的に管理できるため、外勤スタッフと、内勤スタッフのスマートな情報連携を実現します。

訪問介護業界向けのカスタマイズも行っており訪問介護員と内勤スタッフとの情報連携に活用されています。

 

ロ.iContact Office

iContact Officeは、企業・グループ内で同じ電話帳データを共有できるマルチデバイス対応のクラウド型のWeb電話帳共有サービスで、個人のモバイル端末に個人情報を保存しないため、セキュリティ対策を行うことができます。

 

ハ.マップP+Powerd by NAVITIME®(注4)

マップP+Powerd by NAVITIME®は、従業員が持つモバイル端末の現在地や作業ステータスがわかる企業向けGPS位置情報管理システムで、管理画面からモバイル端末の通知した位置情報を地図上にマッピングしたり、作業ステータスやコメントの確認ができます。通知用のアプリケーションは他の操作中でもバックグラウンドで位置情報の通知ができるため、報告ユーザーのメイン業務を妨げない位置情報の報告・収集が可能です。

 

ニ.Quick Safety®

Quick Safety®は、専用の管理画面で登録した複数のユーザーに対して、メール・SMS(ショート・メッセージ・サービス)を一斉配信できるサービスです。

通常の配信はもちろんのこと、地震情報の自動配信機能やデータ集計機能、配信到達チェックなど多くのサポート機能を実装し、BCP(事業継続計画)の緊急連絡手段から日常の連絡ツールまで幅広い用途で活用できます。

 

(2) 事業の特徴

① IT人材創出

社会に不可欠になったソフトウェア投資、保守・運用の需要に対して、わが国における少子高齢化等によりIT人材は慢性的に不足しており、企業が必要な時期に必要なソフトウェア投資を行う需要に応え、社会と顧客と当社グループが継続的に発展するために、当社グループでは、IT人材創出を事業の基幹部分ととらえており主要な特徴としては、下記3点があります。

 

 

イ.業界未経験者からのIT人材の創出

当社グループでは、IT業界未経験者の採用に力を入れており、連結子会社である㈱エスワイシステムでは、技術職については未経験採用のみを行っております。

小学校、中学校及び高校の職場体験や、大学、専門学校からのインターンシップにより毎年多数の学生を受け入れることで若年層への情報サービス産業への関心を高めて頂いており、インターンシップを通じてできた学校と学生との関係から、就活ナビサイトに頼ることのない新卒採用を行っております。

未経験採用・教育については、平成17年6月以降、自治体よりの職業訓練の受託(エスワイ・ITカレッジ等)により未経験者から多くのIT人材を創出しており、その訓練生や社会人インターンシップ等で当社グループに関心を持った人材や職業訓練後の就職先で当社グループを希望した人材の中から当社グループの事業の源泉となるIT人材を、正社員を前提として採用しております。また、当社グループの長年の採用ノウハウにより、当社グループで活躍する可能性が高い未経験者を採用しております。

また、未経験採用であることから、社員研修には非常に力を入れています。業界で最高位の研修を目指し、OffJTとOJTを組み合わせた階層別研修(注5)を行っています。さらに、同じく未経験から成長したIT人材である先輩従業員が当社グループのカリキュラムによる教育と業務登用後のフォローを行っております。
 当社グループでは、上記の方法により、人材難といわれる情報サービス産業において、多くの未経験者採用を行い、早期に実践登用出来る教育で投資コストを早期に回収しております。

また、情報サービス業は、事業の構造上、IT人材ごとに作業現場が異なることが多いことから、当社グループの企業文化である従業員主導で運営する月1回の全体会議や、委員会活動、勉強会、部活・同好会活動、社員旅行等の活動や、当社グループのノウハウを活かして構築した360度の評価システム(注6)を通じて、未経験者のサポートと従業員満足度の向上を行い、退職によるIT人材の流出を防止しております。

 

ロ.女性IT人材の創出

当社グループでは、女性採用にも積極的に取り組んでいます。女性採用比率40%を目標とし、従業員が子供との時間を大切にできるようにするため、小学校入学始期に達するまでの子を養育する従業員を対象とした短時間勤務制度、中学校入学始期に達するまでの子を養育する従業員を対象とした「子の看護休暇制度」、子の学校行事に参加するための「ファミリーサポート休暇」制度を導入する等、産休・育休後に職場復帰を行いやすい環境作りに努めてまいりました。

また、当社は、平成27年3月に当社グループとして愛知県「女性の活躍促進宣言」(注7)に登録し、連結子会社である㈱エスワイシステムでは、平成27年1月に「名古屋市女性の活躍推進企業」(注8)に認定・表彰に続き、平成27年5月に大阪府「男女いきいき・元気宣言」(注9)事業者登録、平成28年7月に「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」(注10)登録、平成28年8月に「あいち女性輝きカンパニー」(注11)認証を受ける等、女性が活躍し働きやすい環境作りに努め、女性のIT人材の創出を行っております。

 

 

ハ.海外からのIT人材の創出

当社グループは、平成10年3月の中国人技術者受入以来、海外現地での事業活動や国内連結子会社へのIT人材の受け入れを通じて、海外のIT人材を活用してまいりました。

海外現地採用も行っており、日本語が話せない人材や、日本語は話せるもののIT業界が未経験の人材をターゲットとして採用活動を行い、中国、韓国、インドネシア、バングラデシュ、ネパール等で多数の採用実績があります。また、その全てを従業員として就労ビザで受け入れております。

長年の海外IT人材受け入れのノウハウを活かした教育モデルにより、中国では、現地で日本語、IT技術、日本の商習慣を学ぶ研修を行った後、日本で研修を受けながらOJTでIT技術と日本語を学ぶモデルを採用しております。

バングラデシュ現地採用では、就業しながら学べる日本語学校を開設しその中から日本での勤務を希望する成績優秀者を国内連結子会社で採用しております。

これらの手法により、グローバル化と多様な価値観に対応し、日本と海外の両方で活躍できるIT人材を創出しております。また、留学生等の日本で既に在住している外国人については、日本人と同様の選考基準で採用していることから、日本人と同様の待遇で採用・評価を行っております。

 

② チームサポート・モデル

当社グループでは、IT人材のチームによるソフトウェア投資の工程やサービスの請負の提案をしておりますが、IT人材の派遣のみを希望される企業においても、同一顧客内(別部署・別作業場所含む)で派遣されている当社グループのIT人材間で相互に情報を共有し、教育・フォローしあうことで、従来の技術者派遣より付加価値の高いサービスを提供しております。

また、大手企業での経験が豊富なPMO(注12)担当による顧客現場の巡回や、管理職、営業、役員との情報の共有により、トラブルの事前防止や顧客の現状に即した提案を行っております。

 

③ 双方向持ち帰りモデル

企業のソフトウェア投資を担う情報システム部門は、派遣でIT人材を受け入れることで、ソフトウェア投資のための体制を拡充させることが出来ますが、派遣で受け入れたIT人材の指揮命令は、情報システム部門が直接行わなければならないため、管理負担が重くなるデメリットがあります。
 このため、企業の情報システム部門は、競争力強化のためのコアな新規開発に集中したり、情報システム部門だけで管理しきれない大規模なソフトウェア投資を行うために、ソフトウェア投資の工程やサービスを請負契約による発注で行う場合があります。

当社グループでは、顧客と初めて取引を開始する際、当社グループのIT人材が派遣で顧客の現場に赴き、顧客の指示を受けながら顧客業界特有の商習慣やシステム投資・開発等に対する考え方を学びます。その後、当社グループのIT人材をさらに顧客現場に受け入れ、教育しながらチームとしての体制を整えます。チームとしての体制が出来たら、工程や作業単位で請負の発注を受けます。その後、体制の一部が当社グループ事業所へ請負案件を持ち帰り作業を行います。最後に、当社グループ事業所内で開発を行ったIT技術者が顧客現場で持ち帰ったシステム案件の導入を行い、運用・サポートを担当します。

このサイクルを行い、顧客現場と当社グループ事業所の両方に請負の体制を持つことで、顧客情報システム担当者は柔軟な発注が出来るようになり、企業の競争力強化のためのコアな新規開発に集中することが出来ます。

 

④ 定量発注モデル

企業のソフトウェア投資を担う情報システム部門は、企業の競争力維持のための新規情報システム開発投資に自社の人員を配置したいニーズがあり、既存情報システムの改良や運用・保守は慢性的に人手が不足しているといわれております。

当社グループでは、企業の情報システム部門の代わりに既存情報システムの改良や運用・保守を顧客予算に応じて毎月定量的に発注頂くモデルを、海外発注によるコスト削減も含めて提案し、採用されております。

 

 

(注) 1.ソリューション・サービスとは、顧客が抱える問題点を分析し、それを改善するために必要なソフトウェア開発やITインフラの構築、運用をセットにしたソフトウェア投資を提案することで問題点を解決するサービスを指し、当社グループでは継続的なソフトウェア投資・運用の為の体制も含めて提案するサービス。

2.ユーザー系情報子会社とは、大手企業の情報システム部門を分社化・移転して設立した会社。

3.SIerとは、システム・インテグレーションを行う企業で、情報システムの企画から構築、運用までに必要なサービスを一括して提供する。

4.「NAVITIME®」は、㈱ナビタイムジャパンの登録商標です。

5.階層別研修とは、勤続年数や役職に応じて全ての従業員が対象となる技術能力向上とヒューマンスキル向
上を目的とした当社グループの研修制度。

6.360度の評価システムとは、自己査定、上司評価、現場評価等、様々な角度の評価とその結果を、コーチング等でフィードバックし被評価者の成長につなげる当社グループの評価制度。

7.愛知県「女性の活躍促進宣言」とは、「あいち女性の活躍促進会議」で採択した「あいち女性の活躍促進行動宣言」の趣旨を踏まえ、女性の活躍促進に向けて取り組んでいく企業等が宣言を公開する制度。

8.「名古屋市女性の活躍推進企業」とは女性がいきいきと活躍できるような取組をしている企業を認定し、その中で特に優れた取組をしている企業を表彰する制度。

9.「男女いきいき・元気宣言」とは、大阪府が「女性の能力活用」や「仕事と家庭の両立支援」など、男性も女性もいきいきと働くことのできる取組みを進める意欲のある事業を登録する制度。

10.「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」とは、従業員が仕事と育児・介護・地域活動等と両立できるよう積極的に取り組む企業を登録する愛知県の制度。 

11.「あいち女性輝きカンパニー」とは、女性の活躍促進に向け、トップの意識表明や採用拡大、職域拡大、育成、管理職登用のほか、ワーク・ライフ・バランスの推進や働きながら育児・介護ができる環境づくりなどの取組を行っている企業等を愛知県が認証する制度。 

12.PMOとは、Project Management Officeの略で、個々のプロジェクト・マネジメントの支援を横断的に行
う構造・システム。

 

 

[事業系統図]

 


 

(注) 1.平成28年12月15日開催の取締役会で解散の方針が決議されております。

2.平成29年3月2日開催の取締役会で、上海裕日軟件有限公司及び西安裕日軟件有限公司の全出資持分の売却が決議され、平成29年3月10日付で全出資持分を売却しております。なお、平成29年2月16日付で当社グループと兼任していた役員は辞任し同社との役員の兼任は解消しております。

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権
の所有割合 (%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

㈱エスワイシステム
(注)3、4

名古屋市東区

70,500

グローバル製造業ソリューション、社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任
債務被保証
事務所の賃料受取
グループ経営に関する契約を締結しています。

㈱SYI
(注)3

名古屋市東区

9,500

グローバル製造業ソリューション、社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任
グループ経営に関する契約を締結しています。

㈱エス・ケイ
(注)3

東京都中央区

51,500

モバイル・ソリューション

100.0

役員の兼任
資金の貸付
事務所の賃料支払
グループ経営に関する契約を締結しています。

㈱グローバル・
インフォメーション・
テクノロジー
(注)3

名古屋市東区

15,000

グローバル製造業ソリューション、社会情報インフラ・ソリューション

100.0

[100.0]

役員の兼任
事務所の賃料受取
グループ経営に関する契約を締結しています。

㈱総合システムリサーチ
(注)3、5

名古屋市中村区

20,000

グローバル製造業ソリューション

100.0

役員の兼任
資金の貸付
債務保証
グループ経営に関する契約を締結しています。

上海裕日軟件有限公司
(注)3、6

中国
上海市

3,330

千人民元

グローバル製造業ソリューション

83.0

役員の兼任

西安裕日軟件有限公司
(注)3、6

中国
西安市

200

千米ドル

グローバル製造業ソリューション

88.9

[53.9]

役員の兼任

SYS Vietnam Co.,Ltd.
(注)3、7

ベトナム
ハノイ市

126

千米ドル

グローバル製造業ソリューション

94.6

[94.6]

役員の兼任

PT. SYS INDONESIA
(注)3

インドネシア
ジャカルタ市

300

千米ドル

グローバル製造業ソリューション

100.0

[51.0]

役員の兼任

 

(注) 1.子会社の議決権に対する所有割合欄の[ ]内は間接所有割合で内数となっております。

2.「主要な事業の内容」欄には、ソリューション区分の名称を記載しております。

3.特定子会社に該当しております。

4.㈱エスワイシステムについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報

(1) 売上高

2,635,475千円

 

(2) 経常利益

48,986千円

 

(3) 当期純利益

31,722千円

 

(4) 純資産額

562,080千円

 

(5) 総資産額

929,650千円

 

5.㈱総合システムリサーチについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報

(1) 売上高

598,279千円

 

(2) 経常利益

44,543千円

 

(3) 当期純利益

57,209千円

 

(4) 純資産額

39,132千円

 

(5) 総資産額

224,949千円

 

 

6.平成29年3月2日開催の取締役会で、上海裕日軟件有限公司及び西安裕日軟件有限公司の全出資持分の売却が決議され、平成29年3月10日付で全出資持分を売却しております。なお、平成29年2月16日付で当社グループと兼任していた役員は辞任し同社との役員の兼任は解消しております。

7.平成28年12月15日開催の取締役会で解散の方針が決議されております。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

平成29年 4月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

総合情報サービス事業

555

合計

555

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)を記載しております。なお、臨時従業員(嘱託社員、人材会社からの派遣社員を含む。)の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

2.前連結会計年度に比べて従業員数が62名減少しておりますが、主な理由は上海裕日軟件有限公司及び西安裕日軟件有限公司の全出資持分を売却したことにより連結の範囲から除外したためであります。

3.当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

平成29年 4月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

19〔3〕

33.0

7.5

3,798

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(嘱託社員、人材会社からの派遣社員を含む。)は、最近1年間の平均人員を〔 〕外数で記載しております。

2.平均勤続年数は、グループでの勤続年数を記載しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

      4.当社は持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループでは、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。